青木真也戦は、単純な打撃戦ではなかった。朝倉にとって最大の課題は、寝技のスペシャリストである青木の組み技と極めをどう攻略するかだった。
青木は試合開始直後から組みつき、テイクダウンや下からの三角絞めを狙った。さらにバックポジションを奪い、両足を相手の胴体に絡める4の字ロックから関節技を仕掛けるなど、得意分野に持ち込んだ。
朝倉はこうした危険な局面をしのぎ、ポジションを入れ替えることに成功。最後は上から強烈なグラウンドパンチを連続して打ち込み、レフェリーが試合を止めた。公式記録は1R2分39秒、TKO(レフェリーストップ:グラウンドパンチ)となっている。
勝敗を分けた3つのポイント1. 青木の寝技への対応: 三角絞めやバックポジションからの攻撃を許しながらも、決定的な一本を防いだ。
2. ポジションの奪い返し: 青木が優位に進めていたグラウンドの展開を切り返した。
3. パウンドによる決着: 上を取った後の連続攻撃でレフェリーストップを引き出した。
この勝利の価値は、単に青木に勝ったことだけではない。朝倉はこれまで打撃を武器として評価されてきたが、今回の試合では組み技への対応とグラウンドでの攻防も勝敗を左右した。
RIZIN公式の試合後インタビューでは、朝倉自身も青木の強さを想像以上だったと振り返っている。加えて、シェイドゥラエフには敗れたものの、クレベルと鈴木千裕に勝利してきたことを踏まえ、今後はライト級・フェザー級の両方で魅力的なカードに挑戦したいという意向を示した。
KO勝利とTKO勝利は何が違う?検索では「朝倉未来が青木真也をKOした」という表現も使われるが、公式記録の決着方法はTKOだ。
KOは選手がダウンして意識を失うなど、試合続行が不可能になった場合の決着を指す。一方、TKOはレフェリーやドクターが試合続行不能と判断して止める決着だ。
青木戦については、パウンドによってレフェリーが試合を止めたため、正確にはパウンドによるTKO勝利と表現するのが適切である。
【歴代戦績一覧】朝倉未来のRIZIN全19試合を時系列で整理

RIZIN公式選手プロフィールに掲載されている朝倉未来の戦績は、19戦14勝5敗。2018年のRIZIN参戦から2026年の青木真也戦まで、対戦相手と決着方法を並べると、キャリアの変化が見えてくる。
以下はRIZINでの19試合を古い順にまとめた一覧だ。判定勝利だけでなく、KO・TKOや一本負けなど、決着の違いにも注目したい。
出典:RIZIN公式選手プロフィール、MニュースのMMA戦績データベース、各大会の公式試合結果。決着時間を省略した試合はラウンド・判定形式を記載。
RIZIN戦績14勝5敗から読み取れる特徴19試合の内訳を見ると、朝倉はKO・TKOだけでなく判定でも勝利を重ねている。特に2018年から2020年にかけては、打撃を中心に試合を組み立てながら、連続して勝ち星を積み重ねた。
一方、敗戦にはクレベル・コイケやヴガール・ケラモフとの試合に代表される寝技の脅威、平本蓮戦のような打撃による早期決着、そしてシェイドゥラエフの圧力など、異なる課題が表れている。
2025年に鈴木千裕、クレベル・コイケを連破したことは、朝倉が再び上位戦線に戻るうえで大きな意味を持った。その後のシェイドゥラエフ戦では敗れたものの、青木戦で勝利を挙げ、再び存在感を示している。
【注目カードを比較】シェイドゥラエフ・クレベル・平本蓮との勝敗
朝倉未来の近年の戦績を理解するうえで、特に重要なのがシェイドゥラエフ、クレベル、平本蓮、鈴木千裕の4人との対戦だ。それぞれの結果は、朝倉の競技面での課題と成長を考える材料になる。
ラジャブアリ・シェイドゥラエフ戦:2025年大晦日の敗北2025年12月31日、朝倉はRIZINフェザー級王者ラジャブアリ・シェイドゥラエフと対戦した。フェザー級タイトルマッチとして行われたこの試合は、シェイドゥラエフが1R2分54秒、グラウンドパンチによるTKO勝ちを収めた。
シェイドゥラエフは強烈な組みの圧力とグラウンドでの攻撃を武器とする選手だ。朝倉にとっては、単純な打撃の技術だけでは攻略できない世界トップクラスの相手との試合だった。
2026年9月の青木戦で寝技への対応を見せたことからも、シェイドゥラエフ戦の敗北を経て、グラウンド技術が朝倉の今後を左右するテーマになっていることが分かる。
クレベル・コイケ戦:2021年の敗北から2025年のリベンジへクレベルとの対戦は、朝倉のキャリアを語るうえで外せない因縁のカードだ。
2021年6月13日の初対決では、クレベルが2R1分51秒、三角絞めによる一本勝ちを収めた。朝倉にとって寝技の脅威を強く印象づけられた敗戦だった。
しかし、2025年7月27日の再戦では展開が変わる。朝倉が3Rの判定2-1で勝利し、約4年越しのリベンジを果たした。2025年の主要な勝利の一つであり、青木戦にもつながるグラウンド対応の進化を考えるうえで重要な試合となった。
平本蓮戦:2024年7月の1R TKO負け平本蓮との一戦は、2024年7月28日の「超RIZIN.3」で実現した。両者の対戦は長く注目を集めていたが、結果は平本の1R2分18秒、グラウンドパンチによるTKO勝利だった。
この敗北は朝倉にとって大きな転換点となった。試合後には引退を表明したものの、その後、競技生活を続ける方向に転じ、2025年の鈴木千裕戦で復帰を果たした。
なお、平本は2026年9月10日の超RIZIN.5でも試合に出場し、カルシャガ・ダウトベックに判定1-2で勝利している。朝倉との再戦が実現するかどうかは、今後の両者の動向に左右される。
鈴木千裕戦:2025年5月のTKO勝利2025年5月4日の「RIZIN男祭り」では、鈴木千裕と対戦。朝倉は3R1分56秒、ドクターストップによるTKOで勝利した。
この勝利は平本戦からの再起を示す結果だった。鈴木は打撃を武器とする元RIZINフェザー級王者であり、朝倉にとっては競技面での復活を証明する意味合いも大きかった。
その後、クレベルにも勝利したことで、朝倉は2025年のフェザー級上位戦線で再び注目を集める存在となった。
【関係性を整理】朝倉未来と歴代ライバル・主要対戦相手の位置づけ
朝倉未来の試合結果を理解するには、対戦相手を単なる勝敗の記録として見るだけでなく、それぞれがどのようなタイプの選手で、キャリアのどの段階に影響したのかを整理することも大切だ。
| 関係する選手 | 主な特徴 | 朝倉との対戦結果 | キャリア上の意味 |
|---|---|---|---|
| 青木真也 | 寝技・関節技の名手 | 2026年、朝倉がTKO勝利 | グラウンド対応の成長を示した |
| ラジャブアリ・シェイドゥラエフ | 組み・グラウンド攻撃に優れた王者 | 2025年、朝倉がTKO負け | 世界トップ級との実力差を測る試合 |
| クレベル・コイケ | 柔術・一本勝ちが武器 | 2021年は敗北、2025年は勝利 | リベンジと技術的成長の象徴 |
| 平本蓮 | 打撃を得意とするファイター | 2024年、朝倉がTKO負け | キャリアの大きな転換点 |
| 鈴木千裕 | 攻撃的な打撃スタイル | 2025年、朝倉がTKO勝利 | 復帰後の重要な勝利 |
| ヴガール・ケラモフ | 組み・サブミッションが強み | 2023年、朝倉が一本負け | フェザー級王座戦での課題 |
| ルイス・グスタボ | 強打を持つライト級ファイター | 2019年、朝倉が判定勝利 | 2026年大晦日に再戦予定 |
この対戦関係から分かるのは、朝倉のキャリアが特定のスタイルだけで評価できないという点だ。打撃戦では高い攻撃力を見せる一方、寝技を得意とする相手には厳しい局面も経験してきた。
また、同じ相手との再戦で結果が変わったクレベル戦は、単純な勝率では見えない選手の成長を示す事例だ。2026年の青木戦も、異なるタイプの寝技師に対して対応力を示した試合として位置づけられる。
【プロの結論】朝倉未来の強さは何が変わった?2026年の評価ポイント
朝倉未来のRIZINでのキャリアを分析すると、評価すべきなのは勝利数だけではない。どのような相手に、どのような決着で勝ち、敗戦後にどの部分を修正してきたかという過程だ。
1. 打撃中心の選手から総合力を問われる段階へ朝倉の大きな武器は、距離感やカウンターを生かした打撃だ。過去のKO・TKO勝利には、その攻撃力がはっきり表れている。
しかし、ケラモフやシェイドゥラエフとの試合では、組み技やグラウンドの攻防が勝敗を左右した。2026年の青木戦では、その課題に対して一定の成果を示したことが注目される。
2. 再起戦の勝利だけで評価を決めない青木戦でのTKO勝利は大きな成果だが、対戦相手のタイプや試合条件も考慮する必要がある。青木は寝技の実績を持つベテランであり、朝倉は71kg契約で対戦した。
一方、シェイドゥラエフはフェザー級のトップ王者で、タイトルを懸けた試合だった。両者との勝敗を単純に比較するのではなく、階級・ルール・相手の得意分野を踏まえることが、競技者としての実力を理解する近道になる。
3. 次戦グスタボ戦は打撃の真価を測るカード2026年大晦日のルイス・グスタボ戦は、朝倉の打撃能力を再び評価するうえで興味深いカードだ。
両者は2019年のRIZIN.15で対戦し、朝倉が判定3-0で勝利した。当時の朝倉は打撃の攻防でグスタボと渡り合い、最後まで試合を優位に進めた。
今回の再戦では、グスタボがライト級王者として臨む。朝倉が前回の勝利を再現できるのか、それともグスタボが成長した姿を見せるのかが焦点となる。
加えて、タイトルマッチとして開催するかどうかも注目点だ。朝倉はタイトルを懸けない試合を希望しており、グスタボは王座戦を望んでいる。大会の正式なルール・タイトル条件については、RIZINの追加発表が判断材料になる。
【よくある質問】朝倉未来のRIZIN試合結果に関するFAQ
Q1:朝倉未来の最新のRIZIN試合結果は?
A1:2026年9月10日の青木真也戦で勝利した。1R2分39秒、グラウンドパンチによるTKO決着だった。
Q2:朝倉未来のRIZIN戦績は何勝何敗?
A2:RIZIN公式選手プロフィールでは19戦14勝5敗と掲載されている。これはRIZINでの戦績であり、プロMMA全体の通算成績とは区別される。
Q3:朝倉未来は青木真也にKO勝ちした?
A3:パウンドによって勝利したが、公式記録の決着方法はTKO。1R2分39秒にレフェリーストップとなった。
Q4:朝倉未来とシェイドゥラエフの試合結果は?
A4:2025年12月31日のフェザー級タイトルマッチで、朝倉が1R2分54秒、グラウンドパンチによるTKO負けを喫した。
Q5:朝倉未来はクレベル・コイケに勝った?
A5:2021年の初対戦では三角絞めによる一本負けだったが、2025年7月27日の再戦では判定2-1で勝利し、リベンジを果たした。
Q6:朝倉未来と平本蓮の試合結果は?
A6:2024年7月28日の超RIZIN.3で対戦し、朝倉が1R2分18秒、グラウンドパンチによるTKO負けを喫した。
Q7:朝倉未来の次戦はいつ?相手は誰?
A7:2026年12月31日の「超RIZIN.6」でルイス・グスタボとの再戦が発表されている。会場はバンテリンドーム ナゴヤ。71kg契約の5分3Rで、タイトルマッチにするかどうかは11月3日の発表時点で協議中だ。
朝倉未来のRIZIN戦績は、公式プロフィールで19戦14勝5敗。2026年9月10日の青木真也戦では、1R2分39秒にパウンドによるTKO勝利を収め、再起を印象づけた。
これまでのキャリアでは、クレベル・コイケへのリベンジや鈴木千裕戦の勝利、平本蓮戦やシェイドゥラエフ戦での敗北など、さまざまな結果を経験している。特に寝技への対応は、朝倉の競技人生を読み解く重要なテーマだ。
そして2026年11月3日には、大晦日のルイス・グスタボ戦が発表された。2019年に判定勝ちした相手との再戦であり、ライト級での実力を改めて証明する機会になる。
今後の朝倉未来を追う際は、次の3点を確認したい。
- グスタボ戦がタイトルマッチとして正式決定するか。
- 青木戦で見せたグラウンド対応を、強打を持つライト級の相手にも発揮できるか。
- フェザー級とライト級のどちらを主戦場としていくのか。
青木戦の勝利は、朝倉未来のキャリアにおける新たな節目となった。次のグスタボ戦でどのようなパフォーマンスを見せるのか。2026年の大晦日は、今後の評価を左右する重要な一戦になりそうだ。
主な情報源:RIZIN FIGHTING FEDERATION公式サイト・公式選手プロフィール・公式大会結果・公式試合後インタビュー、MニュースMMA選手名鑑、日刊スポーツ、ゴング格闘技、eFight、ORICON NEWS。