NHK紅白歌合戦の視聴率は、1963年に記録した81.4%を頂点に、長期的な低下傾向をたどってきました。一方、2025年12月31日に放送された第76回は、第2部の平均世帯視聴率が35.2%となり、前年の32.7%から2.5ポイント上昇。2022年以来、3年ぶりに35%台を回復しました。
2026年11月3日現在、2026年の第77回はまだ放送されていないため、最新の確定実績は2025年の第76回です。ビデオリサーチ調べの関東地区データを中心に、歴代最高・最低視聴率、世帯視聴率と個人視聴率の違い、第1部と第2部の比較、長期的な視聴率低下の理由、そして2025年の回復をもたらした番組構成まで詳しく検証します。
【2026年最新】紅白歌合戦の視聴率は2025年第76回の35.2%

2025年12月31日に放送された第76回NHK紅白歌合戦は、前年から視聴率を伸ばしました。
ビデオリサーチが公表した関東地区の平均世帯視聴率は、第1部が30.8%、第2部が35.2%です。第2部は2024年の32.7%から2.5ポイント上昇し、2023年の31.9%と比較すると3.3ポイントの回復となりました。
個人視聴率も同様に上昇しています。第1部は23.2%、第2部は26.4%で、2024年の21.1%、23.4%をそれぞれ上回りました。
2024年と2025年の視聴率比較直近2年間の数値を比較すると、2025年は世帯・個人の両方で改善したことが分かります。
- 2024年第1部:世帯29.0%・個人21.1%
- 2025年第1部:世帯30.8%・個人23.2%
- 2024年第2部:世帯32.7%・個人23.4%
- 2025年第2部:世帯35.2%・個人26.4%
特に注目したいのは、第2部の35.2%です。2023年の31.9%から2年連続で上昇し、2022年の35.3%にわずか0.1ポイント差まで迫りました。
ただし、2018年の41.5%や2020年の40.3%には届いていません。短期的な回復は確認できますが、かつての40%台を安定して記録していた時代に戻ったわけではありません。
なお、2026年の視聴率を検索する際は注意が必要です。2026年11月3日時点では第77回の放送実績が存在しないため、35.2%が最新の確定した第2部世帯視聴率となります。
【歴代視聴率ランキング】最高81.4%と最低31.9%の大きな差
紅白歌合戦の歴代最高視聴率は、1963年12月31日に放送された第14回の81.4%です。現在のテレビ番組では想像しにくい数字ですが、当時の紅白は年末を代表する大型娯楽番組として圧倒的な存在感を持っていました。
歴代最高視聴率は1963年の81.4%1963年の81.4%は、ビデオリサーチの関東地区における歴代視聴率データでも際立つ記録です。
1962年にも80.4%を記録しており、1960年代前半は80%を超える高視聴率が続きました。さらに1972年には80.6%、1984年には78.1%を記録しています。
この時代は、現在のように動画配信サービスやインターネット動画、SNSなどが存在せず、テレビが家庭の主要な娯楽だった時代です。大みそかに家族で同じ番組を見るという生活習慣も、紅白の高視聴率を支えた要素でした。
歴代最低は2023年第2部の31.9%一方、1989年に2部制が導入されて以降、第2部の最低記録となったのは2023年第74回の31.9%です。
第1部も29.0%となり、初めて30%を下回りました。翌2024年も第1部29.0%、第2部32.7%で、第1部は最低記録に並び、第2部も2部制以降のワースト2位にとどまりました。
歴代最低を比較するときは、第1部と第2部を区別することが大切です。第1部の最低は2023年と2024年の29.0%、第2部の最低は2023年の31.9%です。
1963年の81.4%と2025年の35.2%を単純に比較すれば46.2ポイントの差があります。ただし、1963年は1部制時代、2025年は2部制の第2部であり、放送時間や視聴環境も異なります。数字の差だけで番組の人気が半減したと判断するのは適切ではありません。
【歴代データ一覧】紅白歌合戦の視聴率推移と時代別の転換点
紅白の視聴率推移を理解するには、単年の数字だけでなく、時代ごとの変化を見る必要があります。
以下は、ビデオリサーチの公表データを中心にまとめた主要な節目と近年の推移です。世帯視聴率は関東地区の番組平均を示しています。
紅白歌合戦の歴代視聴率・主要年比較表| 放送年・回 | 世帯視聴率 第1部・全編 | 世帯視聴率 第2部 | 個人視聴率 第1部 | 個人視聴率 第2部 | 主なポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 1963年・第14回 | 81.4% | ― | ― | ― | 歴代最高記録 |
| 1972年・第23回 | 80.6% | ― | ― | ― | 80%台を維持 |
| 1984年・第35回 | 78.1% | ― | ― | ― | 1部制時代 |
| 1989年・第40回 | 38.5% | 47.0% | ― | ― | 2部制 |
| 1998年・第49回 | 45.4% | 57.2% | ― | ― | 第2部は50%超 |
| 2003年・第54回 | 35.5% | 45.9% | ― | ― | 第2部は45%台 |
| 2013年・第64回 | 36.9% | 44.5% | ― | ― | 40%台を維持 |
| 2020年・第71回 | 34.2% | 40.3% | 25.0% | 29.6% | 第2部40%台 |
| 2021年・第72回 | 31.5% | 34.3% | 23.4% | 24.8% | 前年から低下 |
| 2022年・第73回 | 31.2% | 35.3% | 23.0% | 26.0% | 第2部35%台 |
| 2023年・第74回 | 29.0% | 31.9% | 22.0% | 23.5% | 第2部の最低記録 |
| 2024年・第75回 | 29.0% | 32.7% | 21.1% | 23.4% | 第1部の最低記録に並ぶ |
| 2025年・第76回 | 30.8% | 35.2% | 23.2% | 26.4% | 前年から回復 |
出典・集計基準:ビデオリサーチのNHK紅白歌合戦・世帯視聴率および個人視聴率の公表データ。1963年から1984年までは1部制時代の全編平均で、1989年以降は第1部・第2部の区分です。個人視聴率の「―」は、この比較表で数値を掲載していないことを示します。
視聴率推移から分かる4つの時代1960年代〜1980年代前半:80%前後の黄金期
テレビが家庭の中心的な娯楽だった時代です。紅白は単なる音楽番組ではなく、年末に家族が集まって楽しむ全国的なイベントとして機能していました。
1980年代後半〜1990年代:高視聴率を維持しながら変化
1989年から2部制となり、第1部と第2部に分けて数字が公表されるようになりました。1998年には第2部が57.2%を記録しており、依然として強い影響力を持っていました。
2000年代〜2010年代:40%前後への移行
娯楽の多様化が進むなかでも、2003年の第2部は45.9%、2013年は44.5%を記録しています。ただし、1960年代や1970年代の水準からは大きく離れました。
2020年代:30%台が中心となる時代
2020年には第2部40.3%を記録したものの、その後は低下。2023年に31.9%まで落ち込んだ後、2025年には35.2%まで持ち直しています。
【第1部・第2部を比較】世帯視聴率と個人視聴率は何が違う?
紅白の視聴率を正しく理解するには、世帯視聴率と個人視聴率の違いを把握する必要があります。
世帯視聴率はテレビを見ている家庭の割合世帯視聴率とは、テレビを所有している調査対象世帯のうち、対象番組をリアルタイムで視聴していた世帯の割合です。
例えば世帯視聴率35.2%の場合、調査対象となる世帯を基準に、約35.2%の世帯で番組が視聴されていたことを意味します。
同じ家庭で3人が見ていても、世帯視聴率では1世帯として数えられます。そのため、実際に何人が視聴していたかを知るには、個人視聴率も確認する必要があります。
個人視聴率は実際に見ていた人の割合個人視聴率は、調査対象世帯にいる4歳以上の個人を対象に、どの程度の人が番組を見ていたかを示す指標です。
ビデオリサーチの解説でも、世帯視聴率と個人視聴率は測定対象が異なる指標として説明されています。
2025年第76回の第2部では、世帯視聴率35.2%に対して個人視聴率は26.4%でした。両者の数値が異なるのは、測定する単位が家庭と個人で違うためです。
2025年の第1部と第2部はどちらが高かった?2025年の第1部は午後7時20分から午後8時55分まで、第2部は午後9時から午後11時45分まで放送されました。
世帯視聴率では、第2部が第1部を4.4ポイント上回っています。個人視聴率でも、第2部が3.2ポイント高い結果でした。
第2部には後半の注目歌手や大トリ、特別企画などが配置されるため、終盤に向けて視聴者の関心が集まりやすい構成です。
ただし、第2部は第1部より放送時間が長く、放送開始時刻も異なります。単純に第2部の数字が高いからといって、前半の番組内容が不人気だったと判断することはできません。
また、通常報道されるリアルタイム視聴率には、録画して後から見た人の視聴は含まれません。見逃し配信や録画視聴を含む番組全体の接触状況とは区別して考える必要があります。
【視聴率低下の理由】紅白歌合戦はなぜ昔ほど見られなくなった?
紅白の視聴率低下は、特定の出演者や一度の番組構成だけで説明できるものではありません。テレビを取り巻く環境や音楽の楽しみ方が変わったことが、大きな背景にあります。
理由1:テレビ以外の娯楽が増えた1960年代から1980年代にかけては、テレビが家庭の娯楽の中心でした。しかし現在は、動画配信サービス、SNS、インターネット動画、音楽ストリーミングなど、視聴者が自由に選べるコンテンツが増えています。
紅白を最初から最後まで視聴するのではなく、好きな歌手の出演時間だけテレビを見る人や、放送後に動画やニュースで話題を確認する人もいます。
こうした視聴行動の変化は、リアルタイム視聴率だけでは把握しきれません。
理由2:世代によって音楽の好みが分散したかつては幅広い世代が知っているヒット曲や歌手が存在し、紅白の出演者がその年の音楽シーンを象徴する役割を担っていました。
現在は、J-POP、K-POP、アイドル、ロック、ボーカロイド由来の楽曲など、音楽のジャンルやファン層が細分化しています。
その結果、ある世代には魅力的な出演者でも、別の世代にはなじみが薄いという状況が生まれやすくなりました。全世代を一度に満足させる番組構成は、以前より難しくなっています。
理由3:出演者構成や番組への期待が変化した2023年の第74回では、旧ジャニーズ事務所所属タレントの出演がありませんでした。創業者による性加害問題を受けた一連の動きのなかで、長年続いていた出演者構成にも変化が生じました。
この出来事は視聴率を考えるうえで無視できない要素ですが、低下のすべてを説明するものではありません。2023年の31.9%という結果には、テレビ視聴習慣の変化や出演者への関心の分散など、複数の要因が重なったと考えられます。
2025年に視聴率が回復した背景2025年の第76回では、放送100年という節目を生かした企画が展開されました。
初出場のCANDY TUNE、FRUITS ZIPPER、&TEAMなど若い世代に支持されるアーティストに加え、Mrs. GREEN APPLE、福山雅治、郷ひろみ、MISIAなど幅広い層に認知される歌手も出演しました。
加えて、玉置浩二、松任谷由実、矢沢永吉などの特別企画や、番組終盤の松田聖子のステージも注目を集めました。
歌手別の視聴率に関する報道では、松田聖子の歌唱場面が39.9%でトップだったとされています。番組全体の平均35.2%とは別の指標ですが、終盤の注目度を考える材料になります。
2025年は、若年層に向けた新しいアーティストと、長年親しまれてきたベテラン歌手を組み合わせた構成でした。放送100年の記念企画も含め、幅広い世代が番組を見るきっかけを用意したことが、回復の背景として考えられます。
ただし、視聴率が上がったという事実だけで、特定の出演者や企画が上昇の原因だったと断定することはできません。番組全体の構成、出演者の話題性、年末の視聴環境などを合わせて見る必要があります。
【プロの結論】紅白の視聴率は数字の高さだけで評価できない
紅白歌合戦の視聴率推移を検証すると、81.4%という歴代最高記録と、2023年の第2部31.9%という最低記録の間には、テレビ文化そのものの変化が映し出されています。
しかし、視聴率が下がったことと、番組の価値が下がったことは必ずしも同じではありません。
視聴率を見るときに押さえたい3つの判断基準1. 世帯と個人を混同しない
世帯視聴率は家庭単位、個人視聴率は人単位です。広告や番組の視聴者層を考える場合は、両方の数字を確認する必要があります。
2. 第1部と第2部を分けて比較する
放送時間や出演者の配置が異なるため、同じ部同士で比較することが基本です。1963年の1部制時代の数字と、2025年の第2部の数字も、同一条件の比較ではありません。
3. リアルタイム視聴率だけで人気を判断しない
録画視聴や見逃し配信、SNSでの話題性など、番組への接触方法は多様化しています。視聴率は重要な指標ですが、番組の影響力を測る唯一の数字ではありません。
2025年の35.2%という数字は、紅白が依然として年末の大型番組として多くの視聴者を集めていることを示しています。一方、歴代の40%台や50%台を記録した時代とは、視聴者の生活やメディア環境が大きく異なります。
今後の紅白に求められるのは、単に過去の高視聴率を追いかけることではなく、世代を超えて楽しめる音楽番組としての魅力をどう維持するかという点です。
【紅白視聴率推移】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:紅白歌合戦の歴代最高視聴率は何%ですか?
A1:1963年の第14回に記録した81.4%です。ビデオリサーチ調べの関東地区における平均世帯視聴率で、紅白の歴代最高記録として知られています。
Q2:紅白歌合戦の歴代最低視聴率は何%ですか?
A2:2部制以降の第2部では、2023年第74回の31.9%が最低記録です。第1部では2023年と2024年の29.0%が最低となっています。
Q3:2025年の紅白歌合戦の視聴率は何%でしたか?
A3:第76回の関東地区平均世帯視聴率は、第1部30.8%、第2部35.2%でした。個人視聴率は第1部23.2%、第2部26.4%です。
Q4:2025年の紅白は2024年より視聴率が上がりましたか?
A4:上がりました。世帯視聴率は第1部で1.8ポイント、第2部で2.5ポイント上昇しました。個人視聴率も第1部で2.1ポイント、第2部で3.0ポイント上昇しています。
Q5:紅白の視聴率はなぜ第2部のほうが高いのですか?
A5:第2部には注目度の高い歌手や大トリ、特別企画などが配置されるためです。また、第1部と第2部では放送時間帯や番組構成も異なります。
Q6:2026年の紅白歌合戦の最新視聴率は発表されていますか?
A6:2026年11月3日時点では、2026年の第77回はまだ放送されていないため、実績に基づく視聴率はありません。最新の確定値は2025年第76回の第2部35.2%です。
紅白歌合戦の視聴率は、1963年の81.4%から長期的に低下し、2023年には第2部31.9%という2部制以降の最低記録を更新しました。
その後、2024年の32.7%を経て、2025年には35.2%まで回復。第1部も30.8%となり、世帯・個人の両方で前年を上回りました。
今回の推移から分かるのは、紅白が過去のような圧倒的なテレビ視聴率を獲得する時代ではなくなった一方で、幅広い世代に音楽を届ける大型番組として、現在も一定の存在感を保っていることです。
2026年以降の動向を判断するときは、歴代最高・最低だけに注目するのではなく、世帯視聴率と個人視聴率、第1部と第2部、前年からの増減を組み合わせて見ることが大切です。
2025年の35.2%は明確な回復のサインです。しかし、本当の意味での復調を判断するには、2026年以降も幅広い世代を引きつける番組づくりが続くかどうかが重要になります。
主なデータ照合資料:ビデオリサーチ「NHK総合『紅白歌合戦』世帯視聴率・個人視聴率」、同社の視聴率解説、MANTANWEB、マイナビニュース、日刊スポーツ、スポニチ。