塩辛い食事が続いた翌日に、顔や手足のむくみ、体の重さが気になった経験はないだろうか。体内に余分なナトリウムが蓄積すると、水分バランスが崩れ、血圧の上昇やむくみにつながることがある。こうした塩分対策で積極的に取り入れたい栄養素がカリウムだ。
2026年11月現在、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人のカリウム摂取目標量を男性3,000mg/日以上、女性2,600mg/日以上と定めている。一方、2024年の国民健康・栄養調査で報告された食塩摂取量の平均は9.6g。男女ともに目標量を上回る状態が続いている。バナナ、ほうれん草、じゃがいも、海藻類などを上手に取り入れ、塩分をため込みにくい食生活へ切り替えることが大切だ。
【まず結論】塩分を排出する食べ物はカリウム豊富な野菜・果物が中心

塩分を排出する食べ物を探している人に、まず知ってほしいのがカリウムの働きだ。
カリウムは人体に必要なミネラルの一種で、細胞内液の浸透圧や水分バランスを調整する役割を担っている。加えて、腎臓からナトリウムが尿中へ排出される働きを助けるため、食塩を摂りすぎやすい日本人にとって重要な栄養素である。
厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」でも、カリウムにはナトリウムの排出を促す作用があり、血圧低下につながることが紹介されている。
塩分対策に取り入れたい食品の代表例日常の食事に取り入れやすい食品は、次のとおりだ。
- 野菜類:ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、モロヘイヤ
- いも類:じゃがいも、里芋、さつまいも
- 果物類:バナナ、キウイ、アボカド、メロン
- 豆類:枝豆、納豆、大豆
- 海藻類:わかめ、昆布、のり
- 乳製品:牛乳、プレーンヨーグルト
カリウムは野菜や果物だけに含まれるわけではない。厚生労働省の情報によれば、日本人のカリウム摂取源の約20%は野菜類であり、肉類、果物、乳製品、お茶なども供給源となっている。
カリウムを増やすだけでは不十分な理由ここで注意したいのは、カリウムを摂取すれば、どれだけ塩分を摂っても問題ないわけではないという点だ。
カリウムはナトリウム排泄を助けるが、食塩の摂取過多そのものを帳消しにする栄養素ではない。塩分を減らしながらカリウムを含む食品をバランスよく食べることが基本になる。
特定の野菜や果物を大量に食べるよりも、毎日の食事に複数の食品群を組み合わせる方が現実的だ。
【体の仕組み】カリウムがナトリウムを尿中へ排出するメカニズム
なぜカリウムを摂取すると、塩分の排出が促されるのか。その答えは腎臓の働きにある。
腎臓はナトリウムと水分のバランスを管理している食事から摂取したナトリウムは、主に小腸で吸収されて血液に入る。その後、腎臓へ運ばれ、尿を作る過程で体内に必要な量と余分な量が調整される。
腎臓には糸球体と尿細管という重要な構造がある。糸球体では血液がろ過され、尿細管では体に必要な水分や電解質が再吸収される。余分なナトリウムは最終的に尿として体外へ排出される。
日本腎臓学会や国立循環器病研究センターの腎臓に関する解説でも、このろ過と再吸収が体内の水分・電解質バランスを保つ基本的な仕組みとして説明されている。
カリウムがナトリウムの排泄を促す理由カリウムを多く含む食事を摂ると、腎臓の尿細管にあるナトリウム輸送の仕組みに変化が生じる。
特に遠位尿細管に存在するナトリウム・塩化物共輸送体(NCC)の働きが抑制されることで、下流の尿細管へ送られるナトリウムが増える。その結果、ナトリウムの尿中排泄が促進される。
この作用は「ナトリウム利尿」と呼ばれる。カリウムの摂取は、体内の余分なナトリウムを排出するだけでなく、体液量や血圧の調整にも関係している。
つまり、カリウムとナトリウムが体内で直接結合して消えるわけではない。腎臓の輸送機構を通じて、両者の排泄と再吸収のバランスが調節されているのだ。
塩分を摂りすぎるとむくみやすくなるのはなぜ?ナトリウムには体内の水分を保持する働きがある。食塩を多く摂取すると、体液の浸透圧を一定に保つために水分が必要となり、口渇や水分摂取の増加につながる。
その結果、体内の水分量が増え、顔や手足にむくみが現れることがある。
カリウムを含む食品を適量摂取し、食塩を控えることは、このような水分バランスの乱れを防ぐための食生活上の対策になる。
【食品ランキング】カリウム含有量が多い食べ物10選
塩分排出をサポートする食品を選ぶ際には、カリウムの含有量を比較すると分かりやすい。
以下は文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を基にした、可食部100g当たりのカリウム含有量の比較だ。食品の状態は生、蒸し、乾燥などで異なるため、同じ条件で食べた場合の順位ではない点に注意したい。
| 順位 | 食品名 | カリウム含有量 | 食品の状態 |
|---|---|---|---|
| 1 | ほうれん草 | 690mg | 生 |
| 2 | 里芋 | 640mg | 生 |
| 3 | 枝豆 | 590mg | 生 |
| 4 | アボカド | 590mg | 生 |
| 5 | 小松菜 | 500mg | 生 |
| 6 | さつまいも | 480mg | 生・皮なし |
| 7 | カットわかめ | 430mg | 乾燥 |
| 8 | じゃがいも | 420mg | 蒸し・皮なし |
| 9 | バナナ | 360mg | 生 |
| 10 | キウイフルーツ | 300mg | 生・緑肉種 |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」食品成分データベース。数値は可食部100g当たり。
1位:ほうれん草は野菜の中でも優秀な供給源ほうれん草は100g当たり690mgのカリウムを含む、代表的な高カリウム野菜だ。
加えて、βカロテン、葉酸、鉄、ビタミンCなども含んでおり、栄養バランスを整える副菜として活用しやすい。
ただし、ほうれん草をゆでるとカリウムの一部がゆで汁に流出する。カリウムをできるだけ残したい場合は、電子レンジで加熱する方法や蒸し調理も選択肢になる。
おひたしにする場合は、しょうゆを大量にかけないことも忘れたくない。せっかくカリウムを摂取しても、濃い味付けで食塩を増やしてしまっては本末転倒だ。
2位:里芋は日常の食事に取り入れやすい里芋は100g当たり640mgのカリウムを含む。煮物や汁物など、和食に取り入れやすい食品だ。
食物繊維も含まれており、野菜と組み合わせれば満足感のある副菜になる。
ただし、煮物ではしょうゆやだしの素などから食塩を摂取しやすい。薄味に仕上げ、だしや素材の風味を生かすことがポイントだ。
3位:枝豆は植物性たんぱく質も一緒に摂れる枝豆は100g当たり590mgのカリウムを含む。植物性たんぱく質や食物繊維も摂取できるため、食事の副菜や間食として活用できる。
ただし、塩ゆでした枝豆は食塩摂取量が増える。塩を控えた調理方法を選びたい。
4位:アボカドは果物の中でもカリウムが豊富アボカドには100g当たり590mgのカリウムが含まれる。果物としては比較的多く、食物繊維や不飽和脂肪酸も摂取できる。
サラダやトーストに添えるだけでも食べやすい。ただし、エネルギーや脂質も多いため、食べる量には配慮したい。
5位:小松菜は毎日の副菜に使いやすい小松菜は100g当たり500mgのカリウムを含む。炒め物、みそ汁、煮びたしなど幅広い料理に利用できる。
カルシウムやビタミンKなども含むため、日々の野菜不足を補う選択肢としても優秀だ。
6位:さつまいもはカリウムと食物繊維を補えるさつまいもは100g当たり480mgのカリウムを含む。焼きいもや蒸しいもなど、調味料を多く使わずに食べられる点も魅力だ。
間食として取り入れる場合は、菓子パンや塩味のスナック菓子を置き換える方法も考えられる。
7位:海藻類は種類と加工方法を確認するわかめや昆布などの海藻類にもカリウムが含まれる。ただし、海藻なら何でも塩分対策に適しているというわけではない。
例えば、文部科学省の食品成分データベースでは、乾燥カットわかめは100g当たりカリウム430mgである一方、ナトリウムは9,300mgとされている。乾燥状態では一度に食べる量が少ないため、実際の摂取量は別に考える必要がある。
また、塩抜きした湯通し塩蔵わかめでも、食品成分表では100g当たりナトリウム530mg、カリウム10mgとなっている。
わかめの種類や加工方法によって数値は大きく異なる。塩蔵品や味付け海藻を大量に食べることは、減塩の観点からおすすめできない。
8位:じゃがいもは蒸し料理がおすすめじゃがいもは蒸した状態で100g当たり420mgのカリウムを含む。
じゃがバター、ポテトサラダ、温野菜など、さまざまな食べ方ができるため、献立に組み込みやすい。
カリウムは水に溶けやすい性質があるため、蒸す調理法はゆでこぼしに比べて栄養素を残しやすい。塩や加工済み調味料を控えれば、減塩メニューにも活用できる。
9位:バナナは手軽にカリウムを補給できる果物バナナは100g当たり360mgのカリウムを含む。皮をむくだけで食べられるため、朝食や間食に取り入れやすい。
一般的な大きさのバナナ1本を可食部100g程度と考えれば、約360mgのカリウムを補える計算になる。
ただし、バナナを1本食べただけで、体内の塩分がすべて排出されるわけではない。野菜や豆類などと組み合わせて、1日全体の摂取量を整えたい。
10位:キウイフルーツは果物の選択肢を広げるキウイフルーツは100g当たり300mgのカリウムを含む。ビタミンCや食物繊維も摂取できるため、食後のデザートにも適している。
果物はバナナだけに偏らず、キウイ、メロン、りんごなどを組み合わせると、飽きずに続けやすい。
【2025年版の基準】1日のカリウム摂取目標量と食塩相当量を確認
塩分対策を実践するうえで、食品のカリウム含有量だけでなく、1日にどれくらい摂取することを目指すべきかも把握しておきたい。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」は、2025年度から2029年度までの5年間に使用される栄養摂取基準だ。
成人のカリウム摂取目標量生活習慣病の発症予防を目的とした18歳以上の目標量は、次のとおりである。
- 男性:3,000mg/日以上
- 女性:2,600mg/日以上
これは最低限の必要量ではなく、生活習慣病の予防を目的とした目標量である。
なお、2025年版では18歳以上の男性の目安量は2,500mg/日、女性は2,000mg/日と設定されている。目安量と目標量は意味が異なるため、混同しないようにしたい。
成人の食塩相当量の目標量同じ2025年版では、食塩相当量について次の目標量が設定されている。
- 男性:7.5g/日未満
- 女性:6.5g/日未満
加えて、高血圧および慢性腎臓病の重症化予防を目的とする食塩相当量の目標は、男女ともに6.0g/日未満とされている。
実際に食生活を見直す場合は、まず食塩を減らすことと、カリウムを含む食品を増やすことを並行して考えるとよい。
2024年の国民健康・栄養調査から見える日本人の課題厚生労働省が2025年12月に公表した令和6年国民健康・栄養調査では、成人の食塩摂取量の平均値は9.6gだった。
これは2025年版の目標量である男性7.5g未満、女性6.5g未満を大きく上回る水準だ。
また、同調査の栄養素等摂取量では、20歳以上のカリウム摂取量の平均は2,252mg/日となっている。男女別では、男性2,351mg/日、女性2,151mg/日だ。
こうした数値から見えてくるのは、塩分を減らす取り組みとカリウムを十分に摂取する取り組みの両方が必要だということだ。
食塩を減らすだけでなく、野菜や果物、豆類を普段の食事に取り入れることが、栄養バランスの改善につながる。
【実践編】野菜や果物で塩分を排出するための食べ方
カリウムが豊富な食品を知っていても、調理方法や食べ合わせによって実際の摂取量は変わる。日常生活では、無理なく続けられる方法を選ぶことが大切だ。
野菜はゆでるより蒸す・電子レンジ調理を活用カリウムは水溶性のミネラルであり、野菜を長時間水にさらしたり、たっぷりの湯でゆでたりすると、ゆで汁へ流出する。
カリウムをできるだけ残したい場合は、次の調理方法が向いている。
- ほうれん草やブロッコリーを電子レンジで加熱する。
- じゃがいもやさつまいもを蒸す。
- 野菜炒めや温野菜にして、調理水を大量に使わない。
- スープにする場合は、食塩を控えたうえで煮汁も食べる。
ただし、腎機能低下などでカリウム制限が必要な人は逆の考え方になる。ゆでこぼしや水さらしによってカリウムを減らす調理法が利用されるため、健康状態に合わせた使い分けが必要だ。
朝食にバナナやヨーグルトを取り入れる忙しい朝は、バナナと無糖ヨーグルトを組み合わせる方法がある。
バナナからカリウムを摂取でき、ヨーグルトからはたんぱく質やカルシウムも補える。砂糖を多く含む菓子パンや塩分の多い加工食品に偏りがちな人にとって、朝食を見直すきっかけになる。
ただし、糖質やエネルギーの摂取量にも配慮し、食事全体のバランスを保ちたい。
昼食と夕食は野菜の副菜を1品追加する昼食や夕食では、ほうれん草、小松菜、ブロッコリーなどを使った副菜を追加すると、カリウムの摂取機会を増やせる。
おすすめの組み合わせは、次のようなものだ。
- ほうれん草のおひたしと焼き魚
- 小松菜ときのこの炒め物
- じゃがいもとブロッコリーの温野菜サラダ
- 枝豆とトマトのサラダ
- 里芋と野菜の薄味煮物
みそ汁やスープを取り入れる場合は、汁物そのものの塩分量にも注意する。野菜を増やす一方で、汁物を何杯も飲む食生活にならないようにしたい。
塩分の多い調味料や加工食品を見直す塩分排出を意識するなら、カリウムを増やすだけでなく、ナトリウムの摂取源を減らす工夫も欠かせない。
特に気をつけたいのは、次の食品や調味料だ。
- 梅干しや漬物
- しょうゆやみそを多く使用した料理
- インスタントラーメンやカップスープ
- ハム、ソーセージなどの加工肉
- 塩蔵魚や味付け海藻
- 市販のドレッシングや濃い味のソース
農林水産省も、食塩を減らすために、だしや酸味、香辛料を活用する調理方法を紹介している。
例えば、しょうゆを直接料理にかけるのではなく、小皿に取り分けて少量だけ使う。レモンや酢、こしょう、しょうがなどで風味を加える。こうした小さな工夫でも、日々の食塩摂取量を見直すきっかけになる。
塩分の摂りすぎによるむくみは食事だけで解消できる?塩分を多く摂取した後に一時的なむくみが生じることはある。食塩を控えた食事に戻し、通常の水分摂取を維持することが基本的な対策になる。
ただし、カリウムを含む食品を食べれば、すぐに顔や脚のむくみが消えるわけではない。むくみの原因は塩分だけではなく、長時間の同じ姿勢、静脈やリンパの流れ、心臓・腎臓・肝臓の病気など多岐にわたる。
日本呼吸器学会や済生会の健康情報でも、むくみが長引いたり悪化したりする場合には、医療機関で原因を調べる必要があると説明されている。
特に、急に片足だけが腫れた場合や、むくみとともに息切れ、呼吸困難、胸の痛みなどがある場合は、食事による自己対処を優先せず、速やかに医療機関へ相談したい。
【重要な注意点】腎機能低下や高カリウム血症がある人は摂取量に注意
カリウムは多くの人にとって積極的に摂りたい栄養素だが、すべての人に当てはまるわけではない。
特に慢性腎臓病(CKD)などで腎機能が低下している人は、カリウムの排泄能力が弱まり、血液中のカリウム濃度が上昇することがある。
高カリウム血症は心臓にも影響する高カリウム血症とは、血液中のカリウム濃度が高くなった状態を指す。
カリウムは神経や筋肉の働きに必要なミネラルだが、血中濃度が異常に高くなると、心臓の電気的な活動に影響し、不整脈などの危険性が生じる。
そのため、腎機能が低下している人が、塩分排出を目的としてバナナ、アボカド、ほうれん草、いも類などを大量に摂取することは避けたい。
2026年の日本腎臓学会の食事療法基準にも注目2026年に公表された日本腎臓学会の「慢性腎臓病に対する食事療法基準2026年版」では、カリウム制限について、従来の一律的な考え方を見直す方向性が示されている。
重要なのは、慢性腎臓病があるという理由だけで、すべての患者が野菜や果物を制限する必要があるわけではないという点だ。
血清カリウム値が高いかどうか、腎機能の状態、服用している薬、食品からのカリウム吸収量などを総合的に評価する必要がある。
同基準では、高カリウム血症が認められない場合に一律のカリウム制限を行う必要性は低く、必要のない制限によって食事の質や生活の満足度が下がることにも注意を促している。
一方、血清カリウム値が医療機関で設定された上限を超え、医師と管理栄養士が制限を必要と判断した場合には、CKDの病期などを踏まえて摂取量を調整する。
同基準では、制限を行う場合の参考値として、CKDステージG3bでは2,000mg/日以下、G4〜G5では1,500mg/日以下が示されている。ただし、これは全患者に適用する一律の基準ではなく、医療チームによる個別管理のもとで用いる数値だ。
カリウム摂取に注意したい人- 慢性腎臓病と診断されている人
- 過去に高カリウム血症を指摘された人
- 腎機能検査で異常があり、主治医から食事制限を指示されている人
- 腎臓や心臓に関係する薬を服用している人
- カリウムの排泄能力が低下している可能性がある人
特に、ACE阻害薬やARBなどのレニン・アンジオテンシン系阻害薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)を使用している場合は、高カリウム血症のリスクにも注意が必要となる。
服薬中の人は、自己判断で食品やサプリメントの摂取量を大幅に変更しないことが大切だ。
カリウム入りの減塩塩にも注意減塩を目的とした塩の中には、食塩の一部を塩化カリウムに置き換えた製品がある。
一般的な食塩よりナトリウムを減らせる場合がある一方、腎機能が低下している人にとっては、カリウムの過剰摂取につながる可能性がある。
また、加工食品に含まれるカリウム塩などは、植物性食品に含まれるカリウムとは吸収率が異なる。日本腎臓学会の2026年版基準でも、添加物由来のカリウムへの注意が示されている。
腎機能に不安がある人は、減塩塩やカリウムサプリメントを使用する前に、必ず医師や管理栄養士へ相談したい。
【よくある質問】塩分を排出する食べ物に関するFAQ
Q1:塩分を排出する食べ物で最もおすすめなのは何ですか?
A1:ほうれん草、里芋、枝豆、小松菜など、カリウムを豊富に含む食品がおすすめだ。果物ならバナナやアボカドも選択肢になる。特定の食品だけに偏らず、野菜・果物・豆類などを組み合わせて摂取したい。
Q2:バナナを1日1本食べれば塩分を排出できますか?
A2:バナナ1本でカリウムを補うことはできるが、それだけで塩分の過剰摂取を解消できるわけではない。バナナのカリウム含有量は100g当たり360mgが目安。食塩を減らすことと、ほかの食品からもカリウムを摂取することが大切だ。
Q3:塩分の摂りすぎによるむくみは何を食べれば改善しますか?
A3:腎機能に問題がない人であれば、ほうれん草、じゃがいも、バナナ、キウイなどのカリウムを含む食品を適量取り入れ、食塩の摂取量を減らす方法がある。ただし、むくみが長引く場合や悪化する場合は、心臓や腎臓などの病気が関係している可能性もあるため受診が必要だ。
Q4:腎臓が悪い人もカリウムが多い食べ物を食べてよいですか?
A4:腎機能や血清カリウム値によって異なる。慢性腎臓病があっても全員がカリウム制限を必要とするわけではないが、高カリウム血症がある場合には食事制限が必要になることがある。主治医や管理栄養士の指示に従いたい。
Q5:カリウムは野菜と果物のどちらから摂るべきですか?
A5:どちらか一方に限定する必要はない。ほうれん草、小松菜などの野菜と、バナナやキウイなどの果物を組み合わせると、食事のバリエーションを広げられる。糖質やエネルギー量も考慮しながら適量を摂取しよう。
Q6:塩分を摂りすぎた翌日に水を大量に飲めばよいですか?
A6:水分を極端に増やすことはおすすめできない。通常の水分摂取を維持し、食塩の多い食事を控え、バランスのよい食事に戻すことが基本だ。心臓や腎臓に疾患がある人は、水分摂取量についても医師の指示を優先する必要がある。
塩分を排出する食べ物として、特に注目したいのはカリウムを含む野菜、果物、いも類、豆類だ。
ほうれん草、里芋、枝豆、アボカドなどはカリウムを比較的多く含み、バナナやキウイは手軽に取り入れられる果物として活用できる。
2025年版の日本人の食事摂取基準では、成人のカリウム摂取目標量は男性3,000mg/日以上、女性2,600mg/日以上。一方、食塩相当量は男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満とされている。
2026年現在、最新の国民健康・栄養調査でも食塩摂取量の平均は9.6gであり、目標達成にはまだ課題が残る。
毎日の食事を見直すうえで、特に意識したい判断基準は次の3つだ。
- 第一に、食塩を減らす:漬物、加工食品、汁物、調味料の使用量を見直す。
- 第二に、カリウムを食品から補う:野菜、果物、いも類、豆類を組み合わせる。
- 第三に、腎機能に合わせる:腎機能低下や高カリウム血症がある場合は、検査結果に応じて摂取量を調整する。
塩分対策の本質は、特定の食品を大量に食べて体内の塩分を一気に排出することではない。食塩を摂りすぎない食生活を土台に、カリウムを含む多様な食品を継続的に取り入れることにある。
毎日の食卓に野菜の副菜を1品増やす、果物を適量取り入れる、調味料を少し減らす。こうした小さな改善の積み重ねが、血圧や体液バランスを整えるための現実的な第一歩となる。
主な根拠資料: 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」「令和6年国民健康・栄養調査」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」、厚生労働省 e-ヘルスネット、日本腎臓学会「慢性腎臓病に対する食事療法基準2026年版」、国立循環器病研究センターの腎臓に関する解説。