横浜DeNAベイスターズの度会隆輝(わたらい・りゅうき)選手は、2026年シーズンに大きな成長を示した。プロ3年目となる今季は、134試合に出場して打率.274、129安打、9本塁打、51打点を記録。2024年のプロ1年目、2025年の苦戦を経て、初めて規定打席に到達するシーズンを送った。
2002年生まれの度会は、横浜高校で甲子園を経験し、ENEOSでは社会人野球の頂点に立った実績を持つ。2023年ドラフトでは中日、DeNA、ロッテの3球団が競合し、DeNAが1位指名の交渉権を獲得。父は元ヤクルトの度会博文氏で、母・祥子さん、兄・基輝さんも野球に深く関わってきた。2026年の成績から、選手としての現在地と今後の可能性を読み解く。
【2026年の現在地】度会隆輝はDeNAでどこまで成長した?

2026年の度会隆輝を評価するうえで、まず注目したいのは出場試合数と打撃成績の両方が伸びたことだ。
日本野球機構(NPB)の2026年シーズン終了時点の個人成績によると、度会の数字は次のとおりとなっている。
- 出場試合数:134試合
- 打席数:516打席
- 打数:471打数
- 安打数:129安打
- 打率:.274
- 本塁打:9本
- 打点:51打点
- 出塁率:.334
- 長打率:.380
- OPS:.714
特に大きな意味を持つのが134試合という出場数だ。プロ入り後、継続して一軍でプレーすることが課題だった度会にとって、シーズンを通して戦力として起用されたことは重要な前進である。
また、129安打はプロ入り後の自己最多。打率も前年の.241から.274へ上昇し、出塁率も.303から.334に改善した。
長打面では21二塁打を記録。ホームランだけに依存するのではなく、外野の間を抜く打球や長打によって得点機会を広げられる打者へと成長している。
2026年の度会は、単に打率を上げた若手ではない。長いシーズンを通して出場し、安定した打撃を続けるという、レギュラー選手に求められる能力を一段階高めたシーズンだった。
【年度別成績を比較】2024・2025・2026年で何が変わった?
度会隆輝のプロ入り後の成績を比較すると、2024年から2025年にかけて一度足踏みし、2026年に明確な上昇を見せたことが分かる。
| 年度 | 試合 | 打率 | 安打 | 本塁打 | 打点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年 | 75 | .255 | 64 | 3 | 24 |
| 2025年 | 86 | .241 | 65 | 6 | 25 |
| 2026年 | 134 | .274 | 129 | 9 | 51 |
2024年はプロ1年目。75試合に出場し、64安打、打率.255、3本塁打、24打点を記録した。
開幕直後から持ち味の積極的な打撃を披露し、ファンに強い印象を残した。一方、年間を通して安定した出場機会を確保するには至らず、打撃の再現性も課題として残った。
2025年:出場機会は増えたものの打率が低下2025年は86試合に出場。6本塁打、25打点と長打面では前年を上回ったものの、打率は.241に低下した。
安打数も65本にとどまり、出場試合数の増加を十分に成績へ結びつけられなかった。好調時の打撃をどれだけ長く維持できるかが、次のシーズンに向けた課題となった。
2026年:初めての規定打席到達と自己最高成績2026年は134試合に出場し、129安打、9本塁打、51打点をマーク。打率は.274まで上昇した。
2025年と比較すると、打率は3分3厘上昇。本塁打は3本増え、打点は25から51へと倍以上になった。21二塁打も記録しており、長打を生み出す能力にも進歩が見られる。
もちろん、安打数の増加には出場試合数と打席数の増加も影響している。重要なのは、出場機会が増えただけでなく、打率や出塁率、長打率といった割合の数字も改善したことだ。
2026年は、度会がプロの一軍選手として年間を戦い抜く土台を築いたシーズンと評価できる。
【横浜高校からENEOSへ】度会隆輝の経歴とドラフト1位までの道のり
度会隆輝の野球人生を理解するには、横浜高校時代と社会人野球のENEOS時代を振り返る必要がある。
横浜高校時代:甲子園出場と2020年の指名漏れ度会は2002年10月4日、千葉県に生まれた。幼少期から野球に親しみ、父や兄の影響を受けて3歳から野球を始めた。
進学先は神奈川県の名門・横浜高校。強打の内野手として注目され、1年生だった2018年夏には甲子園に出場した。
同大会では愛産大三河、花咲徳栄を破って3回戦に進出。吉田輝星を擁する金足農業との試合にも出場した。その後、2019年春のセンバツにも出場している。
高校通算24本塁打を記録するなど打撃力を評価され、2020年のドラフトではプロ志望届を提出。しかし、結果は指名漏れだった。
当時の悔しさは、後の野球人生を左右する転機となった。父・博文さんや母・祥子さん、兄・基輝さんが見守るなか、プロへの道が一度閉ざされたのである。
ENEOS時代:2022年都市対抗野球で圧倒的な実績高校卒業後に進んだのが、社会人野球の強豪ENEOSだった。
大学進学ではなく社会人野球を選んだ背景には、少しでも早くプロ入りしたいという思いがあった。ENEOSで実力を磨き、再びドラフトに挑戦する道を選んだ。
その決断が大きく実を結んだのが2022年の都市対抗野球大会だ。
度会は大会5試合で打率.429、4本塁打、11打点を記録。ENEOSの9年ぶりの優勝に大きく貢献した。
加えて、社会人野球の大会MVPに相当する橋戸賞、若獅子賞、打撃賞を獲得。社会人野球を代表する打者として全国的な評価を確立した。
2023年ドラフト:3球団競合の末にDeNAが交渉権獲得2023年10月26日のドラフト会議では、中日、横浜DeNA、ロッテの3球団が度会を1位指名した。
抽選の結果、DeNAの三浦大輔監督が交渉権を獲得。横浜高校時代にプロ入りを果たせなかった度会が、再び横浜の地でプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせることになった。
3年前の指名漏れから社会人野球で努力を重ね、ドラフト1位でプロ入りを実現した歩みは、度会のキャリアを語るうえで欠かせないエピソードだ。
【父・博文、母・祥子、兄・基輝】度会隆輝を支えた家族のつながり
度会隆輝は、野球と深い縁を持つ家庭で育った。父親が元プロ野球選手という環境だけでなく、母親や兄も練習や野球生活を支えてきた。
父親・度会博文は元ヤクルトの内野手父親の度会博文さんは、東京ヤクルトスワローズで15年間プレーした元プロ野球選手だ。
現役時代は内野手として活躍し、複数のポジションをこなすユーティリティープレーヤーとして知られた。2026年の報道時点では、ヤクルト球団のベースボールアカデミーでヘッドコーチを務めている。
隆輝にとって父は、野球を始めるきっかけであり、プロ野球選手として目指す存在でもあった。
2020年のドラフトで指名漏れとなった際、博文さんは息子に社会人野球で再挑戦するよう励ましたとTBS NEWS DIGが報じている。
父親自身がプロ野球の厳しさを知っているからこそ、単に励ますだけでなく、次の目標に向けて気持ちを切り替えることを伝えたのだろう。
母親・度会祥子は手作りのバッティングゲージで支援母親の度会祥子さんも、隆輝の成長に大きな役割を果たしてきた人物だ。
TBS NEWS DIGの2023年の取材記事によると、千葉県の実家には祥子さんが手作りしたバッティングゲージが設置されていた。
祥子さんはネットなどで作り方を研究し、単管パイプや補強部材を購入。2トントラックを自ら運転して資材を運び、左打ちの息子が練習できる専用の環境を約1か月かけて整えたという。
練習ではトスを上げる役割も担い、野球に取り組む息子たちを長年支えてきた。
父親がプロ野球選手として活動するなか、家庭での練習環境や送迎などを支えた母親の存在は、度会の野球人生を考えるうえで見逃せない。
兄・度会基輝も野球経験者兄の度会基輝さんは、隆輝より3歳年上。拓大紅陵高校、中央学院大学を経て、社会人野球のJPアセット証券でプレーした経歴を持つ。
隆輝が野球を始めたきっかけにも兄の存在があった。幼少期には兄の練習やプレーを身近で見ながら、自身も野球に取り組んでいた。
興味深いのは、2026年6月3日に神宮球場で行われたファーストピッチセレモニーだ。
この日、母・祥子さんが始球式を務め、捕手役を担当したのが兄・基輝さんだった。父・博文さんも球場で見守っていた。
当時の日刊スポーツの報道によると、祥子さんは神宮球場外周でキッチンカー「T-gauge Coffee」を営業し、基輝さんは球場の販売部で働いていた。
家族それぞれが野球や球場に関わり続けていることが伝わる出来事だった。
【2026年の評価と今後の課題】度会隆輝は主力打者になれるのか
2026年の成績を踏まえると、度会は将来性を期待される若手から、チームの戦力として年間を通して計算できる選手へと段階を進めた。
最大の成長点は好不調の波を抑えたことNumber Webが2026年10月5日に掲載した取材記事では、度会自身が今季について、過去2年間に経験した継続出場の難しさを乗り越え、最後までシーズンを戦えたことに成長を感じていると語っている。
本人は自分の成績について、次のようにも振り返った。
「全部物足りないと思っています」
この言葉から伝わるのは、打率.274、129安打という数字に満足していない姿勢だ。
同記事によると、2026年は開幕から一軍に帯同し、シーズンを通して大きく調子を崩すことなくプレーできた。前年までと比べ、好不調の波を小さくできたことが大きな変化だった。
鈴木尚典コーチとの打撃練習成長を支えた取り組みとして注目されるのが、鈴木尚典打撃戦術・育成コーチとの練習だ。
Number Webの取材では、度会が毎日行うティー打撃のドリルについて語っている。種類は10以上に及び、鈴木コーチが練習に付き合うことも成長につながったという。
才能や身体能力だけに頼るのではなく、打撃の準備をルーティン化し、好調を維持するための基礎を積み重ねている点は評価できる。
次の課題は長打力と打席での対応力一方で、2026年の数字からは今後の課題も見えてくる。
本塁打は9本で、二桁には届かなかった。長打率も.380、OPSは.714。21二塁打という成績は評価できるものの、クリーンアップを任されるような打者を目指すなら、長打力のさらなる向上が期待される。
また、三振73、四球34という数字も確認しておきたい。2025年は三振36、四球24だったため、打席数の増加を考慮する必要はあるが、打席当たりの三振率は約12.0%から約14.1%に上昇している。
今後は積極的な打撃を維持しながら、ボールの見極めや状況に応じた打撃を磨くことがポイントになる。
2026年の成績は明確な進歩を示している。しかし、9本塁打という数字を二桁、さらに15本、20本へと伸ばせるかどうかは、今後の評価を左右する重要な要素になる。
【プロの結論】度会隆輝の本当の評価と今後の展望
度会隆輝の2026年シーズンを総合的に評価すると、最も大きな収穫は、年間を通して一軍でプレーできる選手へ成長したことだ。
ドラフト1位という期待を背負って入団した選手は、どうしても本塁打数や打率などの派手な数字で評価されやすい。しかし、プロ野球では一時的な活躍だけでなく、長いシーズンを安定して戦う能力も欠かせない。
その点で、134試合出場と129安打を記録した2026年は、度会にとって重要な転換点となった。
今後の成長を判断する基準は、次の3点に整理できる。
- 打率と出塁率の維持:2026年の打率.274、出塁率.334を継続できるか。
- 長打力の向上:9本塁打から二桁本塁打、さらに15本以上を狙える打者になれるか。
- 年間を通した安定感:好調時だけでなく、調子が落ちた時期にもチームへ貢献できるか。
度会の魅力は、バットコントロールと積極性、そして明るいプレースタイルにある。横浜高校、ENEOS、DeNAと異なる環境で経験を積んできたことも、今後の成長を支える財産だ。
2026年は完成形ではない。むしろ、プロ野球選手として本格的に定着するための基盤を築いた年と見るべきだろう。
度会隆輝に関するよくある質問(FAQ)
Q1:度会隆輝の2026年の成績は?
A1:2026年シーズンは134試合に出場し、打率.274、129安打、9本塁打、51打点を記録した。出塁率は.334、OPSは.714で、プロ入り後初めて規定打席に到達した。
Q2:度会隆輝の身長・体重・プロフィールは?
A2:2002年10月4日生まれ、千葉県出身。身長183cm、体重83kg。右投左打の外野手で、2023年ドラフト1位で横浜DeNAベイスターズに入団した。
Q3:度会隆輝の父親と兄はどんな人物?
A3:父親は元ヤクルトの内野手・度会博文さんで、母親は祥子さん。兄の基輝さんも社会人野球を経験した野球一家である。母親が自宅にバッティングゲージを手作りするなど、家族が長年にわたって隆輝の野球人生を支えてきた。
度会隆輝は2026年、打率.274、129安打、9本塁打、51打点という自己最高のシーズン成績を残した。2024年、2025年と段階的に経験を積み、プロ3年目で134試合に出場する一軍のレギュラー選手へと成長した。
その背景には、横浜高校での甲子園経験、ENEOSでの社会人野球日本一、2020年のドラフト指名漏れ、そして2023年のドラフト1位指名という歩みがある。
父・博文さんから受け継いだ野球への姿勢、母・祥子さんの献身的な支援、兄・基輝さんとともに過ごした野球環境も、現在の度会を形づくる大切な要素だ。
次の目標は、2026年に手にした安定感を維持しながら、打率・本塁打・打点のすべてをさらに伸ばすこと。横浜DeNAの中心選手としてどこまで成長できるのか。度会隆輝の次のシーズンは、プロ野球ファンにとって引き続き注目すべきテーマとなる。
主な事実確認資料: 日本野球機構(NPB)公式年度別成績、横浜DeNAベイスターズ公式選手プロフィール、Number Web(2026年10月5日)、TBS NEWS DIG、週刊ベースボールONLINE、日刊スポーツ、中日スポーツ。