サセンの語源を理解するには、韓国語の「사생활(サセンファル)」と「사생팬(サセンペン)」の関係を知る必要があります。
사생활(サセンファル)は「私生活」という意味韓国語の「사생활」は、日本語の「私生活」や「プライベート」に相当する言葉です。
漢字では「私生活」と表記され、次のように構成されています。
- 사(私):個人の、自分の
- 생활(生活):暮らし、日常生活
韓国では、芸能人の私的な時間や生活空間を侵害する問題を説明する際にも使われます。
사생팬(サセンペン)の語源「사생팬」は、「사생활(私生活)」を短縮した「사생」と、英語のFanに由来する韓国語の「팬」を組み合わせた表現です。
日本語では「サセンファン」「過激な追っかけ」「ストーカー的なファン」などと説明されます。
韓国語の発音をローマ字で表すと「sasaengpaen」です。日本語では「サセン」と短縮して呼ぶことが一般的です。
重要なのは、サセンという言葉が単に熱狂的なファンを意味するわけではない点です。相手の私生活を侵害する行動そのものに、強い否定的な意味が込められています。
なお、「사생팬」は韓国のファンダム文化から広まった表現であり、すべてのK-POPファンに当てはまる言葉ではありません。
【具体例で比較】サセン行為と普通のファンの違いは?

サセンと通常のファンを分ける基準は、応援の熱量やファン歴ではありません。
最も重要なのは、本人の意思とプライバシーを尊重しているかどうかです。
代表的なサセン行為7つ実際に報道や所属事務所の発表で問題になっている行為には、次のようなものがあります。
1. 宿舎・自宅での待ち伏せ: アイドルが暮らすマンションや宿舎の前で長時間待機する。
2. 移動中の追跡: 車やタクシーなどで移動するアーティストを追いかける。
3. 空港での過剰な接近: 保安区域や搭乗口、機内などで接触や撮影を繰り返す。
4. 航空券情報の不正取得: 本人の搭乗便や座席情報を不正に入手し、同じ飛行機に乗ろうとする。
5. 個人情報の入手・拡散: 電話番号や住所、非公開の予定などを取得して第三者に共有する。
6. 無断撮影・盗撮: 私的な外出や休憩中の姿を本人の許可なく撮影して公開する。
7. 執拗な連絡: 非公開の電話番号などを使って繰り返し連絡する。
こうした行為は、本人だけでなく家族やスタッフ、一般の利用者にも影響を与えます。
SMエンターテインメントは2023年3月、NCTメンバーのプライバシー侵害について公式に警告しました。宿舎への侵入、私生活に関係する場所での待ち伏せ、違法に取得した電話番号を使った連絡などが問題として挙げられています。
サセンと普通のファンの違いを比較| 比較項目 | 普通のファン | サセン |
|---|---|---|
| 応援する場所 | ライブ・公式イベント | 自宅・宿舎・私的空間にも接近 |
| 情報の入手 | 公式SNS・公開情報 | 非公開情報の不正取得を試みる |
| 空港での行動 | 周囲の安全やルールを守る | 保安区域や機内まで追いかける |
| 写真撮影 | 許可された範囲で撮影 | 無断撮影・盗撮を行う |
| 本人との距離 | 本人の意思を尊重する | 拒否されても接近を続ける |
| 連絡方法 | 公式ファンレターなど | 個人番号への執拗な連絡 |
| 行動の目的 | 活動を応援する | 私生活への接近や監視を優先する |
ここで注意したいのは、空港に行ったり、アイドルの写真を撮ったりすることだけで、直ちにサセンと判断できるわけではないことです。
公式に公開されたスケジュールを応援することと、本人が公表していない移動情報を入手して追跡することは、明確に異なります。
また、偶然同じ場所に居合わせた人までサセンと呼ぶのは適切ではありません。本人の意思に反した追跡や、プライバシーを侵害する方法が問題の核心です。
なぜサセンは一般のファンからも嫌われるのかサセンが批判される理由は、アーティストに恐怖や精神的負担を与えるだけではありません。
- アイドルが安心して帰宅できなくなる。
- 家族や友人まで監視や接触の対象になる。
- 一般乗客や空港利用者の安全が脅かされる。
- 移動や仕事のスケジュールに支障が生じる。
- 個人情報が売買され、別の人物による被害につながる。
- 一般のファンまで迷惑行為をする集団と誤解される。
特に問題なのは、サセン行為によって通常のファン活動まで制限されることです。
一部の人が空港で過剰な接触を試みれば、所属事務所はプレゼントの受け渡しや空港でのファン対応そのものを制限せざるを得なくなります。
結果として、ルールを守って応援しているファンも影響を受けるのです。
【2026年最新】NCTユウタ・ATEEZサンのサセン被害と問題の経緯
2026年にサセン問題を考えるうえで、特に注目されたのがNCTのユウタとATEEZのサンに関する報道です。
両者の事例は、サセン被害が宿舎への接近だけでなく、日常の移動や海外での活動にも及んでいることを示しています。
NCTユウタが明かした宿舎での恐怖体験2026年5月15日付のスポーツソウル日本版によると、NCTおよびNCT 127のメンバーとして活動するユウタは、5月12日放送のABEMA『ナオキマンの都市伝説ワイドショー Season3』に出演し、過去のサセン被害について語りました。
特に衝撃的だったのは、メンバーが共同生活を送っていた宿舎の状況です。
ユウタによると、宿舎の前には毎回約30人のファンが待ち伏せしていたといいます。
加えて、メンバーが外出する際には、じゃんけんで負けた人がおとりとなって先に外へ出ることもあったそうです。
普通に宿舎から出るという日常的な行動さえ、周囲の視線を気にしなければならない状態だったことが分かります。
もう一つ明かされたのが、電動キックボードによる追跡です。
ユウタが走って逃げても後ろから追いかけられ、脇道に隠れてやり過ごそうとした経験について、本人は「めっちゃ怖かった」と振り返りました。
このエピソードが示すのは、サセン被害が単なる写真撮影や声かけの問題ではないということです。
宿舎はアーティストにとって仕事場ではなく、生活の拠点です。そこに大勢が集まり、外出するたびに追跡される状況は、安心して暮らす権利を脅かします。
ATEEZサンが2026年9月に盗撮・付きまといを警告2026年9月には、のサンが海外滞在中の迷惑行為について注意を呼びかけました。
発端となったのは、イタリア・ミラノでサンと女性が一緒に歩いている写真がインターネット上に拡散し、交際説が浮上したことです。
これに対し、所属事務所KQエンターテインメント側は、写真に写っていた女性はブランド関係者であり、マネージャーや警備担当者も現場にいたと説明しました。
サン本人も9月26日、ファンコミュニケーションプラットフォーム「fromm」で交際説を否定。そのうえで、行く先々で人に追いかけられることや、無断で撮影されることへの不快感を伝えました。
特に注目されたのは、犯罪行為をやめるよう呼びかけた点です。
2026年9月29日付の韓国紙「The Korea Times」は、サンが無断撮影について明確に批判し、捕まる前に犯罪をやめようと警告したことを報じています。
この事例で重要なのは、交際説そのものとプライバシー侵害を分けて考えることです。
公の場で偶然撮影された写真から、本人の意思に反して行動を追跡したり、私生活を憶測したりする行為が広がれば、アーティストだけでなく同行者にも迷惑が及びます。
サンの警告は、海外での活動中も本人のプライバシーを尊重すべきだという問題提起でした。
サセン問題に関係する主な出来事・時系列一覧2026年の事例だけでなく、所属事務所による警告や航空券情報の不正売買に関する捜査を並べると、問題の広がりが見えてきます。
これらの出来事から分かるのは、サセン問題が個人の迷惑行為にとどまらず、航空会社や情報管理を担う事業者、所属事務所、捜査機関まで関係する問題になっていることです。
【個人情報流出の実態】サセンは航空券情報をどう不正取得するのか
サセン問題の中でも特に深刻なのが、アーティストの個人情報や航空券情報の不正取得・売買です。
単に本人の後を追いかけるだけでなく、本人が公表していない移動情報を第三者から購入するケースも報じられています。
航空券情報の不正取得と売買2024年6月、BTSの所属事務所HYBEは、アーティストの航空券情報を不正に取得して売買していたと疑われるSNSアカウント運営者について、警察への通報と検察への送致を発表しました。
韓国メディアの報道によると、関係者らは航空券情報をオンラインチャットやメッセージアプリなどで取引し、数千万ウォンから数億ウォン規模の利益を得た疑いが持たれていました。
不正に入手された情報は、ファンがアーティストと同じ飛行機に搭乗し、近い座席を確保する目的などに利用されていたといいます。
加えて、搭乗後に近づいて接触を試みるケースだけでなく、座席や機内食の変更、予約の取消など、活動や移動そのものに支障を与える行為も報告されました。
航空会社の関係者まで関与した2025年の捜査2025年7月22日付の「The Korea Times」は、BTSなどの航空券情報をブローカーに販売した疑いで、航空会社の乗務員を含む3人が摘発され、検察に送致されたと報じました。
報道では、韓国のソウル警察庁サイバー犯罪捜査部門が捜査に関与し、個人情報保護法違反の疑いが取り上げられています。
HYBEは、BTS以外の所属アーティストや他事務所のアーティストも被害の対象になっていたと説明しました。
ここから見えてくるのは、情報流出がファン個人の行動だけで完結しないという構造です。
非公開情報を扱う業務上の立場を悪用する人物、情報を仲介して利益を得るブローカー、情報を購入して追跡する人が関係すれば、被害は連鎖的に拡大します。
個人情報流出が引き起こす二次被害サセンに関連して問題になる情報は、航空券だけではありません。
- 個人の電話番号
- 自宅や宿舎の住所
- 非公開の移動予定
- 航空便や座席に関する情報
- 家族や関係者に関する個人情報
こうした情報が流出すると、待ち伏せや執拗な連絡だけでなく、第三者によるなりすましや嫌がらせなどにも悪用される危険があります。
特に、情報を購入する側だけでなく、提供する側にも法的責任が生じ得る点は見落とせません。
サセン問題は、情報を追いかける人だけでなく、情報を売る人や拡散する人にも責任が問われる問題です。
【法律でどう処罰される?】韓国のストーカー処罰法と日本のストーカー規制法
サセンという言葉自体は法律上の犯罪名ではありません。
しかし、実際の行為がストーカー行為、住居侵入、個人情報の不正取得・流出、業務妨害などに該当すれば、刑事責任や損害賠償責任が生じる可能性があります。
韓国のストーカー処罰法で対象になる行為韓国には「스토킹범죄의 처벌 등에 관한 법률(ストーカー犯罪の処罰等に関する法律)」があります。
同法では、相手の意思に反して正当な理由なく行われ、不安感や恐怖心を引き起こす行為として、次のようなものが定義されています。
- 相手に接近する、追いかける、進路を妨害する。
- 自宅や職場など、日常的に生活する場所の近くで待ち伏せする。
- 電話やインターネットを通じて繰り返し連絡する。
- 相手の情報を第三者に提供・配布・公開する。
- 相手になりすまして情報を発信する。
特に、個人情報や位置情報をネット上で提供・拡散する行為も、法律上のストーカー行為に該当し得る点が重要です。
2026年10月2日に施行された韓国の法改正2026年10月2日には、韓国のストーカー処罰法の一部改正が施行されました。
2026年9月29日に公布された法律第21998号では、ストーカー犯罪を捜査する司法警察官に対し、事件を迅速に捜査して検察に送致することを義務付ける規定が新設されています。
ここで注意したいのは、今回の施行内容がサセン行為に対する新しい犯罪類型を設けたものではなく、主に捜査・事件処理の仕組みを整備した改正だという点です。
また、同法の第18条に定められた刑罰は、通常のストーカー犯罪で3年以下の懲役または3,000万ウォン以下の罰金です。
凶器などの危険な物を携帯・使用した場合は、5年以下の懲役または5,000万ウォン以下の罰金となります。
日本のストーカー規制法も関係する?日本にも「ストーカー行為等の規制等に関する法律」、いわゆるストーカー規制法があります。
日本の法律では、好意の感情や、それが満たされなかったことへの怨恨などを背景にした、次のような行為が規制対象になります。
- つきまといや待ち伏せ
- 自宅や職場、学校などへの押しかけ
- 拒否後の執拗な電話やSNSメッセージ
- 監視していることを告げる行為
- GPS機器などを使った無断の位置情報取得
- 紛失防止タグを使った無断追跡
警察庁によると、2025年12月30日からの法改正で、紛失防止タグを使った無断の位置情報取得などが規制対象に追加されました。
加えて、2026年3月10日からは、ストーカー被害者に関する情報を加害者側に提供するおそれのある人物に対し、警察が情報提供を行わないよう求める仕組みも設けられています。
ただし、日本の法律がすべての海外でのサセン行為に自動的に適用されるわけではありません。
日本国内で行われた行為なのか、韓国国内で発生した行為なのか、具体的な目的や反復性がどうだったのかによって適用される法律は異なります。
つまり、韓国でのサセン行為には韓国の法律、日本国内でのストーカー行為には日本の法律が関係するという基本的な違いを理解しておく必要があります。
【所属事務所の対策】法的対応とファンが守るべきルール
サセン問題に対して、K-POPの所属事務所は警告文の発表だけでなく、証拠収集や警察への通報、法的措置などを進めています。
SMエンターテインメントの対応SMエンターテインメントは2023年3月、NCTメンバーに対する深刻なプライバシー侵害について公式に警告しました。
その後、2025年8月7日にもNCTのファンエチケットを公式ファンコミュニティーWeverseで告知しています。
この告知では、空港や機内での過度な身体接触、会話の強要、無断撮影、非公開スケジュールへの訪問などを控えるよう呼びかけました。
また、アーティストの個人情報を不正に利用して航空券の座席を変更・取消する行為について、業務妨害や損害賠償の対象になり得ると説明しています。
HYBEの対応HYBEは2023年9月から、アーティストの航空券情報などの不正売買に対応するための専門チームを設置しています。
SNS上の情報売買を調査し、証拠を収集して警察に提出する取り組みを進めました。
2024年には情報売買に関与したと疑われるアカウント運営者の検察送致を発表し、2025年にも航空会社関係者を含む事件が捜査・送致されたと報道されています。
情報流出を防ぐには、サセン本人への対応だけでなく、情報を管理する企業や取引仲介者への対策が欠かせません。
ファン自身が守るべき5つのルールサセン問題をなくすには、所属事務所や警察の対応だけでなく、ファンダム全体の意識も重要です。
1. 公式に発表されていないスケジュールを追いかけない。
2. 自宅や宿舎、プライベートな場所を訪問しない。
3. 航空券情報や電話番号などの非公開情報を購入・共有しない。
4. 無断撮影や盗撮画像を拡散しない。
5. 迷惑行為を発見しても、画像や情報を面白半分に拡散せず、適切な窓口に報告する。
特に注意したいのが、SNSで流れてくるサセン関連情報の扱いです。
情報を転載するだけでも、本人の居場所や移動予定をさらに広めてしまう可能性があります。
また、情報を売買しているアカウントを面白がってフォローしたり、購入者を探したりする行動も、問題の拡大につながります。
【プロの結論】本当のファンとサセンを分けるのは「距離感」サセン問題の本質は、ファンの愛情が強すぎることだけではありません。
アーティストを自分のために行動してくれる存在と考え、本人が守りたい生活や意思を無視してしまうことにあります。
ファンとアーティストの関係は、公式イベントや音楽、作品、ファンコミュニケーションなどを通じて成立するものです。
私生活まで知ることや、偶然を装って接触することが、応援の条件になるわけではありません。
むしろ、本人が安心して休めること、自由に移動できること、家族や友人と過ごせることを尊重する姿勢こそ、健全なファンダムに必要です。
【サセンとは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:サセンとは日本語で何という意味ですか?
A1:韓国語の「사생팬(サセンペン)」を短縮した表現で、芸能人の私生活を執拗に追いかける過激なファンを意味します。日本語では「ストーカー的なファン」「私生活を侵害する過激なファン」などと表現できます。
Q2:サセンペンと普通のファンは何が違いますか?
A2:最も大きな違いは、本人の意思とプライバシーを尊重するかどうかです。公式イベントや公開スケジュールで応援するのは通常のファン活動ですが、自宅への接近、非公開情報の取得、拒否された後の追跡などはサセン行為に該当し得ます。
Q3:사생활(サセンファル)はどういう意味ですか?
A3:韓国語で「私生活」「プライベート」という意味です。「사생팬」は、この言葉を短縮した「사생」と英語由来の「팬」を組み合わせた表現です。
Q4:サセン行為は犯罪になりますか?
A4:行為の内容や状況によっては犯罪になります。韓国ではストーカー処罰法、個人情報保護法などが関係し、日本国内ではストーカー規制法や住居侵入などが問題になる可能性があります。
Q5:サセンは航空券情報をどのように入手しているのですか?
A5:韓国では、航空券情報を不正に取得してSNSやチャットなどで売買する事例が報道されています。2025年には航空会社の乗務員を含む関係者が摘発された事件もあり、情報管理体制の問題が浮き彫りになりました。
Q6:2026年に話題になったサセン被害には何がありますか?
A6:NCTのユウタが5月に宿舎前の待ち伏せや追跡被害を告白し、ATEEZのサンは9月にミラノ滞在中の付きまといや盗撮について警告しました。
サセンとは、韓国語の「사생팬」に由来する言葉で、K-POPアイドルや俳優などの私生活を執拗に追いかける過激なファンを意味します。
宿舎での待ち伏せ、移動中の追跡、航空券情報の不正取得、個人情報の流出、無断撮影など、被害はさまざまな形で発生しています。
2026年にはNCTのユウタやATEEZのサンが被害や迷惑行為について発信し、所属事務所による対策や韓国のストーカー関連法制にも改めて関心が集まりました。
今後も、個人情報の管理強化、SNS上の情報売買への対応、所属事務所と捜査機関の連携が重要になります。
本当に応援しているなら、相手のプライベートを守ることもファンの責任です。
アーティストに会える機会を大切にしながら、公式に認められた場所と時間で応援する。その適切な距離感こそが、アーティストとファンの双方にとって健全な関係を築く第一歩です。
主な参考資料:韓国国家法令情報センター、韓国警察庁、日本警察庁、SMエンターテインメント公式告知、HYBEの発表、聯合ニュース、The Korea Times、スポーツソウル日本版。