2026年シーズンを終えた読売ジャイアンツの先発陣は、井上温大とドラフト1位ルーキーの竹丸和幸が2桁勝利を挙げる一方、戸郷翔征や山﨑伊織の復調、小笠原慎之介の加入など、2027年に向けた新しい競争構図が見えてきた。特に井上は23試合に先発して防御率2.02、147投球回を記録。数字の面でもチームの新たな柱として存在感を示した。
2026年の公式戦成績、QS率、投球回、シーズン終盤の登板間隔を比較すると、2027年の先発ローテーションには戸郷、山﨑、井上、竹丸、小笠原という5人を中心とした構想が浮かび上がる。杉内投手チーフコーチが来季の中心として名前を挙げた顔ぶれとも一致する。開幕投手の本命、先発6番手を争う候補、各投手の課題まで詳しく整理する。
【2026年シーズン総括】巨人先発ローテーションの中心は井上温大と竹丸和幸

2026年の巨人は、シーズン開幕前に先発の柱として期待されていた戸郷翔征と山﨑伊織が、故障や不調の影響で開幕ローテーションに不在となった。予定していた先発陣の構想が崩れるなか、チームを支えたのが井上温大と新人の竹丸和幸だった。
NPB公式の2026年度個人成績によると、井上は23試合に登板して10勝8敗、防御率2.02。竹丸は22試合で11勝9敗、防御率3.27を記録した。両投手はチーム内の投球回数でも1位と2位を占め、年間を通して先発陣の中心的な役割を担った。
井上温大は防御率と投球回でチームをリード井上温大の2026年成績は、10勝8敗、防御率2.02、147投球回、146奪三振。特に注目したいのは、防御率だけでなく147イニングを投げ切った点だ。
先発投手に求められるのは、単発の好投だけではない。年間を通してローテーションを守り、試合中盤以降も安定してアウトを積み重ねる能力が必要になる。井上は23先発のうち17試合でQSを達成しており、QS率は約73.9%。今回比較する主な巨人の先発投手のなかでも最も高い水準となった。
さらにWHIPは0.98。1イニング当たりに許した走者が少なく、出塁を抑えながら試合を組み立てていたことが数字に表れている。
2027年も先発ローテーションの中心を担う可能性は高い。開幕投手候補としても十分な成績を残しており、戸郷の状態次第では開幕戦のマウンドを任される選択肢もある。
竹丸和幸は新人ながら11勝を挙げた左腕竹丸和幸は2025年ドラフト1位で入団した左腕。プロ1年目の2026年に22試合へ先発し、11勝9敗、防御率3.27、126回2/3、142奪三振という成績を残した。
特筆すべきは、ルーキーながら年間22試合の先発機会を得て、2桁勝利まで到達したことだ。奪三振数は142で、投球回を上回る数字を記録。打者を打たせて取るだけではなく、自ら三振を奪ってピンチを切り抜ける能力も示した。
一方、40四球を与えており、防御率3.27、WHIP1.27は井上と比較すると改善の余地がある。QSは22先発中11試合で、達成率は50%だった。
2027年は2年目の壁をどう乗り越えるかが焦点になる。相手打線が新人時代の投球を研究してくるなかで、制球と試合序盤の安定感を高められれば、年間を通じた2桁勝利も現実的な目標になる。
【2026年公式戦成績を徹底比較】防御率・投球回・QS率から見る先発候補一覧
巨人の先発ローテーションを予想するうえで、勝敗だけを基準にするのは適切ではない。打線の援護や救援投手の働きによって勝敗は変わるため、防御率、投球回、WHIP、QS率を組み合わせて評価する必要がある。
以下は2026年の一軍レギュラーシーズン成績を中心に整理した比較表だ。QS率はQS数を先発数で割って算出している。
巨人の主な先発候補・2026年成績比較| 投手名 | 先発数 | 防御率 | 投球回 | 勝敗 | QS・QS率 | 2027年評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 井上温大 | 23 | 2.02 | 147 | 10勝8敗 | 17・73.9% | 先発の中心 |
| 竹丸和幸 | 22 | 3.27 | 126回2/3 | 11勝9敗 | 11・50.0% | 先発の中心 |
| 戸郷翔征 | 14 | 2.48 | 80 | 5勝3敗 | 7・50.0% | 復調に期待 |
| 小笠原慎之介 | 11 | 2.31 | 66回1/3 | 5勝4敗 | 7・63.6% | 左腕の有力候補 |
| ウィットリー | 14 | 2.31 | 81回2/3 | 3勝4敗 | 8・57.1% | 契約継続なら有力 |
| 西舘勇陽 | 10 | 3.00 | 57 | 2勝4敗 | 4・40.0% | 競争枠 |
| 田中将大 | 13 | 3.42 | 68回1/3 | 4勝4敗 | 5・38.5% | 経験を生かす候補 |
| 山﨑伊織 | 6 | 4.59 | 33回1/3 | 1勝1敗 | 2・33.3% | 復調が条件 |
※成績は2026年レギュラーシーズン。西舘は一軍14登板のうち10先発。QS率は各投手の先発数を分母として計算した参考値。ウィットリーの2027年の起用は契約継続が前提となる。
QS率で見る井上温大の安定感QSとはクオリティースタートの略称で、先発投手が6イニング以上を投げ、自責点3以内に抑えた登板を指す。試合を壊さず、先発として一定の役割を果たしたかを判断する際に使われる指標だ。
井上のQS率は約73.9%。23試合中17試合でQSを達成している。これに対して竹丸は50%、戸郷も50%だった。
この数字から分かるのは、2026年の井上が単に防御率の良い投手だっただけではなく、先発として安定して試合を作っていたことだ。年間を通したローテーションの信頼性という観点では、井上が巨人の最上位に位置する。
防御率だけでは分からない戸郷と小笠原の価値戸郷翔征は2026年に14試合へ先発し、5勝3敗、防御率2.48、80投球回、82奪三振を記録した。2025年の21登板、111投球回、防御率4.14から成績を改善している。
ただし、2026年は年間を通して14先発にとどまった。数字の良さと年間を通した稼働量は別の評価軸であり、2027年の先発1番手を任されるには、登板数と投球回を増やすことが課題となる。
小笠原慎之介は11先発で5勝4敗、防御率2.31、66回1/3。QS率は63.6%で、WHIPも0.98だった。途中加入ながら安定した投球を披露しており、左腕の先発候補として存在感を示した。
勝利数だけを見ると竹丸が11勝でチームトップだが、防御率やQS率まで含めれば井上、小笠原も非常に高く評価できる。投手を比較するときは、勝敗と投球内容を切り分けて考えることが大切だ。
【2027年の競争枠】小笠原慎之介・西舘勇陽・ウィットリーの起用を分析
2027年の先発ローテーションは、中心となる5人だけで完結するわけではない。シーズン中の故障や不調、登板間隔の調整を考えると、6番手以降を担える投手の存在が不可欠になる。
小笠原慎之介は左腕の重要な選択肢小笠原慎之介は中日での実績を持ち、2026年シーズン途中から巨人の一員となった左腕だ。2026年は11試合に先発して防御率2.31、5勝4敗を記録した。
特に注目したいのは、66回1/3で54奪三振、12四球という数字だ。WHIPは0.98で、出塁を抑える能力も示している。
2027年は井上、竹丸とともに左腕の先発陣を形成する可能性がある。先発陣に複数の左腕がそろうことは、相手打線との相性やカードごとの投手起用を考えるうえでもメリットになる。
西舘勇陽は先発ローテーション定着が課題西舘勇陽は2026年に一軍14試合へ登板し、そのうち10試合で先発。57投球回、防御率3.00、2勝4敗、65奪三振を記録した。
奪三振率は9イニング換算で10.26と高く、打者を三振に取る能力には魅力がある。一方、QSは10先発中4試合で、QS率は40%。与四球25、被本塁打10という課題も残った。
西舘の強みは、先発と救援の両方で起用できる柔軟性だ。2024年には救援として28試合に登板し、2025年には先発7試合を経験。2026年には先発機会を10試合まで増やした。
2027年は先発としての投球内容を安定させられるかがポイントになる。年間を通して先発を任されるだけのスタミナと制球を示せれば、ローテーション争いに加わる可能性は十分にある。
ウィットリーは契約継続なら先発候補フォレスト・ウィットリーは2026年に14試合へ先発し、3勝4敗、防御率2.31、81回2/3、97奪三振を記録した。
特に注目したいのは奪三振能力だ。97奪三振は今回比較した主な先発候補のなかでも高い数字で、QSも8試合。QS率は57.1%だった。
一方で36四球を与えており、制球面には改善の余地がある。2027年の戦力として考える場合、外国人選手の契約継続や編成上の判断が前提となるため、現時点でローテーション入りを確定的に扱うことはできない。
田中将大と山﨑伊織は経験と復調が鍵田中将大は2026年に13試合へ先発し、4勝4敗、防御率3.42、68回1/3を記録した。QSは5試合で、QS率は約38.5%。年間を通して先発の選択肢となった一方、長いイニングを安定して投げることが今後の課題になる。
山﨑伊織は2025年に25試合で11勝4敗、防御率2.07、156回1/3を記録した実績がある。しかし、2026年は6先発、1勝1敗、防御率4.59、33回1/3にとどまった。
杉内投手チーフコーチは、2026年シーズン終了後に戸郷、山﨑、井上、竹丸、小笠原の5人を来季の中心として期待する考えを示している。山﨑が前年までの実績を取り戻せるかどうかは、2027年の先発陣を考えるうえで要点だ。
【シーズン終盤の起用傾向】巨人の登板間隔とローテーションの実態
2026年の終盤戦を見ると、巨人の先発起用は固定された6人だけで回す形ではなかった。戸郷、竹丸、井上を軸に、西舘、小笠原、山﨑、田中らを組み合わせながら登板機会を調整していた。
9月下旬から10月上旬の先発登板2026年の一軍先発登板記録では、9月22日から10月3日にかけて次のような起用が確認できる。
- 9月22日:戸郷翔征が広島戦に先発し、5回を投げる。
- 9月23日:竹丸和幸が5回2/3を投げる。
- 9月24日:西舘勇陽が5回1/3を投げる。
- 9月25日:井上温大が7回2/3を投げ、10奪三振。
- 9月27日:小笠原慎之介が5回を投げる。
- 9月29日:戸郷翔征が8回2/3、1失点の好投。
- 10月1日:竹丸和幸が阪神戦に先発。
- 10月2日:山﨑伊織がヤクルト戦に先発。
- 10月3日:井上温大がDeNA戦で6回を投げQSを達成。
この登板記録から、終盤は主力投手だけでなく、西舘や山﨑も先発に組み込まれていたことが分かる。
登板間隔は中6日から中7日相当が目安戸郷は9月22日から29日まで7日間隔、竹丸は9月23日から10月1日まで8日間隔、井上は9月25日から10月3日まで8日間隔で登板している。
つまり、シーズン終盤には中6日から中7日相当の間隔で主力投手を起用していた。登板間隔を一定に保つことは、先発投手のコンディション維持だけでなく、投球内容の安定にも関わってくる。
一方で、先発投手が毎回同じ間隔で登板できるとは限らない。試合日程、雨天中止、移動、投手の状態によって起用順は変わる。2027年も5人の中心候補を基本としながら、6番手を含めた柔軟な運用が必要になる。
CSで見えた井上と竹丸の現在地レギュラーシーズン終了後のクライマックスシリーズでも、井上と竹丸が先発を任された。
10月10日のDeNA戦では井上が8回1失点、10奪三振と好投。一方、翌11日の第2戦では竹丸が先発したものの、2回2失点で降板した。
巨人はDeNAに連敗してファーストステージで敗退。2026年シーズンはセ・リーグ2位の76勝64敗3分で終えた。
この2試合はレギュラーシーズンの個人成績とは別に評価する必要があるが、井上が大舞台でも長いイニングを投げられること、竹丸には短期決戦での対応力という課題が残ったことは、2027年を展望する材料になる。
【2027年開幕ローテーション予想】開幕投手は戸郷翔征か井上温大か
2027年の巨人先発陣を予想するうえで、最も注目されるのが開幕投手だ。2026年の実績だけを見れば井上温大が最有力だが、チームのエースとしての実績や終盤の復調を考慮すると、戸郷翔征も有力候補になる。
2027年の先発ローテーション予想2026年の成績と杉内投手チーフコーチの発言を踏まえた、現時点での予想は次のとおりだ。
- 戸郷翔征:開幕投手の本命。実績と終盤の復調を評価。
- 井上温大:2026年の成績では最も安定した先発の柱。
- 竹丸和幸:2年目も先発ローテーションの中心として期待。
- 小笠原慎之介:安定した防御率とQS率を持つ左腕。
- 山﨑伊織:2025年の実績を取り戻せれば上位を担える存在。
この5人を基本形とし、西舘勇陽、田中将大、ウィットリーらが残りの先発枠を争う構図を予想する。
ただし、これは現時点の戦力と2026年の起用実績から考えた予想であり、2027年の正式な開幕ローテーションが発表されたわけではない。特に山﨑のコンディションや外国人選手の契約状況によって、序列が変わる可能性がある。
開幕投手の本命は戸郷翔征戸郷を開幕投手の本命とする理由は、これまでのエースとしての実績に加え、2026年終盤に復調の兆しを示したことにある。
9月29日の広島戦では8回2/3を投げて1失点。116球を投じながら8奪三振を記録し、シーズン終盤に長いイニングを任せられる状態を示した。
2026年は14先発にとどまったものの、防御率2.48、WHIP1.03という数字は十分に評価できる。2027年に年間を通して登板できる状態を整えられれば、開幕投手に選ばれる可能性は高い。
対抗は2026年の最優秀実績を残した井上温大井上は2026年の巨人投手陣で最も優れた先発成績を残した。防御率2.02、147投球回、17QSという実績は、開幕投手に推す根拠として十分だ。
戸郷がコンディション面で万全でない場合、井上を開幕投手に起用する判断も合理的だろう。年間の安定感という観点では、2027年の先発陣を引っ張る中心選手として最も期待できる。
2027年の巨人先発陣に必要な条件2026年の巨人は、井上と竹丸の活躍によって先発の投球回を確保した。しかし、開幕前から柱として期待されていた戸郷と山﨑が十分に稼働できなかったことは、シーズン全体の先発構想に影響した。
2027年に優勝を狙うなら、次の3点が重要になる。
- 先発の年間稼働:戸郷と山﨑が年間を通じてローテーションを守れるか。
- 若手左腕の継続性:井上と竹丸が2026年の投球内容を再現できるか。
- 6番手以降の整備:西舘や新たな先発候補が、主力の離脱時に穴を埋められるか。
特にQS率の維持は重要だ。井上の約73.9%という数字を基準に、他の先発投手も6回以上を安定して投げられるようになれば、救援陣への負担を抑えられる。先発陣の厚みが2027年のチーム力を左右する。
【巨人先発ローテーション予想】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の巨人で最も優秀な先発投手は誰ですか?
A1:2026年の成績では井上温大が最も安定した結果を残した。防御率2.02、147投球回、10勝8敗、17QSで、QS率は約73.9%。年間を通した先発としての安定感が際立っている。
Q2:2027年の巨人の開幕投手は誰になりそうですか?
A2:現時点では戸郷翔征を本命と予想する。エースとしての実績と2026年終盤の好投が理由だ。ただし、2026年の成績で最も安定していた井上温大も有力な対抗候補となる。
Q3:竹丸和幸は2027年も先発ローテーションに入りますか?
A3:有力候補だ。2026年に22先発で11勝9敗、防御率3.27、126回2/3を記録しており、新人として十分な実績を残した。2年目に制球面とQS率を改善できれば、先発の中心として期待できる。
Q4:小笠原慎之介は2027年も巨人の先発として期待できますか?
A4:期待できる。2026年は11先発で防御率2.31、5勝4敗、QS率63.6%を記録した。左腕としての存在感もあり、井上や竹丸とともに先発陣を支える候補だ。
Q5:西舘勇陽は2027年に先発ローテーションへ定着できますか?
A5:可能性はある。2026年は10先発で防御率3.00、65奪三振を記録した。奪三振能力は魅力だが、QS率40%という数字を改善し、長いイニングを安定して投げることが定着への課題になる。
Q6:巨人の先発ローテーションは何人で構成されますか?
A6:基本的には6人制が一般的な運用の目安となる。2027年は戸郷、山﨑、井上、竹丸、小笠原の5人を中心に、残りの枠を西舘やその他の候補が争う構図を予想する。
2026年の巨人先発陣を振り返ると、最大の収穫は井上温大と竹丸和幸が年間を通して活躍し、2桁勝利を達成したことだ。特に井上は防御率2.02、147投球回、17QSという優秀な成績を残し、2027年の先発陣を支える中心選手として期待される。
一方、戸郷翔征は防御率2.48で終盤に復調し、小笠原慎之介も防御率2.31、QS率63.6%と安定した投球を披露した。山﨑伊織が過去の実績を取り戻せば、先発陣の層はさらに厚くなる。
2027年の開幕投手は戸郷を本命、井上を対抗と予想する。先発ローテーションの基本形は戸郷、山﨑、井上、竹丸、小笠原の5人を中心とし、西舘らが競争枠に入る形が有力だ。
来季の巨人を評価する際は、勝利数だけでなく防御率、投球回、QS率、登板間隔を総合的に見ることが重要になる。主力5人が健康を維持し、年間を通して先発の役割を果たせるか。それが2027年の優勝争いを左右する最大のポイントになりそうだ。
主なデータ確認資料: NPB公式個人成績、スポーツナビの投手成績、2026年一軍先発登板記録、日刊スポーツによる杉内投手チーフコーチの来季構想報道。