競馬中継で、パドックを出た競走馬が本馬場に入り、騎手を乗せたまま軽快に走っていく姿を見たことはないでしょうか。このレース直前の準備運動が「返し馬(かえしうま)」です。返し馬は単に馬を走らせる時間ではありません。競走馬が体をほぐすとともに、騎手が当日の走りや気配を確認する大切な機会でもあります。
JRA(日本中央競馬会)の公式競馬用語辞典でも、返し馬は「パドックからコースに入場してきた馬が、コースを走るウォーミングアップのこと」と説明されています。2026年の競馬観戦でも、パドックと並んでレース直前の馬の状態を観察できる場面です。意味や由来、行われるタイミングから、良い返し馬・悪い返し馬の見分け方、馬券予想への活用方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。
【基本知識】返し馬とは?意味・由来と競馬における役割

返し馬とは、競走馬がパドックでの周回を終え、本馬場に入場した後、発走前にコースを走って行う準備運動のことです。読み方は「かえしうま」です。
JRAの公式競馬用語辞典では、返し馬をレースや騎乗技術に関する用語として掲載しています。定義の中心は、本馬場に入った馬がコースを走るウォーミングアップという点です。
競馬場では、騎手が騎乗した馬が本馬場に入ると、それぞれのタイミングで軽く走り始めます。馬によっては速歩から駈歩へ移行し、一定の距離を走ってから発走地点付近の待機場所へ向かいます。
この動きには、主に次のような意味があります。
- レース前に馬体を動かして体をほぐす。
- 本番で走るコースの馬場状態や感触を確かめる。
- 騎手が馬の動きや反応、手応えを確認する。
- レースに向けて馬の気持ちを整える。
つまり、返し馬は競走馬にとっての準備運動であり、騎手にとってはレース直前の最終確認でもあります。
返し馬の由来は?言葉の意味と語源を整理返し馬という名称については、JRAの公式用語解説に明確な語源や命名の歴史までは記載されていません。
一方、精選版日本国語大辞典では「返馬(かえしうま)」を競馬用語として掲載し、レース前に本馬場へ出てきた競走馬が足ならしをすることと説明しています。
このため、競馬用語としての返し馬の意味は、レース前の足ならし・ウォーミングアップとして理解するのが適切です。特定の騎手や競馬場が始めた習慣だとする説明や、特定の故事に由来するという説明とは区別する必要があります。
なお、競馬では似たような準備運動に関する用語が複数ありますが、返し馬は実際にレースを行う本馬場に入ってから行われる点が特徴です。
【目的と仕組み】なぜ返し馬を行う?競走馬と騎手にとっての重要性
目的1:馬体をほぐしてレースに備える競走馬は、パドックで一定時間歩いて周回した後、本馬場へ移動します。パドックでの歩行とレース本番の走行では、体の使い方が異なります。
そこで、返し馬によって軽く走り、競走に向けて体を動かします。急に全力で走り始めるのではなく、段階的に運動することで、本番の走りへ移行する準備を整えます。
ただし、返し馬は本格的な追い切りではありません。レース前に強い負荷をかけることが目的ではなく、あくまで軽いウォーミングアップです。必要以上に激しく走ることが理想というわけではありません。
目的2:騎手が馬の状態や反応を確認する返し馬は騎手にとっても重要な時間です。実際に騎乗した状態で走らせることにより、馬の反応や走りのリズム、手綱を通じた感触を確かめられます。
例えば、次のような点を確認できます。
- 馬がスムーズに走り出せるか。
- 騎手の指示に対して自然に反応するか。
- 走行中にリズムが乱れていないか。
- 必要以上に前へ行こうとしていないか。
- 騎手が無理に手綱を引かなくても落ち着いて走れるか。
特に重要なのが、人馬のコミュニケーションです。馬が適度に前進気勢を見せながら、騎手のコントロールにも応じている状態は、返し馬を見る際の好材料になります。
目的3:本馬場の感触を確かめる競馬場の馬場は、芝・ダートの違いだけでなく、含水率や天候、開催日数などによって状態が変わります。
返し馬では、馬が実際に走るコースへ入るため、騎手はその日の馬場の感触を確かめる機会を得られます。
もちろん、返し馬だけでコース全体の状態やレース結果を判断できるわけではありません。それでも、馬と騎手が実際の競走馬場で動きを確認できることには意味があります。
返し馬は全力疾走するための時間ではない初心者が間違えやすいのが、返し馬で速く走る馬ほど調子が良いという考え方です。
JRA-VANの競馬解説では、返し馬では全力疾走によるオーバーワークを避ける必要があり、大きすぎるフットワークよりも、まとまりのある走りが一つの目安になると説明されています。
馬によって適切な運動量は異なります。気性の激しい馬であれば、無理に走らせず、落ち着かせることを優先するケースもあります。
したがって、返し馬の目的は速さを競うことではなく、その馬が本番に向けて適切な状態を整えられているかを確認することにあります。
【タイミングと流れ】返し馬はいつ行う?本馬場入場から発走までを解説
返し馬が行われるのはパドックの後返し馬は、パドックを終えて本馬場に入場した後、レースが始まる前に行われます。
競馬当日の基本的な流れは、パドックでの周回、騎手の騎乗、本馬場入場、返し馬、待機、ゲートイン、発走という順番です。
JRA公式サイトの「騎手の1日」では、レースのおよそ20分前に騎乗合図があり、その後、本馬場に入場して返し馬を行う流れが紹介されています。返し馬を終えた馬は、コース脇の待避所へ向かい、集合合図まで待機します。
これはJRAが紹介する一日の進行例であり、すべてのレースが同じ分単位で進むという意味ではありません。実際の発走時刻や進行は競馬場・レースによって異なります。
本馬場入場から発走までの流れ| 順番 | 場面 | 馬の動き・目的 |
|---|---|---|
| 1 | パドック | 競走馬が周回し、歩様や馬体、気配を確認する。 |
| 2 | 騎手の騎乗 | 騎手が馬に乗り、発走に向けた準備を進める。 |
| 3 | 本馬場入場 | 誘導馬を先頭に、競走馬が実際のレースコースへ入る。 |
| 4 | 返し馬 | 軽く走って体をほぐし、騎手が走りや反応を確認する。 |
| 5 | 待機・輪乗り | 発走地点付近で待機し、発走に備えて気持ちを整える。 |
| 6 | ゲートイン | 発走委員の指示に従ってスタートゲートへ入る。 |
| 7 | 発走 | ゲートが開き、レースが始まる。 |
実は、すべての競走馬が同じように返し馬を行うわけではありません。
JRA-VANの解説によると、返し馬を行わず、厩務員が馬と離れないままスタート地点付近まで歩いていく場合もあります。
例えば、気性が敏感な馬や、興奮しやすい馬は、無理に走らせることでテンションが上がりすぎる可能性があります。そのような馬は、落ち着きを保つことを優先する場合があります。
また、周囲の馬の動きや騎手の判断によって、返し馬を始めるタイミングが異なることもあります。
したがって、返し馬をしなかったという理由だけで、その馬を不調と判断するのは早計です。走らせないことにも、その馬に合わせた調整上の理由がある場合があります。
【実践編】返し馬の見方と見極め方!初心者が注目すべき5つのポイント
返し馬を競馬予想に役立てるには、馬の動きを漠然と眺めるのではなく、見る場所を絞ることが大切です。
JRA-VANで競馬評論家の古谷剛彦氏が解説している返し馬のチェックポイントも参考に、初心者が押さえたい観察項目を紹介します。
1. 走り出しがスムーズか最初に注目したいのは、馬が走り始めるときの動きです。
自然に走り出し、速歩から駈歩へスムーズに移行している馬は、観察上の好材料になります。反対に、走り出しを嫌がったり、何度も動きを止めたりする場合は、気性や集中力の面で注意して見たいところです。
ただし、騎手が意図的にゆっくり進めている可能性もあります。動きの一場面だけで判断しないようにしましょう。
2. フットワークと走行リズム次に見るのは、走行中の脚さばきとリズムです。
良い返し馬の目安としては、無理なく一定のリズムで走り、前後の脚が自然に連動していることが挙げられます。
特に、後肢の踏み込みと蹴り出しのバランスは注目したいポイントです。後肢の動きがしっかりしていて、全体のフォームにまとまりがあるかを観察します。
一方、動きがぎこちなく見えたり、走行リズムが何度も乱れたりする場合は注意材料になります。ただし、映像の角度や走行速度によって見え方も変わるため、故障や不調を断定することはできません。
3. 首の使い方と頭の位置馬の走りを見る際には、首や頭の位置にも注目しましょう。
首を自然に使い、体全体の動きと連動して走っている馬は、リラックスしているかどうかを判断する参考になります。
反対に、頭を極端に高く上げ、騎手が手綱を強く引いて抑えているように見える場合は、馬が行きたがっている可能性があります。
ただし、返し馬では騎手が意図的に手綱を抑えることもあります。JRA-VANの解説でも、返し馬では通常の全力走行時とは手綱の位置が異なり、多少頭が高くなること自体は必ずしも問題ではないと説明されています。
4. 騎手との折り合い返し馬で特に重要なのが、騎手と馬の意思疎通です。
馬が前へ進もうとする意欲を見せながらも、騎手の手綱に自然に反応している状態は、理想的な返し馬の一つです。
反対に、騎手が何度も手綱を引いている、馬が頭を上げて抵抗している、走る方向が安定しないといった様子があれば、折り合いに苦労している可能性があります。
JRAの用語辞典では、騎手と馬の呼吸が調和した状態を「折り合い」と説明しています。返し馬は、その折り合いを目で確認する機会にもなります。
5. パドックからの気配の変化返し馬を見るときは、パドックでの状態と比較することも欠かせません。
例えば、パドックでは大人しかった馬が、本馬場に入ると適度に前向きな動きを見せるようになった場合、レースに向けて気持ちが整ってきた可能性があります。
反対に、パドックですでに落ち着きを欠いていた馬が、本馬場でも激しく行きたがる場合は、レース前にエネルギーを消耗していないか注意したいところです。
大切なのは、パドックと返し馬を別々の評価にせず、馬の状態がどのように変化したかを確認することです。
【比較・判断基準】返し馬が良い馬と悪い馬の特徴とは?
返し馬が良い馬に見られる特徴返し馬が良い馬には、走りのリズムが安定している、騎手との折り合いが取れている、必要以上に興奮していないといった特徴が見られます。
具体的には、次のようなポイントが判断材料になります。
- 自然な動きでスムーズに走り出す。
- 走行中のフォームにまとまりがある。
- 脚さばきが滑らかでリズムが安定している。
- 騎手の手綱に過剰に抵抗しない。
- 適度な前進気勢がありながら落ち着いている。
- 走った後も必要以上に興奮していない。
特に評価したいのは、馬が自分から走ろうとする意欲と、騎手がそれを適切にコントロールできている状態です。
返し馬が悪い馬に見られる特徴一方、注意したい返し馬には、走行中に落ち着きを欠く、騎手の指示に反発する、動きがぎこちないといった特徴があります。
- 何度も走り出しを嫌がる。
- 騎手が強く手綱を引いている。
- 頭を高く上げて抵抗する動きが続く。
- 走行リズムが不安定で、動きがまとまらない。
- 必要以上に興奮し、前へ行こうとする。
- パドックから引き続き落ち着きを欠いている。
こうした様子が見られた場合は、レース前に余計な体力を使ってしまう可能性も考えられます。
ただし、これらはあくまで観察上の注意点です。返し馬の動きだけで、その馬の競走能力や健康状態を確定することはできません。
速く走る馬とゆっくり走る馬はどちらが良い?ここは初心者が特に間違えやすいポイントです。
返し馬で速く走っている馬を見ると、調子が良く、気合も十分だと感じる可能性があります。しかし、返し馬の速さとレースでの好走は必ずしも一致しません。
例えば、気性が激しい馬の場合、騎手が意図的にスピードを抑えていることがあります。また、普段から落ち着いたタイプの馬は、軽い運動だけで十分に準備を整えられることもあります。
逆に、あまりに強く行きたがる馬は、レース前にエネルギーを使ってしまう可能性があります。
見るべきなのは走る速さではなく、その馬に合った運動量で、無理なく走れているかどうかです。
【違いと予想への活用】返し馬とパドックをどう使い分ける?
パドックと返し馬の違いパドックと返し馬は、どちらも競走馬の当日の状態を観察するための重要な機会ですが、確認できる情報には違いがあります。
パドックでは馬体や歩き方、気性などを観察できます。一方、返し馬では実際に走っている姿を見られるため、走行フォームや騎手との折り合いを確認できます。
それぞれの特徴を整理すると、次のようになります。
- パドック:馬体、歩様、発汗、落ち着き、気合を確認する。
- 返し馬:走行フォーム、脚さばき、前進気勢、騎手とのコンタクトを確認する。
パドックは馬が歩いている状態を中心に観察する場所であり、返し馬は馬が実際に走る状態を観察できる場面です。
返し馬を競馬予想に活かす3つの方法返し馬を馬券予想に活用するなら、次の3つの方法を意識すると判断しやすくなります。
方法1:パドックで気になった馬を重点的に見る
出走する全馬の返し馬を一度に確認するのは簡単ではありません。馬がそれぞれ違う方向へ走り出すため、視線を移動させるだけでも大変です。
JRA-VANで古谷剛彦氏も、最初から全馬をチェックするのではなく、自分が狙っている馬や本命馬など、少数の馬から観察する方法を勧めています。
まずパドックで気になった馬を選び、その馬の返し馬を重点的に見ると、観察するポイントが明確になります。
方法2:パドックと返し馬の変化を比較する
パドックで落ち着いていた馬が返し馬で適度に気合を見せた場合や、逆にパドックから興奮していた馬が本馬場では落ち着いて走れるようになった場合は、プラス材料として検討できます。
反対に、パドックでも返し馬でも一貫して落ち着きがなく、騎手が抑えるのに苦労しているようなら、慎重に判断したいところです。
一つの場面だけで評価するのではなく、状態の変化に注目することがポイントです。
方法3:調教や過去のレース映像と照らし合わせる
返し馬の評価をさらに深めるには、調教内容や過去のレース映像も参考になります。
普段から前向きな気性の馬であれば、返し馬でも活気のある動きを見せることがあります。逆に、普段は落ち着いている馬が当日だけ極端に行きたがる場合は、いつもとの違いに注目できます。
過去の映像があれば、同じ馬の走り方や気性の傾向を比較できます。初めて見る馬よりも、以前の状態を知っている馬の方が変化を判断しやすいのです。
返し馬だけで馬券を決めるのは危険返し馬は有益な情報ですが、競馬予想のすべてを決める材料ではありません。
実際のレース結果には、馬の能力、距離適性、コース適性、枠順、騎手、展開、馬場状態など、さまざまな要素が関係します。
JRAの初心者向け競馬ガイドでも、予想ファクターとして過去実績、脚質、距離適性、調教、パドックなど複数の要素が紹介されています。
返し馬は、これらの情報を補う最終チェックとして活用するのが効果的です。
特に、事前予想で評価していた馬について、当日の気配が想定どおりかを確かめる使い方がおすすめです。
返し馬の観察に向いている人・向いていない人返し馬の観察は、競馬の知識が少ない初心者でも始められます。ただし、観察した情報を正しく活用するには、向き不向きもあります。
返し馬の観察に向いている人
- 馬の動きやフォームを見るのが好きな人。
- パドックで気になった馬をさらに詳しく確認したい人。
- 競馬中継の細かな場面まで楽しみたい人。
- 過去映像と当日の状態を比較するのが好きな人。
注意したい人
- 速く走った馬を無条件に高く評価してしまう人。
- 一度の動きだけで馬の能力を断定する人。
- 返し馬だけで買い目を大きく変更してしまう人。
- 全出走馬を短時間ですべて評価しようとする人。
初心者は、まず1頭の動きを継続して観察するところから始めるとよいでしょう。観察内容とレース結果を記録していけば、自分なりの判断基準を作りやすくなります。
【プロの結論】返し馬を見るときに本当に大切な判断基準
返し馬を競馬予想に活かすうえで、最も大切なのは「速く走っている馬を探すこと」ではありません。
競走馬にはそれぞれ異なる気性や走り方があります。活気を表に出す馬もいれば、静かにレースへ向かう馬もいます。返し馬の強弱も、馬の性格や騎手の判断によって変わります。
そこで、実際の観察では次の3つを判断の軸にするとよいでしょう。
判断基準1:その馬にとって自然な走りか他の馬と比較するだけではなく、その馬自身の普段の走り方を知ることが重要です。
普段から前向きな馬が適度に気合を見せているのであれば、それは自然な状態可能性があります。普段は落ち着いている馬が急に行きたがっているのであれば、慎重に観察する必要があります。
判断基準2:騎手が無理なくコントロールできているか馬の前進気勢と騎手のコントロールが両立しているかを確認します。
馬が走りたがっていても、騎手が強く抑え続けている場合は、折り合いに課題がある可能性があります。一方、適度なスピードで走りながら騎手の指示に反応できている馬は、好材料として評価できます。
判断基準3:パドックからの状態変化が良い方向か返し馬だけを見るより、パドックと組み合わせることで情報量が増えます。
パドックでは落ち着きがあり、返し馬では適度な活気を見せる。あるいは、パドックで興奮していた馬が本馬場では落ち着きを取り戻す。こうした変化は、当日の状態を考えるうえで参考になります。
反対に、パドックから返し馬まで一貫して過度に興奮している場合は、レース前の消耗という観点から慎重に評価したいところです。
返し馬は、競走馬の能力そのものを測る試験ではありません。あくまで当日のコンディションや気配を確認するための材料です。事前の能力評価と組み合わせることで、予想の精度を高める手掛かりになります。
返し馬とは何かに関するよくある質問(FAQ)
Q1:返し馬とは簡単にいうと何ですか?
A1:返し馬とは、パドックを終えた競走馬が本馬場に入場した後、レース発走前に行うウォーミングアップです。体をほぐすほか、騎手が馬の走りや反応を確認する役割もあります。
Q2:返し馬はレースの何分前に行われますか?
A2:パドックでの周回と騎手の騎乗を終え、本馬場に入場してから発走前に行われます。JRAの騎手の1日を紹介するページでは、発走のおよそ20分前に騎乗合図が出る流れが示されています。実際の進行時間はレースによって異なります。
Q3:返し馬をしない馬は調子が悪いのですか?
A3:必ずしもそうではありません。気性や当日の状態、騎手の判断によって、軽い運動にとどめたり、走らずに歩いて発走地点へ向かったりする馬もいます。返し馬をしないことだけで不調とは判断できません。
Q4:返し馬が良い馬にはどのような特徴がありますか?
A4:走行リズムが安定し、フォームにまとまりがあり、騎手との折り合いが取れていることが一つの目安です。ただし、馬によって理想的な運動量や気性は異なります。
Q5:返し馬とパドックはどちらを重視すべきですか?
A5:どちらか一方だけを重視するのではなく、組み合わせるのがおすすめです。パドックでは馬体や歩様、落ち着きを確認し、返し馬では走りのフォームや騎手との折り合いを確認できます。
Q6:返し馬が速い馬は馬券で買うべきですか?
A6:速く走っていることだけで買いと判断するのはおすすめできません。速さよりも、走行リズムやフォーム、騎手との折り合い、その馬の普段の傾向との違いを確認しましょう。
Q7:返し馬を見ると競馬初心者でも予想が上達しますか?
A7:返し馬を継続して観察すれば、馬の気配や走り方に注目する習慣が身につきます。最初は本命馬など1頭に絞り、パドックでの様子、返し馬、レース結果を記録して比較すると、自分なりの判断基準を作りやすくなります。
返し馬とは、パドックを終えた競走馬が本馬場へ入場し、発走前に行うウォーミングアップです。JRAの公式用語辞典でも定義されている、競馬観戦に欠かせない用語の一つです。
返し馬には、馬体をほぐす、馬場の感触を確かめる、騎手が走りや反応を確認するといった役割があります。観察するときは、走る速さだけではなく、フットワーク、首の使い方、走行リズム、騎手との折り合いに注目しましょう。
また、返し馬とパドックを組み合わせて見ることで、レース直前の状態変化も把握しやすくなります。返し馬をしない馬がいることや、速く走ることが必ずしも好調を意味しないことも覚えておきたいポイントです。
競馬予想で失敗しないための基本は、返し馬だけで結論を出さず、過去の成績や調教、馬場適性、パドックでの様子と合わせて判断することです。
まずは気になる1頭を決め、その馬が本馬場でどのように走るのかを観察してみてください。返し馬の意味を理解すれば、レース直前の数分間も競馬の奥深さを感じられる、見逃せない時間になるはずです。
主な参照資料
- JRA「競馬用語辞典」:返し馬の公式定義。
- JRA「騎手の1日」:騎乗合図、本馬場入場、返し馬、待機までの流れ。
- JRA-VAN「返し馬・パドックの見方と抑えておきたいポイント」:競馬評論家・古谷剛彦氏による観察方法の解説。
- 精選版日本国語大辞典(コトバンク):返馬の語義。
- JRA「ビギナーズセミナー」:パドックと競馬予想の基本知識。