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【プロフィール・経歴】今泉力哉はどんな映画監督?生い立ちからデビューまで

桂木 洋 桂木 洋 • 更新: • 公開: • 読了約 22 分
目次

今泉力哉は、1981年2月1日生まれ、福島県郡山市出身の映画監督・脚本家だ。恋愛、友情、夫婦関係、日常の人間関係を題材に、登場人物の言葉にならない感情を映像に落とし込む演出で知られている。

今泉力哉のプロフィール
項目 内容
名前 今泉力哉(いまいずみ・りきや)
生年月日 1981年2月1日
出身地 福島県郡山市
職業 映画監督・脚本家
大学 名古屋市立大学芸術工学部
映画制作の出発点 大学在学中の自主映画制作
商業監督デビュー 2010年『たまの映画』
主な代表作 『愛がなんだ』『街の上で』『窓辺にて』
2026年の主な作品 『冬のなんかさ、春のなんかね』『クロエマ』

映画.comの人物プロフィールによると、今泉は大学在学中から自主映画の制作を開始。卒業後は大阪で吉本総合芸能学院(NSC)に通い、その後、上京して映画学校ニューシネマワークショップで映画制作を再開した。

映画監督という肩書きだけを見ると、映像表現を専門的に学んできた人物という印象を持つかもしれない。しかし、今泉の経歴には、お笑いの養成所に通った経験や、少ない予算で自主映画を作り続けた時期が含まれている。

こうした異色の経験は、後の作品に見られる会話のユーモアや、登場人物の自然な掛け合いにもつながっている。

2010年『たまの映画』で商業監督デビュー


『たまの映画』(2010年)

バンド「たま」の元メンバーたちを題材にしたドキュメンタリー。今泉が商業映画監督としての第一歩を踏み出した作品だ。

その後、2012年の『こっぴどい猫』では、恋愛と人間関係をユーモラスに描いた。さらに同作でトランシルヴァニア国際映画祭の最優秀監督賞を受賞している。

2013年には『サッドティー』を発表。東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門などで作品を紹介され、インディペンデント映画の世界で注目を集めるようになった。

この時期に培った演出方法が、2019年の『愛がなんだ』や2021年の『街の上で』へと発展していく。

今泉力哉のキャリア年表と転換点
年 作品・活動 キャリア上の意味
2010年 『たまの映画』 商業監督デビュー
2012年 『こっぴどい猫』 国際映画祭で監督賞を受賞
2013年 『サッドティー』 恋愛群像劇で注目を集める
2016年 『知らない、ふたり』 恋愛映画の演出を深める
2018年 『パンとバスと2度目のハツコイ』 恋愛映画の監督として認知を広げる
2019年 『愛がなんだ』『アイネクライネナハトムジーク』 代表作を相次いで発表
2020年 『mellow』『his』 恋愛や家族、社会との関係を描く
2021年 『あの頃。』『街の上で』『かそけきサンカヨウ』 多彩な題材に取り組む
2022年 『猫は逃げた』『窓辺にて』 夫婦関係や人間の複雑な感情を掘り下げる
2023年 『ちひろさん』『アンダーカレント』 映画表現の幅を広げる
2024年 『からかい上手の高木さん』 原作漫画の実写化にも挑戦
2026年 『冬のなんかさ、春のなんかね』『クロエマ』 オリジナル連続ドラマと漫画原作ドラマを展開

【代表作・映画作品一覧】『愛がなんだ』から『街の上で』まで

今泉力哉

今泉力哉の映画を理解するには、作品を公開順に追うだけでなく、それぞれがどんな人間関係を描いているかに注目するとよい。

初期作品には自主映画的な自由さがあり、2019年以降は幅広い俳優や原作作品と組みながら、日常を題材にした人間ドラマを展開している。

今泉力哉の主な監督作品



1. (2019年)

原作は角田光代の同名小説。岸井ゆきの演じるテルコが、成田凌演じるマモルに一方的な恋心を寄せる物語だ。

相手に振り向いてもらえないと分かっていても、好きな人を優先してしまう心理を、滑稽さと切なさの両面から描く。


2. (2021年)

下北沢を舞台に、古着屋で働く青年・荒川青の日常と、周囲の人々との交流を描く作品。

若葉竜也、穂志もえか、古川琴音、中田青渚らが出演。何気ない会話や偶然の出会いが、物語を予想外の方向へ動かしていく。


3. (2022年)

稲垣吾郎主演。妻の浮気を知った男性が、自分自身の感情と向き合っていく物語だ。

夫婦関係における嫉妬や愛情、世間一般の善悪だけでは整理できない感情を丁寧に描いている。


4. (2023年)

有村架純主演。元風俗嬢で、海辺の町のお弁当屋で働くちひろさんと、彼女を取り巻く人々の交流を描く。

恋愛だけでなく、孤独や他者との距離、居場所を持つことの意味に焦点を当てた作品。


5. (2024年)

永野芽郁と高橋文哉が出演。山本崇一朗の漫画を原作とする実写映画で、10年後に再会した高木さんと西片の関係を描く。

繊細な恋愛描写を得意とする今泉が、初恋の甘酸っぱさをどのように映像化したかが見どころだ。



その他の映画作品一覧

主な監督作品を年代別に整理すると、次のようになる。

- 2010年代前半:『たまの映画』『終わってる』『こっぴどい猫』『サッドティー』『鬼灯さん家のアネキ』
- 2010年代後半:『知らない、ふたり』『退屈な日々にさようならを』『パンとバスと2度目のハツコイ』
- 2019年:『愛がなんだ』『アイネクライネナハトムジーク』
- 2020年:『mellow』『his』
- 2021年:『あの頃。』『街の上で』『かそけきサンカヨウ』
- 2022年:『猫は逃げた』『窓辺にて』
- 2023年:『ちひろさん』『アンダーカレント』
- 2024年:『からかい上手の高木さん』

なお、『愛なのに』(2022年)は城定秀夫監督作品で、今泉力哉は脚本を担当している。監督作品と脚本参加作品を混同しないことも、フィルモグラフィーを理解するうえで大切だ。

【作風を徹底分析】今泉力哉の恋愛映画がリアルで心に残る理由

今泉作品を見た人が印象に残りやすいのは、派手な展開よりも、登場人物同士の会話や沈黙ではないだろうか。

恋愛映画というジャンルに分類される作品が多いものの、その本質は恋愛の成就や失恋そのものではない。人間が他人を好きになったときに生まれる矛盾や、自分でも説明できない気持ちを描くことにある。

1. 会話に含まれる「間」を大切にする

今泉は2021年の文春オンラインのインタビューで、自主映画時代に培った演出方法について語っている。

自主映画時代は、1本10万円ほどの予算で短編映画を制作していたという。予算が限られる中で、映画を面白くするために力を注いだのが俳優の芝居だった。

そこで生まれたのが、会話の「間」を生かした長回しの演出だ。

脚本に書かれた台詞を単に再現するのではなく、カメラを回しながら、俳優の反応や想定外の動きが生まれることを待つ。

その結果、登場人物が何かを言いかけてやめたり、相手の言葉にすぐ返事をしなかったりする場面にも、感情の動きが宿る。

2. 登場人物を単純な善人・悪人に分けない

今泉作品では、恋愛における正しさが必ずしも明確ではない。

例えば『愛がなんだ』のテルコは、好きな相手のために自分の生活を犠牲にする。一方で、マモルも一方的な悪人として描かれるわけではない。

『窓辺にて』でも、浮気という出来事だけをもって人物の感情を判断することは難しい。

今泉は2022年の同作に関するインタビューでも、不倫や「悪」とされるものを一面的に断罪することへの疑問を語っている。

こうした姿勢によって、観客は登場人物を評価するだけでなく、自分ならどう感じるのかを考えることになる。

3. 俳優の個性を演技に生かす

今泉の演出では、俳優の自然な反応や人物の距離感が重視される。

『街の上で』に出演した若葉竜也は、過去の出演経験を振り返り、今泉監督が自分の考えていた人物像をすくい取ってくれたという趣旨の話をしている。

また、『からかい上手の高木さん』のインタビューでは、今泉自身が、まず俳優に自由に演じてもらい、そこから芝居の温度を調整する方法を説明している。

つまり、監督が完成形を一方的に押し付けるのではなく、俳優と一緒に人物を作り上げていくスタイルだ。

【恋愛映画の魅力】『愛がなんだ』『パンとバス』に見る独自の視点

今泉力哉は恋愛映画の監督として紹介されることが多い。しかし、その作品群には、いわゆる王道のラブストーリーとは異なる特徴がある。

『愛がなんだ』は片思いの美しさと危うさを描いた作品

『愛がなんだ』は、今泉力哉の名前を広く知らしめた代表作だ。

主人公テルコは、マモルに恋をして以来、仕事も日常生活も彼を中心に回すようになる。

彼から連絡が来ればすぐに応じ、呼び出されれば予定を変えて会いに行く。周囲から見れば不合理な行動でも、本人にとっては幸せな時間でもある。

この映画の面白さは、テルコの行動を単純に否定しない点にある。

恋愛に夢中になることは美しいのか、それとも自分を見失うことなのか。観客の立場によって、テルコへの共感も反発も変わってくる。

原作は角田光代の小説で、2019年4月19日に公開。岸井ゆきの、成田凌、深川麻衣、若葉竜也、江口のりこらが出演した。

『パンとバスと2度目のハツコイ』は結婚観を問いかける

2018年公開の『パンとバスと2度目のハツコイ』は、深川麻衣と山下健二郎が出演した恋愛映画。

恋愛と結婚を同じものとして考えられない女性の心情を描いている。

好きな人と一緒にいたいという気持ちと、結婚という制度の中で生活することは、必ずしも一致しない。

この作品には、恋愛の先に結婚があるという一般的な物語の流れを、少し違った角度から見つめる今泉らしさが表れている。

『his』は恋愛を取り巻く社会との関係にも目を向ける

2020年公開の『his』は、宮沢氷魚と藤原季節が出演する作品。

同性同士の恋愛を題材にしながら、親子関係や周囲の人々との関わり、社会の中で生きることにも焦点を当てている。

今泉作品の魅力は、恋愛を個人の感情だけで完結させないところにある。

誰かを好きになることによって、本人だけでなく、家族や周囲の人々の価値観まで揺れ動いていく。その複雑さが作品に厚みを与えている。

作品ごとに異なる恋愛の温度
作品 恋愛・人間関係のテーマ おすすめの見どころ
『愛がなんだ』 一方的な片思い 好きな人を優先する心理
『パンとバスと2度目のハツコイ』 恋愛と結婚 結婚に対する価値観
『アイネクライネナハトムジーク』 出会いと時間 人生の中で交差する縁
『mellow』 伝えられない気持ち 片思いと人との距離
『his』 同性間の恋愛と家族 恋愛と社会の関係
『街の上で』 日常の中の恋愛 偶然の出会いと会話
『窓辺にて』 夫婦と嫉妬 感情の矛盾と複雑さ

今泉作品は、恋愛を単純な成功・失敗で整理しない。そこが、一般的な恋愛映画とは異なる大きな特徴だ。

【2026年最新】『冬のなんかさ、春のなんかね』『クロエマ』で見せた新境地

2026年の今泉力哉を語るうえで外せないのが、日本テレビのドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』と、Prime Videoの『クロエマ』だ。

どちらも2026年に発表された映像作品だが、題材や制作体制には違いがある。

『冬のなんかさ、春のなんかね』は杉咲花主演のオリジナルドラマ

『冬のなんかさ、春のなんかね』は、2026年1月14日から3月25日まで日本テレビ系で放送された連続ドラマだ。

杉咲花が主人公の土田文菜を演じ、成田凌が恋人となる美容師・佐伯ゆきおを演じた。

脚本は今泉力哉が担当。監督は今泉のほか、山下敦弘、山田卓司も参加している。

物語の中心にあるのは、恋愛に対する不安と葛藤だ。

主人公の文菜は、過去の別れや叶わなかった恋を経験したことで、人を好きになることに恐れを抱いている。

好きだからこそ付き合わない方がよいのではないか。大切な人と一緒にいることは、本当に幸せなのか。

こうした問いを、文菜の過去と現在を行き来しながら描いていく。

日本テレビの番組発表では、日常をのぞき見るようなリアルな会話劇も見どころとして紹介された。

注目したいのは、2026年3月の最終回後に行われたインタビューだ。

集英社オンラインの取材で今泉は、視聴者の感想が分かれることについて、次のように話している。

「見る人によって感想がバラける作品の方が豊かだと思っているんです。」

これは、今泉作品の根本にある考え方を理解するうえで重要な発言だ。

全員が同じ人物に共感し、同じ結末を望むような作品ではなく、見る人によって受け取り方が異なる物語を目指している。

実際、同作の登場人物の行動については、放送中もさまざまな感想が寄せられた。今泉自身も視聴者の反応を確認しながら、何が自然に見えるのか、何が人によって異なるのかを考えていたという。

『クロエマ』は杉咲花・多部未華子のW主演ドラマ

2026年6月12日には、Prime Originalドラマシリーズ『クロエマ』がPrime Videoで世界独占配信された。

原作は『逃げるは恥だが役に立つ』で知られる漫画家・海野つなみの同名漫画。杉咲花と多部未華子がW主演を務める。

ここで押さえておきたいのは、『クロエマ』は映画ではなく、全5話の連続ドラマだという点だ。

物語の主人公は、恋も仕事も家も一度に失った30歳の女性エマ。彼女は謎めいた資産家クロエの屋敷にたどり着き、ひょんなことから共同生活を始める。

やがて二人は占いの店を開くことになる。

店にはさまざまな悩みを抱えた相談者が訪れるが、相談内容の裏には別の事情や隠された問題がある。占いを手掛かりに謎を解き明かしていく、甘さとミステリー要素を併せ持つ作品だ。

項目 内容
作品名 『クロエマ』
配信開始 2026年6月12日
配信形式 Prime Video世界独占配信
話数 全5話
主演 杉咲花・多部未華子
原作 海野つなみ
監督 今泉力哉
脚本 今泉かおり・今泉力哉
制作 WOWOW・コギトワークス

配信は3週間にわたって行われ、最終話は6月26日に配信された。240以上の国と地域で展開される作品として発表されている。

また、2024年のPrime Originalドラマ『1122 いいふうふ』でも組んだ今泉力哉監督と今泉かおり脚本のタッグが再び実現した点も注目に値する。

出演者には岩瀬洋志、井之脇海、河井青葉、野添義弘、諏訪太朗、光石研らが名を連ねる。

2026年の今泉力哉は何に取り組んでいるのか

2026年の活動から見えてくるのは、今泉が恋愛映画だけにとどまらない映像作家へと活動領域を広げていることだ。

『冬のなんかさ、春のなんかね』では、恋愛に対する不安や迷いをオリジナルの連続ドラマとして表現した。

一方、『クロエマ』では漫画原作のミステリー要素を含む物語に挑戦している。

集英社オンラインの2026年3月のインタビューでは、今泉は脚本を書くことの難しさや、作品を作り続ける中で新しい人や表現に出会う面白さについても語った。

また、同年6月の『&Premium』のインタビューでは、現場をまとめる際に「なるべく対等に意見を交わし、楽しい現場にすること」を大切にしていると紹介されている。

こうした発言からは、演出家として俳優やスタッフと向き合う姿勢も見えてくる。

【評判・評価を検証】今泉力哉作品はなぜ好き嫌いが分かれる?

今泉力哉の作品は、熱心な映画ファンから支持される一方、テンポや物語の結末に好みが分かれることもある。

その理由は、作品の構造そのものにある。

高く評価されるポイント

- 会話の自然さ: 日常の何気ない会話に、登場人物の性格や関係性が表れる。
- 俳優の演技: 感情を過度に説明せず、表情や沈黙で伝える演出が印象に残る。
- 人物描写の複雑さ: 誰かを一方的に悪者にしないため、観客が自分の価値観と向き合える。
- 日常のリアリティ: 特別な事件がなくても、身近な出来事から物語を生み出す。

2021年には、Filmarksの上半期映画監督人気ランキングで1位になったこともある。

ただし、文春オンラインのインタビューで今泉自身は、このランキングについて、自分の映画の感想コメントに「いいね」をしていたことが、ユーザーに見つけてもらうきっかけになったと振り返っている。

つまり、ランキングの順位だけで人気や評価を断定するのではなく、作品そのものに対する反応を見る必要がある。

好みが分かれるポイント

反対に、次のような特徴は人によっては苦手に感じられる。

- 物語の進行がゆっくりしている。
- 登場人物の行動に明確な正解がない。
- 恋愛関係がきれいに解決しない。
- 長い会話シーンや沈黙が多い。
- 見終わった後に、すっきりした結論が残らない場合がある。

こうした特徴は演出の欠点というより、今泉が人物の感情を簡単に整理しないことから生まれるものだ。

今泉力哉作品が向いている人・向いていない人
観点 おすすめできる人 好みが分かれそうな人
ストーリー 日常を題材にした作品が好き 急展開や大きな事件を求める
恋愛描写 曖昧な感情を楽しめる 明快な恋愛成就を求める
演技 自然な会話や沈黙が好き テンポの速い演技が好き
人物描写 人間の矛盾を考えたい 善悪を明確に判断したい
結末 余韻のある終わり方が好き すべての伏線の回収を求める

最初に見る作品を選ぶなら、恋愛映画が好きな人には『愛がなんだ』、会話劇を楽しみたい人には『街の上で』、人間関係の複雑さに関心がある人には『窓辺にて』がおすすめだ。

【今泉力哉に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:今泉力哉は何歳ですか?

A1:1981年2月1日生まれです。2026年11月現在、45歳です。福島県郡山市出身で、名古屋市立大学芸術工学部に在学中から自主映画を制作していました。

Q2:今泉力哉の代表作は何ですか?

A2:代表作として特に知られているのは『愛がなんだ』『街の上で』『窓辺にて』です。そのほか『his』『ちひろさん』『mellow』『からかい上手の高木さん』なども重要な作品です。

Q3:今泉力哉の2026年最新作は何ですか?

A3:2026年の主な新作には『冬のなんかさ、春のなんかね』と『クロエマ』があります。前者は日本テレビ系の連続ドラマ、後者は杉咲花・多部未華子主演のPrime Videoオリジナルドラマです。

Q4:今泉力哉は恋愛映画専門の監督ですか?

A4:恋愛映画で広く知られていますが、専門というわけではありません。『ちひろさん』のような孤独や人間関係を描く作品や、『あの頃。』のような青春・音楽を題材にした作品も手がけています。

Q5:『クロエマ』は映画ですか?

A5:映画ではなく、全5話のドラマシリーズです。2026年6月12日からPrime Videoで配信され、今泉力哉が監督を務めています。

今泉力哉のキャリアを振り返ると、2010年の『たまの映画』から、自主映画で培った演出方法を土台に、独自の作品世界を積み上げてきたことが分かる。

『愛がなんだ』では一方通行の恋愛を、『街の上で』では下北沢の日常を、『窓辺にて』では夫婦関係の複雑さを描いた。

そして2026年には、『冬のなんかさ、春のなんかね』と『クロエマ』を通して、恋愛の迷いや人間関係の謎を異なる形式で表現している。

今泉作品の本当の魅力は、恋愛を描くことではなく、人間の気持ちを簡単に決めつけないことにある。

好きなのに一緒にいられない。相手を大切に思っているのに傷つけてしまう。正しいと思っていた選択が、別の人から見れば間違いに映る。

こうした矛盾を丁寧に描くからこそ、作品を見た人の間で感想が分かれ、鑑賞後にも考え続ける余地が残る。

今泉力哉の映画を初めて見るなら、まずは『愛がなんだ』か『街の上で』から入るのがよい。そこから『窓辺にて』『his』へと進めば、恋愛というテーマの奥にある、人間そのものへの視線が見えてくるはずだ。

2026年の新作を含め、今泉力哉の作品は、明快な答えを求めるよりも、人間の複雑さをそのまま受け止めたい人にこそ響く。

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桂木 洋

映画・ドラマの公開情報を担当。配給会社のプレスシートと公式サイト記載を基準に、あらすじと配役をまとめます。

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