2026年11月3日現在、大相撲の第74代横綱・豊昇龍は、右膝の手術から復帰を目指して調整を続けている。11月8日に初日を迎える九州場所では西横綱に番付されているが、出場するかどうかはまだ最終決定に至っていない。11月3日には幕内・平戸海との稽古で20勝8敗を記録し、前日と合わせて2日間で62番を取るなど、実戦感覚を取り戻すための稽古を重ねている。
豊昇龍は2026年5月の夏場所、7月の名古屋場所、9月の秋場所と3場所連続で休場を経験した。特に7月29日に受けた右膝内側側副靱帯の修復手術は、その後の横綱としての活動にも大きく影響している。日本相撲協会の公式プロフィールによる通算成績は401勝235敗49休、幕内優勝は2回。横綱昇進後の実績と故障からの復帰という、二つの課題に直面している。
【2026年11月最新】豊昇龍の現在は?九州場所の番付と出場状況

2026年11月場所を前にした豊昇龍の最大の焦点は、右膝の回復が本場所15日間を戦い抜ける水準に達しているかどうかだ。
日本相撲協会が発表した令和8年11月場所の番付では、豊昇龍は西横綱。東横綱には大の里が位置している。九州場所は11月8日に福岡国際センターで初日を迎える。
ただし、番付に名前が掲載されていることと、実際に初日から出場することは別の問題だ。11月3日時点では本人も出場の最終判断を保留している。
11月3日の最新稽古で平戸海と20勝8敗11月3日、豊昇龍は福岡県糸島市の立浪部屋宿舎で、出稽古に訪れた平戸海と28番の申し合いを行い、20勝8敗だった。
さらに前日の11月2日にも境川部屋へ出向いて平戸海と34番を取っており、2日間の合計は62番に達した。
右膝にはサポーターを着用していたものの、立ち合いのぶちかましや喉輪、前まわしを取る攻めなど、複数の動きを試していた。劣勢から攻め返す稽古にも取り組み、実戦を想定した動作の確認を進めている。
共同通信の11月3日付報道によると、豊昇龍は自身の状態について次のように説明した。
「体の状態は日に日に良くなっている。出るつもりでやっているが、まだ決めていない」
デイリースポーツの同日報道でも、2日間で62番を取った稽古の内容が伝えられた。豊昇龍は「悪くはない」と手応えを示す一方、出場については師匠と相談して決める考えを明らかにしている。
つまり、現在の豊昇龍は出場を前提に稽古を進めている段階であり、九州場所への出場が正式に確定した状態ではない。
九州場所の出場判断で注目されること出場を見極めるうえで重要なのは、稽古の番数だけではない。右膝に負担がかかる立ち合い、相手の圧力を受け止める動き、土俵際での踏ん張り、投げを打つ際の体勢などを安定してこなせるかが焦点になる。
横綱は15日間を通して高い水準の相撲を求められる。短時間の稽古で動けることと、連日強い相手と対戦できることは同じではない。
11月3日時点では、出場意欲と稽古量の両面で前向きな材料が出ている一方、最終的な判断は立浪親方との協議に委ねられている。
【右膝手術と秋場所全休】豊昇龍が3場所連続休場に至った経緯
豊昇龍の長期離脱は、2026年5月の夏場所での右太もも裏の負傷から始まり、7月の名古屋場所で右膝の状態が悪化したことで深刻化した。
単に一度のけがで休場したわけではない。復帰を試みた場所で再び故障が起き、最終的に手術を選択することになった経緯がある。
2026年5月:高安戦で右太もも裏を負傷5月10日に初日を迎えた夏場所で、豊昇龍は小結・高安との初日の取組で敗れた際、右太もも裏を負傷した。
翌11日の2日目から休場。日本相撲協会に提出された診断書では、傷病名は右ハムストリングス損傷とされ、約2週間の安静が必要と診断された。
この場所の成績は0勝2敗13休。横綱として復帰を目指す中で、早くも予定が崩れる結果となった。
2026年7月:名古屋場所で右膝の古傷が悪化5月場所を休場した豊昇龍は、7月の名古屋場所で再び土俵に戻った。しかし、場所中に以前から痛めていた右膝の状態が悪化する。
7月場所6日目の伯乃富士戦で右膝の古傷が悪化。終盤には蹲踞することも厳しい状態になったと報じられている。
13日目までの成績は7勝6敗。7月25日の14日目から休場し、日本相撲協会に提出した診断書には右膝内側側副靱帯損傷、右ハムストリングス損傷と記載された。療養期間は約6週間とされた。
この時点で2場所連続の休場となり、横綱としての出場機会を再び失った。
7月29日:右膝内側側副靱帯の修復手術名古屋場所後、豊昇龍は右膝の状態を詳しく調べるため病院を受診した。その結果、右膝内側側副靱帯を修復する手術を受けることになった。
手術日は2026年7月29日。約1週間入院し、その後は立浪部屋で上半身を中心としたトレーニングやリハビリに取り組んだ。
8月19日に両国国技館で健康診断を受けた際、豊昇龍自身が手術を受けたことを公表。医師からは、手術をしなければ復帰まで1年かかる可能性があると説明されていたことも共同通信などの報道で伝えられた。
手術を選択した背景には、短期間で無理に復帰するよりも、長期的に相撲を続けるために右膝を修復する必要があったという事情がある。
2026年9月:秋場所は自身初の全休9月13日に初日を迎えた秋場所について、豊昇龍は最終的に出場を断念した。9月11日の取組編成会議で初日と2日目の取組に入らず、休場が決定した。
日刊スポーツによると、9月上旬の稽古総見では四股やすり足などの基本動作を行い、関脇・熱海富士に胸を出す場面もあった。しかし、自身が相撲を取る実戦稽古は再開できていなかった。
師匠の立浪親方も、右膝を十分に回復させることを優先する姿勢を示していた。
秋場所の成績は0勝0敗15休。2018年初場所の初土俵以来、初日から休場するのは初めてで、自身初の15日間全休となった。
この結果、5月の夏場所から3場所連続で休場を経験することになった。横綱在位10場所のうち5場所で休場したという記録も、故障の影響の大きさを物語っている。
【豊昇龍の経歴と2026年最新成績】通算戦歴・勝率・幕内優勝回数
豊昇龍はモンゴル・ウランバートル出身の力士で、本名はスガラグチャー・ビャンバスレン。1999年5月22日生まれで、2026年11月現在27歳だ。
日本相撲協会の公式プロフィールによると、身長188センチ、体重148キロ。立浪部屋に所属し、2018年1月場所で初土俵を踏んだ。
豊昇龍の主要経歴と2026年の場所別成績初土俵から横綱までの歩みと、2026年の成績を整理すると次のようになる。
| 時期 | 番付・出来事 | 成績・備考 |
|---|---|---|
| 2018年1月 | 初土俵 | 立浪部屋から力士人生をスタート |
| 2020年9月 | 新入幕 | 幕内力士となる |
| 2023年7月 | 幕内初優勝 | 関脇で12勝3敗 |
| 2023年9月 | 大関昇進 | 新大関として土俵に立つ |
| 2025年1月 | 幕内2度目の優勝 | 12勝3敗で優勝決定巴戦を制す |
| 2025年1月29日 | 第74代横綱に昇進 | 日本相撲協会が正式決定 |
| 2026年1月 | 東横綱 | 10勝5敗 |
| 2026年3月 | 東横綱 | 11勝4敗 |
| 2026年5月 | 東横綱・夏場所 | 0勝2敗13休 |
| 2026年7月 | 東横綱・名古屋場所 | 7勝7敗1休 |
| 2026年9月 | 西横綱・秋場所 | 0勝0敗15休 |
| 2026年11月 | 西横綱・九州場所 | 11月3日時点で出場判断待ち |
この経歴で特に大きな転換点となったのは、2023年7月と2025年1月の2度の幕内優勝だ。
2023年7月場所では関脇として12勝3敗を記録し、優勝決定戦で北勝富士を破って初優勝。2025年1月場所では大関として再び12勝3敗を挙げ、金峰山、王鵬との優勝決定巴戦を制した。
2度目の優勝を受け、日本相撲協会は2025年1月29日に横綱昇進を決定。第74代横綱として、2025年3月場所から最高位での土俵に立つことになった。
2026年11月時点の通算戦歴と勝率日本相撲協会の公式プロフィールに記載された令和8年11月場所時点の生涯戦歴は、次の通りだ。
- 生涯戦歴:401勝235敗49休(53場所)
- 幕内戦歴:319勝187敗49休(38場所)
- 幕内優勝:2回
- 十両優勝:0回
- 序二段優勝:1回
- 敢闘賞:1回
- 技能賞:2回
勝率を勝敗のついた取組だけで計算すると、401勝÷(401勝+235敗)で約63.1%となる。休場49回は勝率の計算から除外している。
この数字から分かるのは、豊昇龍が単に横綱へ昇進しただけの力士ではなく、長期的に幕内上位で勝ち星を積み上げてきた実績を持つということだ。
一方、2026年は1月10勝、3月11勝と好成績を残した後、5月以降は負傷による休場が続いた。九州場所の結果が加わる前の2026年成績は、28勝18敗29休。年間を通して安定した出場を続けられなかったことが大きな課題になっている。
【横綱昇進後の重圧】豊昇龍と大の里の対戦成績を検証
豊昇龍の横綱としての評価を考える際、避けて通れない相手が同じ横綱の大の里だ。
大の里は二所ノ関部屋所属で、豊昇龍とは横綱として優勝争いを繰り広げてきたライバル関係にある。両者の対戦は、単なる勝敗だけでなく、現在の大相撲の勢力図を考えるうえでも注目されている。
大の里との直接対決は豊昇龍が優勢2026年9月場所終了時点で、両者の本割での対戦は11番。大の里側から見ると2勝9敗で、豊昇龍が9勝2敗とリードしている。
ただし、この11番には不戦勝と不戦敗がそれぞれ1番含まれる。実際に土俵で相撲を取った9番に限ると、大の里の1勝8敗、豊昇龍の8勝1敗となる。
加えて、2025年9月場所の優勝決定戦では大の里が寄り倒しで豊昇龍を破っている。この決定戦は本割の対戦成績とは別に数える必要がある。
2026年1月場所の千秋楽では、横綱同士の本割で豊昇龍が大の里を寄り切って勝利した。対戦相手としての相性を見る限り、豊昇龍は大の里に対して高い勝率を残している。
横綱昇進後に求められるものは優勝だけではない豊昇龍は2025年1月場所の優勝によって横綱昇進を果たしたが、横綱在位中は休場と故障に悩まされてきた。
特に、横綱昇進後の優勝実績と、休場によって本来の力を発揮できない状況には大きな隔たりがある。
横綱は番付の頂点に立つ存在であり、優勝争いを引っ張ることに加えて、場所を通して安定して出場することも期待される。
大の里が優勝を重ねる中、豊昇龍が再び優勝争いの中心に戻れるかどうかは、九州場所以降の大きな見どころとなる。
【得意技と取り口】豊昇龍が強い理由と右膝回復後の注目点
豊昇龍の相撲を特徴づけるのは、右四つを中心とした組み手の強さと、相手の体勢を崩して勝負を決める投げ技だ。
日本相撲協会の公式プロフィールに記載されている得意技は、右四つ・寄り・投げ。組んでからの攻防だけでなく、相手の動きに合わせた柔軟な対応力も持ち味として知られている。
右四つから寄り切る正攻法の強さ右四つは、右手を相手の左脇側に差し入れる組み手を基本とする。豊昇龍はこの形から相手との距離を詰め、重心を崩しながら前に出る相撲を得意としている。
日本相撲協会の公式プロフィールに掲載された過去6場所の決まり手傾向では、寄り切りが21%、押し出しが13%、掬い投げが9%となっている。
寄り切りが最も多いことからも、投げ技だけに頼る力士ではないことが分かる。組み手をつくり、相手の体勢を制して勝ち切る正攻法も重要な武器だ。
投げ技と反応の速さも大きな武器豊昇龍は相手の重心が崩れた瞬間を逃さず、投げや体勢の入れ替えにつなげる技術にも優れている。
投げ技は相手の力を利用して勝負を決められる反面、自分自身も強い踏ん張りや体の回転を必要とする。右膝の内側側副靱帯を負傷した豊昇龍にとって、従来の得意技をどこまで不安なく使えるかは重要な確認事項になる。
復帰後は、従来の相撲をそのまま取り戻すことだけでなく、負傷した右膝に過度な負担をかけずに持ち味を発揮できるかにも注目したい。
【復帰時期と今後の焦点】九州場所で確認したい3つのポイント
豊昇龍の復帰について、2026年11月3日時点で明らかになっているのは、九州場所への出場を目指して稽古を続けているということだ。
9月の秋場所を全休した後、10月には横綱土俵入りを披露するなど、少しずつ公の場にも姿を見せるようになった。10月27日には幕下以下の力士との申し合いで15番を取り、13勝2敗を記録している。
さらに11月2日、3日には平戸海との稽古を重ねた。こうした動きは復帰に向けた前進を示す材料だ。
注目点1:右膝が実戦の負荷に耐えられるか最も重要なのは、手術した右膝の状態が本場所の強度に対応できるかどうかだ。
申し合いでは連続して相撲を取ることができても、本場所では毎日異なる相手と対戦する。立ち合いの衝撃、相手の押し、土俵際の踏ん張りなど、予測しにくい動きにも対応しなければならない。
稽古で動けているという事実だけで、手術前と同じ状態に戻ったと判断することはできない。
注目点2:関取との稽古で安定した内容を残せるか11月3日の平戸海戦で20勝8敗という結果を残したことは、実戦感覚を取り戻すうえで前向きな材料だ。
特に、2日間で62番という稽古量をこなしたことは、体力面での回復をうかがわせる。
ただし、勝敗以上に重要なのは、右膝をかばう動きがないか、立ち合いで踏み込めるか、相手の圧力を受けた後に安定して体勢を立て直せるかという点だ。
本場所直前まで、関取との申し合いで同じような動きを繰り返せるかが判断材料になる。
注目点3:立浪親方との最終判断豊昇龍の師匠は立浪親方(元小結旭豊)だ。
秋場所前には、師匠が「完璧な状態にしないと出場させられない」という趣旨の慎重な姿勢を示していた。横綱本人の出場意欲だけでなく、師匠が右膝の状態や稽古内容をどう評価するかも重要になる。
9月27日には、立浪親方が九州場所出場について前向きな見通しを示していたが、11月3日になっても最終判断は保留されている。
出場を急いで再び負傷することになれば、今後の横綱生活にさらに影響する。九州場所での復帰を目指す姿勢と、万全な状態を優先する判断のバランスが問われている。
【豊昇龍の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:豊昇龍は2026年九州場所に出場しますか? A1:2026年11月3日時点では、出場するかどうかは正式決定していない。西横綱に番付されており、本人は出場を目指して稽古を続けている。11月3日には平戸海と28番取り、20勝8敗を記録した。最終的には師匠の立浪親方と相談して判断する方針だ。
Q2:豊昇龍が右膝の手術を受けたのはいつですか? A2:2026年7月29日。名古屋場所で悪化した右膝内側側副靱帯を修復する手術を受けた。5月の夏場所では右ハムストリングスも負傷しており、7月の名古屋場所でも右膝と太もも裏のけがによって途中休場した。9月の秋場所は全休となった。
Q3:豊昇龍の幕内優勝回数と通算成績は? A3:幕内優勝は2回。2023年7月場所と2025年1月場所に優勝している。日本相撲協会の公式プロフィールによる2026年11月場所時点の生涯戦歴は401勝235敗49休、幕内戦歴は319勝187敗49休。勝敗のついた取組に対する通算勝率は約63.1%だ。
2026年11月3日現在、豊昇龍は右膝の手術から復帰を目指し、九州場所に向けて実戦的な稽古を重ねている。
7月29日の手術後、9月の秋場所を全休したことで、3場所連続休場という厳しい状況になった。一方、10月下旬から11月初旬にかけて稽古量を増やし、平戸海との2日間で62番を取るまでに回復してきた。
2026年九州場所では西横綱に番付されているものの、11月3日時点では出場が確定していない。本人は出場を目指しているが、最終判断には右膝の状態と師匠との協議が必要だ。
豊昇龍には、2023年と2025年の2度の幕内優勝、401勝という通算実績、そして大の里との対戦で示してきた高い競争力がある。横綱として再び優勝争いに加わるためには、まず故障の不安を取り除き、15日間を戦える状態を取り戻すことが欠かせない。
九州場所で本当に注目すべきなのは、単に豊昇龍が土俵に戻るかどうかではなく、右膝を気にせず本来の相撲を取り戻せるかという点だ。出場の最終判断と初日以降の取組内容が、横綱・豊昇龍の再出発を占う大きな材料になる。