2023年の東東京大会は、正式には「第105回全国高等学校野球選手権記念大会 東東京大会」として開催された。
東京都高等学校野球連盟の大会記録によると、開催期間は2023年7月8日~7月30日。参加校は140校、登録チームは129チーム、実施された試合は128試合だった。
試合会場は神宮球場、都営駒沢球場、江戸川区球場、大田スタジアム、明大球場など。複数会場で予選が進み、終盤は神宮球場を舞台に優勝争いが繰り広げられた。
2023年東東京大会の開催日程| 日程 | 大会の進行 |
|---|---|
| 7月8日~14日 | 序盤の各回戦 |
| 7月15日~18日 | 3回戦など |
| 7月19日~20日 | 4回戦 |
| 7月21日~22日 | 5回戦・ベスト8決定 |
| 7月25日~26日 | 準々決勝 |
| 7月28日 | 準決勝 |
| 7月30日 | 決勝 |
大会は7月23日と24日を挟み、準々決勝からは上位校同士の対戦が続いた。東京都高等学校野球連盟の公式大会記録には、各開催日の試合結果とトーナメント表が掲載されている。
2023年の東東京大会は波乱の展開大会を特徴づけたのは、従来の強豪校が順当に勝ち上がるだけではなかった点だ。
月刊高校野球CHARGE!の大会総括では、シード校や優勝候補が次々と敗退した波乱の大会として振り返られている。
実際、2022年の優勝校である二松学舎大付は上位進出を果たせず、強豪の関東第一や帝京もベスト8に届かなかった。
2023年は、学校の知名度や過去の実績だけでは勝敗を予測できない大会だった。
【2023年の全結果】共栄学園・東亜学園・岩倉・城西の勝ち上がり

東東京大会2023の最終順位を整理すると、共栄学園を頂点に、東亜学園、岩倉、城西大城西が上位を占めた。
東東京大会2023のベスト8一覧| 最終順位 | 高校名 | 結果 |
|---|---|---|
| 優勝 | 共栄学園 | 初優勝・甲子園初出場 |
| 準優勝 | 東亜学園 | 決勝進出 |
| ベスト4 | 岩倉 | 準決勝敗退 |
| ベスト4 | 城西大城西 | 準決勝敗退 |
| ベスト8 | 修徳 | 準々決勝敗退 |
| ベスト8 | 文京 | 準々決勝敗退 |
| ベスト8 | 実践学園 | 準々決勝敗退 |
| ベスト8 | 日大豊山 | 準々決勝敗退 |
この8校は、月刊高校野球CHARGE!の2023年夏の大会チームレポートでも確認できる。
5回戦:ベスト8を決めた8試合7月21日と22日に行われた5回戦では、次の8校が準々決勝への切符を手にした。
7月21日
- 日大豊山 3-1 関東第一
- 東亜学園 11-4 明大中野
- 修徳 2-0 錦城学園
- 岩倉 6-5 帝京
7月22日
- 城西大城西 4-1 堀越
- 実践学園 9-6 日本ウェルネス
- 共栄学園 4-2 城東
- 文京 2-0 立志舎
とりわけ注目されたのが、岩倉による帝京撃破だ。
帝京は東東京を代表する伝統校の一つ。しかし、5回戦で岩倉に1点差で敗れ、ベスト8進出を逃した。
また、関東第一も日大豊山に1-3で敗退。優勝候補と目される学校が早い段階で姿を消したことが、2023年大会の特徴だった。
準々決勝:4校がベスト4へ7月25日と26日に行われた準々決勝の結果は以下のとおり。
- 東亜学園 5-3 日大豊山
- 岩倉 8-1 修徳(8回コールド)
- 共栄学園 11-0 文京(6回コールド)
- 城西大城西 9-2 実践学園(8回コールド)
共栄学園は文京を11得点で圧倒。岩倉も修徳を8-1で退けた。
一方、東亜学園は日大豊山との接戦を制し、城西大城西も実践学園に快勝。ここで優勝争いは4校に絞られた。
準決勝:共栄学園と東亜学園が決勝進出7月28日の準決勝は、どちらも神宮球場で行われた。
第1試合では、共栄学園が岩倉と対戦。7回まで両校無得点の緊迫した展開から、8回に岩倉が2点を先制する。
共栄学園もその裏に2点を返して同点とすると、9回には3点を奪取。最終的に5-4のサヨナラ勝ちで決勝進出を決めた。
第2試合は東亜学園が城西大城西を10-4で破った。
城西大城西は1985年以来、38年ぶりとなる東東京大会ベスト4進出を果たしたが、決勝への壁は高かった。
この準決勝の2試合によって、2023年の決勝カードは共栄学園対東亜学園に決まった。
【決勝戦を解説】共栄学園が9回に7得点の大逆転
2023年7月30日、神宮球場で行われた東東京大会決勝は、共栄学園と東亜学園の対戦となった。
両校とも甲子園出場を懸けた重要な一戦。試合は序盤から点の取り合いとなり、終盤まで勝敗の行方が見えない展開になった。
8回に東亜学園が逆転共栄学園は序盤から得点を重ね、7回終了時点では5-4とリードしていた。
しかし8回、東亜学園が2点を奪い、6-5と逆転する。
東亜学園は甲子園まであと3アウトという状況に持ち込んだ。共栄学園にとっては、ここで得点できなければ初の甲子園出場が消える可能性もある局面だった。
9回2死から共栄学園が一挙7得点9回、共栄学園は2アウトを取られ、追い込まれた状態から反撃を開始する。
途中出場の打野琉生選手が三塁前へのセーフティーバントを成功させ、内野安打を記録。さらに相手の悪送球が絡み、同点に追いついた。
続く攻撃でも走塁と打撃がかみ合い、高橋祐希選手がセンターオーバーの2点タイムリースリーベースを放って勝ち越しに成功する。
その後も打線がつながり、共栄学園は9回だけで7点を奪った。
最終スコアは共栄学園12-6東亜学園。
東京都高等学校野球連盟の公式記録にも、9回に7点を記録した試合経過が残されている。
この勝利によって、共栄学園は春夏通じて初の甲子園出場を決めた。
決勝戦のイニング別スコア| チーム | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 共栄学園 | 2 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 7 | 12 |
| 東亜学園 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 6 |
この試合で特筆すべきなのは、単に7点差で勝利したことではない。
共栄学園は8回に逆転を許し、9回には2アウトまで追い込まれていた。そこからセーフティーバント、相手の守備の乱れ、積極的な走塁、長打と攻撃の選択肢をつなぎ、試合をひっくり返した。
高校野球のトーナメントでは、一度の失策や一つのプレーが勝敗を左右する。最後まで攻撃の手を緩めなかった共栄学園の姿勢が、初優勝につながった。
【勢力図を比較】2023年から2026年までの東東京歴代優勝校
2023年の共栄学園初優勝は、東東京の高校野球史を振り返るうえで重要な出来事だ。
ただし、その後の大会結果を見ると、毎年優勝校が入れ替わったわけではない。
2024年以降は関東第一が存在感を取り戻し、2026年まで3大会連続で東東京の頂点に立った。
2022~2026年の優勝・準優勝校とベスト4| 年度 | 優勝校 | 準優勝校 | ベスト4 |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 二松学舎大付 | 日体大荏原 | 帝京・城東 |
| 2023年 | 共栄学園 | 東亜学園 | 岩倉・城西大城西 |
| 2024年 | 関東第一 | 帝京 | 東京・二松学舎大付 |
| 2025年 | 関東第一 | 岩倉 | 実践学園・修徳 |
| 2026年 | 関東第一 | 二松学舎大付 | 帝京・目黒日大 |
出典は日刊スポーツの東東京大会過去20年成績、東京都高等学校野球連盟の大会記録、高校野球ドットコムの2026年大会データ。
2024年:関東第一が5年ぶりの優勝2024年の東東京大会では、関東第一が決勝で帝京を破り、5年ぶり9回目の優勝を達成した。
前年に共栄学園が優勝したことで新たな勢力の台頭が印象づけられたが、関東第一は伝統的な強豪として再び頂点に返り咲いた。
2025年:関東第一が連覇、岩倉が準優勝2025年は関東第一が2年連続で優勝。
準優勝には岩倉が入り、2023年のベスト4からさらに順位を上げた。
岩倉は2023年にも共栄学園と準決勝で激突しており、東東京の上位争いに継続して関わる存在となっている。
2026年:関東第一が3連覇を達成2026年の第108回全国高等学校野球選手権東東京大会では、関東第一が二松学舎大付との決勝に10-4で勝利した。
決勝は7月27日に開催。準優勝は二松学舎大付だった。
これにより、関東第一は2024年、2025年、2026年の3大会連続優勝を達成した。
2026年のベスト4には帝京と目黒日大も入っている。2023年の上位4校とは異なる顔ぶれが上位争いを形成しており、東東京の勢力図が数年単位で変化していることがわかる。
2023年の共栄学園優勝は一時的な出来事だったのかこの問いを考えるには、優勝校だけでなく準優勝校やベスト4の推移にも目を向ける必要がある。
2023年には共栄学園、東亜学園、岩倉、城西大城西が上位に入った。
その翌年は関東第一、帝京、東京、二松学舎大付がベスト4を形成。2025年には岩倉が再び決勝に進出し、2026年には二松学舎大付が準優勝となった。
つまり、2023年の優勝は共栄学園にとって歴史的な快挙である一方、東東京全体では強豪校の入れ替わりや復調が続いている。
共栄学園の一度の優勝だけを見て、東東京の勢力図が完全に塗り替わったと判断するのは早い。複数年の成績を比較することで、より正確な評価ができる。
【共栄学園の甲子園初出場】2023年夏に残したもの
共栄学園の優勝は、学校の野球部にとっても大きな節目だった。
東京都高等学校野球連盟が掲載する甲子園出場時の学校長メッセージによると、同校の野球部は2005年に創部。2023年の甲子園出場は、創部から18年を経て実現した初出場だった。
葛飾区にある共栄学園にとって、東東京大会の優勝は地域にとっても記念すべき出来事となった。
甲子園では聖光学院と対戦2023年8月6日、共栄学園は第105回全国高等学校野球選手権記念大会の1回戦で福島県代表の聖光学院と対戦した。
結果は3-9で敗退。
勝利には届かなかったものの、7回に3点を返すなど、全国の舞台でも最後まで戦った。
東京都高等学校野球連盟の記録や共栄学園の学校発表でも、初出場の経緯と聖光学院戦の結果が紹介されている。
東東京大会で見せた9回の逆転劇は、単なる地方大会の一勝ではない。創部以来の目標を実現した試合として、学校の歴史に刻まれた。
【プロの結論】2023年の東東京大会から読み解く強豪校の評価
2023年の東東京大会を振り返る際、優勝校だけに注目すると大会の本質を見落とす。
重要なのは、各校がどの段階で強豪校を破り、どのような勝ち方で上位へ進出したかという点だ。
特に注目したいのは次の3点である。
1. 過去の優勝実績だけで実力を判断しない
2023年には関東第一が日大豊山に敗れ、帝京も岩倉に敗退した。学校の知名度や過去の甲子園出場回数だけでは、その年のチームの実力は測れない。
2. ベスト4・ベスト8の継続的な成績を確認する
一度の優勝だけでなく、複数年にわたって上位に入っている学校は、安定した競争力を持つ可能性がある。
2023年の岩倉は2025年に準優勝し、関東第一は2024年から2026年まで優勝を重ねた。
3. 決勝のスコアだけでなく試合の流れを見る
共栄学園の12-6という数字だけでは、試合の劇的な展開は伝わらない。
8回に逆転され、9回2アウトから7点を奪ったという経過こそが、2023年の決勝を象徴する要素だ。
高校野球の大会を深く理解したい読者には、最終順位だけでなく、準決勝・準々決勝の内容や複数年の成績を合わせて確認する見方をおすすめしたい。
【東東京高校野球2023に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2023年の東東京大会で優勝した高校はどこ?
A1:共栄学園高校です。2023年7月30日の決勝で東亜学園高校を12-6で破り、初優勝を達成しました。春夏通じて初めての甲子園出場も決めています。
Q2:東亜学園は何位だった?
A2:準優勝です。決勝では8回に逆転しましたが、共栄学園が9回に7点を奪い、6-12で敗れました。
Q3:2023年のベスト4とベスト8は?
A3:ベスト4は共栄学園、東亜学園、岩倉、城西大城西です。ベスト8には、この4校に加えて修徳、文京、実践学園、日大豊山が入りました。
Q4:2023年の東東京大会はいつ開催された?
A4:2023年7月8日から7月30日までです。140校が参加し、128試合が行われました。
Q5:共栄学園は甲子園で勝った?
A5:2023年8月6日の1回戦で聖光学院と対戦し、3-9で敗れました。ただし、東東京大会での優勝によって春夏通じて初の甲子園出場を果たしたことは、学校にとって大きな歴史的成果です。
Q6:2026年の東東京大会の優勝校は?
A6:関東第一です。2026年7月27日の決勝で二松学舎大付を10-4で破り、2024年から3大会連続の優勝を達成しました。
Q7:2023年から2026年までの優勝校は?
A7:2023年は共栄学園、2024年・2025年・2026年は関東第一です。共栄学園の初優勝後、関東第一が3連覇を達成しています。
2023年の東東京大会は、共栄学園が初優勝を飾り、春夏通じて初めての甲子園出場を実現した大会だった。
決勝では東亜学園に一度逆転を許しながらも、9回2アウトから7得点を奪う驚異的な攻撃で12-6の勝利を収めた。
準優勝の東亜学園、ベスト4の岩倉と城西大城西、ベスト8の修徳、文京、実践学園、日大豊山も、大会を彩った重要な存在だ。
その後の東東京大会では関東第一が2024年から2026年まで3連覇。2023年の共栄学園の躍進と、その後の関東第一の復権を比較すると、東東京の高校野球が一つの学校だけで支配されているわけではないことがわかる。
2023年大会の最大の価値は、実績のある強豪校だけでなく、新たな挑戦者にも頂点への道が開かれることを証明した点にある。
2026年以降の東東京大会を展望する際にも、共栄学園の初優勝と、岩倉・東亜学園などの上位進出は、勢力図を読み解くうえで欠かせない記録となっている。
主な事実確認資料
- 東京都高等学校野球連盟:2023年大会概要、公式試合結果、決勝記録、トーナメント表。
- 月刊高校野球CHARGE!:2023年夏の東東京大会ベスト8・ベスト16、チーム総括。
- 日刊スポーツ:東東京大会の過去20年の優勝・準優勝・ベスト4記録。
- 高校野球ドットコム:2026年第108回東東京大会の結果。
- 共栄学園中学高等学校:甲子園初出場に関する学校発表。