2026年の浜名高校サッカー部を評価するうえで、まず押さえたいのがインターハイと全国高校サッカー選手権静岡県大会の結果だ。
両大会とも浜松開誠館との対戦が大きな分岐点となった。
選手権静岡県予選の試合結果浜名は2026年10月3日の3回戦で浜松南を2-1で下し、10月17日の1次トーナメント4回戦では磐田西に3-0で快勝した。
磐田西戦では、勝下湘暉、犬飼羚雄、原田翔太がそれぞれ得点。内山昊樹が最初の2得点をアシストし、攻撃陣の連係が結果につながった。
特に3-0というスコアは、守備の安定と複数の選手が得点に関与する攻撃の厚みを示すものだった。
そして迎えた10月25日、決勝トーナメント1回戦の相手は、前年の県大会優勝校である浜松開誠館だった。
2026年10月25日・選手権決勝トーナメント1回戦浜名 1-2 浜松開誠館

会場:草薙陸上競技場G/延長戦を含む
前半
0-1
後半
1-0
延長前半
0-1
延長後半
0-0
浜名の得点
犬飼羚雄
アシスト:山内力輝
この試合は、通常の前後半を1-1で終えた後、延長戦に突入。延長前半に浜松開誠館が得点し、浜名は最後まで追いつくことができなかった。
浜名にとって悔しい敗戦だが、県内屈指の強豪を相手に後半で追いつき、延長戦まで持ち込んだ点は評価できる。勝敗を分けたのは、延長戦での追加点を許したことだった。
インターハイでも浜松開誠館と対戦2026年5月のインターハイ静岡県予選でも、浜名は浜松開誠館と対戦している。
- 5月17日:富士東と0-0、PK6-5で勝利
- 5月23日:浜松開誠館に1-2で敗戦
富士東戦では90分間で決着がつかず、PK戦を制して3回戦へ進出。しかし、浜松開誠館との試合では1-2で敗れた。浜名の得点は森龍ノ介で、内山昊樹がアシストを記録している。
注目すべきなのは、インターハイと選手権の両方で、浜松開誠館に1点差で敗れていることだ。
これは浜名に実力がないという意味ではない。むしろ、県内上位校と互角に近い勝負を展開しながら、最後の局面で結果を取り切れないという課題が浮かび上がる。
2026年の浜名は、県内の強豪と競り合える力を持ちながら、全国大会への切符をつかむための最後の一歩を課題として残したチームと評価できる。
【現在の所属リーグ】TOPは静岡県Bリーグ、2ndは県Cリーグ復帰
浜名高校サッカー部の実力を判断する際、選手権の結果だけでなく、年間を通したリーグ戦にも注目したい。
高校サッカーでは、トップチームだけでなく、2nd・3rdチームの競技環境も選手育成に直結する。
2026年のカテゴリー別リーグ戦2026年の浜名は、次のカテゴリーでリーグ戦に参加している。
- TOP:高円宮杯JFA U-18サッカーリーグ2026静岡・スルガカップBリーグ
- 2nd:西部1部リーグ
- 3rd:西部2部リーグ
TOPチームは静岡県Bリーグで戦い、10月10日の第16節では藤枝東2ndに4-0で勝利した。
9月以降の試合でも、藤枝明誠3rdに5-0、東海大翔洋2ndに3-1、エスパルス2ndに2-0と勝利している。強豪校のセカンド・サードチームを相手に得点を重ねた点は、2026年の好材料だ。
2ndチームは1年で県Cリーグへ復帰特に注目したいのが、2ndチームの成績だ。
浜名高校サッカー部公式ホームページは2026年10月16日、2ndと3rdのリーグ戦全日程終了を発表した。
2ndチーム2位
勝敗
9勝1分3敗
勝ち点
28
得点・失点
22得点・9失点
得失点差
+13
3rdチーム
4位
勝敗
8勝2分3敗
勝ち点
26
得点・失点
23得点・12失点
得失点差
+11
出典:浜名高校サッカー部公式ホームページ・2026年10月16日発表
2ndは西部1部で2位となり、1年で県Cリーグへの復帰を決めた。一方、3rdは4位で昇格を逃した。
この結果から見えてくるのは、トップチームだけでなく、下部カテゴリーにも競争力のある選手が育っていることだ。
高校サッカーでは、3年生の卒業によって毎年チーム構成が大きく変わる。2ndや3rdの選手が上位カテゴリーへステップアップできる環境は、翌年度以降のチーム力を維持するうえで大切な要素になる。
【歴代成績】インターハイ優勝2回!1970年代に築いた全国屈指の実績
浜名高校サッカー部の歴史を語るうえで欠かせないのが、1970年代の全国大会での活躍だ。
現在の静岡県内には静岡学園、藤枝東、浜松開誠館など全国的な知名度を持つ強豪校があるが、浜名もまた、かつて全国の頂点に立った実績を持つ。
1970年と1974年、2度のインターハイ制覇浜名高校サッカー部は1966年に創部された。
創部からわずか4年後の1970年、第5回全国高校総体に初出場し、いきなり優勝を達成した。
さらに1974年には、佐賀県で開催されたインターハイで2度目の全国制覇を成し遂げた。
これは単発の好成績ではない。創部から短期間で全国優勝を果たし、その4年後にも再び頂点に立ったという点に、当時のチームの完成度が表れている。
冬の全国高校サッカー選手権でも準優勝浜名は1970年度の全国高校サッカー選手権でも決勝へ進出した。
決勝の相手は、同じ静岡県の藤枝東。県内の伝統校同士が全国大会の頂点を争う歴史的な対戦となった。
試合は藤枝東が3-1で勝利し、浜名は準優勝。夏のインターハイ優勝に続いて冬も決勝まで進んだことで、浜名の名前は全国に知られるようになった。
浜名高校サッカー部の歴史と実績一覧| 年・時期 | 出来事・対戦相手 | 結果・意味 |
|---|---|---|
| 1966年 | サッカー部創部 | 美和利幸氏が創部に尽力 |
| 1970年 | 全国高校総体 | 初出場で優勝 |
| 1970年度 | 全国高校サッカー選手権・藤枝東戦 | 1-3で敗れ準優勝 |
| 1974年 | 全国高校総体 | 2度目の全国優勝 |
| 2017年 | 創部50周年記念式典 | OBら約600人が参加 |
| 2026年5月 | インターハイ静岡県予選 | 浜松開誠館に1-2で敗退 |
| 2026年10月 | 選手権静岡県予選 | 磐田西に3-0、浜松開誠館に1-2 |
浜名の全国実績を考える際、インターハイ2回優勝と選手権準優勝は分けて理解する必要がある。
インターハイでは2度の優勝を経験しているが、冬の選手権では優勝経験ではなく準優勝が最高成績だ。
また、浜名高校サッカー部の公式ホームページは、現在も「約20年ぶりの全国大会出場に向けて」という目標を掲げている。過去の実績を誇るだけでなく、再び全国の舞台に戻ることがチームの大きなテーマになっている。
【2026年のメンバー】犬飼羚雄、内山昊樹らが攻撃を牽引
浜名高校サッカー部のメンバーを調べる際には、年度別の選手紹介と実際の試合の先発メンバーを分けて見ることが重要だ。
公式ホームページには選手紹介ページがあり、試合ごとのスターティングメンバーや交代選手も掲載されている。
浜松開誠館戦の先発メンバー2026年10月25日の選手権決勝トーナメント1回戦では、次の11人が先発した。
| ポジション | 選手名 |
|---|---|
| GK | 齋藤倖太朗 |
| DF | 小杉有二 |
| DF | 原田翔太 |
| DF | 西尾蒼介 |
| DF | 山内力輝 |
| MF | 袴田康介 |
| MF | 内山昊樹 |
| MF | 浅倉大雅 |
| FW | 勝下湘暉 |
| FW | 熊谷光流 |
| FW | 犬飼羚雄 |
この試合で得点を記録したのは犬飼羚雄。山内力輝のアシストからゴールを決めている。
また、10月17日の磐田西戦では、勝下湘暉、犬飼羚雄、原田翔太の3人が得点を記録した。
複数の選手がゴールを奪っていることから、特定のストライカーだけに依存しない攻撃の可能性が見える。
注目したい選手の役割- 犬飼羚雄: 磐田西戦と浜松開誠館戦で得点を記録したFW。2026年の選手権で存在感を示した。
- 内山昊樹: 磐田西戦で2アシストを記録。攻撃の組み立てに関わるMF。
- 勝下湘暉: 磐田西戦で得点。前線の得点力を担う選手。
- 原田翔太: 磐田西戦で得点を記録したDF。守備だけでなく攻撃面でも貢献。
- 山内力輝: 浜松開誠館戦で犬飼のゴールをアシストしたDF。
選手の評価は得点数だけでは決まらない。守備での貢献、ボールを前進させる能力、試合終盤の判断なども重要だ。
また、上記は特定の試合での先発メンバーであり、年間を通した固定メンバーを意味するものではない。試合ごとの出場状況を確認するなら、公式の選手紹介と試合情報を合わせて見るのがよい。
【強さの秘密】堅守・スピードと「浜名トータルフットボール」
浜名高校サッカー部の強さを理解するには、1970年代から受け継がれてきた伝統と、現在のチームが目指すサッカーを分けて考える必要がある。
伝統の「堅い守備」と「スピード」ジャパンユーススーパーリーグのチーム紹介では、浜名の伝統的な武器として、堅いディフェンス力とスピードが挙げられている。
これは、創部初期から形成されてきたチームカラーとも重なる。
初代指導者の美和利幸氏は、パワーとスピードを前面に出したサッカーで藤枝東などの強豪に挑んだ。
一方、静岡新聞の戦後史連載によると、美和氏自身は「浜名は力だけのチーム」という評価には異論を持っていた。テクニックも徹底的に教え込んでいたためだ。
つまり、浜名の伝統は単純なフィジカル重視ではない。強度、スピード、技術を組み合わせたサッカーにあった。
現在のコンセプトは浜名トータルフットボール現在のチームが掲げるゲームコンセプトは「浜名トータルフットボール」だ。
その特徴として、チーム紹介では次のような考え方が示されている。
- 試合の主導権を握ること
- 選手それぞれの個性を最大限に生かすこと
- 全員が主体的にアクションを起こすこと
- 全員がゴールを狙い続けること
- 個人戦術と人間性の向上を追求すること
これは、守備を固めて速攻だけを狙うサッカーとは異なる。
守備の安定を土台としながら、ボールを保持する局面でも攻撃を組み立て、選手個々の判断と連動性によって試合を動かそうとする考え方だ。
2026年の試合結果から見える強みと課題2026年の戦績を見ると、浜名の強みと改善すべき部分が具体的に浮かび上がる。
強みは、複数の選手が得点に関与できること。
磐田西戦の3得点は、勝下、犬飼、原田の3人によるものだった。TOPチームのリーグ戦でも藤枝東2ndに4-0、藤枝明誠3rdに5-0と得点を重ねている。
一方、課題として見えるのは、浜松開誠館のような県内上位校との接戦を勝ち切る力だ。
インターハイと選手権で2度対戦し、いずれも1-2。試合を競り合えるところまで持っていけても、勝利には届かなかった。
今後の強化ポイントとしては、次の3点が考えられる。
1. 延長戦や終盤における守備の集中力
2. 相手の守備ブロックを崩す攻撃の選択肢
3. 接戦で得点機会を確実に仕留める決定力
歴代の全国優勝を支えた守備とスピードを残しながら、現代的な技術と判断力をどう高めるか。ここが浜名の次の成長を左右する。
【監督・OB】美和利幸から村松太介へ受け継がれる指導の系譜
浜名高校サッカー部の伝統は、選手だけでなく指導者によっても築かれてきた。
創部を支えた初代指導者・美和利幸浜名高校サッカー部の創部に尽力した人物として知られるのが、美和利幸氏だ。
1966年、教諭として赴任した美和氏は、当時の部員に「5年で全国大会に出場する」という目標を掲げた。
当時は県内の強豪校に追いつくこと自体が大きな挑戦だったが、練習量を確保し、明確な戦術を共有することでチームを強化した。
その成果が1970年のインターハイ初出場・初優勝につながった。
さらに同年度の全国選手権でも準優勝。創部からわずか数年で全国の頂点を争うチームに成長した背景には、明確な目標設定と指導方針があった。
2026年の監督は村松太介浜名高校サッカー部の公式スタッフ紹介によると、2026年の監督は村松太介氏。
村松監督はGKとして藤枝東高校、岩手大学で競技経験を積み、その後、盛岡市立厨川中学校、藤枝東、新居高校などで指導に携わった。
浜名高校でもアシスタントコーチを経験した後、監督に就任している。日本サッカー協会公認B級ライセンスを取得している点も公式プロフィールに記載されている。
この経歴から注目できるのは、浜名の指導環境と県内の高校サッカー界での経験が結びついていることだ。
浜名高校サッカー部の主なOB・Jリーガー浜名高校は、プロサッカー選手や日本代表経験者も輩出してきた。
| OB・関係者 | 主な実績・経歴 |
|---|---|
| 矢野貴章 | 元日本代表。2010年南アフリカW杯出場 |
| 松永成立 | 元日本代表GK。JリーグのGK指導者としても活躍 |
| 松浦拓弥 | ジュビロ磐田、アビスパ福岡、横浜FCなどでプレー |
| 伊藤槙人 | ジュビロ磐田、横浜F・マリノスなどでプレー |
| 柳下正明 | 元選手・指導者。Jリーグクラブの監督を歴任 |
特に矢野貴章は、2010年南アフリカワールドカップの日本代表メンバーにも名を連ねた選手だ。
松浦拓弥や伊藤槙人もJリーグでのプレー経験を持ち、浜名からプロの世界へ進んだOBとして知られる。
こうした卒業生の存在は、現役選手にとっても大きな刺激になる。全国大会優勝やプロ入りという実績が、学校とサッカー部の歴史の中に具体的な目標として残っているからだ。
【浜名高校サッカーのよくある質問(FAQ)】
Q1:浜名高校サッカー部は2026年現在、どのリーグに所属していますか?
2026年のTOPチームは高円宮杯JFA U-18サッカーリーグ静岡・スルガカップBリーグに所属しています。2ndは西部1部で2位となり、県Cリーグへの昇格を決めました。3rdは西部2部で4位でした。
Q2:2026年の選手権静岡県予選で浜名高校はどこまで進みましたか?
磐田西に3-0で勝利して1次トーナメントを突破しましたが、10月25日の決勝トーナメント1回戦で浜松開誠館に延長戦の末1-2で敗れました。
Q3:浜名高校サッカー部のインターハイ優勝回数は何回ですか?
1970年と1974年の2回です。さらに1970年度の全国高校サッカー選手権では準優勝を記録しています。
Q4:2026年の浜名高校サッカー部の注目選手は誰ですか?
選手権の試合結果からは、犬飼羚雄、勝下湘暉、内山昊樹、原田翔太、山内力輝らが注目選手として挙げられます。犬飼は磐田西戦と浜松開誠館戦で得点を記録しています。
浜名高校サッカー部は、1970年と1974年のインターハイ優勝、1970年度の全国高校サッカー選手権準優勝という輝かしい実績を持つ静岡県の伝統校だ。
2026年は選手権で磐田西に3-0で勝利したものの、浜松開誠館との決勝トーナメント1回戦では延長戦の末に1-2で敗退。インターハイでも同じ相手に1-2で敗れており、県内上位校を突破する力が次の目標となる。
一方、TOPチームは静岡県Bリーグで戦い、2ndは西部1部2位から県Cリーグへの復帰を決定。下部カテゴリーの成長という明るい材料もある。
今後の浜名を評価する際に注目したいのは、次の3点だ。
- トップチームの競争力: 県内上位校との接戦を勝ち切れるか。
- 選手層の厚さ: 2nd・3rdからTOPへ戦力を継続的に供給できるか。
- 伝統戦術の進化: 堅守とスピードを残しながら、浜名トータルフットボールをどこまで完成させられるか。
全国優勝2回という歴史は、現在の選手たちにとって大きな誇りであると同時に、乗り越えるべき目標でもある。
2026年の結果は、浜名が再び全国を目指すための現在地を示している。次の世代が伝統をどう受け継ぎ、静岡県の強豪校との競争を勝ち抜いていくのか。浜名高校サッカー部の今後に注目したい。