2026年、南海トラフ地震への警戒が続くなか、大阪に住む人にとって気になるのは「実際に地震が発生したら、大阪はどれほど揺れるのか」「津波は大阪市内まで到達するのか」という問題だ。南海トラフ巨大地震では、マグニチュード9クラスの地震が想定されており、大阪府でも強い揺れや津波、液状化、建物被害などが予測されている。
2026年3月31日には大阪府が震度分布・液状化可能性・津波浸水想定を見直した最新資料を公表し、10月にも津波浸水想定の情報を更新した。加えて、2025年9月には地震調査研究推進本部が発生確率の計算方法を改訂している。過去の発生間隔や最大クラスの想定を整理しながら、大阪で確認すべきハザードマップ、津波避難場所、家庭でできる備えを具体的に解説する。
【大阪はどれほど危険?】南海トラフ地震の震度と被害の全体像

南海トラフ地震が発生した場合、大阪府は震源域から離れているものの、決して揺れが小さい地域ではない。
大阪市が公表している従来の最大クラスの被害想定では、マグニチュード9.0~9.1の地震に対して、市域の震度は5強~6弱とされている。
また、大阪府が2026年3月31日に公表した最新の震度分布図では、内閣府が2025年3月に公表した南海トラフ地震の新しいモデルを踏まえ、府独自の地盤データを用いて分布を再計算している。
新しい地図は250mメッシュ単位で作成されているため、同じ市内でも地盤や地域によって揺れの強さに違いが出る。大阪府内全域を同じ震度で考えることはできない。
特に注意したいのは、震度6弱程度の揺れでも、家具の転倒、窓ガラスの破損、ブロック塀の倒壊、古い建物の損傷などが発生する可能性があることだ。
大阪市内には高層マンションやオフィスビルも多い。高層階では、地震の周期によって長周期地震動が発生し、地上の震度だけでは把握できない大きな揺れが長く続く場合もある。
2025年公表の最新被害想定で大阪府はどう位置づけられた?2025年3月、中央防災会議の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループは、最新の知見や人口・建物データなどを踏まえた最大クラスの地震の被害想定を公表した。
全国の被害想定では、条件によって死者数が最大約29万8,000人、経済被害が約270兆3,000億円に達する結果が示されている。
大阪府・大阪市副首都推進局が紹介した府県別の最大ケースでは、大阪府について死者約9,900人、全壊・焼失棟数約29万7,000棟という数値が示された。
ただし、この府県別数値は複数の想定ケースのうち各府県で被害が最大となるケースを採用したものだ。大阪府だけの単独地震を予測した数字でも、すべての地域で同時に同じ被害が起こるという意味でもない。
被害想定は、建物の耐震化や避難行動などの条件によって変わる。数字だけを見て不安を募らせるのではなく、何を改善すれば被害を減らせるのかを読み取ることが大切だ。
【発生の仕組みと確率】南海トラフ地震はなぜ繰り返し起こるのか
フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界が震源域南海トラフは、駿河湾から遠州灘、熊野灘、紀伊半島沖、四国沖を経て日向灘沖に至る海底の溝状の地形である。
その地下では、海側のフィリピン海プレートが陸側のプレートの下へ沈み込んでいる。気象庁の解説では陸側のプレートをユーラシアプレートと表記している。プレートの区分についてはアムールプレートという呼称も使われる。
このプレート境界では、海側のプレートが年間数cm程度の速度で沈み込み、境界部分が強く固着することで陸側のプレートを引きずり込む。
その結果、地下には少しずつひずみが蓄積される。ひずみが限界に達すると、固着していた境界が急激にずれ、巨大地震が発生する。
この仕組みが南海トラフ地震の基本的な発生メカニズムだ。
過去の発生間隔は約100~200年南海トラフ沿いでは、過去1400年間の記録などから、おおむね100~200年の間隔で大規模地震が発生してきたと地震調査研究推進本部は説明している。
一方、気象庁の一般向け解説では、発生間隔を概ね100~150年としている。評価対象や説明上の整理によって表現には幅があるが、いずれも長期的に繰り返してきた巨大地震であることを示している。
近代以降の代表的な地震を整理すると、次のようになる。
| 発生年 | 地震名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1707年 | 宝永地震 | 駿河湾から四国沖に及ぶ広い震源域で発生した巨大地震。 |
| 1854年12月23日 | 安政東海地震 | 東側の領域で発生した大規模地震。 |
| 1854年12月24日 | 安政南海地震 | 安政東海地震の約32時間後に発生。 |
| 1944年12月7日 | 昭和東南海地震 | 東側の領域で発生したマグニチュード8.2の地震。 |
| 1946年12月21日 | 昭和南海地震 | 昭和東南海地震の約2年後に発生したマグニチュード8.4の地震。 |
特に注目されるのが、1854年と1944~1946年の発生経過だ。
安政東海地震の約32時間後には安政南海地震が発生し、昭和東南海地震の約2年後には昭和南海地震が発生した。
つまり、南海トラフ地震は必ずしも一度の地震で想定震源域全体が活動するとは限らない。東側と西側で時間差をもって大規模地震が続く場合もある。
2025年9月に改訂された大阪府民も知っておきたい発生確率大阪府の南海トラフ地震発生確率を考えるうえで重要なのが、地震調査研究推進本部による2025年9月26日の長期評価の一部改訂だ。
それ以前は、2025年1月1日時点の評価として、今後30年以内に発生する確率は「80%程度」とされていた。
2025年9月の改訂では、発生間隔や高知県室津港の隆起量などを利用した計算方法と、発生間隔を利用した計算方法の2種類が示された。
- すべり量依存BPTモデル:60~90%程度以上
- BPTモデル:20~50%
どちらの方法にも科学的な根拠があり、地震調査研究推進本部は優劣をつけられないとしている。ただし、防災対策を進める際には、高い方の評価である60~90%程度以上を念頭に置くことが望ましいとしている。
ここで注意したいのは、この確率が大阪だけの発生確率ではないことだ。南海トラフ全体を対象とした長期評価であり、大阪府内で地震が起きる確率や、最大クラスのマグニチュード9.1の地震が必ず発生する確率を直接示すものではない。
また、30年以内の確率は発生時期を特定する予報ではない。「何年何月に起きる」という予測には使えないため、確率の高さを日常的な防災行動につなげることが重要になる。
【大阪の津波被害】最新の浸水想定と到達時間を確認
大阪湾にも津波は到達する南海トラフ地震というと、太平洋に面した静岡県、三重県、和歌山県、高知県などの津波被害をイメージする人が多いかもしれない。
しかし、大阪湾も無関係ではない。
南海トラフの地震で発生した津波は、紀伊水道や大阪湾を経由して大阪府沿岸に到達する。大阪市は比較的平坦で標高の低い地域も多く、海岸部だけでなく河川周辺への浸水にも注意が必要だ。
大阪市が公表している従来の避難情報では、地震発生後、最短約1時間50分で1mを超える津波が沿岸部に到達するとされていた。
さらに重要なのが、2026年3月31日に公表された大阪府の新しい津波浸水想定だ。2025年3月の内閣府による新しい地震・津波モデルを取り入れ、地形データや防潮堤の状態なども見直している。
2026年最新想定で大阪市の浸水面積と到達時間はどう変わった?大阪府の最新資料では、南海トラフ地震による市区別の浸水面積、最大津波水位、津波の最短到達時間が公表されている。
大阪市内の主な区を抜き出すと、次のとおりだ。
| 大阪市の区 | 浸水面積 | 最大津波水位 | 1m津波の最短到達時間 |
|---|---|---|---|
| 住之江区 | 1,069ha | 4.7m | 106分 |
| 西淀川区 | 890ha | 4.1m | 118分 |
| 此花区 | 703ha | 4.1m | 110分 |
| 大正区 | 690ha | 4.9m | 121分 |
| 港区 | 566ha | 4.6m | 118分 |
出典:大阪府「津波浸水想定(令和8年3月31日公表)」
ここでいう最大津波水位は、海岸線から沖合約30m地点における標高(T.P.)であり、地上の浸水深や海面からの津波の高さそのものではない。数値を混同しないようにしたい。
また、1m津波の最短到達時間は、津波による海面変動が始まる時間とは異なる。例えば大正区では海面変動の影響開始が33分、1mの津波の最短到達が121分とされている。
つまり、1mの津波が到達するまで時間があるからといって、その間は安全という意味ではない。
防潮堤があるから安全という考えは危険大阪府は大阪湾沿岸の防潮堤や水門などの整備を進めている。大阪市も津波や高潮から市街地を守るための防潮施設を整備している。
ただし、2026年の新しい津波浸水想定では、防潮堤の地震時の沈下や防潮施設の開閉状況など、複数の条件を組み合わせて浸水範囲を計算している。
加えて、大阪府の解説資料では、地下街や地下鉄などの地下空間への浸水が地上の浸水深の図に十分反映されない点にも注意を促している。
大阪には地下鉄駅、地下街、ビルの地下施設などが数多く存在する。地上の浸水が浅く見える場所でも、地下への水の流入によって避難が難しくなる可能性がある。
津波は第1波だけで終わらず、第2波以降が大きくなる場合もある。警報や避難指示が解除されるまで安全な場所にとどまる必要がある。
【大阪のハザードマップ】液状化と浸水リスクを住所別に調べる
2026年3月31日に大阪府が震度・液状化マップを更新大阪で防災対策を進める際に、まず確認したいのが大阪府の最新ハザードマップと災害想定図だ。
大阪府は2026年3月31日、南海トラフ地震と府内の主要な活断層による地震について、震度分布と液状化可能性の見直し結果を公表した。
今回の見直しでは、内閣府が2025年3月に公表した新しい地震モデルを踏まえ、大阪府が独自に収集したボーリングデータなどを利用して地盤条件を再設定している。
震度分布は250mメッシュで示され、液状化についてはPL値という液状化可能性指数を用いて危険度を分類している。
従来の地図を保存したままにしている人は、新しい地図に更新されているか確認したい。
大阪市内でも液状化の危険度に地域差がある液状化とは、地下水を多く含む砂質地盤が強い揺れによって液体のような状態になる現象だ。
地盤が不安定になることで、建物の傾き、地盤沈下、道路の変形、マンホールの浮き上がり、水道管やガス管などの損傷が起きる可能性がある。
大阪では、埋立地や河川沿いの低地、地下水位の高い砂質地盤などで注意が必要だ。
2026年の大阪府液状化危険度分布図では、大阪湾沿岸の臨海部や大阪市周辺の一部に高い危険度を示す区域が分布している。一方、同じ区内でも場所によって危険度は異なる。
液状化の危険度が高い場所では、建物そのものが倒壊しなくても、道路や上下水道などの生活インフラが使えなくなる可能性がある。
ハザードマップを見るときの3つのポイント地図を確認する際は、色だけを見て判断するのではなく、次の3点をセットで調べることが大切だ。
- 自宅周辺:震度、津波浸水深、液状化危険度を確認する。自宅の敷地と周辺道路の両方を見る。
- 通勤・通学経路:地下街、地下鉄、河川、橋、低地などを通る場合の危険性を確認する。
- 避難先までの経路:最寄りの避難施設だけでなく、そこまで安全に移動できるかを確認する。
なお、大阪府の液状化予測図は250mメッシュ単位の平均的な地盤情報を利用した推計であり、個々の宅地の状況を完全に表すものではない。危険度が低いと表示されていても、液状化が発生しないことを保証するわけではない。
津波浸水想定についても、色が付いていない区域が必ず安全という意味ではない。想定条件や地盤変動によって実際の浸水範囲が変わる可能性がある。
【南海トラフ地震の避難場所】大阪市で命を守るための行動
大阪市の津波避難施設は建物の3階相当以上が基本大阪市は、津波浸水のおそれがある17区を対象に、津波来襲時に一時的に避難できる堅固な建物を津波避難施設として確保している。
大阪市の公式案内では、地形が比較的平坦であることから、津波から身を守るためには、少しでも早く建物の3階相当以上の高い場所に避難する必要があるとしている。
ただし、どの建物でも避難先として使えるわけではない。指定された津波避難施設や、その地域で安全が確認された高い場所を事前に調べておく必要がある。
また、避難先を決める際は、施設までの距離だけでなく、次の条件も確認したい。
- 地震発生時に施設が開放されているか。
- 夜間や休日でも避難できるか。
- 階段を利用できるか。エレベーター停止時にも移動できるか。
- 家族や高齢者、子どもと一緒に移動できるか。
- 津波警報が解除されるまで滞在できる施設か。
南海トラフ地震が発生した場合、最初に行うべきことは身の安全を確保することだ。
地震発生直後は、丈夫な机の下などに入り、頭を守る。窓ガラスや大型家具から離れ、揺れが収まるまで無理に移動しない。
揺れが収まった後は、火災や建物の損傷を確認する。沿岸部や津波浸水想定区域にいる場合、強い揺れや長く続く揺れを感じたら、津波警報を待たずに高い場所への避難を開始することが基本だ。
津波警報・大津波警報が発表された場合は、速やかに指定された避難場所や高い建物へ移動する。大阪市では警報に応じて避難指示を発令する仕組みがあるため、防災行政無線や緊急速報、自治体からの情報を確認する。
避難時には、原則として徒歩で移動する。車での避難は渋滞や道路の損傷によって逃げ遅れる危険がある。
また、津波は繰り返し到達する。第1波が通過したように見えても、自己判断で自宅や職場に戻ってはいけない。
【家庭でできる防災対策】大阪で今すぐ始めたい7つの備え
1. 家具の固定と寝室の安全確保大きな揺れで家具が倒れると、避難経路がふさがれたり、下敷きになったりする危険がある。
タンス、本棚、食器棚、冷蔵庫などは転倒防止器具で固定する。テレビや電子レンジなどの家電も、落下しないよう対策する。
特に寝室では、就寝中に家具が倒れてこない配置にすることが重要だ。枕元には靴や懐中電灯を置いておくと、停電やガラスの破片がある場合にも行動しやすい。
2. 水と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄大規模地震では、停電、断水、ガス停止、物流の混乱が長期化する可能性がある。
政府広報などが案内する飲料水の目安は、1人1日約3リットルだ。
- 飲料水:1人1日3リットルを目安に確保する。
- 食料:レトルト食品、缶詰、乾麺、アルファ米など。
- 熱源:カセットコンロとカセットボンベ。
- 衛生用品:トイレットペーパー、ウェットティッシュ、マスク。
- トイレ:携帯トイレ、簡易トイレ。
備蓄は最低3日分、できれば1週間分を目標にする。普段使う食品を少し多めに買い、消費した分を買い足すローリングストック方式なら、無理なく続けられる。
3. モバイルバッテリーと情報収集手段を確保停電すると、スマートフォンの充電ができなくなる。モバイルバッテリーや乾電池式充電器を用意し、定期的に充電状態を確認する。
スマートフォンだけに頼らず、携帯ラジオや予備電池も準備したい。自治体の防災情報、気象庁の地震情報、津波警報などを確認できる状態を整えておく。
4. 家族の集合場所と連絡方法を決める地震発生時に家族全員が同じ場所にいるとは限らない。
自宅、学校、職場など、それぞれの場所からどこへ避難するかを話し合っておく。電話がつながりにくい場合に備えて、災害用伝言ダイヤル171や災害用伝言板の使い方も確認しておきたい。
5. 住宅の耐震性を確認する1981年以前の旧耐震基準で建てられた住宅は、耐震診断や耐震補強の必要性を検討したい。
また、マンションの場合は建物全体の耐震性だけでなく、エレベーター停止、給排水設備の損傷、非常階段の利用なども想定しておく必要がある。
6. 感震ブレーカーと火災対策を取り入れる地震後には、停電からの復旧時などに電気火災が発生する可能性がある。
感震ブレーカーは、一定以上の揺れを感知すると電気を自動的に遮断する装置だ。電気ストーブや家電製品の転倒防止とあわせて導入を検討したい。
消火器の設置場所や使い方も家族で共有しておくとよい。
7. 在宅避難と避難所生活の両方を想定する自宅が安全で、津波や火災などの危険がない場合は、在宅避難が可能なケースもある。
ただし、沿岸部や津波浸水想定区域では、建物内にとどまることが危険になる場合がある。自宅の耐震性と浸水リスクを確認し、避難所へ移動する条件を家族で決めておきたい。
避難所へ持ち出す非常用バッグには、水、食料、常備薬、身分証明書のコピー、現金、懐中電灯、充電器、衛生用品などを入れておく。
【南海トラフ地震臨時情報】発表されたら大阪では何をする?
臨時情報は地震発生を予知するものではない南海トラフ地震に関連する重要な情報として、気象庁が発表する「南海トラフ地震臨時情報」がある。
これは、南海トラフ沿いで異常な現象が観測された場合などに、通常より大規模地震が発生する可能性が相対的に高まっていることを知らせる情報だ。
情報には、調査中、巨大地震警戒、巨大地震注意、調査終了などのキーワードが付く。
主な発表条件は次のとおりだ。
- 調査中:監視領域でマグニチュード6.8以上の地震が発生するなど、南海トラフとの関連を調査する必要が生じた場合。
- 巨大地震警戒:想定震源域内のプレート境界で、モーメントマグニチュード8.0以上の地震が発生したと評価された場合。
- 巨大地震注意:監視領域でモーメントマグニチュード7.0以上の地震が発生した場合や、通常と異なるゆっくりすべりが確認された場合。
- 調査終了:巨大地震警戒や巨大地震注意に該当しないと評価された場合。
重要なのは、臨時情報が発表されていないからといって安全が保証されるわけではないことだ。気象庁も、臨時情報の発表がないまま南海トラフ地震が突発的に発生する可能性を説明している。
情報が出た場合の対応巨大地震警戒や巨大地震注意が発表された場合は、政府や自治体からの呼びかけに従って対応する。
特に重要なのは、避難経路や避難先、非常用持ち出し品、家族との連絡方法を改めて確認することだ。
巨大地震警戒の場合、後発地震に備える特別な警戒対応が呼びかけられる。原則として1週間の警戒期間が設けられ、その後さらに1週間、注意を続ける対応が案内される。
臨時情報は地震の発生日時を予測するものではない。情報の内容と自治体からの指示を確認しながら、普段の生活と防災行動を両立させることが必要だ。
【南海トラフ大阪】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:南海トラフ地震が発生したら大阪の震度はどれくらい?
A1:大阪市が公表する従来の最大クラスの想定では震度5強~6弱とされている。大阪府は2026年3月31日に新しい地震モデルと地盤データを用いた震度分布図を公表しており、実際の地点別の揺れは最新の地図で確認する必要がある。
Q2:大阪市内にも津波は来る?
A2:来る可能性がある。2026年の大阪府の最新想定では、住之江区で地震発生後最短106分、此花区では110分で1mの津波が到達するケースが示されている。
Q3:大阪で津波の危険が高い地域はどこ?
A3:住之江区、此花区、大正区、港区、西淀川区などでは津波による浸水が想定されている。淀川などの河川周辺も含め、住所別の浸水想定を確認することが大切だ。
Q4:大阪府の南海トラフ地震発生確率は何%?
A4:2025年9月26日の地震調査研究推進本部の改訂評価では、今後30年以内の発生確率は計算方法によって60~90%程度以上、または20~50%とされている。防災対策では高い方の評価を念頭に置くことが推奨されている。
Q5:大阪の津波到達まで約2時間あるなら、すぐ避難しなくてもよい?
A5:そうではない。1mの津波の到達時間は、海面変動の開始時間とは異なる。地震の揺れが収まったら、沿岸部や浸水想定区域では速やかに高い場所へ避難する必要がある。
Q6:南海トラフ地震で大阪の液状化は起きる?
A6:起きる可能性がある。大阪湾沿岸部や河川周辺など、地盤条件によって液状化の危険度が高い場所がある。大阪府が2026年3月31日に公表した最新の液状化危険度分布図で確認できる。
Q7:家庭では何日分の備蓄が必要?
A7:最低3日分、できれば1週間分が目安だ。水は1人1日約3リットルを基準に、食料、携帯トイレ、常備薬、充電器なども準備しておきたい。
南海トラフ地震は、フィリピン海プレートと陸側プレートの境界に蓄積されたひずみが解放されることで発生する巨大地震だ。過去には約100~200年の間隔で大規模地震が繰り返され、2026年は1946年の昭和南海地震から80年の節目に当たる。
大阪では、強い揺れだけでなく、大阪湾からの津波、河川周辺の浸水、液状化、交通機関の停止、ライフラインの寸断など、複数の被害を想定しておく必要がある。
特に2026年は、大阪府が震度分布、液状化危険度、津波浸水想定を更新している点が重要だ。過去の資料だけで判断せず、最新の想定図を確認することが防災の出発点になる。
【プロの結論】
大阪で南海トラフ地震に備える際、最も重要なのは「自宅が安全か」だけで判断しないことだ。
自宅、職場、学校、通勤経路、地下街、最寄りの避難施設という複数の生活拠点について、それぞれの危険性を把握しておく必要がある。
まずは住所別のハザードマップを確認し、津波避難施設までの経路を実際に歩いてみる。次に家具を固定し、備蓄品を整え、家族の連絡方法を決める。
地震の発生日時を正確に予測することはできない。しかし、揺れた瞬間の行動や避難の準備、家庭の備蓄は今日から変えられる。
南海トラフ地震を遠い将来の問題として考えるのではなく、日常生活の中で具体的な備えを積み重ねること。それが大阪で自分と大切な人の命を守るための現実的な防災対策となる。
主な公的根拠資料
- 気象庁「南海トラフ地震について」「南海トラフ地震のメカニズム」
- 地震調査研究推進本部「南海トラフの地震活動の長期評価(第二版一部改訂)」
- 大阪府「震度分布・液状化可能性(令和8年3月31日公表)」
- 大阪府「津波浸水想定(令和8年3月31日公表)」
- 大阪市「災害想定」「避難の方法(津波)」
- 内閣府「南海トラフ巨大地震の被害想定(令和7年3月)」
- 政府広報オンライン「災害に備えた家庭備蓄のポイント」