あらゐけいいちの漫画『日常』は、女子高生の相生祐子(ゆっこ)、長野原みお、水上麻衣を中心に、ロボットの東雲なの、はかせ、しゃべる猫の阪本さんらが繰り広げるシュールな毎日を描いたギャグ作品だ。2006年に『月刊少年エース』で連載が始まり、2011年には京都アニメーションによってテレビアニメ化。2015年の連載終了を経て、2021年には約6年ぶりに連載が再開された。
2026年11月現在、コミックスは全12巻。最新刊の第12巻は2024年10月25日に発売されている。また、作者のあらゐけいいちは『CITY』や『雨宮さん』などでも活動を続けており、2026年10月には『雨宮さん』第3巻が刊行された。ここでは作者の読み方や現在の活動、作品のあらすじ、登場人物と声優、連載再開の経緯までをまとめて紹介する。
【あらゐけいいち『日常』とは?】読み方・あらすじ・作品の基本情報

最初に、検索されることの多い作者名の読み方から整理したい。
「あらゐけいいち」は「あらい・けいいち」と読む。旧字体のような「ゐ」が使われているため、初めて名前を見た読者には読み方が分かりにくいこともあるが、講談社の著者紹介でも「あらゐ・けいいち」と読みが示されている。
1977年生まれ、群馬県出身。2006年に『コミックフラッパー』でデビューし、同年『月刊少年エース』で『日常』の連載を開始した。
作者の出身地である群馬県とのつながりも作品の特徴だ。登場人物の姓や作中の小ネタには群馬県を連想させる要素が見られ、舞台となる架空の町にも独特の地域性が感じられる。
『日常』漫画のあらすじ『日常』は、時定高校に通う女子高生たちと、東雲研究所で暮らす人々を中心に展開するギャグ漫画だ。
主人公格の相生祐子、通称ゆっこは、明るく元気で妄想が膨らみがちな女子高生。親友の長野原みおや水上麻衣と過ごす学校生活では、何気ない会話が思いもよらない方向へ発展する。
一方、東雲研究所では、はかせが作ったロボットの東雲なのと、しゃべる猫の阪本さんが暮らしている。人間らしく生活したいなの、自由奔放なはかせ、周囲を振り回す阪本さんの組み合わせも、作品を象徴する存在だ。
普通の学園生活を思わせる場面から突然、鹿が登場したり、シャケが飛んできたり、じゃんけんが大事件になったりする。現実的な日常の延長線上に、説明しきれない不条理が自然に入り込んでくるのが『日常』らしさである。
物語は大きな事件を解決していく連続ストーリーではなく、短いギャグや4コマ、複数の人物を中心にしたエピソードの積み重ねで構成されている。そのため、途中の巻から読んでも楽しみやすく、何度読み返しても新しい発見がある。
かわいらしい絵柄と不条理ギャグの組み合わせ『日常』の大きな特徴は、柔らかなキャラクターデザインと、予測できないギャグの落差にある。
登場人物の表情や仕草は親しみやすい一方、ギャグが始まると場面のスケールが突然大きくなる。大げさなリアクション、妙に細かい状況描写、予想外の間の取り方が組み合わさり、独特の笑いを生み出している。
また、ギャグだけでなく、友人同士の距離感や何気ない会話、少し不器用な人間関係も丁寧に描かれている。笑いの連続の中に、登場人物たちへの愛着が自然と生まれることも、長く読み継がれている理由の一つだ。
【日常の登場人物・キャラクター一覧】ゆっこ・みお・麻衣・東雲研究所
『日常』には多くの個性的な人物が登場する。なかでも物語の中心となるのが、時定高校の女子3人組と東雲研究所の3人だ。
時定高校の仲良し3人組相生祐子(ゆっこ)は、明るく活発な女子高生。思いつきで行動することが多く、日常の些細な出来事にも大きなリアクションを見せる。物語のギャグを動かす中心的な存在だ。
長野原みおは、ゆっこの親友。ゆっこの突拍子もない言動に振り回されながら、鋭いツッコミを入れる。感情豊かな一面もあり、友人たちとのやり取りが物語に勢いを与えている。
水上麻衣は、マイペースで独特の感性を持つ女子高生。何を考えているのか分からないような行動や、淡々とした態度が周囲との絶妙な温度差を生む。ゆっこやみおとは違った方向からギャグを成立させる人物だ。
東雲研究所のメンバー東雲なのは、はかせによって作られたロボット。人間のような生活に憧れており、普通の女の子として暮らしたいという思いを持っている。
はかせは、東雲研究所に暮らす天才的な発明家。自由奔放な言動でなのを困らせることも多く、研究所の日常をにぎやかにしている。
阪本さんは、言葉を話す黒猫。研究所の一員として、なのやはかせと生活している。猫らしい行動と人間のような言動のギャップが魅力だ。
主要キャラクターとアニメ版声優の対応表テレビアニメ版では、主要キャラクターに実力派声優が起用された。京都アニメーションの公式作品情報に掲載されているキャストを整理すると、次のとおりだ。
| キャラクター | 声優 | 人物・作品内での関係 |
|---|---|---|
| 相生祐子(ゆっこ) | 本多真梨子 | 明るく元気な女子高生。ギャグの中心人物。 |
| 長野原みお | 相沢舞 | ゆっこの親友。鋭いツッコミも魅力。 |
| 水上麻衣 | 富樫美鈴 | マイペースで独特の感性を持つ女子高生。 |
| 東雲なの | 古谷静佳 | 人間らしい生活に憧れるロボット。 |
| はかせ | 今野宏美 | 東雲研究所に暮らす天才少女。 |
| 阪本さん | 白石稔 | 言葉を話す猫。研究所のメンバー。 |
| 立花みさと | 堀川千華 | 時定高校の生徒。 |
| 笹原幸治郎 | 川原慶久 | 独特の雰囲気を持つ時定高校の生徒。 |
| 中之条剛 | 山本和臣 | 時定高校の生徒。 |
| 校長先生 | チョー | 時定高校の校長。 |
| 桜井先生 | 小菅真美 | 時定高校の教師。 |
| 高崎先生 | 稲田徹 | 時定高校の教師。 |
このキャストの組み合わせもアニメ版の魅力だ。特に、ゆっこ・みお・麻衣の3人は声の演技によって性格の違いが際立ち、原作のテンポのよい掛け合いをアニメならではの表現に発展させている。
【2006年から2026年まで】日常の連載・アニメ化・再開の経緯
『日常』の歴史を振り返るうえで重要なのは、2015年の連載終了と2021年の再開だ。一度は完結した作品が再び動き出し、単行本も10巻から12巻へと続いた。
2006年:月刊少年エースで連載開始2006年、あらゐけいいちは『月刊少年エース』で『日常』の連載を開始した。独特のキャラクターと不条理なギャグが特徴で、従来の学園コメディとは異なる作風を確立していく。
2011年:京都アニメーションによるテレビアニメ化2011年には京都アニメーションがテレビアニメを制作。4月から9月にかけて全26話が放送された。
アニメ版では、キャラクターの表情や動作を大きく見せる演出、映像ならではのテンポ感が加わり、原作とは異なる魅力が生まれた。
2012年:NHK Eテレで再編集版を放送2012年1月7日からはNHK Eテレでも放送された。ただし、これは2011年のテレビアニメをそのまま全26話放送したものではない。全26話から再編集された全12話のEテレ版である。
加えて、視聴者から寄せられた再放送の要望が4,000件を超えたことを受け、同年6月にはEテレで再放送が実施された。作品がテレビ放送終了後も強い支持を集めていたことを示す出来事だ。
2015年:コミックス第10巻で一度完結2015年12月、連載は一度終了。コミックス第10巻も最終巻として刊行された。
この時点では、長く続いた時定高校や東雲研究所の物語に一区切りがついた形だった。後に再開されることになるため、現在の読者は第10巻を当初の連載終了時点、第11巻以降を再開後の作品として読むことができる。
2021年:6年ぶりに連載再開2021年10月20日、あらゐけいいち本人による連載再開の告知が話題になった。
実際に再開作品が掲載されたのは、同年10月26日発売の『月刊少年エース』12月号。KADOKAWAも公式発表で、連載終了から6年を経て『日常』が戻ってくることを伝えた。
この再開は単なる過去作品の再掲載ではない。新しいエピソードが描かれ、単行本第11巻には再開後のエピソードが収録された。第10巻で終わったと思っていた読者にとって、再びゆっこたちの日常に触れられる機会となった。
【日常の漫画は全12巻】各巻の刊行情報と読む順番
『日常』のコミックスは全12巻。2015年までに刊行された第1巻から第10巻に加え、2021年の連載再開後、第11巻と第12巻が刊行された。
全12巻の刊行状況特に注目したいのは、第10巻と第11巻の間に約7年間の刊行間隔があることだ。第10巻は2015年12月、第11巻は2022年12月に発売された。連載再開から単行本としてまとまるまでの時間も、作品の歴史を理解するうえで重要になる。
- 第1巻〜第10巻:2006年から2015年までの連載を中心に収録。
- 第11巻:2021年の連載再開後のエピソードを収録。2022年12月26日発売。
- 第12巻:2024年10月25日発売。全164ページ、定価748円(税込)。
2026年11月時点で出版社の書誌情報から確認できる最新刊は第12巻だ。
KADOKAWAの公式商品紹介では、夜の学校に忍び込むエピソードや、絶対に負けないようなじゃんけんなどが紹介されている。シリーズを通して受け継がれてきた、何気ない出来事を大きな騒動へ発展させる作風は第12巻でも健在だ。
- 作品名:日常(十二)
- 著者:あらゐけいいち
- 発売日:2024年10月25日
- 出版社:KADOKAWA
- レーベル:角川コミックス・エース
- 判型:B6判
- ページ数:164ページ
- 定価:748円(税込)
- ISBN:9784041156209
基本的には第1巻から順番に読む方法がおすすめだ。登場人物の関係や、それぞれの性格を理解しながら作品世界に入れる。
一方、ギャグ漫画としての読みやすさを重視するなら、気になるキャラクターが登場する巻から手に取ってもよい。大きなストーリーを追うタイプの漫画ではないため、途中の巻でも作品の面白さを十分に味わえる。
ただし、連載終了と再開の流れを含めて楽しむなら、第10巻まで読んでから第11巻、第12巻へ進むのが自然だ。
【あらゐけいいちの現在2026年最新】作品一覧と漫画家としての活動
『日常』の作者であるあらゐけいいちは、2026年現在も漫画家として活動を続けている。代表作は『日常』だけではなく、異なる舞台や登場人物を使った作品にも取り組んできた。
あらゐけいいちの主な作品一覧- カゼマチ:2006年に『コミックフラッパー』で発表されたデビュー作。
- 日常:2006年に『月刊少年エース』で連載開始。時定高校と東雲研究所を中心とする代表作。
- Helvetica Standard:『月刊ニュータイプ』で展開された作品。独特の発想とイラスト表現が特徴。
- CITY:2016年から講談社の『モーニング』で発表されたコメディ作品。普通の街に暮らす、少し普通ではない人々を描く。
- 雨宮さん:小学館の『ゲッサン』で展開される作品。何かを創り続ける女の子・雨宮さんを主人公にしている。
2026年の作者の活動を知るうえで注目したいのが『雨宮さん』だ。
小学館の公式書籍情報によると、同作の第3巻は2026年10月9日発売。通常版のほか、ハードカバー仕様の特別版も刊行された。
作品では、主人公の雨宮さんが自分の好きなものを作り続け、周囲の評価やライバルとの関係に向き合っていく姿が描かれる。
『日常』が日常の中に潜む不条理や突発的な笑いを中心にしているのに対し、『雨宮さん』では「創ること」そのものに焦点が当たっている。作品ごとに異なる題材を扱いながら、あらゐけいいちらしい独特の発想とキャラクター表現が受け継がれている。
作者は『日常』だけの漫画家ではない『日常』のアニメをきっかけに作者を知った読者は、あらゐけいいちをシュールギャグの漫画家として認識しているかもしれない。
しかし、『CITY』では街に暮らす人々の群像劇、『雨宮さん』では創作に向き合う人物の物語を描いている。こうした作品の幅を考えると、『日常』は作家の個性を知る重要な入口でありながら、その表現力のすべてを示す作品ではない。
2026年現在の活動を知りたい読者は、『日常』の最新刊情報だけでなく、講談社の『CITY』や小学館の『雨宮さん』にも目を向けると、作家としての現在地が見えてくる。
【よくある質問】あらゐけいいち『日常』に関するFAQ
Q1:あらゐけいいちの読み方は?
A1:あらい・けいいちと読む。「あらゐ」の「ゐ」は現代仮名遣いの「い」に当たる。
Q2:漫画『日常』は全部で何巻?
A2:全12巻。2015年に第10巻で一度完結し、2021年の連載再開を経て第11巻と第12巻が刊行された。
Q3:『日常』の連載はいつ再開した?
A3:2021年10月26日発売の『月刊少年エース』12月号から再開した。2015年の連載終了から約6年後のことだった。
Q4:アニメ『日常』は何年に放送された?
A4:2011年4月から9月にかけて全26話が放送された。2012年にはNHK Eテレで全12話に再編集された版も放送された。
Q5:ゆっこ、みお、麻衣の声優は誰?
A5:ゆっこ役は本多真梨子、長野原みお役は相沢舞、水上麻衣役は富樫美鈴。東雲なの役は古谷静佳、はかせ役は今野宏美、阪本さん役は白石稔が担当している。
Q6:2026年現在、あらゐけいいちは何をしている?
A6:漫画家として活動を続けている。代表作には『日常』『CITY』『雨宮さん』などがあり、2026年10月9日には『雨宮さん』第3巻が発売された。
Q7:NHK Eテレで放送された『日常』は2011年版と同じ?
A7:完全に同じではない。2011年に民放で放送された全26話を再編集した全12話のEテレ版で、2012年1月から放送された。
あらゐけいいちの『日常』は、2006年の連載開始から2026年まで、多くの読者に親しまれてきたシュールギャグ漫画だ。
ゆっこ、みお、麻衣の女子高生3人組と、なの、はかせ、阪本さんが暮らす東雲研究所。それぞれの生活が交差し、何気ない出来事が予想外の展開へと変わっていく。
2011年の京都アニメーションによるテレビアニメ化、2012年のNHK Eテレ版放送、2015年の連載終了、そして2021年の連載再開。こうした歩みを経て、コミックスは全12巻に到達した。
2026年11月現在、漫画を一気に楽しみたい読者にとっては全12巻がまとまった読みやすいタイミングでもある。アニメから入った人は原作ならではのギャグや細かな描写を、漫画から入った人は映像と声が加わったアニメ版を楽しめる。
また、作者の現在を知るなら『雨宮さん』にも注目したい。『日常』で確立した独特の発想は、別の題材を扱う作品にもつながっている。
単なる懐かしのギャグ漫画ではなく、何度読み返しても予想外の笑いに出会える作品。それが、あらゐけいいちの『日常』が2026年になっても読み継がれる理由だ。