2026年11月3日現在、ソフトバンクグループ創業者・孫正義氏の資産は、フォーブスの2026年版「日本長者番付」で800億ドル(約12兆7000億円)と推計され、日本1位に輝いている。2025年版では2位だったが、AI関連投資を背景に資産を大きく増やし、首位に返り咲いた。ただし、この12兆7000億円は2026年5月22日の株価と為替レートを基準にした評価額であり、11月現在の確定資産額ではない。
資産の中心にあるのは、本人が保有するソフトバンクグループ株式と、同社が保有するArmなどの投資資産だ。OpenAIへの巨額出資も評価を押し上げる要因となった一方、ソフトバンクグループの株価は2026年6月の高値から大きく下落している。公表された株式保有数、企業の純資産価値、フォーブスの推計基準を照らし合わせると、孫氏の資産を正しく理解するためのポイントが見えてくる。
【2026年最新】孫正義の資産はいくら?フォーブス推計は12兆7000億円

2026年11月3日時点・公表済みランキングを基準に整理
孫正義氏の2026年の資産額として、最も明確な公表データはフォーブス・ジャパンが発表した「日本長者番付2026」だ。
その推計額は次のとおり。
孫正義氏・2026年日本長者番付12兆7000億円
推定純資産
米ドル換算
800億ドル
前年順位
2位
評価基準日
2026年5月22日
出典:Forbes JAPAN「日本長者番付2026」
2026年6月9日に発表された同ランキングでは、孫氏が4年ぶりに日本一の富豪へ返り咲いた。
前年の推定資産は282億ドルだったため、2026年版では518億ドル増加。増加率は184%に達した。円換算でも約4兆930億円から約12兆7000億円へと大幅に拡大している。
この急増の背景には、ソフトバンクグループ株価の上昇、AI関連企業への投資、OpenAIへの大型出資がある。
ただし、12兆7000億円は11月3日のリアルタイム評価額ではない。あくまで5月22日の市場終了時点を基準にした年間ランキングの推計値である。
2026年のリアルタイム推計との違いフォーブスのリアルタイム・ビリオネア関連ページでは、2026年9月10日時点の孫氏の資産を837億ドル、世界27位と表示していた。
一方、11月3日現在の最新の取引日である11月2日のソフトバンクグループ株価は4410円まで下落している。
そのため、5月の日本長者番付や9月のリアルタイム推計を、そのまま11月現在の資産額として扱うことはできない。
年間ランキングの推計額と日々変動するリアルタイム資産額は、別の数字として読む必要がある。
【資産推移】孫正義の歴代資産額と日本長者番付の順位
孫氏の資産は、毎年右肩上がりで増え続けてきたわけではない。
ソフトバンクグループの株価、保有する投資先企業の評価、為替相場によって大きく上下している。
フォーブスの日本長者番付を基準に、2021年から2026年までの推移を整理した。
孫正義の資産額の推移
出典:Forbes JAPAN各年版。各年の評価基準日は異なる。
出典:Forbes JAPANの2021~2026年日本長者番付。
2021年:444億ドルで日本一に返り咲く2021年版では444億ドルを記録し、日本長者番付の1位に返り咲いた。
背景には、ソフトバンクグループが出資していた米DoorDashや韓国CoupangのIPOがある。
投資先の企業価値が株式市場で評価されることで、孫氏の保有資産も大きく増加した。
2022~2023年:資産が半分以下に縮小2022年には資産額が211億ドルとなり、順位も3位に後退した。
前年の444億ドルと比較すると、50%以上の減少だ。
世界的な株式市場の調整、テクノロジー企業の評価低下、投資先の株価下落などが影響した。
2023年も209億ドルと低水準が続いている。
この時期は、ソフトバンクグループの投資戦略が市場から厳しく評価されていた局面でもある。
2024~2025年:Armを中心に回復2024年には270億ドル、2025年には282億ドルへと回復した。
特に注目されたのが、英国の半導体設計会社Armだ。
AI向け半導体需要の拡大を背景にArmの企業価値が高まり、ソフトバンクグループの保有資産評価にも大きく貢献した。
2026年:AI投資で過去最高水準へ2026年は800億ドルという記録的な推計額に達した。
前年からの増加額は518億ドル。日本長者番付では首位に返り咲いている。
わずか数年間で資産額が約4倍に拡大したことからも、孫氏の資産がテクノロジー株やAI関連投資の動向に強く左右されることが分かる。
【資産の内訳】ソフトバンクグループの保有株式とArmが重要
孫氏の資産を理解するうえで最も重要なのが、ソフトバンクグループの株式保有状況だ。
ソフトバンクグループは、単なる通信会社ではない。世界各国のテクノロジー企業に投資する持株会社としての性格が強い。
孫氏本人が保有する株式と、ソフトバンクグループが保有する投資資産は、区別して考える必要がある。
1.ソフトバンクグループ株式を約32.73%保有ソフトバンクグループの公式IR情報によると、2026年3月31日時点の孫氏の保有株式数は次のとおり。
- 保有株式数:約18億6551万株
- 持株比率:32.73%
- 会社名:ソフトバンクグループ株式会社
つまり、同社の株式のおよそ3分の1を保有している。
2026年11月2日の終値4410円を掛け合わせると、保有株式の単純な時価評価額は約8兆2250億円となる。
これは本人の株式保有分だけを、3月末時点の株数で機械的に計算した参考値だ。負債やその他の資産を反映した純資産額ではない。
2.Armはソフトバンクグループ最大級の投資資産英国に本拠を置く半導体設計企業。スマートフォンからデータセンター、AI関連機器まで幅広い分野で使われる半導体設計技術を提供している。
Armは、ソフトバンクグループの資産価値を考えるうえで欠かせない存在だ。
ArmのSEC提出資料によれば、2026年5月21日時点でソフトバンクグループはArmの発行済み普通株式の約86.4%を実質的に保有していた。
ソフトバンクグループが公表した2026年6月末時点のNAV(純資産価値)では、Armの保有株式評価額は調整前で53兆1300億円、アセットバック・ファイナンス調整後で49兆9100億円となっている。
3.ソフトバンクグループの投資資産構成2026年6月末時点のソフトバンクグループの公表データでは、保有株式価値と純資産価値は次のようになっている。
| 項目 | 評価額 |
|---|---|
| Arm(調整後) | 49.91兆円 |
| ビジョン・ファンド1 | 3.60兆円 |
| ビジョン・ファンド2 | 19.29兆円 |
| ラテンアメリカファンド | 1.00兆円 |
| ソフトバンク(調整後) | 2.79兆円 |
| その他 | 6.51兆円 |
| 保有株式価値合計 | 83.11兆円 |
| 純負債 | 10.81兆円 |
| NAV | 72.30兆円 |
ここで重要なのは、72兆3000億円は孫氏個人の資産ではなく、ソフトバンクグループという企業全体のNAVだという点だ。
会社の資産をすべて創業者個人の資産として計上することはできない。
【資産が増えた理由】AI投資・OpenAI・ビジョン・ファンドの実績
孫氏の資産が2026年に急増した背景には、AIを中心とした投資戦略がある。
従来の通信事業やインターネット関連事業に加え、半導体、AIモデル、データセンターなど、次世代のコンピューティング基盤に投資対象を広げている。
OpenAIへの累計投資は646億ドルChatGPTを開発する米国のAI企業。ソフトバンクグループは2026年に追加出資を実施した。
2026年2月27日、ソフトバンクグループはOpenAIに対して300億ドルの追加投資を行う契約を発表した。
この追加投資は100億ドルずつ3回に分けて実施する計画だった。
そして2026年10月1日、最後となる第3トランシェの100億ドルの投資を実行した。
これにより、ソフトバンクグループのOpenAIへの累計投資額は646億ドル、持分比率は約13%となった。
投資はソフトバンク・ビジョン・ファンド2を通じて実施されている。
この数字は投資累計額であり、OpenAI株式の現在の時価評価額や孫氏個人の資産額を意味するものではない。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資実績< Entity value="ソフトバンク・ビジョン・ファンド" category="organization" disambig="ソフトバンクグループのテクノロジー投資ファンド"/>
ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)は、世界中の成長企業に投資する巨大ファンドだ。
過去には、次のような企業への投資で知られている。
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2026年版のソフトバンクグループレポートでは、ビジョン・ファンド全体の2025年度の投資利益は459億ドルと報告されている。
特にSVF2は447億ドルの投資利益を計上し、設立以来の累計利益は218億ドルとなった。
ただし、ファンドの投資利益は孫氏個人の収入ではない。ファンドの出資者や持分構造などを踏まえて理解する必要がある。
AI投資による資産形成の仕組み孫氏のAI投資戦略は、単にAI企業の株式を購入するだけではない。
半導体設計、AI開発、データセンター、計算資源など、AI産業を支える複数の領域に投資している。
この戦略の特徴は、投資先の成長によって保有株式の評価額が上昇すると、ソフトバンクグループの企業価値にも反映されることだ。
その結果、孫氏本人が保有するソフトバンクグループ株式の価値も上昇する。
2026年3月期にはソフトバンクグループが過去最高となる約5兆円の純利益を報告したことも、投資家の評価を押し上げる材料となった。
【孫正義と柳井正を比較】2026年の日本長者番付と世界順位
孫正義氏と並んで日本の富豪として名前が挙がるのが、ファーストリテイリング創業者の柳井正氏だ。
両者は日本を代表する経営者だが、資産形成の仕組みは大きく異なる。
12.7兆円
2026年日本1位
10.3兆円
2026年日本2位
2026年の資産比較
| 比較項目 | 孫正義 | 柳井正 |
|---|---|---|
| 推定資産 | 12.7兆円 | 10.3兆円 |
| ドル換算 | 800億ドル | 650億ドル |
| 日本順位 | 1位 | 2位 |
| 主な資産形成 | 投資・半導体・AI | 小売・アパレル |
| 企業 | ソフトバンクG | ファーストリテイリング |
両者の差は150億ドル、円換算で約2兆4000億円となる。
孫氏が4年ぶりに首位を奪還した一方、柳井氏も資産を前年から30%以上増やしている。
つまり、柳井氏の資産が減ったから首位が入れ替わったわけではない。孫氏の資産増加がそれを大きく上回った結果だ。
世界長者番付では何位なのかフォーブスの2026年版世界長者番付では、孫氏は世界36位、資産515億ドルだった。
同じ世界ランキングでは、柳井氏は618億ドルで32位となっている。
ここで日本長者番付の順位と逆転している点に注意したい。
理由は、両ランキングの評価基準日が異なるためだ。
- 世界長者番付2026:年次ランキングの評価時点
- 日本長者番付2026:2026年5月22日の株価・為替を基準
- リアルタイムランキング:日々の株価や為替を反映
同じ2026年版でも、評価日が異なれば順位や資産額も変わる。
【資産額の算出方法】フォーブスは何を基準に純資産を計算するのか
孫氏の資産額を正確に理解するには、フォーブスがどのような基準で富豪の純資産を計算しているかを知る必要がある。
純資産の基本的な計算式一般的な純資産の考え方は次のとおりだ。
純資産=保有資産の評価額-負債
評価対象には、上場株式、非上場企業の持分、現金、その他の金融資産などが含まれる。
フォーブスの日本長者番付では、本人や家族から得た情報、証券取引所、企業の年次報告書、アナリストの情報などを利用する。
非上場企業については、類似する上場企業との比較によって企業価値を推計する方法も採用されている。
また、ランキングには家族や親族と共有する資産が含まれる場合もある。
孫正義の資産額を計算するときの注意点特に注意したいのは、次の3つだ。
① ソフトバンクグループの企業価値と本人の資産は別
会社のNAVが72兆3000億円だからといって、その全額が孫氏の資産になるわけではない。
本人が実際に保有する株式の割合や、個人の金融資産、負債などを区別しなければならない。
② 保有株式の評価額は株価で変動する
孫氏はソフトバンクグループ株式を約18億6551万株保有している。
仮に株価が1000円上昇すれば、単純計算で保有株式の評価額は約1兆8655億円増加する。
反対に1000円下落すれば、同じ金額だけ評価額が減少する。
③ 為替相場も資産額に影響する
海外企業の株式や投資資産をドルで評価する場合、円とドルの為替レートによって円換算額が変化する。
したがって、ドル建ての資産が変わらなくても、円換算の純資産が増減することがある。
この3つを理解すると、ランキングの数字が毎年大きく変わる理由も見えてくる。
【2026年11月の最新動向】ソフトバンク株価下落と孫正義の資産変動
2026年の孫氏の資産を考えるうえで、見逃せないのがソフトバンクグループの株価変動だ。
2026年6月2日には年初来高値9074円を記録したが、11月2日の終値は4410円だった。
わずか約5カ月で約51.4%下落した計算になる。
ソフトバンクグループ株価の変動
2026年6月2日・年初来高値9,074円
2026年11月2日・終値4,410円
高値からの下落率
約51.4%
出典:Yahoo!ファイナンスの株価時系列データ。
株価下落は個人資産にも直結する
孫氏が保有する株式数を約18億6551万株と仮定すると、株価が1000円変動するだけで、株式評価額は約1兆8655億円変化する。
そのため、ソフトバンクグループの株価下落は孫氏の資産評価にも大きな影響を与える。
ただし、株価下落分をそのまま本人の純資産減少額とみなすことはできない。保有株数の変化、その他の投資資産、負債、為替なども関係するからだ。
今後の資産変動を左右する3つのポイント今後、孫氏の資産を左右すると考えられるのは次の3点だ。
- Armの企業価値: AI向け半導体需要やデータセンター市場の成長が保有資産評価に影響する。
- OpenAIへの投資成果: 累計646億ドルの投資が将来的にどのような企業価値や収益を生み出すか。
- ソフトバンクグループの財務状況: 投資資産の評価だけでなく、負債や資金調達コストも重要になる。
2026年10月にはOpenAIへの追加出資が完了しており、AI投資への集中度はさらに高まっている。
一方、2026年4~6月期のソフトバンクグループの純利益は前年同期比18%減となった。AI関連の期待だけでなく、投資コストや市場環境にも目を向ける必要がある。
【孫正義の資産】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:孫正義の2026年現在の資産はいくらですか?
フォーブスの日本長者番付2026では、800億ドル(約12兆7000億円)です。ただし、これは2026年5月22日の株価と為替を基準にした推計額です。11月現在の正確な個人純資産額とは異なります。
Q2:孫正義は世界で何位ですか?
フォーブスの2026年版世界長者番付では36位、推定資産515億ドルです。なお、リアルタイムランキングでは評価日によって順位が変動します。
Q3:孫正義と柳井正はどちらが資産を多く持っていますか?
2026年版の日本長者番付では孫正義氏が12兆7000億円で1位、柳井正氏が10兆3000億円で2位です。孫氏が約2兆4000億円上回っています。
Q4:孫正義の資産の大部分は何ですか?
中心となるのはソフトバンクグループの保有株式です。同社の保有資産ではArmの存在感が特に大きく、ビジョン・ファンドやOpenAIなどへの投資も重要な要素となっています。
Q5:孫正義の資産が増えた最大の理由は何ですか?
AI関連投資への期待、Armの株価上昇、OpenAIへの出資などが主な要因です。投資先の企業価値が上昇すると、ソフトバンクグループの保有資産価値や孫氏の保有株式の評価額にも影響します。
Q6:孫正義の資産は株価が下がると減りますか?
株価が下落すれば、保有株式の評価額は減少します。ただし、個人の純資産全体はその他の資産や負債、為替などにも左右されるため、株価だけで正確な変化を判断することはできません。
【プロの結論】孫正義の資産は12兆円規模、今後の焦点はAI投資の成果
2026年の孫正義氏は、フォーブス日本長者番付で推定12兆7000億円を記録し、日本一の富豪に返り咲いた。
2021年の444億ドルから2022年には211億ドルまで減少し、その後の回復を経て、2026年には800億ドルへと急増している。
この変化が示すのは、孫氏の資産が一般的な事業経営者のように安定した利益の積み重ねだけで形成されているわけではないということだ。
その中心には、ソフトバンクグループ株式、Arm、ビジョン・ファンド、OpenAIなど、成長期待の大きいテクノロジー資産がある。
特に2026年はAI投資が資産評価を押し上げる大きな原動力となった。
一方、11月2日のソフトバンクグループ株価は4410円まで下落しており、6月の高値から約半分になっている。AI市場への期待が高まるほど、投資先の企業価値や市場の評価が変化した際の影響も大きくなる。
孫氏の資産を判断する際には、次の3点を押さえておきたい。
1. フォーブスの資産額は評価基準日を確認する。 年間ランキングとリアルタイム推計は別物。
2. 企業のNAVと個人の純資産を混同しない。 ソフトバンクグループの72兆円超のNAVが、そのまま孫氏個人の資産になるわけではない。
3. AI投資の金額だけでなく成果を見る。 OpenAIへの累計出資額やArmの評価額だけでなく、投資回収や収益性、負債も重要になる。
今後、孫氏の資産がさらに拡大するかどうかは、AI産業の成長とソフトバンクグループの投資成果に大きく左右される。
12兆7000億円という数字は2026年の日本長者番付での評価額。その実態を理解するには、保有株式、企業価値、株価、負債を分けて見ることが欠かせない。
主な参考資料:Forbes JAPAN「日本長者番付2026」、ソフトバンクグループ公式IR・2026年統合報告書・NAV資料・OpenAI追加投資発表、ArmのSEC提出資料、Yahoo!ファイナンス株価時系列データ。