今回の数字を正しく評価するには、調査方法を理解することが欠かせません。JNNが採用しているのは、RDD(Random Digit Dialing)方式と呼ばれる電話世論調査です。
RDD方式とは?固定電話と携帯電話を無作為に調査RDD方式は、コンピューターで電話番号を無作為に組み合わせ、調査対象者に電話をかける方法です。特定の電話帳に掲載された世帯だけに調査対象を限定しないため、固定電話を持たない人も含めて調査できます。
今回のJNN調査では、固定電話と携帯電話の両方を使用しています。また、機械による自動音声ではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。
固定電話の場合は、世帯内の特定の人だけに回答が偏らないよう、乱数によって回答者を選ぶ仕組みも採用されています。
今回の調査対象と回答者の内訳JNNが公表した調査概要は以下のとおりです。
2026年11月JNN世論調査の実施概要

2,662人
調査対象となった全国18歳以上の男女
有効回答数
1,024人
有効回答率
38.5%
回答者の内訳
固定電話
438人
携帯電話
586人
調査期間:2026年10月31日~11月1日
回答者のうち、固定電話経由は438人、携帯電話経由は586人です。携帯電話経由の回答が全体の過半数を占めています。
ただし、有効回答率が38.5%だからといって、残りの61.5%が内閣を支持していないという意味ではありません。回答しなかった人の政治的な立場は、この数字から判断できません。
RDD方式なら世論を完全に反映できるのか?RDD方式には、無作為抽出によって特定の属性の人ばかりが回答するリスクを抑えられる利点があります。しかし、無作為に電話をかければ必ず実際の国民全体と一致するわけではありません。
電話に出る人と出ない人の違い、調査への協力意欲、年齢構成、質問文の表現なども結果に影響します。
世論調査を見るときは、回答人数だけでなく、抽出方法、回答率、調査時期、質問内容をセットで確認することが大切です。今回のJNN調査は、固定電話と携帯電話の両方を使い、調査員が聞き取る方式で実施された点が特徴です。
【支持率上昇の理由】高市内閣を支持する人と批判する人の本音
今回のJNN調査で興味深いのは、支持率が64.9%という結果だけではありません。支持する理由と支持しない理由を尋ねた回答から、政権に対する期待と不満の両方が読み取れます。
支持する理由の最多回答は「ほかの内閣より良さそうだから」高市内閣を支持すると答えた人に理由を尋ねたところ、最も多かったのは「ほかの内閣より良さそうだから」の39%でした。
この結果は、支持が必ずしも個別政策への強い賛同だけで成り立っているわけではないことを示しています。
比較対象となるほかの政権よりも期待できるという相対的な評価も、内閣支持を支える要素になっています。
不支持の理由は「政策に期待できないから」一方、支持しないと答えた人の理由で最多だったのは、「政策に期待できないから」の31%です。
政権の方向性や政策の実現可能性、国民生活への効果などについて、十分な期待を持てていない層が存在することがうかがえます。
ここで注意したいのは、39%と31%は、それぞれ支持者と不支持者の中で最も多かった理由の割合だという点です。全回答者の39%が他の内閣との比較で支持している、あるいは全回答者の31%が政策に不満を持っているという意味ではありません。
個別政策では賛否が分かれるJNNの詳報では、内閣支持率とは別に、具体的な政策や政府対応についても質問しています。
食料品の消費税引き下げ案54%
賛成(反対35%)
衆議院の比例代表定数31議席削減案
62%
賛成(反対19%)
サイバー攻撃・情報流出への政府対応
評価する
39%
評価しない
58%
食料品の消費税率を2027年4月から2年間、8%から1%に引き下げる法案については、賛成54%、反対35%でした。
また、自民党、日本維新の会、国民民主党の3党が合意した衆議院の比例代表定数31議席削減案については、賛成62%、反対19%となっています。
一方、企業や自治体などへのサイバー攻撃や情報流出に対する政府の対応については、評価する人が39%、評価しない人が58%でした。サイバー攻撃や情報流出に不安を感じる人も、非常に感じる人とある程度感じる人を合わせて87%に達しています。
つまり、高い内閣支持率と、個別の政府対応への厳しい評価は同時に存在しています。内閣全体への期待が高くても、すべての政策や危機管理対応が支持されているとは限りません。
高市首相にはいつまで続けてほしいのか?今回の調査では、高市総理にいつまで首相を続けてほしいかという質問も行われました。
- できるだけ長く続けてほしい:46%
- 2027年9月の自民党総裁任期まで:36%
- 早く辞めてほしい:14%
長期続投を望む回答が最多である一方、総裁任期までとする回答も36%あります。高市内閣への支持が、そのまま無条件の長期政権への賛成を意味するわけではありません。
今回の調査結果から見えるのは、政権への一定の期待と、政策の実行力や個別対応を厳しく見極めようとする姿勢が併存していることです。
【2026年の内閣支持率推移】数字を見るときの3つの注意点
2026年の高市内閣支持率を追いかける際には、単純に数字の高低だけを見るのではなく、同じ調査主体の継続的なデータと、他社調査の結果を分けて考える必要があります。
1.同じJNNの前回調査と比べる今回の支持率64.9%は、JNNの前回調査から1.9ポイント上昇しています。逆算すると、前回は63.0%でした。
同じ調査主体の前回比は、質問や調査方式の継続性があるため、短期的な変化を見るうえで参考になります。
2.他社の数字を無理に一本化しない2026年10月の各社調査では、JNN、FNN、日経・テレビ東京、テレビ朝日、毎日新聞の間で大きな差があります。
調査日が異なるだけでなく、毎日新聞のようにオンライン調査を利用する媒体もあります。各社の結果を単純平均して「日本全体の正確な支持率」とするのは適切ではありません。
3.支持率の上昇と政権運営の成功を同一視しない支持率は、調査時点での内閣に対する総合的な評価です。法案の成立、物価高対策の実効性、外交・安全保障、政治資金問題への対応など、個別の実績を直接測る数字ではありません。
今回のJNN調査でも、サイバー攻撃への政府対応を評価しない人が58%に達しています。内閣支持率だけを切り取ると、こうした個別分野への不満を見落とす可能性があります。
今後の推移を見るなら、次回のJNN調査で64.9%からさらに上昇するのか、横ばいになるのか、あるいは低下するのかを確認するとともに、自民党支持率や個別政策への評価も追う必要があります。
【今日の内閣支持率】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年11月2日現在の高市内閣の支持率は何%ですか?
A1:最新のJNN世論調査では64.9%です。不支持率は32.5%で、前回比は支持率が1.9ポイント上昇、不支持率が1.4ポイント低下しました。
Q2:JNNの内閣支持率調査はいつ実施されましたか?
A2:2026年10月31日と11月1日の2日間です。全国18歳以上の男女2,662人を対象に電話調査を行い、1,024人から有効回答を得ています。
Q3:RDD方式とは何ですか?
A3:コンピューターで電話番号を無作為に組み合わせ、固定電話と携帯電話に電話をかける世論調査方式です。JNNでは調査員が直接聞き取りを行っています。
Q4:内閣支持率が高いのに自民党の支持率が低いのはなぜですか?
A4:内閣への評価と政党への支持は異なる質問だからです。今回のJNN調査では、高市内閣の支持率が64.9%である一方、自民党の支持率は32.9%でした。首相や内閣を評価していても、自民党を支持政党として選ばない人がいると考えられます。
Q5:内閣支持率はリアルタイムで確認できますか?
A5:内閣支持率は株価や為替のようにリアルタイムで更新される数値ではありません。各報道機関が一定期間に世論調査を実施し、その結果を公表します。最新の数字を知りたい場合は、調査日と発表日を確認することが大切です。
2026年11月2日に確認できる最新のJNN世論調査では、高市内閣の支持率は64.9%、不支持率は32.5%でした。支持率は前回から1.9ポイント上昇し、不支持率は1.4ポイント低下しています。
一方、自民党の政党支持率は32.9%にとどまり、支持政党なしは42.7%です。内閣への評価と政党への支持が必ずしも一致しない点は、今回の調査を理解する要点です。
また、支持理由では「ほかの内閣より良さそうだから」が39%、不支持理由では「政策に期待できないから」が31%で最多となりました。サイバー攻撃への政府対応については58%が評価しておらず、個別政策に対する厳しい目も残っています。
【プロの結論】今回の64.9%は、高市内閣に対する強い支持が確認された数字です。しかし、政権の実力を判断するには、支持率の高さだけでは不十分です。今後は次の3点を継続して確認が必要です。
- 支持率の持続性:次回以降のJNN調査でも高水準を維持できるか。
- 政党支持との関係:自民党の支持率や無党派層の動向が変化するか。
- 政策の実績:物価高対策やサイバーセキュリティーなど、具体的な課題への対応が評価されるか。
内閣支持率は政権の現在地を示す重要な指標です。64.9%という数字の背景にある世論の変化と政策評価をあわせて追うことが、2026年の政治情勢を正確に理解するための判断基準になります。