まぶたの縁に白い小さな粒や硬い脂のようなものが見える場合、マイボーム腺の出口が詰まっている可能性があります。こうした状態は「マイボーム腺梗塞」と呼ばれることがあり、涙の表面を覆う油分の分泌が妨げられることで、目の乾燥感や異物感、ドライアイなどにつながる場合があります。
マイボーム腺は、上まぶたと下まぶたに並ぶ特殊な皮脂腺です。涙の蒸発を防ぐという重要な役割を担っており、その構造や分泌機能を理解すると、なぜ詰まりが起こるのか、どのような症状が現れるのかが見えてきます。2026年11月現在の眼科学会の診療指針や専門誌の情報を踏まえ、原因、見分け方、自宅でのケア、眼科で受けられる治療まで整理します。
【まず押さえたい】マイボーム腺梗塞とは?白い粒ができる原因と症状

マイボーム腺梗塞とは、まぶたの縁に並んでいるマイボーム腺の開口部が詰まり、分泌物が正常に排出されにくくなった状態を指す呼び方です。
一般的には、まつ毛の生え際より少し内側にある小さな開口部に、白色や黄色っぽい栓のようなものが見えることがあります。脂質が固まったものや、導管の角化物などが関係しており、眼科領域では開口部の閉塞、いわゆるプラギング(plugging)として観察されます。
ここで注意したいのは、「梗塞」という言葉の印象です。脳梗塞や心筋梗塞のような血管の血流障害を意味するものではありません。マイボーム腺の場合は、基本的に油分を排出する腺の出口が詰まる現象を指しています。
また、マイボーム腺梗塞という呼称と、マイボーム腺機能不全(MGD)は完全に同じ意味ではありません。前者は主に開口部の詰まりを表し、後者はマイボーム腺全体の分泌機能に異常が生じた状態を表す医学的な概念です。
代表的な症状は白い栓・ゴロゴロ感・目の乾燥マイボーム腺の詰まりは、初期には目立った症状を伴わないことがあります。白い小さな粒が見えていても、痛みやかゆみがないため、長期間気づかないケースも考えられます。
詰まりが続き、涙液の油層が不安定になると、次のような症状が現れることがあります。
- まぶたの縁に白色や黄色の小さな粒が見える
- 目の中に砂が入ったような異物感がある
- 目がゴロゴロする、重たい感じがする
- 目が乾く、しみる、熱っぽく感じる
- 目が疲れやすくなる
- 一時的に視界がかすむ
- 乾燥しているのに涙が出る
- まぶたの縁が赤くなったり、刺激を感じたりする
ただし、これらはマイボーム腺梗塞だけに特有の症状ではありません。ドライアイ、眼瞼炎、アレルギー性結膜炎などでも似た症状が現れます。見た目だけで病名を決めつけないことが大切です。
【まぶたの構造を検証】マイボーム腺の役割と仕組み・本数は?
マイボーム腺は涙の蒸発を防ぐ油分を分泌するマイボーム腺(Meibomian gland)は、上下のまぶたの内部にある特殊な皮脂腺です。瞼板(けんばん)という組織の中に配置されていることから、瞼板腺(けんばんせん)とも呼ばれています。
この腺から分泌される油性物質は「マイバム(meibum)」と呼ばれます。マイバムは涙液膜の最も外側にある脂質層を形成し、涙に含まれる水分の蒸発を抑える働きを担っています。
目の表面を覆う涙液膜は、大きく分けて脂質層、水層、ムチンに関係する成分から構成されています。その中でマイボーム腺が担当するのが脂質の供給です。
油分が十分に分泌され、涙液膜の表面が安定していると、目の表面を潤す環境が保たれます。反対に、油分の分泌が減少したり、質が変化したりすると、水分が蒸発しやすくなり、蒸発亢進型ドライアイにつながることがあります。
つまり、マイボーム腺は単にまぶたに存在する皮脂腺ではありません。目の表面を守る涙液の品質を支える重要な器官です。
上まぶた約50本・下まぶた約25本という本数の考え方マイボーム腺の本数は、上まぶたのほうが下まぶたより多いとされています。一般向けの解説では、上まぶたに約50本、下まぶたに約25本という目安が紹介されることがあります。
一方、眼科学の専門文献では、上まぶた約25〜40本、下まぶた約20〜30本という幅のある数値も報告されています。国際的な研究レビューでは、中央値は上まぶた約31本、下まぶた約26本とされています。
加えて、日本角膜学会が紹介する診療ガイドライン関連資料では、腺そのものではなく、まぶたの縁にある開口部について、上方約30か所、下方約20か所と説明しています。
このように、本数は個体差や計測方法、腺と開口部のどちらを数えるかによって変わります。上50本・下25本という数字は目安の一つとして理解し、全員に共通する固定値とは考えないほうが正確です。
ハインリッヒ・マイボームに由来する名称マイボーム腺という名前は、ドイツの医師ハインリッヒ・マイボーム(Heinrich Meibom、1638〜1700年)に由来します。
マイボーム腺は、ドイツの医師である彼の名前を冠した解剖学的名称です。英語ではMeibomian glandと表記され、眼瞼の脂質分泌を担う器官として、現在の眼科学でも広く使われています。
腺の内部には複数の分泌細胞の集まりがあり、それぞれが中央の導管につながっています。分泌された油分は導管を通り、まぶたの縁にある開口部から排出されます。
まばたきによるまぶたの動きも、マイバムの排出を助けています。そのため、腺の出口だけでなく、分泌物の性質や導管の状態、まぶた全体の環境が正常な機能を保つうえで重要です。
【原因を徹底分析】マイボーム腺が詰まるのはなぜ?MGDとの関係
脂質の性質が変化すると出口が詰まりやすくなるマイボーム腺の詰まりには、分泌される油分の性質と、導管の状態が関係しています。
マイバムが正常な状態から変化し、粘り気が強くなったり、排出されにくくなったりすると、腺の内部に分泌物が滞留しやすくなります。
また、導管の出口付近で上皮細胞の角化が進むと、角化物が開口部を塞ぐ原因になります。こうした閉塞が続くと、分泌量の低下や腺の構造的な変化にもつながる可能性があります。
加齢・ホルモン・生活環境などのリスク因子日本角膜学会が公開しているマイボーム腺機能不全診療ガイドライン関連資料では、さまざまな要因がMGDのリスク因子として挙げられています。
- 加齢:年齢とともに腺の機能や分泌状態が変化する。
- ホルモンの変化:閉経やアンドロゲンの減少などが関係する。
- 長時間のVDT作業:パソコンやスマートフォンの使用環境が目の状態に影響する。
- コンタクトレンズ:特にソフトコンタクトレンズの装用が関連するリスク因子として報告されている。
- 喫煙:眼表面の環境や炎症との関連が指摘されている。
- 眼瞼炎・酒さ:まぶたや皮膚の炎症性疾患が関係する。
- 全身疾患:糖尿病、脂質異常症、高血圧、甲状腺機能亢進症、シェーグレン症候群など。
これらは発症との関連が報告されている要因であり、該当する人が必ずマイボーム腺梗塞になるという意味ではありません。複数の要因が重なることもあります。
マイボーム腺機能不全(MGD)との関係マイボーム腺機能不全(Meibomian Gland Dysfunction:MGD)は、さまざまな原因によってマイボーム腺の機能が広範囲に異常をきたし、慢性的な目の不快感を伴う状態です。
MGDには、主に分泌減少型と分泌増加型があります。分泌減少型では、導管の閉塞や腺の萎縮などによって油分の排出が低下します。一方、分泌増加型では、マイボーム腺からの脂質分泌が過剰になる状態がみられます。
特に閉塞性のMGDでは、マイボーム腺の出口に詰まりが生じることがあり、マイボーム腺梗塞と呼ばれる状態と密接に関係します。
日本眼科学会、日本角膜学会、ドライアイ研究会が関わって作成した2023年の診療ガイドラインは、MGDを単なる脂の詰まりではなく、症状、眼瞼縁の異常、分泌物の量や質を総合的に評価する病態として整理しています。
【見分け方を比較】マイボーム腺梗塞・霰粒腫・麦粒腫は何が違う?
白い粒とまぶたのしこりは同じものではないマイボーム腺の出口が詰まっている状態と、そこから発展して生じるまぶたのしこりは、区別して考える必要があります。
代表的なのが霰粒腫(さんりゅうしゅ)と麦粒腫(ばくりゅうしゅ)です。いずれもマイボーム腺周辺に生じることがありますが、原因や病態は異なります。
日本眼科学会の病気の解説でも、霰粒腫はマイボーム腺の出口が詰まり、内部にたまった脂を処理する過程で肉芽腫が形成される病気と説明されています。一方、麦粒腫は細菌感染によって起こる炎症です。
関連する病態の比較・関係性一覧| 名称・関連概念 | 主な原因・仕組み | 特徴・見分けるポイント |
|---|---|---|
| マイボーム腺梗塞 | マイボーム腺の開口部に脂質や角化物などが詰まる | まぶたの縁に白色・黄色の小さな栓が見えることがある |
| マイボーム腺機能不全(MGD) | マイボーム腺の分泌機能が広範囲に異常をきたす | 乾燥感、異物感、開口部閉塞、分泌物の性状変化など |
| 霰粒腫 | 腺の出口が詰まり、内部に脂がたまって肉芽腫を形成する | まぶたの中にコロコロしたしこりができる。通常は痛みや赤みが少ない |
| 麦粒腫 | マイボーム腺などの分泌腺への細菌感染 | 赤み、腫れ、痛みが現れやすい |
| 蒸発亢進型ドライアイ | 涙液の脂質層が不十分になり、水分が蒸発しやすくなる | 乾燥感、目の疲れ、異物感、視界のかすみなど |
特に注意したいのは、霰粒腫と麦粒腫の区別です。霰粒腫は典型的には痛みの少ないしこりですが、炎症を伴うと赤く腫れ、麦粒腫に似た状態になることがあります。
また、高齢者で同じ場所にしこりが繰り返しできる場合や、長期間改善しない場合には、単純な霰粒腫以外の病気も考える必要があります。日本眼科学会は、霰粒腫に似た病変として脂腺癌などの悪性腫瘍との鑑別にも注意を促しています。
白い粒があるからといって、すべてがマイボーム腺梗塞とは限りません。見た目だけで判断せず、必要に応じて眼科で確認することが大切です。
【治し方を解説】マイボーム腺梗塞の自宅ケアと眼科での治療
基本となるのは温罨法(おんあんぽう)マイボーム腺の出口が詰まりやすい場合、基本的なケアとして知られているのが温罨法です。温めることで粘度が高くなった油分を柔らかくし、分泌物が排出されやすい環境を整えることを目的としています。
自宅で行う場合は、清潔な温かいタオルや目元専用の温熱アイマスクなどを使い、閉じたまぶたの上から優しく温めます。
- 清潔なタオルや専用アイマスクを使用する。
- 熱すぎる温度を避ける。
- 目を閉じて、まぶたに優しく当てる。
- 強く押したり、こすったりしない。
- 赤みや痛みが増す場合は中止して眼科に相談する。
温罨法は、マイボーム腺機能不全に対する保存的なケアの一つです。ただし、硬い栓や大きなしこりが必ず自宅で取れるわけではありません。改善しない場合には専門的な診察が必要です。
眼瞼清拭(リッドハイジーン)でまぶたの縁を清潔に保つもう一つの基本的な方法が眼瞼清拭です。リッドハイジーンとも呼ばれ、まぶたの縁やまつ毛の周囲に付着した汚れ、皮脂、分泌物などを清潔に保つことを目的とします。
専用のアイシャンプーや眼瞼清拭用の製品を使用する場合は、目に入らないように注意し、製品の使用方法に従って優しく洗浄します。
強い摩擦や過度な洗浄は、かえって眼瞼縁の刺激につながる可能性があります。目元の化粧品が残らないようにすることも含め、無理のない方法を継続することが大切です。
眼科で行われるマイボーム腺圧出自宅でのケアだけでは改善しない場合、眼科ではマイボーム腺圧出という処置が検討されます。
これは、医師が専用の器具などを使い、詰まった腺の内部に滞留しているマイバムを排出させる処置です。開口部の閉塞や分泌物の状態を確認しながら行うため、自分で無理に押し出す方法とは異なります。
2026年5月15日発行の医学書院『臨床眼科』では、東京大学医学部眼科学教室などに所属する白川理香氏による「マイボーム腺圧出―患者が嫌がらない工夫」という専門記事が掲載されました。
同記事では、圧出処置に伴う痛みや恐怖感を軽減するための説明や、処置前後の工夫が取り上げられています。処置の効果だけでなく、患者の負担を減らし、継続的な診療につなげる視点が重視されています。
症状や炎症に応じた薬物療法・機器治療マイボーム腺機能不全に炎症が伴う場合には、医師の判断で抗炎症薬や抗菌薬などが検討されることがあります。ドライアイを合併している場合には、涙液の状態や重症度に応じた点眼治療も行われます。
また、専門的な治療として次のような方法があります。
- サーマルパルセーション:熱と圧力を利用し、マイボーム腺の分泌物の排出を促す機器治療。
- IPL:特定の光を照射する治療法で、MGDに伴う炎症や眼表面の状態への効果が研究されている。
- その他の温熱治療:医療機器を使い、まぶたを加温して分泌物の排出を促す方法。
- マイボーム腺プロービング:専用の器具を使って閉塞した導管に介入する方法。適応や有効性を個別に判断する必要がある。
これらはすべての患者に必要な治療ではありません。腺の状態、症状、炎症の有無、費用や副作用などを考慮して選択されます。
自分で押し出す・針で取る行為は避ける白い粒が目立つと、爪や綿棒で押したり、針で取り除いたりしたくなる可能性があります。しかし、まぶたの縁は目の表面に近く、傷や感染、炎症の悪化を招くおそれがあります。
市販の目薬を自己判断で長期間使い続けることも避けたいところです。特に抗菌薬やステロイドを含む薬剤は、症状や原因に応じた使用が必要です。
痛みのある腫れや硬いしこりがある場合は、自宅で無理に処置せず、眼科で診察を受けることが安全です。
【2026年最新情報】マイボーム腺梗塞の診断・研究・眼科受診のポイント
日本の診療の基盤となる2023年のガイドライン2026年11月2日時点で、日本のマイボーム腺機能不全の診療を理解するうえで重要な基準となっているのが、2023年2月10日に公開された「マイボーム腺機能不全診療ガイドライン」です。
日本眼科学会、日本角膜学会、ドライアイ研究会などの専門家が関わり、6つのバックグラウンドクエスチョンと30のクリニカルクエスチョンを通じて、病態、分類、診断、治療などを整理しています。
このガイドラインが示す要点は、マイボーム腺の詰まりを単独で見るのではなく、症状と眼瞼縁の所見、マイバムの質や量を組み合わせて診断することです。
2026年は早期診断と圧出処置への関心が続く2026年4月15日発行の『臨床眼科』80巻4号には、川島素子氏による「早期マイボーム腺機能不全の診断ポイント」が掲載されました。
同記事では、早期MGDは自覚症状や目立った所見が乏しいため見逃されやすく、マイボグラフィなどを含む早期診断の視点が重要であることが紹介されています。
マイボグラフィとは、特殊な撮影技術を使ってマイボーム腺の形態を観察する検査です。腺の脱落や形状の変化などを確認する補助的な方法として用いられます。
加えて、同年5月にはマイボーム腺圧出の患者負担を軽減する方法を扱った専門記事も掲載されました。治療を受ける側の不安や痛みに配慮した診療が、専門誌でも取り上げられています。
新しい薬剤の研究も進むが、臨床試験と確立した治療は別2026年6月には、厚生労働省の臨床研究等提出・公開システムに、閉塞性マイボーム腺機能不全を伴うドライアイを対象としたM136101の第II相試験が登録されました。
登録情報では、100人を対象とする無作為化・二重盲検・プラセボ対照試験として、1日2回、8週間投与した場合の有効性と安全性を検討する計画が示されています。
ただし、臨床試験への登録は、その薬剤の効果や安全性が確立したことを意味しません。研究段階の治療を、一般診療で利用できる標準治療と混同しないことが重要です。
海外でも2025年11月に公表されたTFOS DEWS IIIの治療・管理に関する報告で、MGDに対する温罨法、眼瞼ケア、IPL、温熱機器などが取り上げられています。治療選択肢は広がっていますが、病態に合わせた個別の判断が基本です。
眼科ではどのような検査を受けるのか眼科では、まず症状や生活習慣、コンタクトレンズの使用状況などを確認します。その後、細隙灯顕微鏡を使ってまぶたの縁やマイボーム腺の開口部を観察します。
必要に応じて、次のような検査が行われます。
- 眼瞼縁の観察:開口部の閉塞、周囲の発赤、血管拡張などを確認する。
- マイバムの評価:分泌物の量や粘度、排出されやすさを確認する。
- 涙液層破壊時間(BUT):涙液膜がどの程度安定しているかを評価する。
- 角結膜の検査:目の表面に傷や上皮障害がないかを確認する。
- マイボグラフィ:マイボーム腺の形態や脱落の状態を確認する。
これらの検査はすべての人に一律に行われるわけではありません。症状や診察所見に応じて、必要なものが選ばれます。
眼科を受診するタイミングと注意すべき症状次のような場合には、眼科での診察を検討してください。
- まぶたの縁に白い粒が繰り返しできる。
- 目の異物感や乾燥感が長期間続く。
- まぶたに硬いしこりができている。
- まぶたが赤く腫れたり、痛みが出たりしている。
- 同じ場所に何度も腫れやしこりが生じる。
- 自宅でケアしても改善しない。
特に、急激な視力低下、強い眼痛、目を動かしたときの痛み、複視、発熱を伴う広範囲の腫れなどがある場合は、通常のマイボーム腺の詰まりだけでは説明できない病気の可能性もあります。速やかに医療機関で診察を受けてください。
【よくある質問】マイボーム腺梗塞に関する疑問を解決
Q1:マイボーム腺梗塞は自然に治りますか?
A1:小さな詰まりは目立たなくなることがありますが、必ず自然に解消するとは限りません。詰まりが続く場合や異物感、乾燥感がある場合は眼科で確認してください。
Q2:マイボーム腺梗塞は痛みがありますか?
A2:初期の詰まりは無症状のことも多く、痛みを伴わない場合があります。ただし、炎症や感染、霰粒腫などを合併すると痛みや赤みが出ることがあります。
Q3:マイボーム腺梗塞は温めれば取れますか?
A3:温罨法は油分を柔らかくし、排出を助けるための基本的なケアです。ただし、すべての詰まりが温めるだけで取れるわけではありません。改善しない場合は眼科で相談しましょう。
Q4:マイボーム腺梗塞はドライアイの原因になりますか?
A4:関係する場合があります。マイボーム腺から分泌される油分は涙液膜の蒸発を抑えるため、分泌機能が低下すると蒸発亢進型ドライアイにつながることがあります。
Q5:マイボーム腺梗塞は眼科の何科で診てもらえますか?
A5:眼科を受診してください。一般的な眼科で診察を受け、必要に応じてドライアイや眼瞼疾患を専門とする医師に相談できます。
Q6:白い粒が見えたら自分で取り除いてもよいですか?
A6:おすすめできません。爪や針で取り除こうとすると、まぶたを傷つけたり感染を起こしたりする危険があります。必要な処置は眼科で受けてください。
Q7:マイボーム腺は上まぶたと下まぶたに何本ありますか?
A7:一般的な説明では上まぶた約50本、下まぶた約25本と紹介されることがあります。ただし、専門文献では上25〜40本、下20〜30本程度という報告もあり、個人差や計測方法によって異なります。
Q8:マイボーム腺梗塞は放置するとどうなりますか?
A8:詰まりが続くと、マイボーム腺機能不全やドライアイとの関連が問題になるほか、霰粒腫などの病態につながることがあります。長引くしこりや繰り返す炎症は眼科で確認する必要があります。
マイボーム腺梗塞は、まぶたの縁にあるマイボーム腺の出口が脂質や角化物などによって詰まった状態を指す呼び方です。小さな白い粒として見える場合があり、初期には自覚症状がほとんどないこともあります。
マイボーム腺の本来の役割は、マイバムという油分を分泌し、涙液膜の蒸発を防ぐことです。上まぶた約50本、下まぶた約25本という本数は一つの目安ですが、実際には個人差や測定方法による違いがあります。
詰まりの背景には、加齢、脂質の性状変化、導管の角化、炎症、生活環境など複数の要因が関係します。マイボーム腺機能不全や蒸発亢進型ドライアイとの関係を理解することが、適切な対処につながります。
日常的なケアとしては、温罨法や眼瞼清拭が基本です。一方、硬い栓を無理に取り除いたり、自己判断で薬を使い続けたりすることは避けましょう。症状が続く場合には、眼科でマイボーム腺の状態や涙液の安定性を調べてもらうことが大切です。
2026年は早期診断やマイボーム腺圧出の負担軽減、新しい治療法の研究なども進んでいます。大切なのは、単に白い粒を取り除くことだけではなく、涙液を守るマイボーム腺の機能を長期的に維持するという視点です。
まぶたの小さな変化を見逃さず、適切なケアと眼科での診断を組み合わせることが、目の健康を守るための基本になります。
主な医学的参照資料
- 日本眼科学会「マイボーム腺機能不全診療ガイドライン」
- 日本角膜学会「マイボーム腺機能不全診療ガイドライン」
- 日本眼科学会「霰粒腫」「麦粒腫」
- 医学書院『臨床眼科』2026年4月・5月号< CITE_PLACEHOLDER/>
- 厚生労働省「臨床研究等提出・公開システム」
- TFOS DEWS III「Management and Therapy」