川須騎手の実力を評価するうえで、通算勝利数と並んで注目したいのが重賞成績です。これまでに獲得した重賞タイトルは合計7勝。内訳はGⅡが1勝、GⅢが6勝で、GⅠの勝利はありません。
重賞での代表的な活躍は2012年から2015年に集中しています。特にレッドアリオンとのコンビでは、2015年の読売マイラーズカップと関屋記念を制覇。異なる競馬場、異なるレース条件で結果を残しました。
川須栄彦騎手の重賞勝利一覧
GⅡ1勝

GⅢ
6勝
GⅠ
0勝
主な勝利レースと騎乗馬は次のとおりです。
- 2012年2月4日・小倉大賞典(GⅢ):エーシンジーライン
- 2012年11月18日・福島記念(GⅢ):ダイワファルコン
- 2012年12月15日・愛知杯(GⅢ):エーシンメンフィス
- 2013年11月17日・福島記念(GⅢ):ダイワファルコン
- 2015年4月26日・読売マイラーズカップ(GⅡ):レッドアリオン
- 2015年8月16日・関屋記念(GⅢ):レッドアリオン
- 2022年8月21日・北九州記念(GⅢ):ボンボヤージ
これらの勝利記録はスポーツナビの重賞勝鞍データでも確認できます。
重賞実績から見える騎乗スタイル重賞勝利の顔ぶれを見ると、川須騎手は芝の中距離からマイル、短距離まで幅広い条件で結果を残してきました。
エーシンジーラインやエーシンメンフィスでは先行力を生かした競馬を見せ、ダイワファルコンでは中距離の重賞を制覇。レッドアリオンではマイル重賞で2勝を挙げています。
2022年の北九州記念では、16番人気のボンボヤージを勝利に導きました。18頭立ての芝1200メートルという条件で、人気薄の馬を勝たせた点も印象的です。川須騎手の重賞実績は、単に有力馬に乗って勝利しただけでは説明できません。
【代表的な騎乗馬】エンヤラヴフェイスとビサーロに注目
2026年の川須騎手を象徴する馬として挙げたいのが、エンヤラヴフェイスとビサーロです。両馬の勝利には共通して、人気以上の結果を引き出したという特徴があります。
エンヤラヴフェイスで上越ステークスを制覇2026年8月15日の新潟競馬場で行われた上越ステークスは、川須騎手の今季2勝目となったレースです。
エンヤラヴフェイスは7番人気。3勝クラスのダート1200メートル戦で、川須騎手は道中13~14番手から追走し、直線で末脚を伸ばしました。勝ち時計は1分11秒7。2着イノセントキャットをクビ差で退けています。
特筆すべきは、序盤から先行するのではなく、後方で脚をためて最後に差し切ったことです。前に行く馬が有利になりやすい短距離ダートで、後方から勝ち切った点は評価できます。
ビサーロで復帰後初勝利を記録ビサーロは、2026年5月10日の京都競馬場で川須騎手に復帰後初勝利をもたらした競走馬です。
8番人気という評価ながら、スタートから2番手を確保し、直線で抜け出して2馬身差の勝利。ダート1200メートルで、勝ち時計は1分12秒3でした。
その後も川須騎手とのコンビで2026年10月24日の京都競馬場・3歳以上1勝クラスに出走しています。このときは4番人気で9着。5月の勝利だけで現在の能力を判断することはできませんが、復帰後の重要な勝利を共有した馬であることは間違いありません。
2026年の注目馬と騎乗実績の関係
エンヤラヴフェイス
8月15日・上越ステークス。7番人気から差し切り勝ち。川須騎手の今季2勝目。
ビサーロ
5月10日・京都2R。8番人気で未勝利戦を制し、復帰後初勝利を記録。
シャマル
川須騎手が重賞・交流重賞で実績を積み重ねてきたパートナー。2026年4月の調教騎乗再開時にも手綱を取った。
なお、エンヤラヴフェイスとビサーロは2026年に騎乗した注目馬であり、次走の騎乗が確定しているという意味ではありません。次回の騎乗馬は、各開催のJRA出馬表に掲載される騎手欄で確認する必要があります。
【川須騎手の評判と実力】数字から見える強みと課題
川須騎手の評価は、キャリア初期と2026年現在で分けて考えると理解しやすくなります。
かつては全国リーディング上位の実力派2011年に全国リーディング6位となり、2012年には重賞3勝を挙げた川須騎手は、デビュー直後から関西競馬を代表する若手の一人でした。
その後も2013年は48勝、2014年は33勝、2015年は27勝と、毎年一定の騎乗機会を確保。2015年にはレッドアリオンとのコンビでGⅡ・GⅢを制覇しています。2016年にはJRA通算300勝を達成しました。
近年は騎乗数と勝利数が減少傾向一方、年間成績を見ると、2020年の25勝から2021年18勝、2022年9勝、2023年5勝、2024年4勝、2025年4勝と推移しています。
この数字は、近年の騎乗機会や成績が以前のピークと比べて減少していることを示しています。さらに2025年10月の落馬事故による長期休養が、2026年の騎乗数にも影響しました。
ただし、2026年の勝率2.0%だけを見て騎手としての実力を決めるのは適切ではありません。復帰後の騎乗数が限られるなかで、8番人気のビサーロ、7番人気のエンヤラヴフェイスを勝利に導いている点も評価対象になります。
馬券検討で川須騎手を見るときの判断基準川須騎手の騎乗馬を検討する際は、通算418勝という数字だけで判断せず、次の要素を組み合わせると実態を把握しやすくなります。
- 騎乗馬の人気と能力: 人気薄でも勝ち切った実績がある一方、騎乗馬自体の能力や近走成績は別に確認する。
- 距離とコース: ビサーロ、エンヤラヴフェイスの勝利はともにダート1200メートル。近走の適性を確認する。
- 脚質との相性: 先行して押し切ったビサーロと、後方から差し切ったエンヤラヴフェイスでは勝ち方が異なる。
- 直近の騎乗内容: 過去の重賞勝利よりも、現在の騎乗馬との相性やレース内容を優先する。
- 復帰後のコンディション: 長期休養を経た後の騎乗数や継続的な成績の変化を見る。
このように評価すると、川須騎手は「過去の実績だけで買える騎手」でも「2026年の勝率だけで評価を下げるべき騎手」でもありません。実績、騎乗機会、現在の馬との相性を分けて判断することが大切です。
【川須騎手に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:川須栄彦騎手の年齢は何歳ですか?
A1:1991年11月9日生まれで、2026年11月3日時点では34歳です。2026年11月9日に35歳を迎えます。
Q2:川須騎手の所属はどこですか?
A2:JRA栗東所属のフリー騎手です。特定の調教師の専属騎手ではありません。
Q3:川須騎手の通算勝利数は何勝ですか?
A3:2026年11月1日時点でJRA通算418勝です。2着416回、3着457回を記録しています。
Q4:2026年の川須騎手の成績はどうなっていますか?
A4:11月1日までに101鞍へ騎乗し、2勝、2着5回、3着5回です。勝率2.0%、連対率6.9%、複勝率11.9%となっています。
Q5:川須騎手の重賞勝利数はいくつですか?
A5:JRA重賞は通算7勝です。GⅡが1勝、GⅢが6勝で、GⅠの勝利はありません。代表的な勝利にはレッドアリオンでのマイラーズカップと関屋記念、ボンボヤージでの北九州記念があります。
Q6:川須騎手は2026年に落馬事故から復帰したのですか?
A6:はい。2025年10月5日の落馬事故で重傷を負い、6回の手術を受けました。2026年4月25日に約202日ぶりに実戦復帰し、5月10日にビサーロで復帰後初勝利を挙げています。
Q7:川須騎手の次回の騎乗予定はどこで確認できますか?
A7:JRAの開催週の出馬表や競馬情報サービスで確認できます。騎乗馬は週ごとに変わるため、過去に勝利したエンヤラヴフェイスやビサーロへの次走騎乗が自動的に決まっているわけではありません。
川須栄彦騎手は、2010年のデビューから2026年11月1日までにJRA通算418勝を積み重ねた実績ある騎手です。デビュー2年目の年間91勝、重賞7勝という経歴は、若手時代から高い競争力を持っていたことを示しています。
2026年は101鞍・2勝という数字ですが、その背景には2025年10月の重大な落馬事故と、約半年に及ぶ離脱がありました。4月の実戦復帰、5月のビサーロでの勝利、8月のエンヤラヴフェイスでの上越ステークス制覇は、復帰後の重要な節目です。
川須騎手の現在を評価するなら、通算418勝という過去の実績と、2026年の復帰後の成績を切り分ける必要があります。今後注目したいのは、騎乗機会がどこまで増えるか、重賞への騎乗が戻ってくるか、そしてエンヤラヴフェイスやビサーロに続く新たな勝利馬が現れるかという点です。
かつて全国リーディング6位にまで上り詰めた騎手が、長期休養を乗り越えてどこまで成績を伸ばせるのか。418勝の先にある次の節目にも注目が集まります。
主な参考資料:JRA競馬学校公式インタビュー、JRA公式レース結果、スポーツナビ騎手データ、東スポ競馬、日刊スポーツ、netkeiba競馬ニュース。成績の基準日は2026年11月1日(一部プロフィール情報は11月2日更新)。