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箱根駅伝「山の神」は誰?歴代3人と黒田朝日の新記録、4代目の真相を徹底解説

桂木 洋 桂木 洋 • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
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箱根駅伝の名物区間、5区の山登りで圧倒的な走りを見せた選手に贈られる呼び名が「山の神」だ。歴代の代表格として知られるのは、順天堂大学の今井正人、東洋大学の柏原竜二、青山学院大学の神野大地の3人。そして2026年1月2日に開催された第102回箱根駅伝では、青山学院大学の黒田朝日が5区で1時間7分16秒という驚異的な区間新記録を樹立。「シン・山の神」として大きな注目を集めた。

黒田は2025年に同じ青山学院大学の若林宏樹が記録した1時間9分11秒を1分55秒更新した。しかし、歴代の山の神と現在の選手では5区の距離やコース条件が異なる。2017年の区間距離変更も含めて考えると、単純なタイム比較だけでは見えてこない歴史がある。歴代選手の実績、区間記録ランキング、称号の由来、そして「4代目」という呼び方の真相を整理する。

【歴代一覧】箱根駅伝の山の神は誰?今井正人・柏原竜二・神野大地の3人

箱根駅伝山の神

箱根駅伝で「山の神」と呼ばれる選手を語る際、まず押さえておきたいのが歴代3人の存在だ。

初代は順天堂大学の今井正人、2代目は東洋大学の柏原竜二、3代目は青山学院大学の神野大地。いずれも5区の山登りで圧倒的な走りを見せ、大学の総合成績にも大きな影響を与えた選手である。

初代・今井正人(順天堂大学)

初代の山の神として知られるのが、順天堂大学の今井正人だ。

今井が注目を集めたのは2005年の第81回大会。5区で11人抜きという印象的な走りを見せ、1時間9分12秒で区間賞を獲得した。

その後も2006年、2007年と5区で区間賞を獲得。特に2007年の第83回大会では1時間18分5秒を記録し、3年連続で山登りの区間賞を獲得した。

今井の功績は、単に山道を速く走ったことだけではない。山登りで大きく順位を押し上げられることを全国の駅伝ファンに強く印象づけ、5区を箱根駅伝の象徴的な区間へと押し上げた点にある。

2代目・柏原竜二(東洋大学)

今井の後に山の神として注目されたのが、東洋大学の柏原竜二だ。

2009年の第85回大会で1年生ながら5区を担当し、1時間17分18秒で区間賞を獲得。翌2010年は1時間17分8秒、2011年は1時間17分53秒、2012年は1時間16分39秒を記録した。

特筆すべきは、4年連続で5区の区間賞を獲得したことだ。大学4年間を通じて山登りの主役であり続けた柏原は、東洋大学の箱根駅伝での躍進を象徴する存在となった。

今井が作り上げた山の神というイメージを、さらに強烈なものにしたのが柏原だった。「新・山の神」と呼ばれることもあり、箱根駅伝の5区に対する注目度を一段と高めた。

3代目・神野大地(青山学院大学)

3代目として広く認識されているのが、青山学院大学の神野大地だ。

2015年の第91回大会で5区を担当し、1時間16分15秒の区間記録を樹立。青山学院大学の往路優勝に大きく貢献した。

当時の神野の走りは、柏原の時代とは異なる新しい山登りの強さを示した。2016年の第92回大会でも5区を走り、区間2位を記録している。

神野はその後も大学駅伝やマラソンの分野で活動し、山の神という称号を次の世代に伝える立場としても知られるようになった。

歴代の山の神と後継世代の関係一覧
世代・位置づけ 選手・所属大学 代表的な記録・実績 特徴
初代 今井正人・順天堂大学 2005年1時間9分12秒、2007年1時間18分5秒 11人抜き、3年連続区間賞
2代目 柏原竜二・東洋大学 2009年1時間17分18秒、2012年1時間16分39秒 4年連続区間賞
3代目 神野大地・青山学院大学 2015年1時間16分15秒 青学の往路優勝に貢献
新たな山の神 黒田朝日・青山学院大学 2026年1時間7分16秒 現行コースの区間新記録。「シン・山の神」
直前の区間記録保持者 若林宏樹・青山学院大学 2025年1時間9分11秒 黒田に更新されるまでの現行コース記録保持者

なお、今井・柏原・神野の記録はそれぞれ異なる距離やコース条件で生まれている。歴代の実績を比較する際には、記録の数字だけでなく、当時の競技条件も併せて見る必要がある。各選手の大会別成績は東京箱根間往復大学駅伝競走の公式記録でも確認できる。

【2026年最新】黒田朝日が5区で1時間7分16秒!若林宏樹の記録を大幅更新

2026年1月2日の第102回箱根駅伝で、歴史的な走りを披露したのが青山学院大学4年の黒田朝日だ。

黒田は5区に起用され、1時間7分16秒でフィニッシュ。従来の区間記録だった1時間9分11秒を大きく上回り、現行コースの新記録を打ち立てた。

黒田朝日が更新した若林宏樹の区間記録

黒田が更新したのは、2025年の第101回大会で青山学院大学の若林宏樹が記録した1時間9分11秒だ。

若林は2024年にも5区を走り、1時間9分32秒を記録。翌2025年には自身の記録を21秒縮め、当時の区間新記録を樹立していた。

その記録を翌年、同じ青山学院大学の黒田が1分55秒も更新した。これは現行の20.8キロコースで見ると、極めて大きな記録更新である。

第102回大会の5区上位記録は次のとおりだ。

  • 1位:黒田朝日(青山学院大学)1時間7分16秒
  • 2位:若林宏樹(青山学院大学)1時間9分11秒・2025年
  • 3位:山本唯翔(城西大学)1時間9分14秒・2024年
  • 4位:斎藤将也(城西大学)1時間9分28秒・2026年
  • 5位:工藤慎作(早稲田大学)1時間9分31秒・2025年

この記録は、東京箱根間往復大学駅伝競走の公式記録に掲載されている。黒田の1時間7分16秒は、2026年11月現在も5区の歴代最高記録だ。

黒田朝日はなぜ5区に起用されたのか

黒田はもともと5区専門の選手として知られていたわけではない。

第100回大会では2区で区間賞を獲得し、第101回大会でも同区間で区間3位を記録。平地のエース区間で実績を積み上げてきた選手だった。

その黒田が最終学年の第102回大会で5区に起用されたこと自体、大きな注目を集めた。

日刊スポーツの大会報道によると、黒田はもともと山登りへの適性が話題になっていた選手であり、5区への起用が結果的に歴史的な記録につながった。

また、黒田の走りは個人記録だけでなくチームの勝敗にも直結した。青山学院大学は2026年大会で往路優勝を果たし、翌日の復路でも首位を守って総合優勝。大会新記録となる10時間37分34秒を記録し、3年連続9度目の総合優勝を達成した。

黒田の走りは、青学の強さを象徴する2026年大会最大のハイライトの一つとなった。

【コース変更を検証】箱根駅伝5区の距離・標高差と2017年の変更理由

今井正人、柏原竜二、神野大地、若林宏樹、黒田朝日の記録を比較するうえで、避けて通れないのが5区のコース変更だ。

箱根駅伝の5区は、小田原中継所から芦ノ湖までを走る往路最後の区間。現在の距離は20.8キロで、国道1号線の最高地点である標高約874メートルまで駆け上がる。

山登り5区の距離と標高

5区は単純な上り坂だけで構成されているわけではない。序盤から箱根湯本付近を通過して急勾配の山道に入り、16.2キロ付近で最高地点を迎える。その後は下りに転じ、芦ノ湖畔のゴールを目指す。

このため、5区では上り坂を走り切る登坂力だけでなく、標高の変化に対応する持久力、寒さへの対応、終盤の下りでスピードを維持する能力も求められる。

小田原から芦ノ湖までの標高差は約864メートルとされ、20.8キロという距離以上に過酷な条件を持つ特殊区間だ。

2017年の変更で何が変わったのか

2017年の第93回大会から、5区の距離は23.2キロから20.8キロに短縮された。同時に4区は18.5キロから20.9キロへ延長された。

この変更には明確な理由があった。

2006年の第82回大会から5区が23キロを超える長い区間となり、山登りを得意とする選手の存在が総合成績を大きく左右するようになった。実際、5区で区間賞を獲得した大学が総合優勝するケースが増え、山登りの重要性が突出していた。

加えて、標高差や気温変化による身体的負担も問題視された。関東学生陸上競技連盟は、選手への生理学的負担を軽減すること、5区が総合成績に与える影響を調整することなどを理由に距離変更を決定した。

つまり、2017年の変更は単なる距離調整ではなく、箱根駅伝全体の競技バランスを整えるための改革だった。

実は2015年にもコース変更があった

見落とされやすいのが、2015年の第91回大会における変更だ。

函嶺洞門の通行止めに伴い、従来とは異なるバイパスを走るコースへ変更された。その結果、5区の距離は従来の23.4キロから23.2キロとなり、記録の取り扱いも変更された。

その後、2017年に再び距離が変更され、現在の20.8キロになっている。

したがって、歴代の山の神を比較する際は、次の4つの時期を区別する必要がある。

  • 2005年:20.9キロ
  • 2006〜2014年:23.4キロ
  • 2015〜2016年:23.2キロ
  • 2017年以降:20.8キロ

この違いを理解すれば、柏原の1時間16分39秒や神野の1時間16分15秒と、黒田の1時間7分16秒を単純に並べて優劣を決めることが適切でない理由も分かる。

2017年の変更に関する経緯は、関東学生陸上競技連盟の発表や当時の報道でも説明されている。

【由来と歴史】なぜ箱根駅伝の5区選手は「山の神」と呼ばれるのか

「山の神」という表現は、単に山道を速く走る選手を指す一般的な言葉から定着したわけではない。箱根駅伝の実況をきっかけに広まった呼び名として知られている。

2007年の今井正人の走りが称号の原点

山の神という言葉が広まったきっかけについては、3代目と呼ばれる神野大地がスポルティーバのインタビューで経緯を説明している。

2007年の第83回大会で、今井正人が5区を走っていた際、日体大の北村聡が山登りに臨む心境を聞かれ、次のように答えたという。

「うしろから山の神が来ますからね」

その後、今井がゴールした際、実況アナウンサーがこの言葉を用いて「山の神、ここに降臨、その名は今井正人」と伝えたことで、呼び名が広く知られるようになった。

このエピソードは、神野自身が語った山の神の由来として紹介されている。競技記録だけでなく、実況と選手の言葉が一つの称号を生み出した点も、箱根駅伝らしいエピソードだ。

4代目の山の神は誰?黒田朝日が正式に襲名したのか

2026年の黒田朝日の快走を受けて、インターネットや報道では「4代目の山の神」という表現も話題になった。

しかし、歴代の山の神には、競技団体が定めた正式な襲名制度や認定制度があるわけではない。今井、柏原、神野という3人の呼び名は、圧倒的な山登りの実績と報道を通じて定着したものだ。

第102回大会では、黒田の新しい称号をめぐっても話題が広がった。日刊スポーツの報道によると、当初は「4代目」という呼び方のほか、神野大地が提案した「山の超人」などの案も出たという。

最終的には、黒田本人と原晋監督の間で決まっていたという「シン・山の神」という呼び名に落ち着いた。

このため、2026年時点での整理は次のようになる。

  • 歴史的な山の神として定着しているのは今井・柏原・神野の3人。
  • 黒田朝日は2026年の圧倒的な記録によって、新たな山の神として注目された。
  • 「4代目」は世代を数える便宜的な呼び方であり、正式な競技上の称号ではない。
  • 黒田については「シン・山の神」という呼称が大会後に広まった。

つまり、黒田は歴代3人の後継者として注目される存在である一方、単純に4代目を襲名したというだけでは説明しきれない、新しい時代の山の神として位置づけられている。

【プロの結論】歴代の山の神と黒田朝日を比較するときの本当の評価基準

歴代の山の神を比較する際、最も注意したいのはタイムの数字だけでランキングを作らないことだ。

黒田朝日の1時間7分16秒は、現行コースにおける圧倒的な区間記録である。一方、柏原や神野が走った時代には、現在より長い5区が設定されていた。コースの距離や経路が違う以上、タイムだけで歴代選手の能力を序列化するのは公平ではない。

評価基準1:同じコースでの区間記録

最も客観的に比較しやすいのは、同一コースでのタイムだ。

2017年以降の現行コースであれば、若林宏樹の1時間9分11秒、山本唯翔の1時間9分14秒、そして黒田朝日の1時間7分16秒を比較できる。

この条件では黒田の記録が明確に突出している。若林の記録を1分55秒も更新したことは、現行コースにおける歴史的な成果だ。

評価基準2:連続して結果を残せるか

一度の区間新記録だけでなく、複数大会にわたって安定した走りを見せたかも重要だ。

柏原は4年連続区間賞、今井は3年連続区間賞という実績を持つ。こうした継続性は、1大会だけの記録とは別の価値を持っている。

神野も2015年の区間賞と翌年の区間2位という結果を残しており、短期間で高い山登り能力を示した。

評価基準3:チーム全体への貢献度

箱根駅伝は個人競技ではなく、10人がたすきをつなぐ大学対抗の駅伝競走だ。

山登りで順位を上げることは、往路優勝だけでなく、翌日の復路におけるチームの戦い方にも影響する。

黒田が2026年に見せた走りは、個人の区間記録更新と青山学院大学の総合優勝が結びついた点でも大きな意味を持つ。

山の神を評価するなら、区間タイム、複数大会での安定性、チームへの貢献度、そして当時のコース条件を組み合わせて考えるべきだ。

歴代3人の実績を否定することなく、黒田の新記録も正当に評価する。それが箱根駅伝の歴史を正しく理解するための視点になる。

【箱根駅伝の山の神】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:箱根駅伝の初代山の神は誰ですか?

A1:初代山の神は順天堂大学の今井正人です。2005年から2007年にかけて5区で活躍し、2007年の実況をきっかけに「山の神」という呼び名が広まりました。

Q2:箱根駅伝の歴代山の神は何人いますか?

A2:歴代の山の神として広く知られているのは、今井正人、柏原竜二、神野大地の3人です。2026年には黒田朝日が「シン・山の神」と呼ばれ、新たな世代の選手として注目されています。

Q3:2026年の箱根駅伝5区の区間記録は何分ですか?

A3:青山学院大学の黒田朝日が記録した1時間7分16秒です。2025年に若林宏樹が樹立した1時間9分11秒を1分55秒更新しました。

Q4:箱根駅伝の5区は何キロありますか?

A4:現在の5区は20.8キロです。小田原中継所から芦ノ湖までを走り、標高約874メートルの最高地点を通過する山登り区間です。

Q5:なぜ2017年に箱根駅伝5区の距離が短くなったのですか?

A5:選手への身体的負担が大きかったこと、5区が総合成績を左右しすぎることなどが主な理由です。2017年から5区は23.2キロから20.8キロに短縮され、4区は18.5キロから20.9キロに延長されました。

Q6:黒田朝日は箱根駅伝の正式な4代目山の神ですか?

A6:正式な認定制度はありません。2026年大会後には「4代目」という呼び方も話題になりましたが、黒田には本人と原晋監督の間で決まっていたという「シン・山の神」という呼称が広まりました。

箱根駅伝の山の神は、単に5区で速いタイムを出した選手を指す言葉ではない。圧倒的な走りでレースの流れを変え、大学駅伝の歴史に強烈な印象を残した選手に与えられてきた呼び名だ。

初代・今井正人、2代目・柏原竜二、3代目・神野大地の3人は、それぞれの時代に山登りの新しい基準を作った。そして2026年、第102回大会で黒田朝日が1時間7分16秒という新記録を樹立し、「シン・山の神」として新たな歴史を刻んだ。

特に重要なのは、2017年の5区短縮によって競技条件が変わっていることだ。歴代選手のタイムを単純に比較するのではなく、距離、コース、連続した実績、チームへの貢献度を踏まえて評価する必要がある。

今井、柏原、神野が築いた伝統と、若林、黒田へと続く青山学院大学の山登りの系譜。箱根駅伝の5区は、これからも新たなスターと記録を生み出す舞台であり続ける。次の大会で誰が山を制するのか。その走りが、また新しい「山の神」の歴史を作っていく。

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桂木 洋

映画・ドラマの公開情報を担当。配給会社のプレスシートと公式サイト記載を基準に、あらすじと配役をまとめます。

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