まず押さえておきたいのは、2026年のauのCMが三太郎シリーズだけではないという点だ。2026年秋には、神木隆之介と菅田将暉が共演する「高杉くんと鬼ちゃんの楽屋メイク中」篇も登場。さらに10月には、松田翔太、桐谷健太、濱田岳がそろう「auひかりプラス」のCMも展開されている。
「とどけ、ぜんぶ。」篇は、2026年1月1日から全国で放映されたお正月CMだ。2015年に始まった三太郎シリーズは、この作品で12年目に入った。
物語の中心にあるのは、誰かに美しいものを見せたい、おいしいものを食べさせたいという気持ち。桃太郎(松田翔太)が道端で花を見つけ、かぐや姫(有村架純)に見せたいと思うところからストーリーが始まる。浦島太郎(桐谷健太)と金太郎(濱田岳)も、それぞれ大切な誰かを思い浮かべながら歩き出す。
二人が花を差し出し合う場面には、言葉にしなくても相手を思う気持ちが通じていたという温かさがある。これまでのコミカルな掛け合いを前面に出したお正月CMとは異なり、今回は登場人物の表情や仕草で感情を伝える構成だ。
もう一つの大きな特徴が、鬼ちゃん役の菅田将暉による歌唱。三太郎のお正月CMでは初となるラブソングとして、オリジナル楽曲「とどけ、ぜんぶ。」が制作された。30秒・60秒に加えて90秒版も公開され、長尺ならではの物語性を楽しめる。
2026年6月「夢への応援者」篇は松田翔太と有村架純が本人役で登場2026年6月9日には、サッカー日本代表と未来の日本代表を応援する「夢への応援者」篇が公開された。
出演するのは松田翔太と有村架純。三太郎シリーズでは桃太郎とかぐや姫として夫婦役を演じてきた二人だが、このCMでは昔話の登場人物ではなく、本人役の「夢への応援者」として共演している。
CMでは、サッカーに夢中で取り組む少年少女や日本代表選手の姿を見つめ、夢に向かって挑戦する人々を応援する。KDDIが掲げる、挑戦する人に寄り添い後押しするというブランドメッセージが反映された作品だ。
メイキングでは、松田と有村がユニフォーム姿で撮影に参加。実際の試合映像を見ながら応援する場面を撮影し、ゴールが決まった瞬間の笑顔やサポーターとの一体感も表現された。三太郎の世界とは異なる二人の姿が見どころになっている。
2026年7月「有村架純のつながる放送局」篇2026年7月16日から全国放映された「有村架純のつながる放送局」篇では、有村架純、菜々緒、川栄李奈の3人が共演した。
有村架純が演じるのはラジオパーソナリティー。菜々緒は乙姫をイメージしたラジオネーム「乙ちゃん」、川栄李奈は織姫にちなんだ「織ちゃん」として、リスナー役を務める。
CMの舞台はラジオブース。最初に、乙ちゃんこと菜々緒からのお便りが紹介される。忙しい朝の通勤電車でも、好きなドラマの世界に没頭する時間を楽しんでいるという内容だ。
続いて、織ちゃんこと川栄からのお便りが登場。バスの待ち時間にSNSの投稿をチェックし、さまざまな情報をインプットしている姿が描かれる。夢中になっているところを小学生に見られ、少し恥ずかしそうに笑う場面もある。
このCMの注目点は、三太郎シリーズでおなじみの3人が、昔話の役柄を離れて現代の生活者として共演していること。KDDIの発表によると、3人だけで1作品のCMに出演するのは初めてだった。
「つながるって、嬉しい」という感覚を、通勤時間や待ち時間といった日常の風景に重ねている。通信サービスの機能説明だけではなく、スマートフォンを通して好きなものや情報、人とつながる楽しさを描いた作品だ。
2026年9月・10月にはシリーズを横断した共演も9月18日からは「高杉くんと鬼ちゃんの楽屋メイク中」篇が全国で放映された。auの「意識高すぎ!高杉くん」シリーズで神木隆之介が演じる高杉くんと、三太郎シリーズで菅田将暉が演じる鬼ちゃんが初めてコラボレーションした作品だ。
二人が楽屋でメイクをしながら、新しいiPhone 18 Proやauの通信について話す内容で、異なるCMシリーズの人気キャラクターを組み合わせた点が特徴。神木と菅田の息の合った掛け合いも見どころになっている。
さらに10月には、松田翔太、桐谷健太、濱田岳がそろう「auひかりプラス」の「どこの光でしょう」篇も登場した。三太郎の中心メンバーが新しいインターネットサービスの訴求に登場する形で、昔話の世界観を使った広告と、通信サービスの具体的な説明を結び付けている。
【au CM出演者一覧】三太郎のキャストと歴代出演者を整理

三太郎シリーズの魅力は、主人公の3人だけでなく、昔話に登場する人物を次々と仲間に加えてきたことにある。
桃太郎、浦島太郎、金太郎の3人を中心に、かぐや姫、乙姫、鬼ちゃん、織姫などが加わり、人物同士の関係性が物語を広げてきた。2026年現在も、au公式のCM情報ページには主要キャラクターが掲載されている。
三太郎シリーズの主要キャスト・役柄一覧出典:KDDIの三太郎シリーズ開始時の発表、歴代CM情報、各キャラクターの登場発表。役柄と出演者の対応を整理した主な一覧。
出演者の関係性を知るとCMがもっと面白くなる三太郎シリーズは、単純に昔話の登場人物を並べただけの作品ではない。キャラクター同士に独自の人間関係を設定し、視聴者が次の展開を楽しみにできる仕組みを作っている。
特に分かりやすいのが、松田翔太演じる桃太郎と有村架純演じるかぐや姫の関係だ。二人は物語の中で夫婦として描かれ、2026年の「夢への応援者」篇では本人役として再共演している。
浦島太郎と乙姫の関係もシリーズを象徴する要素だ。2015年の「海の声」篇では、浦ちゃんが乙ちゃんへの思いを三線の弾き語りで表現した。CMの設定と楽曲が一体になった代表的な作品として記憶されている。
また、鬼ちゃんと鬼嫁の関係は、2023年に田中みな実が鬼嫁役で加わったことで広がった。夫婦としての掛け合いや、三太郎とのコミカルなやり取りが新たなシリーズの見どころになっている。
【au CM曲・歌手一覧】「海の声」から「とどけ、ぜんぶ。」まで
auの三太郎CMは、映像だけでなく楽曲も大きな魅力になっている。CMのために制作されたオリジナル曲や、誰もが知るメロディーをアレンジした楽曲が使われ、放映後に音楽配信やミュージックビデオへ展開されることも多い。
ここでは、特に知名度の高い代表曲を時系列で紹介する。
三太郎シリーズを彩った代表的なCMソング
2015年「海の声」
作曲:島袋優(BEGIN)
浦島太郎が乙姫を思い、三線を弾きながら歌う楽曲。CMから独立した音楽作品としても広く親しまれた。
2016年「みんながみんな英雄」
原曲:オクラホマミキサー
誰もが主人公になれるという前向きなメッセージを、AIの力強い歌声で表現した楽曲。
2017年「やってみよう」
原曲:童謡「ピクニック」
挑戦する楽しさを軽快なロックサウンドで表現したCMソング。
2018年「笑おう」
原曲:聖者の行進
日常の失敗も笑い飛ばす、明るいロックアレンジが特徴。
2019年「一緒にいこう」
複数の既存楽曲をアレンジ
違いを楽しみながら仲間と進むというテーマを描いたお正月CMソング。
2024年「みんながみんな英雄 2024」
2016年の代表曲が8年ぶりに復活。歌詞を新しくして、再びお正月CMを彩った。
2026年「とどけ、ぜんぶ。」
作詞:篠原誠/作曲:大濱健悟/弦編曲:長橋健一
三太郎シリーズのお正月CM初のラブソング。大切な人に思いを届けたいという気持ちを歌っている。
2015年の「海の声」は、桐谷健太が演じる浦島太郎自身が歌うという、キャラクターと楽曲が一体化した企画だった。一方、2016年以降はAI、WANIMA、yonige、GReeeeNなど、外部アーティストの歌唱によってシリーズのテーマを表現する方向へと広がった。
そして2026年には、菅田将暉が鬼ちゃんとして歌唱する形に戻っている。単なる人気アーティストの起用ではなく、10年間シリーズに参加してきた俳優の声を、キャラクターの感情と結び付けた点に特徴がある。
「とどけ、ぜんぶ。」の歌詞・作曲者は誰?2026年の楽曲「とどけ、ぜんぶ。」は、鬼ちゃん役の菅田将暉が歌唱を担当し、楽曲名義は鬼ちゃんとなっている。
楽曲制作の主なクレジットは次のとおりだ。
- 歌唱:鬼ちゃん(菅田将暉)
- 作詞:篠原誠
- 作曲:大濱健悟
- 弦編曲:長橋健一(agehasprings Party)
- 配信開始:2026年1月9日
auの公式特設ページでは、CM映像のほかにフルバージョンのミュージックビデオも紹介されている。ピアノ、アコースティックギター、合唱用の楽譜も公開されており、CMを見て終わりではなく、視聴者が自分で演奏したり歌ったりできる企画へと発展している。
【制作背景・メイキング】三太郎CMが長く支持される理由
三太郎シリーズの制作背景を理解するうえで重要なのが、KDDIが公開したクリエイティブディレクター篠原誠へのインタビューだ。2026年1月1日付のKDDI公式メディア「Spark Journal」では、「とどけ、ぜんぶ。」の企画意図や撮影現場のエピソードが紹介されている。
2026年は「つなぐ」から「とどける」へauの広告では、通信サービスのブランドとして「つなぐ」「つながる」というメッセージが長く使われてきた。しかし、2026年のお正月CMで採用されたのは「とどけ」という言葉だった。
クリエイティブディレクターの篠原誠とKDDIの担当者が制作過程で重視したのは、通信そのものではなく、その先にある人の気持ちだ。人と人がつながることは手段であり、相手に思いが届くことが利用者にとっての本質的な価値になるという考え方が、テーマ選定の背景にあった。
そのため、2026年のCMでは通信機器やサービスの説明を前面に出さず、誰かを思い浮かべる日常の瞬間を中心に据えている。大切な人と何かを共有したいという気持ちは、通信サービスを利用する理由にも自然につながる。
いつもの三太郎とは異なる演技への挑戦今回のCMは、従来のにぎやかな演出から一転して、繊細な表情や仕草を重視する内容になった。
篠原誠のインタビューによれば、撮影前には役者がいつもと異なるトーンを表現できるかという不安もあったという。しかし、本番では出演者が最初のテイクから期待に応える演技を見せた。走る場面では、出演者側からリテイクを希望する場面もあったと紹介されている。
特に印象的なのは、菅田将暉による歌唱の収録だ。篠原によれば、菅田は映像出演ではなく歌で作品に参加することに不思議な感覚を持っていたという。複数回録音したものの、最終的には楽曲の大部分で最初のテイクが採用された。
90秒CMを制作した理由2026年版では、30秒・60秒だけでなく90秒という長尺版も制作された。90秒CMは放送枠の確保が難しく、制作側の負担も大きいため、一般的には制作のハードルが高い。
それでもKDDIが90秒版を提案したのは、視聴者に三太郎の世界をより深く体験してもらい、記憶に残るCMにしたいという狙いがあったからだ。
30秒では伝えきれない登場人物の心情や、花を届けようとする行動の意味を描けることが、長尺版の強みになっている。
CMの制作会社はAOI Pro.。2026年版の作品情報では、KDDIをクライアント、電通と篠原誠事務所を広告会社、AOI Pro.を制作会社として記載している。
【三太郎シリーズの歴代変遷】2015年から2026年、そして今後
三太郎シリーズは、2015年1月1日に放映を開始した。KDDIの2015年1月5日付プレスリリースでは、松田翔太、桐谷健太、濱田岳の3人を起用し、昔話の英雄たちが実は友人同士だったという設定を発表している。
当初は桃太郎、浦島太郎、金太郎の3人が中心だったが、同年3月には有村架純のかぐや姫が登場。その後、菜々緒の乙姫、菅田将暉の鬼ちゃんなどが加わり、シリーズの世界観が拡張されていった。
主な転換点を年代別に整理- 2015年:シリーズ開始。 松田翔太、桐谷健太、濱田岳の三太郎が登場。有村架純、菜々緒、菅田将暉らが加わり、物語の基礎が作られる。
- 2016年:音楽面でも大きな展開。 「海の声」やAIの「みんながみんな英雄」が話題に。一寸法師役の前野朋哉も登場した。
- 2017年:織姫が登場。 川栄李奈が加わり、三姫の関係性が広がる。CMソングにはWANIMAの「やってみよう」が起用された。
- 2018年:笑顔をテーマに展開。 yonigeの「笑おう」がCMを彩った。
- 2019年:親指姫が登場。 池田エライザが加わり、GReeeeNの「一緒にいこう」も使用された。
- 2023年:鬼嫁が登場。 田中みな実が菅田将暉演じる鬼ちゃんの妻としてシリーズに参加。
- 2024年:10周年の節目。 過去約160本のCM映像をもとに生成AIを活用した表現に挑戦。AIが「みんながみんな英雄 2024」を歌唱。
- 2026年:新たな表現へ。 「とどけ、ぜんぶ。」でシリーズ12年目に入り、90秒版の制作や菅田将暉の歌唱が実現した。
KDDIは2015年のCM好感度ランキングで、三太郎シリーズを含むCM作品が歴代最高スコア4,810P‰を記録したと発表している。また2016年9月度にはCM好感度No.1を22カ月連続で獲得。2017年度には3年連続で「BRAND OF THE YEAR」に選ばれた。
こうした評価の背景には、商品や料金を説明するだけではなく、登場人物の関係性や音楽、物語を通してブランドのイメージを育てる戦略があった。
auのCMは三太郎シリーズだけではない検索時に注意したいのが、auのCMと三太郎シリーズを同じものとして扱わないことだ。
au公式のCM情報ページには、三太郎のほかに「意識高すぎ!高杉くん」シリーズも掲載されている。神木隆之介、松本穂香、中川大志らが出演する別シリーズで、2026年9月には菅田将暉の鬼ちゃんとのコラボレーションも実現した。
また、2026年の「夢への応援者」篇や「有村架純のつながる放送局」篇のように、三太郎の出演者が昔話の役柄を離れて登場するCMもある。
そのため、出演者を調べる際には、CMのタイトルや放映時期を確認することが大切だ。同じ俳優でも、作品によって役柄や設定が異なる。
au三太郎シリーズは終了する?今後の展開を考察2026年11月現在、三太郎シリーズの終了を示すKDDIの公式発表は確認できない。2026年にもお正月CMをはじめ、関連キャラクターを活用した新しい広告が展開されている。
特に9月の高杉くんと鬼ちゃんのコラボ、10月の三太郎によるauひかりプラスのCMは、キャラクターを別シリーズや新サービスの広告へ展開する動きとして興味深い。
今後については、従来の三太郎の物語を継続するだけでなく、キャラクター同士の組み合わせを変えたり、通信サービスの新機能を物語に取り入れたりする展開も考えられる。
ただし、次のお正月CMのタイトルや出演者、楽曲については、KDDIから正式発表が出るまでは確定情報として扱えない。今後の新作を追う際は、au公式CMページとKDDIのニュースリリースが基本的な確認先となる。
【auのCM】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年のau三太郎CM「とどけ、ぜんぶ。」を歌っているのは誰?
A1:鬼ちゃん役の菅田将暉です。楽曲名義は鬼ちゃんで、作詞は篠原誠、作曲は大濱健悟。2026年1月9日から楽曲配信が始まりました。
Q2:auのCMで桃太郎、浦島太郎、金太郎を演じている俳優は?
A2:桃太郎は松田翔太、浦島太郎は桐谷健太、金太郎は濱田岳です。2015年1月のシリーズ開始当初から出演しています。
Q3:「有村架純のつながる放送局」篇に出演している女性は誰?
A3:有村架純、菜々緒、川栄李奈の3人です。有村架純がラジオパーソナリティー、菜々緒と川栄李奈がリスナー役を演じています。2026年7月16日から全国放映されました。
Q4:auのCMで桐谷健太が歌っていた曲は何?
A4:「海の声」です。浦島太郎役の桐谷健太が三線を弾きながら歌い、BEGINの島袋優が作曲しました。2015年7月に放映されたCMで披露された楽曲です。
Q5:auのCMに田中みな実も出演している?
A5:出演しています。2023年9月から三太郎シリーズの鬼嫁役として登場し、菅田将暉演じる鬼ちゃんの妻を演じています。
Q6:au三太郎シリーズは2026年で終了する?
A6:2026年11月3日時点で、KDDIからシリーズ終了の公式発表は確認できません。2026年にも新作CMや関連キャラクターのコラボレーションが展開されています。
2026年のau CMを振り返ると、三太郎シリーズの新作「とどけ、ぜんぶ。」を中心に、さまざまな出演者とテーマが展開されていることが分かる。
特に押さえておきたい要点は次のとおりだ。
- 2026年のお正月CM「とどけ、ぜんぶ。」は菅田将暉が鬼ちゃんとして歌唱。
- 「夢への応援者」篇では松田翔太と有村架純が本人役で共演。
- 「有村架純のつながる放送局」篇では菜々緒と川栄李奈も参加。
- 9月には神木隆之介と菅田将暉の高杉くん・鬼ちゃんコラボが実現。
- 10月には三太郎の3人がauひかりプラスのCMに登場。
- 歴代の楽曲には「海の声」「みんながみんな英雄」「やってみよう」「笑おう」などがある。
三太郎シリーズが長く親しまれてきた理由は、昔話の登場人物を現代的なキャラクターとして再構築し、俳優の個性、音楽、ストーリーを組み合わせてきたことにある。2026年の「とどけ、ぜんぶ。」は、その表現をさらに感情的な方向へ広げた作品だ。
これから新しいauのCMを見るときは、出演者だけでなく、誰がどの役を演じているのか、どの楽曲が使われているのか、そして作品ごとにどんなメッセージが込められているのかにも注目したい。三太郎の世界は、過去の名作を振り返る楽しさと、新作を待つ楽しさの両方を持っている。
主な参照資料:KDDI公式ニュースリリース、au公式CM・楽曲特設ページ、KDDI「Spark Journal」、共同通信PRワイヤー、ユニバーサル ミュージック、出演者所属事務所の公開情報。