1990年代のビジュアル系は、日本のロック史において異例の広がりを見せた音楽ムーブメントだった。X JAPANが切り開いた美意識とハードなサウンドを土台に、LUNA SEA、GLAY、黒夢がメジャーシーンで存在感を高め、MALICE MIZERやSHAZNAをはじめとするバンドが独自の世界観でファンを魅了した。1990年の専門誌『SHOXX』創刊、1996年の音楽番組『Break Out』開始を経て、1997年には「ヴィジュアル系」という言葉そのものが流行語として認知されるまでに成長している。
では、90年代ビジュアル系の黄金期を築いたのはどのバンドだったのか。各バンドの活動時期や代表曲、ヴィジュアル系四天王の正確な顔ぶれ、ブームが終息した背景、そして2026年11月現在の活動状況までを整理する。懐かしの名曲を振り返りたい人にも、当時の音楽文化を初めて知る若い世代にも役立つ、90年代V系の総合ガイドだ。
【90年代ビジュアル系とは】黄金期を築いたバンドと音楽文化の正体

90年代ビジュアル系の歴史を語るうえで、最初に押さえておきたいのがX JAPANの存在だ。前身のXは、派手なヘアスタイル、濃いメイク、独創的な衣装と、スピード感のあるヘヴィメタルサウンドを融合させ、日本のロックシーンに新しい表現を持ち込んだ。
代表曲には「紅」「Silent Jealousy」「Rusty Nail」「DAHLIA」「Forever Love」などがある。激しいギターとドラムを前面に出した楽曲から、壮大なメロディーを持つバラードまで、その音楽性は幅広い。
1997年にはバンドが解散を発表したが、2007年に再結成を発表し、2008年には東京ドーム公演で再始動を果たした。X JAPANの公式バイオグラフィーでも、彼らの外見と音楽が世界的なVisual-Kei文化の先駆けになったことが紹介されている。
重要なのは、ビジュアル系が単なる化粧やファッションの分類ではないという点だ。衣装、髪型、照明、歌詞、楽曲、ステージ演出までを一つの芸術表現として構築する。その考え方が後続バンドに受け継がれていった。
90年代ビジュアル系黄金期の特徴90年代前半から後半にかけて、V系バンドはインディーズのライブハウスを中心とする活動から、CDショップ、音楽専門誌、テレビ番組、アリーナ公演へと活動の幅を広げた。
とりわけ特徴的だったのは、バンドごとに異なる美学が成立していたことだ。
- ハードロック・メタル系:X JAPANのような壮大で技巧的なサウンド。
- ダーク・オルタナティブ系:黒夢や初期LUNA SEAに見られる退廃的で鋭い表現。
- メロディアスなロック系:GLAYやLa'cryma Christiに見られる幅広い音楽性。
- ゴシック・耽美系:MALICE MIZERに代表されるクラシカルで演劇的な世界観。
- ポップ・グラム系:SHAZNAのように親しみやすいメロディーと華やかなビジュアルを組み合わせた表現。
つまり、90年代のビジュアル系には一つの決まった音楽様式があったわけではない。ロック、メタル、パンク、プログレッシブロック、ゴシック、ポップスなどを取り込みながら、独自の表現を作り上げていたのである。
【90年代V系ブーム年表】1990年から2001年までの重要事件
90年代ビジュアル系の歴史は、専門メディアが整った1990年前後から、テレビで全国的な認知を獲得した1996~1997年、そして主要バンドの活動休止が相次いだ2000年前後までの流れで理解すると分かりやすい。
以下は、バンドのメジャーデビュー、メディアの動き、社会的な転換点をまとめた年表だ。
| 年代 | バンド・メディア | 主な出来事 | シーンへの影響 |
|---|---|---|---|
| 1990年 | 音楽雑誌『SHOXX』 | 10月に創刊 | 専門的な情報発信の基盤が整う |
| 1992年 | LUNA SEA・MALICE MIZER | LUNA SEAがメジャーデビュー。MALICE MIZER結成 | 新世代のバンドが台頭 |
| 1994年 | GLAY・黒夢 | 両バンドがメジャーデビュー | メジャーシーンへの進出が加速 |
| 1996年 | 音楽番組『Break Out』 | 10月にテレビ朝日系列で放送開始 | インディーズバンドの認知度が上昇 |
| 1997年 | ヴィジュアル系四天王・X JAPAN | 四天王の4組がメジャーデビュー。X JAPANは解散 | ブームの拡大と世代交代が同時進行 |
| 1998年 | GLAY・LUNA SEA・SHAZNA | GLAY「誘惑」「SOUL LOVE」などがヒット | V系の音楽が一般層にも浸透 |
| 1999年 | GLAY | 7月31日にGLAY EXPO '99 SURVIVALを開催 | 約20万人を動員する巨大公演を実現 |
| 2000年 | LUNA SEA・SHAZNA | LUNA SEAが終幕。SHAZNAが活動休止 | 90年代型ブームが大きな転換期を迎える |
| 2001年 | MALICE MIZER | 12月31日をもって活動休止 | 黄金期を象徴するバンドの活動が一区切り |
| 2016年 | 音楽雑誌『SHOXX』 | 2016年8月号をもって刊行終了 | 専門誌中心だった時代の一つの節目 |
この年表で注目したいのは、1997年がブームの拡大と転換の両方を象徴する年だったことだ。X JAPANが解散を発表する一方で、テレビを通じて新しい世代のバンドが次々とメジャーデビューした。
また、1997年は音楽市場全体が大きく成長していた時期でもある。JOYSOUND音楽ニュースが日本レコード協会の調査をもとに紹介したデータでは、CDやカセットテープなどの音楽ソフトの売上枚数は同年に約4億8000万枚に達した。大きな購買市場が、インディーズからメジャーへ進出するバンドを支える環境になっていた。
GLAY公式サイトの記録によると、1999年7月31日の「GLAY EXPO '99 SURVIVAL」には20万人が来場した。これは当時のバンド人気を象徴する歴史的な公演であり、V系に関連するバンドが巨大な観客動員力を持つことを証明した出来事だった。
【90年代ビジュアル系バンド歴代一覧】代表的な6組と音楽性を比較
90年代ビジュアル系には数多くの人気バンドが存在した。その中でも、シーンの形成、メジャーでの成功、音楽性への影響という観点から、特に押さえておきたいのがX JAPAN、LUNA SEA、GLAY、黒夢、MALICE MIZER、SHAZNAの6組だ。
1. X JAPAN|ビジュアル系の世界的な原点X JAPANは、後続のV系バンドにとって重要な音楽的・視覚的な指標となった存在だ。
「紅」「Silent Jealousy」「Rusty Nail」では激しい演奏とドラマチックな展開を見せ、「Forever Love」では繊細で壮大なバラードを表現した。YOSHIKIの作曲・演奏スタイルと、hideの独創的なファッションやギタープレイも、その後のロック文化に大きな影響を与えている。
1997年の解散後、2007年に再結成を発表。2026年現在も作品や映像の再評価が続いており、ソニーミュージック公式サイトでは過去のミュージックビデオの公開などが進められている。
2. LUNA SEA|緊張感と美しいメロディーの融合1980年代後半に結成されたLUNA SEAは、1992年にメジャーデビュー。90年代V系を代表するバンドの一つだ。
代表曲は「ROSIER」「TRUE BLUE」「DESIRE」「STORM」「I for You」など。重厚なベース、鋭いギター、独特のリズム、RYUICHIのボーカルが生み出す緊張感が大きな魅力となっている。
特に1994年の「ROSIER」は、疾走感とメロディーの美しさを両立させた代表作。ライブでの圧倒的な演奏力も評価され、後続のバンドマンからも影響を受けた存在として語られている。
2000年12月の東京ドーム公演をもって終幕したが、2010年に活動を再開。90年代の音楽性を維持しながら、新しい作品やライブを発表している。
3. GLAY|V系の枠を越えて国民的人気を獲得GLAYは1988年に結成され、1994年にメジャーデビュー。TAKUROが生み出すメロディーとTERUの力強いボーカルを軸に、幅広いリスナーを獲得した。
代表曲には「グロリアス」「BELOVED」「HOWEVER」「誘惑」「Winter, again」などがある。特に「HOWEVER」は、ロックバンドとしての力強さと、誰もが口ずさめる親しみやすさを兼ね備えた楽曲として知られる。
1999年の「GLAY EXPO '99 SURVIVAL」では約20万人を動員。これは単にV系ブームの成功だけではなく、日本のロックバンドが社会的な巨大イベントを成立させた事例としても重要だ。
GLAYは自らの出自やビジュアル系との関係を完全に切り離すことなく、幅広い音楽性を発展させてきた。その姿勢は、V系というカテゴリーを越えて活動するバンドの一つのモデルになっている。
4. 黒夢|名古屋系を代表する反骨のロック黒夢は1994年にメジャーデビュー。清春の個性的なボーカルと、人時のベースを中心に、攻撃的で退廃的な音楽性を打ち出した。
代表曲には「BEAMS」「ピストル」「少年」「MARIA」「Like @ Angel」などがある。初期のダークな表現から、パンクやオルタナティブロックの要素を強めた後期まで、音楽性の変化が大きいバンドでもある。
特に1997年のアルバム『Drug TReatment』、1998年の『CORKSCREW』は、黒夢の攻撃的なスタイルを象徴する作品だ。
1999年に無期限の活動休止を発表した後、2010年に活動を再開。2026年には、90年代の名盤を完全再録したセルフカバー作品を発表するなど、当時の音楽を現在のサウンドで再構築している。
5. MALICE MIZER|中世ヨーロッパを思わせる耽美な世界MALICE MIZERは1992年8月に結成され、1997年7月19日にメジャーデビューしたバンドだ。
最大の特徴は、ゴシックやクラシック音楽の要素を取り込んだ、徹底的に作り込まれた世界観にある。衣装、舞台演出、映像、楽曲が一体となり、まるで舞台劇を見ているかのような表現を実現した。
代表曲は「ヴェル・エール ~空白の瞬間の中で~」「au revoir」「月下の夜想曲」「Le ciel」など。特にアルバム『merveilles』は、90年代後半の耽美系V系を象徴する作品として知られる。
GACKTがボーカルを務めた時期の人気も高く、彼の独特な歌唱表現とステージ上の存在感がバンドの知名度を押し上げた。日本コロムビアの公式プロフィールによると、2001年12月31日をもって活動休止している。
6. SHAZNA|中性的なビジュアルとポップな楽曲SHAZNAは、90年代後半のビジュアル系ブームを象徴するバンドの一つだ。IZAMの中性的なビジュアルと、親しみやすいメロディーを組み合わせたスタイルで、幅広い層に知られるようになった。
代表曲は「Melty Love」「すみれ September Love」など。特に「Melty Love」は1997年のブレイクを象徴する楽曲として知られている。
SHAZNAの特徴は、ビジュアル系特有の華やかさを保ちながら、ポップスとしても成立する楽曲を作り上げた点だ。テレビ出演やメディア露出も多く、当時のV系を知らなかった人々にもその存在が広まった。
2000年に活動休止を発表し、その後、再始動と解散を経験。2017年には新体制で再始動し、2023年にはオリジナルメンバー3人による活動を再開した。2026年もライブや新曲の発表を続けている。
そのほかの重要な90年代ビジュアル系バンド6組以外にも、90年代のシーンには重要なバンドが数多く存在する。
BUCK-TICKは、独自の美意識と音楽的な実験性で後続に影響を与えた先駆的な存在。DEAD ENDやD'ERLANGERは、80年代後半から90年代のV系につながるサウンドやビジュアルの基盤を築いた。
加えて、L'Arc-en-Ciel、PENICILLIN、Laputa、ROUAGE、La'cryma Christi、FANATIC◇CRISIS、PIERROT、Raphael、Dir en greyなども、90年代のバンド文化を形作った重要な名前として挙げられる。
これらを含めた歴代一覧を眺めると、90年代V系は一部の人気バンドだけで成立したものではなく、東京、名古屋、大阪など各地のライブハウスやインディーズシーンが支えていた大きな文化だったことが分かる。
【専門誌SHOXXと音楽番組Break Out】V系ブームを広げたメディア戦略
1990年創刊の『SHOXX』が担った役割90年代ビジュアル系の発展を考える際、音楽専門誌『SHOXX』の存在は欠かせない。
『SHOXX』は1990年10月に創刊された音楽雑誌で、ヴィジュアル系バンドを専門的に取り上げた。国立国会図書館の書誌情報では、1990年から2016年まで刊行された雑誌として記録されている。
当時は、インターネットやSNSによってアーティストの情報を直接取得することが難しかった。ファンにとって雑誌は、バンドの新作情報、ライブレポート、メンバーインタビュー、撮り下ろし写真などを得る重要な媒体だった。
特にV系では、音楽だけでなく衣装やヘアメイク、写真表現も作品の一部だった。『SHOXX』は、そうした視覚的な魅力を大きな誌面で伝える役割を果たした。
なお、ヴィジュアル系という言葉の成立を『SHOXX』だけに帰するのは正確ではない。Xのキャッチコピーや当時のライブハウス文化など複数の要素が関係しており、同誌はその言葉と文化の普及・定着を後押しした媒体として捉えるのが適切だ。
1996年スタートの『Break Out』が生んだ四天王もう一つの重要な存在が、テレビ朝日系列の音楽番組『Break Out』だ。
1996年10月に放送が始まった同番組は、インディーズバンドを紹介し、ランキングやライブ情報などを取り上げる内容だった。テレビを通じて、これまで専門誌やライブハウスを中心に知られていたバンドが一般の視聴者にも届くようになった。
同番組から広く知られるようになったのが、いわゆる「ヴィジュアル系四天王」だ。
ヴィジュアル系四天王の正確な顔ぶれは次の4組である。
- La'cryma Christi:1997年5月8日メジャーデビュー。緻密な演奏と異国情緒のあるプログレッシブロックが特徴。
- MALICE MIZER:1997年7月19日メジャーデビュー。中世ヨーロッパを思わせる耽美的な世界観が特徴。
- FANATIC◇CRISIS:1997年8月6日メジャーデビュー。名古屋系の流れをくむメロディアスなロックで人気を獲得。
- SHAZNA:1997年8月27日メジャーデビュー。華やかなビジュアルとポップな楽曲が特徴。
ここで間違えやすいのが、LUNA SEA、GLAY、黒夢を四天王に含めてしまうことだ。これらは90年代V系を代表する重要バンドだが、『Break Out』を通じて定着した四天王という呼称は、上記の4組を指す。
音楽ライターの冬将軍がJBpressで解説した記事でも、四天王という呼称は番組が作り出したものと説明されている。つまり、歴史的に固定された音楽ジャンルの序列ではなく、当時のメディアが生み出したブームの象徴だったのである。
メディアが作った人気と偏見一方、テレビでの露出が増えることには別の側面もあった。ヴィジュアル系という言葉が一般に広まるにつれ、音楽そのものよりも化粧や衣装ばかりが注目される場面も増えていった。
実際には、La'cryma Christiの緻密なプログレッシブロック、MALICE MIZERのクラシカルな構成、FANATIC◇CRISISのメロディー、SHAZNAのポップな音楽性は大きく異なる。
メディアがジャンルを分かりやすく整理することは、認知度を高める一方で、バンドごとの個性を一つのイメージにまとめてしまう危険もあった。90年代V系の歴史を理解するには、この両面を見る必要がある。
【90年代V系ブーム終焉の理由】2000年前後に何が起きたのか
主要バンドの解散・活動休止が相次いだ90年代後半の盛り上がりに対して、2000年前後には大きな変化が起きた。
1997年にはX JAPANが解散。2000年にはLUNA SEAが終幕し、SHAZNAも活動休止を発表した。2001年にはMALICE MIZERが活動を休止している。
これらは単なる個別バンドの活動上の判断ではなく、当時のファンにとって、90年代のV系を象徴する時代が一区切りを迎えたと感じさせる出来事だった。
特にLUNA SEAの終幕は、シーンへの影響が大きかった。2000年代に入ると、90年代後半のようにテレビや一般メディアを中心としてヴィジュアル系が一斉に注目される状況は落ち着いていった。
CD市場の縮小と音楽の聴き方の変化もう一つの背景は、日本の音楽市場そのものの変化だ。
1990年代はCDの普及とともに音楽ソフト市場が拡大した時代だった。しかし、1998年前後をピークに市場環境は変化し、1999年以降はCDなどの音楽ソフト売上が減少傾向に入った。
内閣府の経済分析資料でも、1999年以降の音楽ソフト売上高の縮小が指摘されている。2000年代以降はインターネットや携帯電話の普及によって、音楽を購入・視聴する方法も変わっていった。
90年代のV系は、CD購入、音楽雑誌、テレビ番組、ライブ会場という複数の接点が連動することで大きな市場を形成していた。そのため、CD中心のビジネスモデルが変化することは、バンドの活動環境にも影響を与えた。
ブームの終焉はジャンルの消滅ではないここで注意したいのは、90年代のビジュアル系ブームが終わったことと、ヴィジュアル系という音楽文化が消滅したことは別だという点である。
2000年代にはNIGHTMARE、the GazettE、シドなど、新しい世代のバンドが登場した。90年代の先輩バンドから影響を受けながら、独自の音楽やファッションを発展させていった。
海外での日本のロック文化への関心も広がり、ヴィジュアル系は国内の一時的な流行から、国境を越えて認知される文化へと変化していった。
したがって、90年代V系ブームの終焉は、音楽ジャンルの終わりではない。テレビや雑誌を中心とした大衆的なブームが収束し、活動の形やファンとの接点が変わった転換点だったと理解するのが自然だ。
【2026年最新】90年代ビジュアル系バンドの現在・活動状況
90年代を代表したバンドは、2026年もそれぞれ異なる形で活動を続けている。再結成、全国ツアー、セルフカバー、新作発表など、過去の楽曲を懐かしむだけではない動きが見られる。
X JAPAN|過去の名曲と映像作品が再評価2026年のX JAPANについては、バンド名義の新しい全国ツアーや新作アルバムの公式発表は確認できない。一方、ソニーミュージックの公式アーティストページでは、2026年6月に過去のミュージックビデオ「Say Anything」「Joker」などが公開されている。
また、X JAPAN公式サイトでは、世界的なVisual-Kei文化の先駆者としての歴史が紹介されている。YOSHIKI個人の海外活動やソロプロジェクトと、X JAPANとしてのバンド活動は区別して見る必要がある。
2026年の動きは、新しいバンド活動の発表というより、過去の作品や映像を次世代へ伝える側面が目立っている。
LUNA SEA|2026年も全国ツアーと新曲を展開LUNA SEAは、2026年5月29日にシングル「FOREVER」をリリース。同日から10月18日まで全国ツアー「LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER-」を開催した。
加えて、12月12日から20日には「LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -TO RISE-」を予定している。
公式バイオグラフィーには2026年のリリースや公演情報が掲載されており、現役バンドとして活動を続けていることが分かる。
また、11月1日には代表曲「ROSIER」がマクドナルドの新CMに登場することも公式サイトで告知された。90年代の代表曲が、現在の広告や映像表現でも活用されている点は興味深い。
GLAY|新作アルバムと2026~2027年アリーナツアーGLAYは2026年も精力的に活動している。
2026年10月21日には、約2年ぶりとなる18枚目のオリジナルアルバム『旅する理由を待ちながら』を発売。8月21日には64枚目のシングル「汚れた英雄」を発表した。
加えて、11月7日からは全国11カ所22公演のアリーナツアー「GLAY ARENA TOUR 2026-2027 “EXOFIRE”」が始まる予定だ。2027年2月まで続く大規模なツアーとなっている。
90年代に「HOWEVER」や「誘惑」で幅広い人気を獲得したGLAYは、現在も新作とライブの両面で活動を継続している。
黒夢|名盤2作品を2026年のサウンドで再構築2026年の黒夢で特に注目したいのが、7月15日に同時発売された2作品だ。
- 『Drug TReatment 2026』:1997年のアルバムを完全再録したセルフカバー作品。
- 『CORKSCREW 2026』:1998年のアルバムを現代のサウンドで再構築したセルフカバー作品。
いずれも当時の楽曲を新しい録音環境で再現した作品であり、過去の名盤をそのまま復刻するだけではない。
加えて、2026年7月17日から19日にはTOYOTA ARENA TOKYOで3日間の公演「THE PERFECT DAYS TO DIE」を開催。2027年にはZEPP TOURも予定されている。
2025年の再始動以降、全国ツアーや大型フェスへの出演など、黒夢はライブ活動を本格化させている。90年代の作品を現在の演奏で聴き直す機会が増えている点は、往年のファンにとっても新しいリスナーにとっても大きな魅力だ。
MALICE MIZER|活動休止後も独自の世界観が残るMALICE MIZERは、日本コロムビアの公式プロフィールで2001年12月31日の活動休止が記録されている。2026年11月現在、バンドとしての新たな再始動や全国ツアーの公式発表は確認できない。
ただし、彼らが確立したゴシック、クラシック、耽美的な表現は、現在のヴィジュアル系にも影響を与え続けている。ManaやKöziなど、メンバーそれぞれの活動と、MALICE MIZERというバンドの活動を混同しないことも大切だ。
特に『merveilles』や「月下の夜想曲」は、90年代V系の美意識を知るために欠かせない作品として現在も語られている。
SHAZNA|2026年も新曲とライブを継続SHAZNAは2026年、デビュー29周年を迎えて活動を続けている。
2026年には6カ月連続リリース企画を展開し、「愛飢エテ尚、キミヲ想フ。」などの新曲を発表。9月には29周年記念ライブも開催された。
加えて、11月28日・29日にはダンスホール新世紀で2マンライブシリーズ「VERSUS」を開催予定。12月13日には代官山UNITでMoi dix Moisとの公演も予定されている。
90年代に「Melty Love」で人気を獲得したSHAZNAが、現在も新曲や共演ライブを通して活動していることは、V系文化の継続性を示す一つの事例だ。
2026年の動向を総合すると、90年代ビジュアル系の現在地は、単純な懐古ブームではない。GLAYやLUNA SEAは現役バンドとして新作やツアーを展開し、黒夢は過去の代表作を再録。SHAZNAは新曲とライブを継続し、X JAPANやMALICE MIZERは過去の作品と歴史が再評価されている。それぞれ異なる方法で90年代の音楽文化を現在につないでいる。
【よくある誤解を解説】90年代ビジュアル系について知っておきたいこと
「ビジュアル系=見た目重視」という認識は正しいのかビジュアル系は、外見だけで成立するジャンルではない。音楽の世界観を衣装やメイク、映像、ライブ演出まで含めて表現する文化であり、各バンドの音楽性は大きく異なる。
同じV系として扱われるX JAPAN、黒夢、MALICE MIZER、GLAYを聴き比べれば、その違いは明確だ。ビジュアルは音楽を補う装飾ではなく、バンドの表現を構成する重要な要素だった。
「ヴィジュアル系四天王」は誰が決めたのか四天王という呼称は、1996年10月に始まったテレビ番組『Break Out』が取り上げた4組に由来する。La'cryma Christi、MALICE MIZER、FANATIC◇CRISIS、SHAZNAが正しい顔ぶれだ。
X JAPAN、LUNA SEA、GLAY、黒夢は90年代を代表する重要なバンドだが、この四天王という呼称には含まれない。
90年代のブームは本当に終わったのか一般メディアを中心とした大規模なブームは2000年前後に沈静化した。しかし、ヴィジュアル系という音楽文化はその後も継続している。
2000年代以降の新世代バンドや海外での人気拡大、2026年現在のレジェンドバンドの再始動や新作発表を見れば、文化そのものが消えたわけではないことが分かる。
【90年代ビジュアル系】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:90年代ビジュアル系で最も有名なバンドはどこですか?
A1:X JAPAN、LUNA SEA、GLAY、黒夢が特に代表的な存在として挙げられる。加えて、MALICE MIZER、SHAZNA、La'cryma Christi、FANATIC◇CRISISなども90年代のブームを築いた重要なバンドだ。
Q2:90年代ビジュアル系の黄金期は何年から何年までですか?
A2:一般的には1990年代前半から2000年前後までを黄金期として捉えることが多い。特に1996~1999年はテレビ番組や専門誌を通じて認知度が大きく高まり、1997年には社会的なブームとなった。
Q3:90年代ビジュアル系の代表曲を聴くなら何がおすすめですか?
A3:まずはX JAPANの「紅」、LUNA SEAの「ROSIER」、GLAYの「HOWEVER」、黒夢の「少年」、MALICE MIZERの「月下の夜想曲」、SHAZNAの「Melty Love」がおすすめだ。バンドごとの音楽性や世界観の違いを比較しながら聴くと、90年代V系の幅広さが理解しやすい。
Q4:2026年現在も活動している90年代ビジュアル系バンドはありますか?
A4:GLAY、LUNA SEA、黒夢、SHAZNAなどが2026年も活動している。新曲、セルフカバーアルバム、全国ツアー、記念ライブなど、それぞれ異なる形で活動を続けている。
Q5:90年代ビジュアル系の音楽雑誌『SHOXX』は現在も発売されていますか?
A5:現在は刊行されていない。国立国会図書館の記録では、2016年8月号まで刊行された雑誌として登録されている。90年代のV系文化を調べる際には、当時のバックナンバーも重要な資料になる。
90年代のビジュアル系は、X JAPANが築いた音楽とビジュアルの表現を出発点に、LUNA SEA、GLAY、黒夢、MALICE MIZER、SHAZNAなど、多様なバンドが独自のスタイルを確立した時代だった。
『SHOXX』が専門的な情報を届け、『Break Out』がインディーズバンドをテレビで紹介したことで、ライブハウス中心の文化は全国的なブームへと発展した。1997年のヴィジュアル系四天王の登場や、GLAY EXPO '99 SURVIVALの20万人動員は、その勢いを象徴する出来事だ。
一方、2000年前後には主要バンドの活動休止や終幕、CD市場の変化などが重なり、一般層を巻き込んだブームは沈静化した。しかし、その影響は2000年代以降のバンドや海外のファンにも受け継がれている。
【プロの結論】
90年代ビジュアル系の本当の価値は、派手な衣装やメイクだけではなく、音楽・ファッション・映像・舞台演出を一つの表現として完成させたことにある。
2026年現在、GLAYやLUNA SEAは現役で大規模なライブを展開し、黒夢は90年代の名盤を再録。SHAZNAも新曲とライブを発表している。過去のヒット曲を懐かしむだけでなく、現在の活動と比較することで、各バンドがどのように進化してきたのかが見えてくる。
これから90年代V系を聴き始めるなら、まずはX JAPAN、LUNA SEA、GLAY、黒夢の代表曲から入り、次にMALICE MIZERやSHAZNA、La'cryma Christiなどへ広げていくとよい。ジャンル名だけでバンドを分類せず、それぞれの音楽性と美意識に注目すること。それが、90年代ビジュアル系の黄金期を最も深く楽しむ方法だ。
参考にした主な資料:国立国会図書館、JOYSOUND音楽ニュース、JBpress、各バンドの公式サイトおよびレコード会社の公式発表。