2026年の日本人宇宙飛行士に関する最大のニュースの一つが、諏訪理の初飛行計画だ。
JAXAは2026年1月9日、諏訪理をISS長期滞在搭乗員に指名したと発表。さらに同年9月25日には、搭乗する宇宙船がスペースXのクルードラゴン宇宙船運用14号機(Crew-14)に決定したと公表した。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2023年7月 | JAXA入構、宇宙飛行士候補者として訓練開始 |
| 2024年10月21日 | JAXA宇宙飛行士に認定 |
| 2026年1月9日 | ISS長期滞在搭乗員に指名 |
| 2026年9月25日 | Crew-14への搭乗決定 |
| 2027年3月以降 | 初飛行・ISS長期滞在を予定 |
諏訪宇宙飛行士が予定している任務は、単に宇宙空間へ行くことではない。
JAXAの発表によると、ISSの各施設や日本実験棟「きぼう」の維持・保全、科学実験などの利用ミッションを担当する。
ISSは複数の国が協力して運用する有人実験施設であり、長期滞在クルーには実験設備の管理、装置の操作、国際クルーとの連携など幅広い能力が求められる。
諏訪は世界銀行や国連世界気象機関での勤務経験を持つ。地球科学の博士号を取得していることも特徴で、地球環境や国際的な課題を俯瞰する視点が、今後の有人宇宙活動にどう生かされるか注目される。
なお、2026年11月3日時点で発表されているのは2027年3月以降の打ち上げ予定であり、具体的な打ち上げ日は確定していない。搭乗機が決まったことと、打ち上げ日が決まったことは別の段階だ。
米田あゆの初飛行はいつ?もう一人の新世代宇宙飛行士である米田あゆも、2024年10月に宇宙飛行士として正式認定されている。
東京大学医学部を卒業し、医師として医療現場で経験を積んだ後、JAXAに入構した経歴を持つ。
2026年現在は基礎訓練を終え、宇宙飛行士としての専門訓練を続けている。諏訪のような具体的なISS搭乗計画は、まだ公表されていない。
医師としての専門性を宇宙医学や長期滞在時の健康管理にどう生かすのか、今後の活動が期待される。
【宇宙飛行士になるには】必要な学歴・職歴・能力をJAXAの募集要項から解説

宇宙飛行士というと、航空自衛隊のパイロットや宇宙工学の研究者をイメージする人も多い。しかし、実際の日本人宇宙飛行士の経歴を見ると、医師、民間航空会社のパイロット、国際機関職員など、専門分野は幅広い。
星出彰彦のようにJAXA職員として経験を積んだ人もいれば、油井亀美也のように自衛隊でパイロットを務めた人、大西卓哉のように民間航空会社で勤務した人もいる。
諏訪理は地球科学と国際開発、米田あゆは医学の専門家だ。
JAXAの宇宙飛行士募集で求められた条件直近の大規模なJAXA宇宙飛行士募集は2021年度に実施された。応募期間は2021年12月20日から2022年3月4日までで、選抜結果は2023年に発表された。
当時の募集要項やJAXAのFAQでは、主に次の条件が示されていた。
- 日本国籍を有すること。
- 募集要項に定められた実務経験を満たすこと。
- 医学的な身体条件を満たすこと。
- 専門分野を持ち、他分野にも柔軟に対応できること。
- チームの一員として協力し、必要に応じてリーダーシップを発揮できること。
2021年度募集では、実務経験3年以上が基本条件とされ、修士号・博士号取得者については学位に応じた経験年数の換算が設けられていた。
身体条件についても、身長149.5~190.5センチ、両眼の矯正視力1.0以上、正常な色覚・聴力などが示されていた。
ただし、これらは2021年度募集時の条件であり、次回募集でも同じ基準が採用されるとは限らない。
宇宙飛行士になるために身につけたい5つの能力1. 専門分野を持つこと
医学、航空、工学、科学、地球環境など、自分の専門領域を持つことが重要だ。宇宙飛行士はISSで科学実験や設備の維持管理を行うため、専門知識が直接的な強みになる。
2. 英語によるコミュニケーション能力
ISSは国際協力によって運用される。NASAをはじめとする各国の宇宙機関やクルーと連携するため、専門的な内容を英語で理解し、正確に伝える力が求められる。
3. チームワークとリーダーシップ
狭い宇宙船やISSで長期間共同生活を送るには、相手の立場を理解し、問題を冷静に解決する能力が欠かせない。自分がリーダーでない場合に、チームを支える姿勢も重要になる。
4. 健康管理と身体能力
宇宙空間では微小重力によって筋力や骨密度などに影響が生じる。長期訓練や宇宙滞在に対応するため、日頃から健康管理を続ける必要がある。
5. 新しい環境への適応力
宇宙飛行士は予想外のトラブルにも対応しなければならない。機器の故障や予定変更などに冷静に対処し、異なる専門分野の知識を吸収する姿勢が求められる。
宇宙飛行士を目指すなら、どんな人が向いている?JAXAのこれまでの選抜例から考えると、特定の職業だけが有利というわけではない。
自分の専門性を磨きながら、異なる分野の人と協力し、長期間にわたって学び続けられる人は、宇宙飛行士という仕事に必要な資質を伸ばしやすい。
一方、宇宙に憧れているという理由だけで職業を選び、専門性やチームで働く能力を磨く努力を避けてしまう人には、厳しい道になる。
宇宙飛行士は、宇宙へ行くことだけが仕事ではない。地上での訓練、実験計画、運用管制、後輩の育成など、長いキャリアを通して有人宇宙活動を支える職業なのである。
【宇宙飛行士日本人】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本人宇宙飛行士は現在何人いますか?
A1:2026年11月現在、JAXAに在籍する現役宇宙飛行士は6人です。星出彰彦、油井亀美也、大西卓哉、金井宣茂、諏訪理、米田あゆが該当します。古川聡は2026年3月31日付でJAXAを退職しています。
Q2:日本人で最も宇宙飛行回数が多いのは誰ですか?
A2:若田光一です。宇宙飛行は通算5回、ISS滞在はJAXA公表値で4回、累計宇宙滞在日数は約504.8日です。日本人宇宙飛行士として最多の宇宙飛行実績を持っています。
Q3:次に宇宙へ行く日本人宇宙飛行士は誰ですか?
A3:諏訪理です。2026年9月にクルードラゴン宇宙船運用14号機(Crew-14)への搭乗が決定しました。2027年3月以降の打ち上げが予定されています。具体的な打ち上げ日は2026年11月時点では未発表です。
2026年11月現在、JAXAに在籍する日本人宇宙飛行士は6人。歴代の元宇宙飛行士7人を合わせると、JAXAの公式一覧には13人が掲載されている。
日本人宇宙飛行士の歴史を築いてきた若田光一、野口聡一、古川聡らは、すでにJAXAを退職している。しかし、彼らが積み上げてきたISS運用や科学実験、国際協力の経験は、日本の有人宇宙活動を支える重要な財産だ。
そして2027年には、諏訪理がCrew-14で初飛行に臨む予定となっている。米田あゆも訓練を続けており、次世代の日本人宇宙飛行士が活躍する時代が始まっている。
宇宙飛行士の実績を調べる際は、次の3点を区別すると情報を正確に理解できる。
- 現役か退職者か: JAXAへの現在の在籍状況を確認する。
- 宇宙飛行回数かISS滞在回数か: 異なる統計指標を混同しない。
- 搭乗決定か打ち上げ完了か: 予定と実際の飛行実績を分ける。
日本人宇宙飛行士の挑戦は、ISSでの活動だけにとどまらない。将来の月探査や深宇宙探査を見据え、日本が国際宇宙開発でどのような役割を担うのか。その中心で活躍する6人の歩みと、諏訪・米田という新世代の挑戦に、今後も注目したい。