2026年11月現在、アパレル企業の株式会社TOKYO BASE(トウキョウベース)の初任給は、総合職で月額40万円、営業職で月額33万円です。「アパレル業界で初任給40万円」という高水準が注目されていますが、実は職種によって給与体系が異なり、基本給だけでなく固定残業代や一律手当も含まれています。
同社は「STUDIOUS」「UNITED TOKYO」「PUBLIC TOKYO」などを展開する東証プライム上場企業です。2024年3月に新卒初任給を30万円から40万円へ引き上げ、2026年3月17日に公表した決算説明資料でも初任給40万円を掲げています。一方、マイナビ2027の営業職募集には33万円という数字が掲載されています。
この7万円の差はどこから生まれるのでしょうか。基本給、固定残業代45時間・80時間の違い、通勤手当2万円、販売手当、インセンティブ、手取り額、平均年収678.7万円まで、採用情報と有価証券報告書を照らし合わせながら解説します。
【2026年最新】TOKYO BASEの初任給は40万円?営業職33万円との違い

最初に押さえたいのは、TOKYO BASEの初任給40万円と33万円は、どちらか一方が間違っているわけではないという点です。募集コースと職種が異なるため、別々の給与額が設定されています。
総合職は月給40万円が基準マイナビ2027に掲載されているTOKYO BASEの新卒総合職募集では、月給40万円が提示されています。基本月額は20万3,000円で、残りの19万7,000円は固定残業代と一律手当で構成されています。
この金額は2025年3月実績として掲載されています。また、TOKYO BASEが2026年3月17日に発表した2026年1月期通期決算説明資料でも、初任給40万円を業界最高水準の基本給設定として掲げています。
総合職は、入社後まず店舗での営業経験を積み、その後は本人の希望やキャリア形成に応じて、EC運営、マーケティング、商品仕入れ、商品企画、広報などを目指せる仕組みです。
単なる店舗販売職ではなく、将来的に事業運営や本部業務に携わる可能性を持つ採用コースといえます。
営業職は月給33万円。総合職への昇格も可能一方、マイナビ2027の営業職募集では、2026年1月実績として月給33万円が掲載されています。
営業職は、STUDIOUSやUNITED TOKYO、PUBLIC TOKYOなどの店舗で接客・販売を担当する職種です。初期配属以降は転居を伴う転勤がないエリア限定勤務も用意されており、一定の基準を満たせば総合職へのステップアップも可能です。
総合職と営業職では、給与だけでなくキャリアの選択肢や昇給・賞与の条件にも違いがあります。営業職の募集情報では、総合職への昇格後に定期昇給や賞与の対象となる旨が記載されています。
つまり、40万円は総合職、33万円は営業職という区分を理解すれば、異なる金額が掲載されている理由が分かります。
【給与明細を徹底解剖】基本給・固定残業代45時間・一律手当の内訳
TOKYO BASEの初任給を評価するうえで、最も注意したいのが基本給と諸手当の割合です。月給40万円という数字だけを見ると、基本給そのものが40万円だと誤解しがちですが、実際の構成は大きく異なります。
総合職40万円の給与内訳マイナビ2027の総合職募集に掲載されている給与内訳は次のとおりです。
- 基本給:203,000円
- 固定残業代:172,000円(80時間分)
- 一律通勤手当:20,000円
- 一律販売手当:5,000円
- 月額合計:400,000円
総合職の場合、月給40万円のうち19万7,000円が固定残業代と一律手当です。基本給は20万3,000円であり、額面の約半分を各種手当が占めています。
営業職33万円の給与内訳営業職の給与構成は、総合職とは異なります。マイナビ2027の2026年1月実績では、次のように記載されています。
- 基本給:204,000円
- 固定残業代:100,000円(45時間分)
- 一律通勤手当:20,000円
- 一律販売手当:6,000円
- 月額合計:330,000円
営業職の固定残業代は45時間分で10万円です。総合職の80時間分とは対象時間も金額も違います。
また、通勤手当2万円は通勤手段や距離にかかわらず一律で支給される条件で、販売手当6,000円も条件にかかわらず支給されると募集情報に記載されています。
総合職と営業職の給与構成を比較両者の違いを整理すると、以下のようになります。
- 総合職は基本給20万3,000円、固定残業代80時間分。
- 営業職は基本給20万4,000円、固定残業代45時間分。
- 通勤手当は両職種とも月2万円。
- 販売手当は総合職5,000円、営業職6,000円。
特に注目したいのは、初任給40万円の総合職には80時間分の固定残業代が含まれていることです。45時間という数字は営業職の募集条件に対応しています。すべての職種に45時間が適用されるわけではありません。
なお、固定残業代は実際にその時間まで残業することを意味する制度ではありません。厚生労働省の説明でも、固定残業代は一定時間分の割増賃金を定額で支給する仕組みとされています。設定時間を超える時間外労働については追加の割増賃金が必要です。
総合職の募集情報には80時間分の固定残業代と、特別条項付き36協定に関する月45時間の記載が併記されています。固定残業代の算定時間と実際の労働時間の管理は別の問題です。入社前には労働条件通知書で適用条件や時間外労働の管理方法を確認する必要があります。
【手取りはいくら?】平均年収678.7万円と平均年齢27.1歳の実態
初任給40万円という数字が魅力的でも、実際に銀行口座へ振り込まれる金額は税金や社会保険料を差し引いた後の金額です。また、会社全体の平均年収と新卒社員の給与は同じ基準ではありません。
初任給40万円・33万円の手取り目安社会保険料、所得税、住民税などを考慮した場合、独身・扶養なし・40歳未満の社員を想定した月々の手取り額は、おおむね次の範囲が目安です。
- 総合職・額面40万円:手取り約31万〜32万円
- 営業職・額面33万円:手取り約25万〜27万円
これは賞与やインセンティブを含めない概算です。加入する健康保険、居住自治体、年齢、前年の所得、給与の内訳などによって変動します。
特に注意したいのが住民税です。新卒1年目は前年の所得が少ないため、住民税の負担がない、または小さいケースがあります。2年目以降は前年所得に応じた住民税が発生するため、毎月の手取り額が変化する可能性があります。
また、月給40万円なら単純計算で年間480万円、月給33万円なら396万円です。これは月給を12カ月分積み上げた金額であり、賞与やインセンティブは別途考える必要があります。
平均年収678.7万円は新卒社員の年収ではないTOKYO BASEの平均年収については、2026年1月期の有価証券報告書に重要なデータがあります。
- 平均年間給与:6,787,000円(678.7万円)
- 平均年齢:27.1歳
- 平均勤続年数:2.1年
- 単体従業員数:374人
- 連結従業員数:402人
これらは2026年1月31日時点のデータです。平均年間給与には賞与と基準外賃金が含まれています。
そのため、678.7万円という金額を新卒社員の標準年収として受け取るのは適切ではありません。管理職や経験者、営業成績によるインセンティブ、賞与なども含まれた会社全体の平均値です。
平均年齢27.1歳という数字は、若い社員が中心となっている組織構成を示しています。一方、平均勤続年数2.1年という数字も見逃せません。
ただし、これだけで離職率が高いと断定することはできません。2026年1月期には単体従業員数が前期末から112人増加しており、採用拡大によって勤続年数の短い社員が増えた影響も考慮する必要があります。
実際、決算説明資料では新卒入社数について、2024年45人、2025年69人、2026年84人と推移し、2027年は150人を計画していると公表しています。
平均年収だけでなく、平均勤続年数と採用規模の変化も合わせて見ることが、待遇の実態を理解するポイントです。
【アパレル他社と比較】TOKYO BASEの初任給は本当に高い?
TOKYO BASEの初任給40万円は、アパレル業界の新卒採用情報と比べても目立つ水準です。ただし、他社との比較では固定残業代、基本給、賞与、年間休日などを同時に見る必要があります。
2027年度の新卒募集を中心に、各社の公開情報を整理しました。アダストリアについては、参考として2028年卒の募集条件を掲載しています。
| 企業・ブランド | 募集コース | 初任給(月額) | 給与・待遇の特徴 |
|---|---|---|---|
| TOKYO BASE | 総合職 | 40万円 | 固定残業代80時間分を含む。賞与年2回、業績連動。 |
| TOKYO BASE | 営業職 | 33万円 | 固定残業代45時間分を含む。顧客様売上手当などあり。 |
| ユナイテッドアローズ | 総合職 | 25万円 | みなし残業代14時間分を含む。年間休日120日。 |
| オンワード樫山 | 総合職 | 24万円 | 首都圏手当を含む。年間休日121日、賞与年3回。 |
| アダストリア | 総合職・大学卒 | 28万1,700円 | 2028年卒募集。月次賞与を含む。 |
出典は各社の新卒採用募集要項です。アダストリアは2028年卒、その他は2027年卒の情報を中心としており、募集年度や給与の算定条件は完全には一致しません。
初任給の高さだけならTOKYO BASEが際立つユナイテッドアローズの2027年度総合職は月給25万円で、基本給22万5,178円と14時間分のみなし残業代2万4,822円という構成です。
オンワード樫山の2027年度総合職は首都圏手当込みで24万円。賞与は年3回、年間休日は121日とされています。
こうした募集条件と比較すると、TOKYO BASEの40万円という月額支給額は大きな差があります。
ただし、TOKYO BASEの総合職には80時間分の固定残業代が含まれています。ユナイテッドアローズの14時間分と単純に比較することはできません。
初任給の差だけでなく、固定残業時間、基本給、休日数、賞与の支給条件まで確認して初めて、待遇の違いが見えてきます。
【インセンティブ・昇給制度】若手でも高年収を目指せる仕組み
TOKYO BASEの給与体系には、固定給以外にも成果を給与に反映する仕組みがあります。特に営業職では、個人売上や店舗の実績が収入に影響する制度が設けられています。
顧客様売上手当は売上の1%マイナビ2027の募集要項には、顧客様売上手当として個人の顧客様売上の1%を支給する仕組みが記載されています。
例えば、顧客様売上が300万円の場合、計算上の手当は3万円です。
単に店舗で商品を販売するだけでなく、自分のお客様を増やし、継続的な関係を築くことが収入にもつながる給与設計です。
スターセールス制度は売上の10%を還元さらに注目したいのが、TOKYO BASEが導入しているスターセールス制度です。
2026年1月期の通期決算説明資料では、営業スタッフの個人売上の10%を給与に還元する制度として紹介されています。
同資料に掲載された達成条件と想定年収の例は次のとおりです。
- 年間売上8,000万円:ワンスター、想定年収800万円
- 年間売上1億円:ツースター、想定年収1,000万円
- 年間売上1億2,000万円:スリースター、想定年収1,200万円
- 年間売上1億5,000万円:フォースター、想定年収1,500万円
- 年間売上2億円:ファイブスター、想定年収2,000万円
これらは決算説明資料に掲載された制度上の達成条件と想定年収であり、全社員が実現できる給与水準ではありません。高い販売実績を達成した社員を対象とする仕組みです。
同資料では、上半期のスターセールス獲得人数が2024年1月期の34人から2025年1月期の42人、2026年1月期の63人へ増加したことも示されています。
成果を上げた社員に対して、収入面で大きく報いるという会社の方針が読み取れます。
昇給は年1回、賞与は業績連動型総合職の募集情報では、昇給は年1回の2月、賞与は年2回の4月・10月で、業績連動型とされています。
営業職については、総合職に昇格した後に定期昇給や賞与の対象となる条件が掲載されています。営業職としてのインセンティブと、総合職への昇格後の給与制度は分けて考える必要があります。
したがって、入社直後から全員が賞与や高額インセンティブを同じ条件で受け取れるわけではありません。どの職種で入社し、どのような評価基準を満たすかが重要です。
【評判と実態】TOKYO BASEの高初任給にメリット・注意点はある?
TOKYO BASEが初任給を40万円へ引き上げた背景には、単純な人件費の増額だけではなく、ファッション業界の働き方や人材獲得に対する経営戦略があります。
初任給を引き上げた背景2024年3月12日のTOKYO BASEの公式発表では、初任給を従来の30万円から40万円へ引き上げ、2024年4月入社以降の新入社員に適用すると発表しました。
会社が示した主な理由は次の3点です。
- 日本一のファッション企業を目指し、業界の給与水準を引き上げること。
- 海外展開を見据え、グローバル基準の給与水準を目指すこと。
- 中価格帯以上の商業施設への出店や営業力強化など、生産性を高めるビジネスモデルを構築すること。
会社側は、販売スタッフの業務が接客だけでなく多岐にわたることにも触れています。店舗運営、顧客管理、売場づくり、商品企画など、販売職の仕事を幅広い専門業務として位置付けていることが特徴です。
また、2026年1月期の決算説明資料では、営業スタッフの全員正社員化や新卒採用の強化も掲げています。高い給与水準を人材確保と営業力向上につなげようとする姿勢が見て取れます。
TOKYO BASEに入社するメリット待遇面での大きなメリットは、アパレル企業の中でも高い月額支給額と、成果に応じた収入アップの機会が用意されていることです。
特に営業職では、顧客様売上手当やスターセールス制度など、自分の実績が給与に反映される仕組みがあります。
また、STUDIOUS、UNITED TOKYO、PUBLIC TOKYOなど複数のブランドに携われるため、ファッションへの関心が強い人にとっては、接客だけでなくブランド運営や商品企画に関する経験を積む機会もあります。
入社前に確認したい注意点一方、初任給の高さだけで入社を決めるのはおすすめできません。
特に確認したいのは、次の5点です。
- 固定残業代:職種によって45時間分と80時間分の違いがある。
- 賞与:総合職は業績連動型であり、毎年一定額が保証されるものではない。
- インセンティブ:売上実績や制度の達成条件によって支給額が変わる。
- 昇格条件:営業職から総合職への移行には一定の基準がある。
- 休日・勤務形態:店舗勤務はシフト制で、募集要項上の年間休日数は118日。
固定給の安定性を重視する人と、成果を上げて収入を伸ばしたい人では、同じ給与制度でも受け止め方が変わります。
ファッションへの強い関心があり、販売実績や顧客づくりに積極的に取り組める人には魅力のある環境です。一方、残業時間をできるだけ抑えたい人や、毎月の給与・賞与が一定であることを重視する人は、固定残業代や評価制度を慎重に確認した方がよいでしょう。
【TOKYO BASEの初任給】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:TOKYO BASEの初任給は40万円ですか?営業職も同じですか?
A1:総合職は月給40万円、営業職は月給33万円です。職種によって給与体系が異なり、総合職には80時間分、営業職には45時間分の固定残業代が含まれています。
Q2:TOKYO BASEの初任給40万円の手取りはいくらですか?
A2:独身・扶養なし・40歳未満などの条件を想定すると、月額の手取りは約31万〜32万円が目安です。社会保険料や税金、住民税によって変動します。
Q3:TOKYO BASEの平均年収678.7万円は新卒でも稼げますか?
A3:678.7万円は2026年1月期の会社全体の平均年間給与です。賞与や基準外賃金を含むため、新卒社員の標準年収ではありません。インセンティブや昇格によって収入を伸ばす制度はありますが、全員が同じ年収になるわけではありません。
Q4:TOKYO BASEの営業職から総合職へ昇格できますか?
A4:可能です。マイナビ2027の募集情報では、営業職として入社した後も、明確な基準を満たすことで総合職へステップアップできると説明されています。
Q5:固定残業代45時間分がある場合、必ず45時間残業するのですか?
A5:必ずしもそうではありません。固定残業代は一定時間分の割増賃金をあらかじめ支給する制度です。実際の残業時間とは区別して考える必要があり、設定時間を超えた場合には追加の割増賃金が支給されます。
2026年11月時点で、TOKYO BASEの新卒初任給は総合職40万円、営業職33万円という職種別の給与体系になっています。
総合職40万円の内訳は基本給20万3,000円、固定残業代17万2,000円、通勤手当2万円、販売手当5,000円です。営業職33万円は基本給20万4,000円、固定残業代10万円、通勤手当2万円、販売手当6,000円で構成されています。
また、2026年1月期の平均年収678.7万円、平均年齢27.1歳という有価証券報告書のデータからも、若い社員が中心となる企業の給与水準を確認できます。ただし、この平均年収は新卒の年収を意味するものではありません。
同社の特徴は、初任給の高さだけではなく、顧客様売上手当やスターセールス制度など、個人の成果を給与に反映する仕組みにあります。
就職先として検討する際は、額面40万円という数字だけでなく、基本給、固定残業時間、賞与、インセンティブ、昇格条件、年間休日まで確認することが大切です。
【プロの結論】
TOKYO BASEは、アパレル業界で高い給与水準を目指す人にとって、比較検討する価値のある企業です。ただし、40万円という数字の魅力と、実際の働き方や成果主義の給与体系は切り離せません。
安定した固定給を重視するのか、自分の販売実績を武器に高収入を目指すのか。自分が求めるキャリアと給与体系が一致するかどうかが、入社後の満足度を左右する判断基準になります。
2027年卒以降の採用でも、募集コースごとの給与条件や制度変更を確認し、最新の労働条件通知書まで照合することが、後悔しない企業選びにつながります。