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【発端】2021年、単独飼育のモモが突然出産!森きららを驚かせた出来事

桂木 洋 桂木 洋 • 更新: • 公開: • 読了約 16 分
目次

今回の出来事が明らかになったきっかけは、2021年2月10日、森きららで飼育されていたシロテテナガザルのモモが出産したことでした。

当時のモモは10歳。自分の獣舎で1頭だけで暮らしており、飼育員も妊娠に気付いていませんでした。赤ちゃんが生まれたことで、初めて妊娠していたことが分かったのです。

2021年3月15日にテレビ朝日系の報道番組が伝えた内容によると、飼育員が赤ちゃんを発見した際には、驚きと戸惑いが広がったといいます。

なぜなら、通常の飼育状況では雄と直接接触する機会がなかったからです。

父親候補は周囲にいた雄ザルたち

モモの獣舎の周辺には、複数のテナガザルが暮らしていました。

当初、動物園が検討したのは、隣接する獣舎の仕切りや寝室との境界にある隙間を通じて交尾した可能性です。

候補には、モモの父親にあたるシロテテナガザルや、フクロテナガザル、アジルテナガザルなどが含まれていました。

ここで問題になったのが、希少なテナガザルの繁殖管理です。

仮に父親がモモの父親なら近親交配、別種のテナガザルなら異種間交配となります。動物園は種の保存と適切な血統管理を担う施設であり、どちらの場合も重要な問題でした。

当時の森きららは、赤ちゃんの成長を見守りながら、将来的にDNA鑑定で父親を特定する方針を示していました。

【父親判明】DNA型鑑定でイトウと確定!京都大学への調査依頼が決め手に

テナガザル出産父親判明

謎が解けたのは2023年1月30日です。

九十九島動植物園「森きらら」は、専門機関に依頼した遺伝子学的調査の結果、父親がアジルテナガザルのイトウであると正式に発表しました。

母親のモモとは異なる種類のテナガザルが父親だったのです。

DNA鑑定はどのように進められた?

毎日新聞の2023年1月30日の報道によると、動物園は2022年秋、モモと子ザル、そして父親候補となっていた雄ザル4頭から体毛や便を採取しました。

その資料を京都大学の研究者に提供し、DNA型鑑定を依頼したと報じられています。

調査によって父親の遺伝的な関係が確認され、候補の中からイトウが特定されました。

単に隣にいたから父親と判断されたわけではありません。遺伝子学的な調査によって親子関係が確定した点が、このニュースの核心です。

父親と母親のプロフィール
項目 父親 母親
名前 イトウ モモ
種類 アジルテナガザル シロテテナガザル
性別 オス メス
生年月日 1988年5月29日 2010年7月30日
鑑定発表時の年齢 34歳 12歳
2026年時点の年齢 38歳 16歳
子どもとの関係 実父 実母

※生年月日と親子関係は森きららの2023年1月30日付公式発表に基づいています。年齢は2026年11月2日時点です。

子ザルの性別も同時に判明

DNA調査では父親だけでなく、子ザルの性別も明らかになりました。

生まれた子ザルはオスでした。

森きららの公式発表によると、2023年1月の時点で体重は飼育員の目視確認で約2キロ。母親のモモから愛情を受け、順調に成長していました。

また、親子関係も良好だったため、当面は母子2頭で飼育・展示を続ける方針が示されました。

この子ザルは後に「テラ」という名前になりました。地元メディアの「させぼ通信」は、長崎にゆかりのあるカステラにちなんだ名前だと紹介しています。

【9ミリの謎】イトウとモモはパンチングボード越しに交尾したのか?

父親がイトウと判明したことで、次に注目されたのが、どうやって妊娠に至ったのかという問題です。

2頭は通常、同じ展示スペースに同時に出ることはありませんでした。

森きららでは午前と午後で展示する個体を入れ替えており、イトウとモモが直接接する機会はなかったとされています。

ところが、2頭の飼育スペースとバックヤードを隔てていた仕切りに、思いがけないものがありました。

それが、直径約9ミリの穴が複数開いたパンチングボードです。

直径約9ミリの穴が注目された理由

パンチングボードとは、金属板に一定間隔で小さな穴を開けた板のことです。

当時、モモとイトウの間に設置されていた仕切りには、この穴が並んでいました。

2023年1月31日の長崎放送(NBC)の報道では、森きららの久野英樹次長が、イトウとモモが接触できた可能性のある場所として、このパンチングボードに言及しています。

2頭が交尾した可能性があると考えられたのは、この仕切りを通じた接触でした。

ただし、実際に交尾しているところを飼育員が確認したわけではありません。

ここまで判明した事実と、まだ分からないこと

この話には、混同してはいけない2つのポイントがあります。

- DNA鑑定でイトウが父親と判明したことは確定事項。
- 直径約9ミリの穴を通じて交尾したという説明は、飼育環境から推測された可能性。

つまり、父親が誰なのかという問題は解決しましたが、具体的にどのような行動で妊娠に至ったのかまでは確定していません。

9ミリの穴が実際の接触経路だった可能性はあります。しかし、穴を通じた交尾が目撃・記録されたという事実はありません。

出産後、森きららは飼育環境を見直した

この出来事を受け、森きららでは仕切りの見直しが行われました。

毎日新聞の報道によると、問題となった仕切りは穴のない鉄板に変更されています。

今回の件は、動物の飼育スペースを別々にしているだけでは、予想外の接触や繁殖を完全には防げない場合があることを示しました。

動物園の飼育管理では、展示場だけでなく、寝室やバックヤード、個体を移動させる際の経路まで含めた確認が必要になります。

【異種交配の真相】シロテテナガザルとアジルテナガザルから生まれたテラ

テラの誕生が特別なニュースになったもう一つの理由は、両親が異なる種類のテナガザルだったことです。

母親はシロテテナガザル、父親はアジルテナガザルです。

森きららの公式発表でも、テラは「アジルテナガザル×シロテテナガザル」と記載され、交雑種として扱われています。

シロテテナガザルとアジルテナガザルの違い
比較項目 シロテテナガザル アジルテナガザル
今回の個体 モモ イトウ
外見の特徴 手足の先が白い 顔の周囲に白い模様がある
手先 白い毛が特徴 黒い毛が特徴
森きららでの役割 母親 父親
子ども テラ テラ

森きららの動物紹介ページでは、シロテテナガザルは長い手足の先が白いことが名前の由来と説明されています。

一方、アジルテナガザルは眉のような白い模様があり、オスにはあご部分にも白い毛があるのが特徴です。

なぜ交雑種の誕生が問題になったのか

今回の出産は、単に珍しい種類の子ザルが生まれたという話ではありません。

動物園には、希少動物の個体数を維持するだけでなく、種ごとの遺伝的な特徴を守りながら繁殖を管理する役割があります。

テレビ朝日系の2021年3月15日の報道でも、テナガザルの仲間は希少種であり、国内外で血統管理が行われていることが紹介されました。

異なる種類の個体から生まれた交雑種は、通常の種保存を目的とした繁殖計画とは別の管理上の課題を生みます。

そのため、森きららにとって今回の出産は、子ザルの誕生を喜ぶだけでは済まない出来事でした。

大切なのは、テラという個体の命を守ることと、将来的な種の保存に向けた管理を両立させることです。

【2026年最新】イトウ・モモ・テラの異種間同居が新たな展開に

2026年の森きららでは、今回の出来事に関係する3頭に新たな動きがありました。

2026年7月31日、森きららは公式サイトで「テナガザルの異種間同居」について発表しています。

その内容によると、イトウ、モモ、そして2頭の子どもであるテラの3頭で、異種間同居の取り組みを本格化させました。

2026年3月から始まった新しい飼育の試み

森きららが今回の取り組みを始めた目的は、テナガザルの動物福祉の向上です。

テナガザルには家族単位の群れで暮らす習性があり、3頭がより自然な社会的関係を築ける環境を目指しています。

ただし、いきなり3頭を同じ空間に入れたわけではありません。

公式発表によると、2026年3月に取り組みが始まり、その後数カ月にわたって網越しのお見合いを重ねました。

大きなトラブルがなく、関係性が安定していることを確認したうえで、7月から直接同じ空間で過ごす段階へ進んだといいます。

3頭の距離が縮まる様子も確認

森きららの2026年7月31日付発表では、同月に実施した2回の同居で、懸念されていた激しい闘争は見られなかったと説明されています。

加えて、モモとテラがイトウの毛づくろいをする様子も観察されたそうです。

これは、今回の取り組みで注目される変化の一つです。

かつては繁殖上の問題から、直接接触しないよう管理されていた2頭が、現在は親子のテラを含む3頭で関係性を築く段階に進んでいます。

今後の課題は同居時間と採食

一方で、同居が完全に定着したわけではありません。

森きららは今後の課題として、次の点を挙げています。

- 同居する時間を段階的に延ばすこと
- 3頭が複数頭で円滑に食事できるようにすること
- それぞれが安心して過ごせる環境を整えること

つまり、2026年7月の発表は、異種間同居の成功を最終的に宣言したものではなく、慎重な段階を踏んで取り組みを進めているという内容です。

2026年11月時点で確認できる公式情報として重要なのは、3頭の同居に向けた試みが始まり、関係性の安定を確認しながら次の段階を目指していることです。

今回のニュースは、2021年の予想外の出産から始まった飼育管理の問題が、2026年には動物福祉を考える新たな取り組みへとつながっていることを示しています。

【プロの結論】テナガザル出産の真相から分かる動物園の繁殖管理と動物福祉

今回の森きららの出来事には、3つの要点があります。

1. 父親の特定と交尾経路の特定は別問題

DNA型鑑定によってイトウが父親と判明したことは、科学的な調査による確定事項です。

一方、9ミリの穴が交尾の経路だったかどうかは、現在も可能性の段階です。

この2つを区別することが、ニュースを正確に理解するための基本になります。

2. 飼育管理は物理的な隔離だけでは完結しない

今回の事例では、通常は別々に管理されていた2頭の間に、想定外の接触につながった可能性のある構造が存在しました。

動物園の繁殖管理では、個体同士が同じ展示場にいないことだけでなく、仕切りの構造やバックヤードの設備まで検討する必要があります。

特に繁殖管理が重要な希少動物では、日常的な飼育環境の細かな点検が欠かせません。

3. 種の保存と動物福祉の両立が今後の課題

今回の出来事は、異種交配を避けるための飼育管理と、群れで暮らす習性を持つ動物の社会的な環境づくりという、2つの課題を浮き彫りにしました。

2026年に始まった3頭の異種間同居は、動物福祉の観点から新たな試みです。

重要なのは、単に同じ空間で暮らせるようにすることではなく、それぞれの個体がストレスなく生活できるかどうかを継続的に確認することです。

森きららの取り組みは、繁殖管理の見直しから動物の社会的な暮らし方を考える段階へと進んでいます。

【よくある質問】テナガザル出産の父親判明に関するFAQ

Q1:森きららで生まれたテナガザルの父親は誰ですか?

A1:アジルテナガザルの「イトウ」です。2023年1月30日に森きららが発表した遺伝子学的調査の結果、父親であることが確定しました。

Q2:母親のモモは本当に単独飼育だったのですか?

A2:はい。モモは自分の獣舎で1頭だけで飼育されていました。ただし、周囲に雄のテナガザルがいなかったわけではなく、飼育スペースの仕切りなどを通じて接触した可能性が検討されました。

Q3:9ミリの穴から本当に交尾したのですか?

A3:その可能性が指摘されていますが、実際の交尾は確認されていません。父親がイトウであることはDNA鑑定で確定していますが、具体的な交尾経路は断定されていません。

Q4:子ザルの性別と名前は何ですか?

A4:オスです。名前は「テラ」で、シロテテナガザルのモモとアジルテナガザルのイトウの間に生まれた交雑種です。誕生日は2021年2月10日です。

Q5:DNA鑑定はどこに依頼したのですか?

A5:毎日新聞の報道によると、2022年秋にモモ、子ザル、父親候補の雄ザル4頭から体毛や便を採取し、京都大学の研究者に鑑定を依頼しました。

Q6:2026年現在、イトウとモモ、テラは一緒に暮らしていますか?

A6:森きららは2026年7月、3頭の異種間同居を本格化させたと発表しています。網越しのお見合いを経て直接同じ空間で過ごす段階に進みましたが、同居時間の延長など、引き続き取り組む課題もあります。

長崎県佐世保市の九十九島動植物園「森きらら」で起きた、シロテテナガザルのモモによる予想外の出産。

その父親は、DNA型鑑定によって隣接する飼育スペースにいたアジルテナガザルのイトウと判明しました。

2021年2月10日に生まれた子ザルはオスで、現在はテラという名前で飼育されています。

直径約9ミリの穴が交尾の経路だった可能性は残されていますが、実際の経緯までは確定していません。

そして2026年には、イトウ、モモ、テラの3頭による異種間同居という新たな取り組みが始まりました。

単独飼育下での予想外の出産から、DNA鑑定による父親の特定、飼育環境の見直し、そして動物福祉を目的とした同居への挑戦へ。

森きららのテナガザルたちの歩みは、動物園における繁殖管理と動物の暮らし方を考えるうえでも、興味深い事例となっています。

今後は3頭がどのような関係を築いていくのか、森きららから発表される飼育状況にも注目が集まります。

主な情報源
- 九十九島動植物園「森きらら」2023年1月30日付・遺伝子学的調査結果のお知らせ
- 九十九島動植物園「森きらら」2026年7月31日付・テナガザルの異種間同居に関する発表
- 毎日新聞「『謎の出産』シロテテナガザル、DNA型鑑定で父親判明」
- 長崎放送(NBC)2023年1月31日報道
- テレビ朝日系2021年3月15日報道
- させぼ通信2023年7月12日掲載記事

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映画・ドラマの公開情報を担当。配給会社のプレスシートと公式サイト記載を基準に、あらすじと配役をまとめます。

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