プルーム・テック(Ploom TECH)は、紙巻きたばこのようにたばこ葉を燃焼させず、低温で発生させたエアロゾルを吸入する加熱式たばこです。煙や臭いが比較的少ないことから、紙巻きたばこより健康への害が少ないと考えて使用している人もいます。しかし、ニコチンによる依存性、有害化学物質の吸入、発がん性物質への曝露、周囲の人への受動喫煙リスクがなくなるわけではありません。
2026年11月現在、厚生労働科学研究では加熱式たばこの健康影響に関する新しい知見が公表され、ニコチン依存や循環器への影響、受動喫煙、発がん性をめぐる問題が改めて浮き彫りになっています。一方、JTが公表したプルーム・テック使用者の臨床研究や、実際に肺障害が報告された症例も存在します。重要なのは、紙巻きたばこより低減されている有害物質があることと、健康への安全性が証明されていることは別だという点です。
【基本知識】プルーム・テックは何が害なのか?ニコチンと健康リスクの正体

プルーム・テックは、JT(日本たばこ産業)が展開する加熱式たばこブランドです。一般的な電子たばこと異なり、たばこ葉を原料とする製品であり、たばこ由来のニコチンを吸入します。
紙巻きたばこは、たばこ葉を燃焼させることで煙を発生させます。それに対して、従来型のプルーム・テックは、たばこカプセルと専用カートリッジを使用し、加熱によって生じたエアロゾルを吸入する仕組みです。
燃焼を伴わないため、紙巻きたばこと比較して一酸化炭素など一部の有害物質が少なくなるという特徴があります。しかし、燃焼しないことは有害物質が発生しないことを意味しません。
プルーム・テックにもニコチンは含まれる健康面で最初に押さえておきたいのがニコチンです。
ニコチンには依存性があり、継続的な使用によって、使用しないと落ち着かない、集中しにくい、また吸いたくなるといった状態につながる可能性があります。
また、ニコチンには交感神経を刺激し、心拍数や血圧に影響を及ぼす作用があります。循環器系への負担を考えるうえでも無視できない成分です。
厚生労働科学研究の2025年度報告書では、加熱式たばこの能動喫煙について、ニコチン依存と循環器疾患に強い関連性があると評価されています。
加えて、加熱式たばこはニコチンを含まない単なる水蒸気ではありません。吸入するエアロゾルには、ニコチンのほか、加熱によって生じる複数の化学物質が含まれます。
プルーム・テックの害が少ないというイメージが生まれた理由プルーム・テックの害が少ないと考えられやすい理由は、燃焼を伴わない構造にあります。
紙巻きたばこでは燃焼によって一酸化炭素や多環芳香族炭化水素類など、さまざまな有害物質が発生します。加熱式たばこでは燃焼温度が異なるため、一部の物質の発生量を抑えられる場合があります。
しかし、健康被害は特定の有害物質の量だけで決まるものではありません。ニコチンの吸収量、使用頻度、吸引方法、化学物質の組み合わせ、長期的な曝露などを総合的に考える必要があります。
つまり、プルーム・テックの本質的な問題は、紙巻きたばこと同じ有害物質がすべて同じ量で発生するわけではない一方、別の化学物質や依存性の問題が残っていることです。
【発がん性物質を検証】プルーム・テックは紙巻きたばこより安全なのか?
有害物質が減っても発がんリスクが消えるわけではない国立がん研究センターのがん情報サービスでは、加熱式たばこの煙にはニコチンや発がん性物質などの有害な物質が含まれると説明しています。
これはプルーム・テックを考えるうえでも重要な情報です。
加熱式たばこでは、紙巻きたばこと比較して一部の有害物質が減少することがあります。しかし、たばこ由来の有害物質が完全になくなるわけではありません。
2025年度の厚生労働科学研究では、加熱式たばこに含まれる発がん関連物質として、たばこ特異的ニトロソアミンであるNNKやNNN、ベンゾ[a]ピレンなどがリスク評価の対象となりました。
同研究では、これらの物質について肺がんや上気道腫瘍への懸念が示されています。ただし、これはリスク評価に基づく懸念であり、プルーム・テックを使用した人のがん発症率が確定したという意味ではありません。
2025年度の厚生労働科学研究で分かったこと2026年に公表された厚生労働科学研究の報告書では、2010年から2025年12月22日までの関連文献を対象に、加熱式たばこの健康影響が体系的に評価されました。
抽出された文献は英文1,132報、邦文58報です。能動喫煙と受動喫煙を区別し、健康アウトカムごとに関連性と科学的根拠の確からしさを評価しています。
特に重要なのは、次の3点です。
- 加熱式たばこでは、一部の有害物質が紙巻きたばこより少ないものの、すべての物質が一律に減少するわけではない。
- ニコチン依存や循環器疾患との関連が認められている。
- がん発症を直接評価した疫学研究が不足しており、長期的ながんリスクは現段階で判定できない。
この結果から分かるのは、発がんリスクがないと証明されたわけでも、紙巻きたばこと完全に同じリスクが確定したわけでもないということです。
2026年10月公表の研究では遺伝毒性にも注目加えて、厚生労働科学研究の2025年度報告書「加熱式たばこなど新たなたばこ製品の成分分析と生体影響研究を組み合わせた能動喫煙・受動喫煙の健康影響評価」が、2026年10月7日に公表されました。
この研究では、IQOS、glo、Ploomなど国内で販売されている複数の加熱式たばこ製品を対象に、化学成分の分析や動物実験などが行われました。
注目されるのは、主流煙に曝露されたマウスの肺組織において、DNA解析で特異的な変異シグネチャーの増加が確認された点です。CからTへの変異が増加し、遺伝毒性の可能性が示されました。
また、肺胞マクロファージへの影響も示唆されています。
ただし、これは動物実験で得られた知見です。人間がプルーム・テックを使用した場合に、同じ変化が同じ割合で起きると証明したものではありません。
また、対象は複数の加熱式たばこ製品であり、従来型プルーム・テック単独の発がん性を確定した研究ではありません。製品ごとの加熱方式や構造の違いを考慮する必要があります。
【徹底比較】プルーム・テックと紙巻きたばこの害はどれほど違う?
プルーム・テックと紙巻きたばこを比較する際は、単純にどちらが安全かという二択で考えるべきではありません。
燃焼によって生じる有害物質は紙巻きたばこで多くなる傾向がありますが、ニコチンやその他の化学物質については、製品ごとに違いがあります。
健康リスクの比較一覧| 比較項目 | プルーム・テック・加熱式たばこ | 紙巻きたばこ | 医学的な評価 |
|---|---|---|---|
| ニコチン | 含まれる | 含まれる | どちらも依存性がある |
| 一酸化炭素 | 燃焼を伴わないため少ない傾向 | 燃焼によって発生 | 加熱式で低減される成分の一つ |
| 発がん性物質 | 一部の物質が低減するが残存する | 多種類の発がん性物質を含む | 加熱式でも発がんリスクを否定できない |
| 循環器への影響 | ニコチンなどによる懸念がある | 心血管疾患との関連が確立 | 加熱式も安全とは評価できない |
| 肺への影響 | 肺障害や呼吸器への影響が懸念される | 呼吸器疾患との関連が確立 | 長期的な影響には追加研究が必要 |
| 受動喫煙 | 周囲の人がエアロゾルに曝露する | 副流煙などに曝露する | どちらも周囲への健康影響が問題となる |
※加熱式たばこの欄は製品群に関する一般的な傾向を示しています。従来型プルーム・テック単独の測定値を示すものではありません。
「有害物質90%削減」は健康被害も90%減るという意味ではない加熱式たばこについて、紙巻きたばこと比較して有害物質が大幅に削減されるという説明を見かけることがあります。
しかし、有害物質の排出量が一定割合減ったことと、がんや心疾患などの発症リスクが同じ割合で減少することは、科学的に別の問題です。
厚生労働科学研究の2025年度報告書では、たばこ産業が示す有害物質の90%以上削減という説明について、研究用標準紙巻きたばことの比較に基づくものであることが指摘されています。
実際の喫煙者の尿中曝露バイオマーカーでは、低減が約半減にとどまるという報告もあります。
また、加熱式たばこは吸引回数や使用方法によってニコチンの移行量が変わることも確認されています。
したがって、成分の削減率だけを見て、健康への害も同じ割合で減ると判断することはできません。
【肺障害の実例】プルーム・テックで間質性肺疾患が起きた報告とは?
2022年、日本内科学会雑誌に症例報告が掲載プルーム・テックの健康被害を考えるうえで、特に注目したいのが間質性肺疾患に関する症例報告です。
2022年1月10日発行の日本内科学会雑誌には、「加熱式たばこ(プルーム・テック)に関連する間質性肺疾患」という症例報告が掲載されました。
報告されたのは55歳の男性です。健康診断で異常が見つかり、胸部CT検査を受けたところ、両肺に斑状のすりガラス影が確認されました。
この男性は、発症が疑われる時期の約1年前からプルーム・テックを使用していました。医師らは、プルーム・テックによる肺障害の可能性を検討しています。
特に注目されたのは、その後の経過です。
プルーム・テックの使用を中止したところ、約4カ月後には肺の画像上の異常がほぼ正常化しました。
著者らは、可逆性の喫煙関連間質性肺疾患の可能性があると考察しています。
間質性肺疾患とはどのような病気なのか間質性肺疾患とは、肺胞の壁などにあたる間質に炎症や損傷が生じる病気の総称です。
肺は、肺胞で酸素を血液に取り込み、二酸化炭素を排出しています。間質に炎症が起こると、このガス交換に支障をきたすことがあります。
代表的な症状には次のようなものがあります。
- 階段や坂道を上るときの息切れ
- 長く続く乾いた咳
- 運動時の呼吸困難
- 進行した場合の安静時の息苦しさ
- 低酸素状態による倦怠感
間質性肺疾患は原因や病型によって経過が異なり、改善するものもあれば、肺の線維化が進行するものもあります。
この症例からプルーム・テックの危険性をどう考えるべきか重要なのは、この報告がプルーム・テック使用者の肺障害を医学的に検討した実際の症例だという点です。
ただし、症例報告は一人の患者の経過を詳しく分析するものであり、プルーム・テックを使えば誰でも間質性肺疾患になるという意味ではありません。また、症例だけで因果関係や発症率を確定することもできません。
一方で、使用中止後に画像所見が改善したという経過は、加熱式たばこによる肺への影響を考えるうえで重要な情報です。
咳や息切れが続く場合、使用を続けながら様子を見るのではなく、呼吸器内科などの医療機関で相談することが大切です。
【受動喫煙の真相】プルーム・テックの蒸気は家族や子どもにも害がある?
目に見える煙が少なくても周囲への曝露は起きるプルーム・テックを使用する人の中には、紙巻きたばこのような煙が出ないため、周囲の人には影響がほとんどないと考える人もいます。
しかし、加熱式たばこから発生するエアロゾルには、ニコチンやその他の化学物質が含まれています。
周囲の人がこれらの物質を吸い込む可能性がある以上、完全に無害なものとして扱うことはできません。
厚生労働省の2025年度研究報告では、加熱式たばこを使用する人の家族について、尿中ニコチン代謝物の上昇が確認された研究が整理されています。
これは、喫煙者本人だけでなく、周囲の非喫煙者にもニコチン由来の物質が取り込まれる可能性を示すものです。
家族や子どもへの影響で注意したいこと受動喫煙について特に注意したいのが、乳幼児や子ども、妊娠中の人です。
子どもは成人と比較して呼吸器や身体が発達段階にあります。ニコチンは胎児や発達中の脳にも悪影響を及ぼす可能性があるため、家庭内での曝露を避けることが重要です。
2025年度の厚生労働科学研究では、家族が近くにいる環境で加熱式たばこを使用した場合、発がん物質の曝露が紙巻きたばこの受動喫煙と同程度になる場合があることも指摘されています。
この結果は、すべての家庭や使用条件で同じ曝露量になるという意味ではありません。しかし、加熱式たばこだから家族の近くで使用しても問題ないという考え方には根拠がありません。
換気扇や空気清浄機があれば大丈夫?換気や空気清浄機の使用は、室内の空気環境を整えるために役立つ場合があります。
しかし、ニコチンや化学物質への曝露を完全に防ぐ保証にはなりません。
特に、同じ部屋での使用、車内での使用、子どもが過ごす空間での使用は避けるべきです。
最も確実な対策は、室内や車内で使用しないこと、さらに本人が使用を中止することです。
【JTの健康影響調査を検証】UMIN000036304と北里大学医学部の研究結果
プルーム・テックの健康リスクを調べる際、必ず確認しておきたいのがJTによる健康影響調査です。
特に、臨床研究情報として登録されたUMIN000036304は、プルーム・テック使用者と紙巻きたばこ喫煙者、非喫煙者の健康指標を比較した研究です。
UMIN000036304はどのような研究だったのか研究名は「Ploom TECH使用者の健康影響に関する観察型横断調査」です。
2019年4月に開始され、2020年3月26日にUMIN臨床試験登録システムで公開されました。目標症例数は500人で、実際には459人が研究に参加しています。
参加者は次の3グループに分けられました。
- プルーム・テックのみを使用する人:259人
- 紙巻きたばこのみを使用する人:100人
- たばこ製品・ニコチン含有製品を使用した経験のない人:100人
主な評価項目は、喫煙関連物質への曝露指標、生体影響評価指標、健康状態、健康関連QOL、咳の程度などです。
JTが公表した調査結果は良好だった2020年3月26日、JTはプルーム・テック使用者の健康影響に関する調査結果を公表しました。
発表によると、プルーム・テック使用者の一部の生体指標は、紙巻きたばこ喫煙者と顕著に異なり、非喫煙者に近い値を示しました。
対象となったのは、心血管疾患や呼吸器疾患などとの関係が報告されている指標です。
また、北里大学医学部附属臨床研究センター教授の熊谷雄治氏が、外部医学専門家として調査に協力しています。
この研究結果は、紙巻きたばこからプルーム・テックに完全に切り替えた場合、一部の健康関連指標が改善する可能性を示すものとして注目されました。
JTの研究結果だけで安全性を判断できない理由一方、研究の性質を理解する必要があります。
UMIN000036304は、使用者の健康状態を比較する観察型横断調査です。長期間にわたってがんや心疾患の発症率を追跡した研究ではありません。
また、UMINの登録情報では、実施責任組織と研究費提供組織はいずれも日本たばこ産業株式会社とされています。
北里大学医学部附属臨床研究センターの教授が外部医学専門家として協力したことは重要ですが、それだけで研究全体が独立した第三者研究になるわけではありません。
研究結果を評価する際には、研究の実施主体、資金源、研究デザイン、評価項目を合わせて見る必要があります。
加えて、今回測定されたのは主に生体指標です。これらが非喫煙者に近いからといって、プルーム・テック使用者の将来的ながん発症率や死亡率まで非喫煙者と同じになることは証明されていません。
2026年の独立した公的研究と照らし合わせるここで重要になるのが、厚生労働科学研究との比較です。
2026年10月に公表された研究では、複数の加熱式たばこ製品を対象に、ニコチンの移行率、化学物質、動物への曝露、受動喫煙などが検討されました。
その結果、加熱式たばこでは紙巻きたばこより一部の有害物質が少ない一方、ニコチンの移行効率が高いことや、吸引回数の増加によって移行率がさらに上昇することが報告されています。
また、受動喫煙に関連するニコチン代謝物の取り込みや、肺組織の酸化ストレス関連遺伝子の発現変動も確認されました。
これらの結果は、JTの調査で示された一部の指標の改善可能性と必ずしも矛盾するものではありません。異なる研究が異なる側面を測定しているためです。
一部の生体指標が改善しても、すべての健康リスクがなくなるわけではない。この点が、2026年時点での研究を読み解くうえで最も重要です。
【2026年最新】プルーム・テックをやめるべき人と健康被害を防ぐ判断基準
プルーム・テックをおすすめできない人健康面から考えると、次のような人はプルーム・テックを使用しないことが望まれます。
- 非喫煙者:ニコチン依存を新たに形成する必要はなく、健康上のメリットもありません。
- 未成年者・若年者:発達中の脳へのニコチンの影響が懸念されます。
- 妊娠中・授乳中の人:胎児や乳児へのニコチン曝露を避ける必要があります。
- 呼吸器疾患がある人:肺への刺激や呼吸器への影響に注意が必要です。
- 心血管疾患のリスクがある人:ニコチンによる心拍数や血圧への影響を考慮する必要があります。
プルーム・テックの使用中に、次のような症状が現れた場合は注意してください。
- 長期間続く咳
- 以前より息切れしやすくなった
- 胸の圧迫感や痛み
- 呼吸時の違和感
- 運動時の息苦しさ
これらは必ずしもプルーム・テックによる健康被害を意味しませんが、呼吸器や循環器の病気が隠れている可能性もあります。
特に、急な呼吸困難、強い胸痛、血痰などがある場合は速やかに医療機関を受診してください。
紙巻きたばこから切り替えるだけで禁煙になるわけではない紙巻きたばこからプルーム・テックに切り替えた場合、燃焼由来の一部の有害物質への曝露を減らせる可能性はあります。
しかし、ニコチン依存そのものが解消されるわけではありません。
加えて、紙巻きたばこと加熱式たばこを併用する場合は、たばこ製品への曝露が継続します。
厚生労働省の健康情報では、加熱式たばこ使用者も保険診療による禁煙治療の対象とされています。
禁煙を目指すのであれば、単純に製品を変更するだけでなく、禁煙外来や医師・薬剤師による支援を活用する方法が現実的です。
【プロの結論】プルーム・テックの害に関する疑問と研究結果の真相
2026年11月時点の研究を総合すると、プルーム・テックについては、紙巻きたばこより一部の有害物質への曝露が少なくなる可能性がある一方、ニコチン依存や肺への影響、受動喫煙などの健康リスクが残っています。
特に、次の3つを混同しないことが大切です。
- 有害物質の低減:特定の化学物質の排出量が減ること。
- 生体指標の改善:血液や呼吸機能などの測定値が改善すること。
- 長期的な健康被害の低減:がんや心疾患などの発症率や死亡率が実際に下がること。
この3つは関連していますが、同じ意味ではありません。
JTの臨床研究は、プルーム・テック使用者の一部の健康関連指標が紙巻きたばこ喫煙者より良好だったことを示しています。一方、厚生労働科学研究は、加熱式たばこ全体に残る健康リスクや、受動喫煙の問題を指摘しています。
また、日本内科学会雑誌にはプルーム・テック使用者の間質性肺疾患の症例も掲載されています。
つまり、「紙巻きたばこより有害物質が少ない場合がある」という情報だけを根拠に、「プルーム・テックなら健康に害がない」と判断することはできません。
【プルーム・テックの害】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:プルーム・テックにはニコチンが含まれていますか?
A1:含まれています。たばこ葉を原料とする製品であり、ニコチンによる依存性や循環器への影響が懸念されます。
Q2:プルーム・テックは紙巻きたばこより害が少ないですか?
A2:一酸化炭素など一部の有害物質への曝露が少なくなる可能性はあります。しかし、健康被害全体がどれほど減るかは明らかになっていません。安全な製品という意味ではありません。
Q3:プルーム・テックに発がん性物質は含まれていますか?
A3:加熱式たばこには発がん性物質が含まれることが国立がん研究センターから説明されています。ただし、プルーム・テックの使用による具体的ながん発症率は、長期的な疫学研究が不足しており確定していません。
Q4:プルーム・テックで肺がんになりますか?
A4:プルーム・テック単独の使用による肺がん発症率は、現段階で確定していません。ただし、加熱式たばこには発がん関連物質が存在し、健康リスクを否定できないため、使用を避けることが望まれます。
Q5:プルーム・テックで間質性肺疾患になることはありますか?
A5:2022年に日本内科学会雑誌で、プルーム・テック使用との関連が疑われた間質性肺疾患の症例が報告されています。55歳男性の症例で、使用中止から4カ月後に肺の画像所見がほぼ正常化しました。ただし、発症率や因果関係が確定したわけではありません。
Q6:プルーム・テックの蒸気は周囲の人にも害がありますか?
A6:あります。エアロゾルに含まれるニコチンなどの物質に周囲の人が曝露する可能性があります。特に子どもや妊婦の近く、室内や車内での使用は避けるべきです。
Q7:JTのUMIN000036304研究では安全性が証明されたのですか?
A7:いいえ。一部の健康関連指標が非喫煙者に近い値だったことは報告されていますが、研究は観察型横断調査です。がんや心疾患の長期的な発症率を比較したものではなく、安全性を証明した研究ではありません。
Q8:プルーム・テックをやめれば健康状態は改善しますか?
A8:ニコチンや有害化学物質への曝露を止めることは、健康リスクを減らすための重要な行動です。改善の程度や期間は使用歴や個人の健康状態によって異なります。禁煙が難しい場合は、禁煙外来などの専門的な支援を利用してください。
プルーム・テックは、紙巻きたばこと異なり燃焼を伴わないため、一部の有害物質への曝露を減らせる可能性があります。しかし、ニコチン依存、循環器への影響、肺障害、受動喫煙などの問題が残っています。
2026年に公表された厚生労働科学研究では、加熱式たばこの健康リスクについて、ニコチン依存や循環器疾患との関連、受動喫煙による曝露、遺伝毒性の可能性などが報告されました。一方、がん発症を直接評価した長期的な疫学研究は不足しています。
加えて、JTのUMIN000036304研究では一部の生体指標が良好だったものの、それは長期的な健康被害がないことの証明ではありません。日本内科学会雑誌に掲載された間質性肺疾患の症例も、肺への影響を考えるうえで見逃せない情報です。
最も確実な健康対策は、紙巻きたばこからプルーム・テックに変更することだけをゴールにせず、ニコチンを含むたばこ製品そのものをやめることです。
「煙が少ないから安全」「有害物質が減ったから無害」というイメージではなく、実際の臨床研究、公的機関の評価、長期的な健康影響を踏まえて判断することが、自分と周囲の人の健康を守ることにつながります。
主な根拠資料(公的機関・医学論文・臨床研究)
- 厚生労働科学研究成果データベース「加熱式たばこの化学的特性と健康リスクに関する科学的エビデンス構築に係る研究」(2025年度)
- 厚生労働科学研究成果データベース「加熱式たばこなど新たなたばこ製品の成分分析と生体影響研究を組み合わせた能動喫煙・受動喫煙の健康影響評価」(2026年10月公表)
- 国立がん研究センター「加熱式たばこ」
- UMIN臨床試験登録「UMIN000036304」
- JT「プルーム・テック使用者の生体影響に関する調査結果」(2020年3月26日)
- 日本内科学会雑誌「加熱式たばこ(プルーム・テック)に関連する間質性肺疾患」(2022年)
参照資料: