日教組(日本教職員組合)の支持政党はどこなのか。2026年11月現在、国会で活動する日政連議員の所属や選挙での推薦実績を見ると、最も結びつきが強いのは立憲民主党だ。ただし、日教組が全国一律に立憲民主党だけを支持していると理解するのは正確ではない。組織内候補の推薦、政策実現に向けた各党との交渉、地方組織ごとの選挙方針は、それぞれ区別する必要がある。
2025年参議院選挙では、水岡俊一、勝部賢志、小島智子の3人が日政連推薦候補として当選した。2026年には中道改革連合への教育政策要請や、立憲民主党との継続的な意見交換も行われている。一方、国民民主党については連合との関係や静岡県教職員組合の推薦方針が注目される。2026年10月29日の最新の政策要請まで整理すると、日教組の政治的な立ち位置が見えてくる。
【結論】日教組が支持する政党は立憲民主党なのか?2026年の実態

最初に答えを整理すると、日教組の政治活動において、現在もっとも明確な結びつきが確認できる政党は立憲民主党である。
その根拠は、日教組が関係団体として紹介している日本民主教育政治連盟(日政連)の国会議員の所属先にある。
日本教職員組合の公式サイトでは、日政連について、教職員出身の議員や子どもたちのために教育の推進をめざす議員の集まりと説明している。2026年時点で掲載されている参議院議員は5人で、次の全員が立憲民主党所属として紹介されている。
- 水岡俊一(比例代表)
- 斉藤嘉隆(愛知県選挙区)
- 勝部賢志(北海道選挙区)
- 古賀千景(比例代表)
- 小島とも子(三重県選挙区)
つまり、日教組の政治的な代表者として活動する日政連議員の現在の所属先を見る限り、立憲民主党との結びつきは明確だ。日教組の公式組織情報と関連団体の掲載内容からも、この関係を確認できる。
ただし「立憲民主党だけを支持する」という意味ではないここで注意したいのが、議員の所属政党と組合全体の政党支持方針は同じではないという点だ。
日教組は労働組合であり、政党ではない。教育条件の改善、教職員の待遇向上、教育予算の拡充などを実現するため、政治や行政に働きかける活動を行っている。
その活動の一環として、特定の候補者を日政連推薦候補に決め、選挙で支援することがある。一方、教育政策に関する要望は、立憲民主党だけでなく、政策課題に応じてほかの政党にも伝えられる。
したがって、検索キーワードへの短い回答としては「立憲民主党との結びつきが最も強い。ただし、単一政党への全面的な支持と同義ではない」が実態に近い。
【歴史を検証】日教組の支持政党はどのように変わってきたのか
日教組と政党の関係を理解するには、戦後の教職員運動と日本民主教育政治連盟の成立を押さえる必要がある。
日教組は1947年6月8日に結成された。現在の公式説明では、全国の教員・学校職員による労働組合の連合体であり、日本労働組合総連合会(連合)にも加盟している。
教育の民主化、研究の自由、教職員の経済的・社会的・政治的地位の向上などを掲げ、教育政策に対する提言や政治活動にも取り組んできた。
1950年代には社会党系議員への組織的支援が目立ったお茶の水女子大学の米田俊彦による研究論文「戦後教育改革期における教員の国政進出」は、戦後の日教組と教員出身議員の政治的な関係を分析している。
同論文によれば、1950年6月の第2回参議院議員選挙では、日教組が全国区に5人、地方区に6人の候補者を擁立した。組織的な支援を受けて当選した議員の多くは社会党所属で、特に左派の議員が目立ったという。
一方、戦後直後に国会へ進出した教員出身議員には中道右派政党に所属する人々もいた。教員出身であることと、特定の政党に所属することは、当初から必ずしも一致していなかったのである。
日政連は1952年に誕生した政治活動の組織的な基盤として重要なのが、1952年8月25日に結成された日本教職員政治連盟だ。
同団体は1954年11月29日に日本民主教育政治連盟へと改組・改称され、略称の日政連は現在まで使われている。
歴史研究では、日教組と日政連の間には密接な関係があり、教育活動と政治活動を担う組織的な仕組みが整えられていった経緯が確認されている。
ただし、日政連推薦という肩書きは、候補者が特定の政党に所属することを意味するものではなかった。実際、当時の日政連推薦候補は社会党系だけでなく、複数の政党や無所属にまたがっていた。
この歴史から分かるのは、日教組の政治活動の中心にあるのは、政党そのものよりも教育政策を実現するための議員との関係だということだ。時代ごとに政党の再編が進めば、推薦議員の所属先も変化する。
【2025年参院選を検証】日教組が推薦した日政連候補3人と立憲民主党の関係
日教組の現在の政治的な立ち位置を示す重要な出来事が、2025年7月20日に投開票された第27回参議院議員通常選挙だ。
日教組は2025年3月14日の第168回中央委員会で、日政連議員候補予定者3人の必勝をめざし、全国的な支援を強化する方針を決議した。
対象となったのは、水岡俊一、勝部賢志、小島智子の3人である。日教組中央執行委員長も同年9月の第114回定期大会で、3人が当選したことを報告し、全国の組合員による支援に謝意を示している。
3人の候補者と政治的な関係| 人物・団体 | 選挙区・所属 | 日教組・日政連との関係 |
|---|---|---|
| 水岡俊一 | 参院比例代表・立憲民主党 | 日政連推薦候補。2025年当選。2026年は立憲民主党代表。 |
| 勝部賢志 | 北海道選挙区・立憲民主党 | 日政連推薦候補。2025年に再選。 |
| 小島智子 | 三重県選挙区・立憲民主党 | 日政連推薦候補。2025年に初当選。 |
| 日本民主教育政治連盟(日政連) | 教職員出身者などによる議員の集まり | 教育政策を政治に反映するための議員ネットワーク。 |
| 日本労働組合総連合会(連合) | 立憲民主党・国民民主党などと連携 | 政策実現や候補者推薦をめぐり各党と協力する。 |
| 静岡県教職員組合 | 地域組織 | 2025年に国民民主党との連携休止を撤回し、榛葉賀津也氏の推薦手続きに着手。 |
水岡俊一は比例代表、勝部賢志は北海道選挙区、小島智子は三重県選挙区から立候補し、3人とも当選した。
立憲民主党の2025年9月21日の公式発表でも、野田佳彦代表が日教組第114回定期大会に出席し、日教組組合員の支援によって3人が当選したことに感謝を示したと報告されている。
この出来事は、日教組と立憲民主党の関係を示す具体的な証拠の一つだ。単なる政策上の意見交換だけでなく、選挙における組織的な支援が確認できる。
水岡俊一は2026年に立憲民主党代表へ3人の中でも特に注目されるのが水岡俊一だ。
水岡は兵庫県の公立中学校教諭を経験し、兵庫県教職員組合の書記次長も務めた。参議院議員として活動し、2026年時点では立憲民主党代表、参議院議員会長を兼ねている。
日教組との関係を持つ議員が政党の代表に就いていることは、教育政策をめぐる政治的な接点を考えるうえでも重要だ。
【立憲民主党と国民民主党】日教組・連合の政治的関係はどう違う?
日教組と立憲民主党の関係が強い一方、国民民主党との関係も無視できない。ここで押さえたいのが、日教組と連合の組織上の関係だ。
日教組は連合に加盟する構成組織の一つである。しかし、連合全体の政党との関係が、そのまま日教組の全国的な推薦方針になるわけではない。
連合は立憲民主党と国民民主党を「連携政党」と位置づける連合は2026年4月16日の記者会見で、「支援政党」と「連携政党」の違いを説明している。
その説明によれば、連合と政党が政策協定を結んでいる場合は「支援政党」、政策協定を結んでいない場合は「連携政党」という位置づけになる。
加えて、2026年9月17日の記者会見では、立憲民主党と国民民主党を連携政党とする立場を示した。中道改革連合の再編については、政策や綱領を見極めながら判断する考えも説明している。
この違いは重要だ。連合が両党と連携しているからといって、日教組が国民民主党を全国一律に組織推薦していると判断することはできない。
静岡県教職員組合と国民民主党の関係に変化があった国民民主党との関係を考えるうえで、2025年の静岡県教職員組合の対応は象徴的な事例だ。
静岡県教職員組合は2024年11月、国民民主党を支持政党から除外し、同党所属の議員や候補予定者を推薦しない方針を表明した。
背景には、2024年10月の衆議院選挙前後における国民民主党の対応や、榛葉賀津也幹事長による立憲民主党への発言などをめぐる対立があったと、SBS NEWSは報じている。
しかし、2025年3月3日に国民民主党静岡県連との協議が行われ、翌4日に静岡県教職員組合の中央執行委員会が支持政党からの除外と推薦議員としての連携休止を撤回した。
3月7日の中央委員会では、赤池浩章中央執行委員長が、国政選挙における基本方針として立憲民主党、国民民主党、連合の三者による政治勢力の再結集を掲げ、榛葉氏らの推薦に向けた手続きに取り掛かる方針を示したと報じられた。
この事例から分かるのは、日教組に関係する地方組織の政治判断が、全国組織の推薦候補と必ずしも一致するわけではないということだ。
地方組織は、地域の政治状況や候補者本人の姿勢、連合との関係などを踏まえて推薦方針を決める。そのため、国民民主党との関係を一律に良好、あるいは対立関係と決めつけることはできない。
【2026年最新動向】日教組の政策要請と中道改革連合・立憲民主党との関係
2026年の日教組をめぐる政治動向では、衆議院選挙の結果と、教育予算をめぐる政党との意見交換が大きなポイントとなっている。
2026年2月の衆院選では推薦・支援候補5人が全員落選日教組中央執行委員長の2026年3月18日の挨拶によると、2月8日に投開票された第51回衆議院議員選挙では、日政連議員・推薦議員の合計5人について、各単組と連携して選挙に取り組んだものの、全員が落選した。
この結果、日政連の衆議院議員は不在となった。日教組は、教育政策への影響力や組合員の声を国会に届ける体制を維持するため、参議院の日政連議員との連携を進める考えを示した。
参議院の組織内議員が5人いる一方で、衆議院の日政連議員が不在となったことは、2026年の政治的な課題の一つである。
6月12日には中道改革連合に2027年度教育予算を要請2026年1月には、立憲民主党と公明党の合流による中道改革連合が発足した。
日教組は同年6月12日、中道改革連合に対して2027年度の教育予算拡充に関する要請を行い、議員との意見交換を実施した。
主な要望事項は次のとおりだ。
- 教育予算を国内総生産(GDP)比6%以上確保すること。
- 教職員の配置を拡充すること。
- 学校の働き方改革を推進すること。
- 高校授業料無償化と学校給食無償化の安定的な財源を確保すること。
- 物価高に対応した光熱費などの予算を確保すること。
教育予算を増やすことだけでなく、学校現場の人員不足や教職員の労働環境、家庭の教育費負担まで幅広く取り上げている点が特徴だ。
中道改革連合の再編後、10月29日に立憲民主党へ要請ただし、2026年の政党再編はその後も続いた。
中道改革連合は9月10日に党の解体方針を決定し、立憲系議員の新党結成や公明党出身議員の復党など、政治的な再編が進むことになった。したがって、6月の中道改革連合への要請を、11月現在の同党への継続的な推薦や支持と解釈することはできない。
その後、日教組が2026年10月29日に行ったのが、立憲民主党への政策要請と意見交換だ。
立憲民主党の公式発表によると、日教組は次のような課題を取り上げた。
- 教職員の長時間労働を是正するための業務削減。
- 教職員定数の改善。
- 教育予算の拡充。
- 少人数学級の推進。
- 高校の1人1台端末に関する保護者負担の軽減。
- 災害被災地における教職員やスクールカウンセラーなどの加配。
- 教育施設・設備の整備促進。
教育予算については、GDP比6%以上、政府予算総額の20%以上を確保することなどを要望した。
意見交換には、岸真紀子、小島とも子、熊谷裕人、郡山りょう、古賀千景、塩村あやか、高木真理、牧山ひろえ、三上えり、山内佳菜子、吉田忠智の各参議院議員らが出席した。
この10月29日の動きは、2026年11月時点で日教組と立憲民主党の政策的な接点が継続していることを示す、直近の具体的な事例である。
日教組が重視する2026年度の政策課題政党との関係を理解するうえでは、日教組が何を実現しようとしているのかも重要だ。
日教組が2026年1月に公表した年頭の発信では、改正給特法の一部施行を踏まえ、教職員の業務削減、定数改善、給特法の廃止・抜本的見直しを引き続き求める方針を示した。
また、公教育への資金についてGDP比6%以上、政府支出総額の20%以上という国際的な勧告を踏まえ、教育予算拡充を目指す取り組みも掲げている。
日教組の2026年度政策制度要求と提言も公開されており、教育福祉を軸に、子どもの学習権、教職員の待遇、教育環境など幅広い課題を扱っている。政党との関係は、こうした要求を実現するための政策交渉という側面からも見る必要がある。
【誤解を整理】日教組の政治活動・選挙支援と組合員個人の投票は別物
日教組の支持政党をめぐる議論では、組織としての政治活動と、組合員一人ひとりの政治的な意思を混同するケースがある。
ここは明確に区別しておきたい。
組織推薦とは何を意味するのか日政連推薦候補とは、教育政策を政治に反映させるため、日教組に関係する組織が支援する候補者のことだ。
推薦が決まると、組織として候補者を紹介したり、選挙に向けた支援活動を行ったりする。2025年参院選の水岡俊一、勝部賢志、小島智子の3人は、その代表例である。
しかし、組織として候補者を推薦することと、すべての組合員がその候補者に投票することは別の問題だ。
組合員にも個人としての政治的な判断があり、投票先は各有権者が自ら決める。組織の推薦実績だけから、組合員全員の投票行動を断定することはできない。
日教組は政党そのものではない日教組は教育政策や労働条件の改善を求める労働組合であり、立憲民主党や国民民主党と同じ意味での政党ではない。
日政連も、公式説明では教職員出身者や教育の推進を目指す議員の集まりとされている。議員の所属政党と日政連での活動を区別することが大切だ。
日教組と共産党の関係はどう理解すべきか日教組については、共産党との関係をめぐる議論もある。
しかし、2026年時点で日教組が公式に掲載している日政連の国会議員5人は、いずれも立憲民主党所属だ。1950年代の歴史研究でも、日政連推薦候補の所属先は複数の政党や無所属にまたがっていた。
少なくとも、日教組が共産党だけを支持する組織だと説明することは、現在の公式な議員構成や歴史的な経緯と一致しない。
また、連合が立憲民主党と国民民主党を連携政党としていることも、日教組の選挙支援を理解するうえで重要な背景となる。
日教組の政治活動を正しく判断するなら、次の3点を分けて確認することが有効だ。
- 日教組中央組織が正式に推薦・支援を決めた候補者は誰か。
- 日政連議員が現在どの政党に所属しているか。
- 地方教職員組合が地域ごとにどの候補者を推薦しているか。
この3つを混同しなければ、日教組の政治的な立ち位置をより正確に理解できる。
【日教組支持政党に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:日教組が現在支持している政党は立憲民主党ですか?
A1:日政連の国会議員が全員立憲民主党所属であり、2025年参院選でも3人の候補者を支援したことから、立憲民主党との結びつきが最も強いと判断できる。ただし、日教組の政治活動すべてを立憲民主党だけへの支持と捉えるのは正確ではない。
Q2:日教組は国民民主党も支持しているのですか?
A2:全国組織の日教組が国民民主党を一律に推薦しているということではない。一方、日教組が加盟する連合は国民民主党を連携政党と位置づけている。また、静岡県教職員組合は2025年に榛葉賀津也氏の推薦に向けた手続きを進める方針を示した。
Q3:2025年参議院選挙で日教組が推薦した候補者は誰ですか?
A3:比例代表の水岡俊一、北海道選挙区の勝部賢志、三重県選挙区の小島智子の3人だ。いずれも日政連推薦候補として支援され、全員が当選した。
Q4:日教組の組合員は全員、推薦候補に投票するのですか?
A4:そうとは限らない。組織推薦は組合として候補者を支援する方針であり、個々の組合員の投票先を意味するものではない。投票は有権者個人の判断によって行われる。
2026年11月2日時点で、日教組の政治的な結びつきを示す最も分かりやすい事実は、日政連所属の国会議員5人が全員立憲民主党所属であることだ。
2025年参院選では水岡俊一、勝部賢志、小島智子の3人が当選し、2026年10月29日にも日教組は立憲民主党に教育予算や教職員定数の改善を要請した。立憲民主党との関係が現在も強いことは、具体的な選挙実績と政策交渉から確認できる。
一方、国民民主党については、連合との政策連携や静岡県教職員組合の推薦方針など、異なるレベルでの接点がある。2026年の中道改革連合の結成と解体も、政治的な関係が固定されていないことを示している。
【プロの結論】日教組の支持政党を判断するときは、単純に政党名だけを見るのではなく、日教組中央の推薦決定、日政連議員の所属政党、連合の連携方針、地方組織の推薦実績を分けて考えるべきだ。
その基準で整理すれば、立憲民主党が日教組の政治活動における中心的なパートナーであることと、日教組が一つの政党だけを支持する組織ではないことの両方が理解できる。今後も2027年度教育予算の編成や教職員の働き方改革をめぐる各党との交渉が、日教組の政治活動を読み解く重要な判断材料になる。