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マーガリンのトランス脂肪酸は今も多い?2026年最新データと安全性を徹底解説

相沢 里奈 相沢 里奈 • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
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2026年現在、マーガリンのトランス脂肪酸は、かつて心配されていたほど多くありません。農林水産省の最新公表調査では、マーガリン100g当たりのトランス脂肪酸含有量は0.65g。2014年度の0.99gと比べて約34%減少しています。食品メーカーが製造方法を見直し、トランス脂肪酸を発生させにくい油脂加工技術へ移行してきたことが背景にあります。

一方、「0g」と表示された商品なら完全にゼロなのか、バターに替えれば健康的なのか、毎日食べても問題ないのかという疑問は残ります。食品安全委員会の健康評価、WHOの摂取目標、2022・2023年度の農林水産省調査、食品表示のルールを照らし合わせると、マーガリン選びで本当に見るべきポイントが分かります。

【2026年最新】マーガリンのトランス脂肪酸は今も多い?農林水産省の調査結果

マーガリントランス脂肪酸

最初に、最も気になるマーガリンのトランス脂肪酸含有量から確認します。

農林水産省が公表した令和4・5年度(2022・2023年度)の調査では、市販マーガリン60点を調べた結果、トランス脂肪酸の中央値は食品100g当たり0.65gでした。

ここで重要なのは、0.65gが平均値ではなく中央値であることです。調査対象商品の含有量には幅があり、実際の測定範囲は100g当たり0.33〜1.3gでした。

つまり、すべてのマーガリンに0.65g含まれているわけではなく、商品によって含有量が異なります。

2014年度から約34%減少した理由

農林水産省の資料によると、マーガリンのトランス脂肪酸含有量は次のように変化しています。



2014年度の調査結果

0.99g


食品100g当たり



約34%減少


2022年度の調査結果

0.65g


食品100g当たり・中央値

出典:農林水産省「令和6年度 食料・農業・農村白書」掲載データ。調査対象や試料の採取方法には違いがあります。

この減少の背景には、マーガリン製造に使用する油脂の加工方法の変化があります。

かつては、植物油を部分的に水素添加して固形化する製造方法が広く使われていました。しかし、この方法ではトランス脂肪酸が発生しやすいという問題がありました。

現在は、トランス脂肪酸の生成を抑えられる別の加工技術への移行が進んでいます。

2026年時点で最新の調査は?

2026年11月時点で、農林水産省が公表している最新の食品中トランス脂肪酸含有実態調査は、令和4・5年度の調査です。

この調査は2024年10月30日に公表されました。2026年の最新市場商品を直接測定した結果ではないため、0.65gをすべての現行商品に当てはめることはできません。

ただし、国内で流通する食品の含有量が過去の調査と比較して全体的に低下しているという傾向は、国の調査でも確認されています。

【調査データを比較】マーガリン・ファットスプレッド・ショートニングの含有量

マーガリンだけでなく、パンに塗るファットスプレッドや、お菓子の製造に使われるショートニングにもトランス脂肪酸が含まれる場合があります。

農林水産省の2022・2023年度調査を比較すると、次のようになります。

食品名 調査点数 トランス脂肪酸中央値 飽和脂肪酸中央値 マーガリン 60点 0.65g 30g ファットスプレッド 60点 0.48g 20g ショートニング 12点 0.61g 46g

単位:食品100g当たりのグラム数。いずれも農林水産省の令和4・5年度調査における中央値。各数値の範囲は、マーガリンのトランス脂肪酸0.33〜1.3g、ファットスプレッド0.20〜1.3g、ショートニング0.52〜0.86gです。

この結果から注目したいのは、ファットスプレッドの中央値がマーガリンより低いことです。

ただし、ファットスプレッドだから必ずトランス脂肪酸が少ないとは限りません。調査結果でも、両者の含有量の範囲は重なっています。

商品の種類だけで判断せず、実際の栄養成分情報を確認する必要があります。

【製造の仕組み】部分水素添加油脂はなぜトランス脂肪酸を発生させるのか

マーガリンのトランス脂肪酸を理解するためには、油脂の加工技術を知っておく必要があります。

部分水素添加油脂とは?

植物油は、一般的に常温で液体のものが多くあります。一方、マーガリンはパンに塗れるような適度な硬さや柔らかさを持たなければなりません。

そこで利用されてきたのが水素添加という技術です。

水素添加とは、油脂に含まれる不飽和脂肪酸の二重結合に水素を付加し、油脂の性質を変える加工方法です。

部分水素添加では、すべての二重結合が変化するわけではありません。この加工過程で、一部の不飽和脂肪酸の構造がシス型からトランス型へ変化することがあります。

これが、加工由来のトランス脂肪酸が発生する主な仕組みです。

現在はどのような技術が使われている?

現在のマーガリン製造では、部分水素添加に依存しない油脂加工方法が活用されています。

代表的なものは次の2つです。

- エステル交換: 油脂を構成する脂肪酸の結合位置を組み替え、融点や硬さなどの性質を調整する技術。
- 分別: 油脂を冷却して融点の違いを利用し、性質の異なる油脂成分を分離する技術。

こうした方法を組み合わせることで、トランス脂肪酸の生成を抑えながら、マーガリンに必要な塗りやすさや口どけを実現できます。

農林水産省も、食品事業者がエステル交換や分別などを活用し、従来よりトランス脂肪酸の少ない製品を開発していることを紹介しています。

なお、トランス脂肪酸を減らすために飽和脂肪酸が必ず増えるというわけではありません。

農林水産省の2022・2023年度調査では、トランス脂肪酸の低減に伴って飽和脂肪酸が増加するという明確な傾向は確認されず、全体として大きな変動は見られませんでした。

【健康への影響】食品安全委員会とWHOはマーガリンをどう評価している?

トランス脂肪酸について心配される最大の理由は、心血管系への影響です。

トランス脂肪酸を摂りすぎると何が起こる?

トランス脂肪酸を多く摂取すると、血液中の脂質バランスが悪化することが分かっています。

主な影響は次のとおりです。

- LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の増加
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)の減少
- 冠動脈性心疾患のリスク上昇

農林水産省が紹介する研究結果でも、トランス脂肪酸はLDLコレステロールを増やすだけでなく、HDLコレステロールを減らすことが示されています。

ただし、健康への影響は摂取量によって異なります。

食品安全委員会の2012年評価

食品安全委員会は、2012年3月8日に食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価を取りまとめました。

その評価の要点は、日本人の大多数のトランス脂肪酸摂取量がWHOの目標である総エネルギー摂取量の1%未満であり、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられる、というものです。

一方、脂質に偏った食事を続けている人については、摂取量に注意する必要があるとも指摘しています。

食品安全委員会の評価の要旨 日本人の大多数はWHOの勧告基準を下回っており、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられる。ただし、脂質に偏った食事をしている人は留意が必要。 出典:食品安全委員会「食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価」(2012年3月8日)

これはマーガリンを無制限に食べてよいという意味ではありません。

WHOのトランス脂肪酸摂取目標

WHO(世界保健機関)は、心血管疾患のリスクを低減するため、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えることを推奨しています。

1日2,000kcalを摂取する場合、目安は次のとおりです。


WHOの摂取目標(2,000kcalの場合)

2.2g未満/日


すべての食品から摂取するトランス脂肪酸の合計

この基準はマーガリンだけに適用されるものではありません。パン、菓子、揚げ物、肉・乳製品なども含めた総摂取量で考えます。

WHOの目標は2.2g未満ですが、これは積極的に摂取してよい量ではなく、超えないようにするための上限目標です。

また、日本の2025年版「日本人の食事摂取基準」では、トランス脂肪酸について独立した目標量は設定されていません。健康影響に関する報告が十分でないことなどが理由です。

【マーガリンとバター比較】トランス脂肪酸と飽和脂肪酸はどちらが多い?

「マーガリンは体に悪いからバターのほうが健康的」という考え方には注意が必要です。

両者は原料も脂肪酸の構成も異なります。



マーガリン

植物油脂を主原料とする加工食品。製造工程によってトランス脂肪酸が発生する場合があります。現在は低減技術が普及しています。


バター

牛乳由来の乳脂肪を主原料とする食品。飽和脂肪酸が多く、反すう動物由来の天然トランス脂肪酸も微量に含まれます。


ファットスプレッド

マーガリン類の一種。油脂含有率が80%未満で、マーガリンより水分が多い製品です。


飽和脂肪酸の含有量を比較

文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)増補2023年では、可食部100g当たりの飽和脂肪酸は次のようになっています。

食品 飽和脂肪酸
家庭用有塩マーガリン 23.04g
ファットスプレッド 20.4g
有塩バター 50.45g

この数値を見ると、標準的な食品成分データでは、バターの飽和脂肪酸はマーガリンのおよそ2.2倍です。

10g使用した場合に換算すると、マーガリンは約2.3g、バターは約5.0gとなります。

ただし、これは食品成分表に掲載された代表的な食品の数値であり、個々の商品によって異なります。

トランス脂肪酸だけならバターが安全?

必ずしもそうではありません。

バターにも天然由来のトランス脂肪酸が含まれています。トランス脂肪酸は加工食品だけに存在する成分ではありません。

また、農林水産省は、加工由来と天然由来のトランス脂肪酸について、健康への影響の違いを判断するための科学的情報は十分ではないと説明しています。

そのため、バターならトランス脂肪酸を気にしなくてよいという理解は正確ではありません。

バターは風味を重視したい人に適していますが、飽和脂肪酸を多く含みます。一方、マーガリンは商品によって脂肪酸の構成が異なり、飽和脂肪酸を抑えやすい選択肢になる場合があります。

どちらか一方を無条件に健康食品と判断するのではなく、脂肪酸の種類と摂取量を比較することが大切です。

【表示の落とし穴】マーガリンの0g表示基準と1日の摂取量

マーガリンを購入するときに気になるのが、パッケージに記載された「トランス脂肪酸0g」という表示です。

実は、日本では0gと表示できる基準が設けられています。

トランス脂肪酸0g表示は完全なゼロではない

消費者庁の「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」では、食品100g当たりのトランス脂肪酸含有量が0.3g未満であれば、0gと表示しても差し支えないとされています。

つまり、0g表示の商品でも、実際には微量のトランス脂肪酸が含まれている可能性があります。

表示・基準 内容
0g表示 100g当たり0.3g未満なら可能
実際の含有量 微量に含まれている場合がある
「含まない」などの強調表示 追加の飽和脂肪酸基準も必要

加えて、「トランス脂肪酸を含まない」という強調表示には、次の2条件が設けられています。

1. トランス脂肪酸が食品100g当たり0.3g未満であること。
2. 飽和脂肪酸が食品100g当たり1.5g未満、または食品の熱量に占める飽和脂肪酸由来のエネルギーが10%未満であること。

単純な0g表示と「含まない」という強調表示は、同じ意味ではありません。

日本ではトランス脂肪酸の表示義務がある?

2026年現在、日本ではトランス脂肪酸の含有量表示は義務化されていません。

消費者庁が自主的な情報開示の指針を設けており、食品事業者が任意で表示する仕組みになっています。

そのため、パッケージにトランス脂肪酸の数値が書かれていないからといって、含有量がゼロだと判断することはできません。

マーガリンの1日の摂取量は何gが適切?

マーガリンについて、国が定めた一律の1日推奨摂取量や上限量はありません。

農林水産省は、食パン1食当たりにマーガリンを10g塗るケースを例に計算しています。

100g当たり0.65gという調査結果を基にすると、

\[
0.65\times\frac{10}{100}=0.065\text{g}
\]

つまり、マーガリン10g当たりのトランス脂肪酸は約0.065gです。

農林水産省の試算では、これは総摂取エネルギーに占める割合で約0.03%に相当します。

ただし、これはマーガリン10gがすべての人にとっての推奨量という意味ではありません。

パンに塗る量だけでなく、菓子パン、クッキー、揚げ物、乳製品などからの摂取も考慮する必要があります。

【プロの結論】2026年にマーガリンを選ぶなら確認したい3つのポイント

2026年のマーガリン選びでは、昔の「マーガリンにはトランス脂肪酸が多い」というイメージだけで判断する必要はありません。

実際に確認したいのは、次の3つです。

1. トランス脂肪酸の含有量を確認する

まずは、メーカーが公開している栄養成分情報を確認します。

トランス脂肪酸の表示があれば、100g当たりなのか、1食当たりなのかを確認しましょう。

0g表示の場合は、完全に含まれていないことを意味するとは限らない点にも注意が必要です。

2. 飽和脂肪酸も比較する

トランス脂肪酸が少ない商品でも、飽和脂肪酸が多ければ脂質の摂取バランスに注意が必要です。

特にバターとの比較では、トランス脂肪酸だけでなく飽和脂肪酸の量も確認すると、より適切な判断ができます。

3. マーガリン以外の食品も含めて考える

トランス脂肪酸はマーガリンだけに含まれているわけではありません。

ショートニングを使用した焼き菓子、パン、揚げ物などにも含まれる場合があります。

毎日の食生活では、特定の食品だけを避けるよりも、脂質全体の摂取量や脂肪酸の種類を意識することが大切です。

農林水産省も、脂質を偏って摂取しないよう、栄養バランスのよい食事を推奨しています。

【マーガリンのトランス脂肪酸】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:マーガリンは毎日食べても健康に問題ありませんか?

A1:一般的な日本人の食生活では、トランス脂肪酸による健康への影響は小さいと食品安全委員会が評価しています。ただし、マーガリンの摂取量だけでなく、ほかの食品からの脂質摂取量も考慮する必要があります。

Q2:トランス脂肪酸0gのマーガリンなら完全にゼロですか?

A2:必ずしもそうではありません。日本では食品100g当たり0.3g未満であれば、0gと表示できるため、微量に含まれている可能性があります。

Q3:マーガリンとバターはどちらが健康的ですか?

A3:一概には決められません。一般的な食品成分表ではバターのほうが飽和脂肪酸を多く含みます。一方、マーガリンも商品によって脂肪酸の構成が異なるため、栄養成分表示を比較することが大切です。

Q4:ファットスプレッドはマーガリンより安全ですか?

A4:必ずしもそうではありません。ファットスプレッドは油脂含有率が80%未満という分類上の違いがあります。トランス脂肪酸の含有量は商品によって異なるため、個別の成分情報を確認してください。

Q5:日本ではトランス脂肪酸の表示が義務化されていますか?

A5:2026年現在、義務化されていません。消費者庁の指針に基づき、食品事業者が自主的に情報開示する仕組みです。

2026年現在、マーガリンのトランス脂肪酸含有量は、過去の調査と比べて大きく減少しています。

農林水産省の調査では、100g当たり0.65gとなり、2014年度の0.99gから約34%低下しました。これは、食品メーカーによる製造技術の改善が進んだ結果です。

食品安全委員会も、日本人の通常の食生活では健康への影響は小さいと評価しています。

ただし、トランス脂肪酸が少ないことだけで、食品全体の健康面が決まるわけではありません。

「0g」という表示の意味を理解し、飽和脂肪酸や脂質量も比較が必要です。

マーガリンかバターかという二者択一ではなく、商品ごとの成分と実際の摂取量で選ぶ。 これが、2026年の科学的な知見に基づいた、無理のない食生活の判断基準です。

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相沢 里奈

スポーツ報道8年。連盟の公式記録、試合結果、会見の書き起こしで数値と経歴を確認しています。

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