2026年11月現在、児童手当の第三子は月6万円に増額されたのでしょうか。結論からいうと、第3子以降の児童手当は月額3万円のままです。ただし、児童手当は偶数月に2か月分まとめて振り込まれるため、第三子1人分の支給額は通常、1回の振込につき6万円になります。この仕組みが「第三子は月6万円になった」という誤解を生む一因です。
一方、月額6万円という数字にも実際の政策的な背景があります。2022年には自民党が第三子以降への月最大6万円支給を提言していました。その後、政府が正式に制度化したのは月3万円です。2026年の最新制度、過去の6万円案の実現経緯、22歳年度末までの兄姉を含めた第3子の数え方、12月の支給日まで、家計に直結する情報を整理します。
【まず結論】児童手当の第三子は月6万円になった?2026年の現行額を解説

2026年11月現在、児童手当の第3子以降に適用される金額は、子ども1人につき月額3万円です。
こども家庭庁が公表している児童手当制度の案内でも、第3子以降は年齢にかかわらず月額3万円とされています。
では、なぜ月6万円という数字が広まっているのでしょうか。
理由は、2024年10月の制度改正によって、児童手当の支給回数が年3回から年6回に変更されたことです。
現在は2月・4月・6月・8月・10月・12月の偶数月に、それぞれ前月までの2か月分がまとめて支給されます。
つまり、月額3万円の第三子であれば、2か月分の計算は次のとおりです。
- 1か月分:3万円
- 2か月分:3万円×2か月=6万円
- 1年間:3万円×12か月=36万円
月額6万円と、2か月分をまとめた6万円は、まったく異なる意味です。
なお、第3子だけでなく第4子以降も、それぞれ月額3万円の対象になります。第3子と第4子の2人がともに支給対象なら、世帯全体では月額6万円、通常の2か月ごとの振込では12万円になります。
2026年の児童手当はいくらもらえる?現行制度の支給額は、子どもの年齢と出生順位によって異なります。
| 子どもの区分 | 第1子・第2子 | 第3子以降 |
|---|---|---|
| 3歳未満 | 月額15,000円 | 月額30,000円 |
| 3歳以上・高校生年代まで | 月額10,000円 | 月額30,000円 |
第3子以降は、3歳になる前も3歳を過ぎた後も月額3万円です。
第1子・第2子については3歳未満が1万5,000円、3歳以上が1万円となります。
また、2024年10月の改正では所得制限も撤廃されました。
以前は一定以上の所得がある世帯について、支給額が制限されたり、支給対象外になったりする仕組みがありましたが、現在は所得による一律の受給制限はありません。
ただし、児童を実際に養育していることなどの受給要件は引き続き適用されます。
【6万円案の実現経緯】自民党が提言した第三子月額6万円はどうなった?
第三子への月額6万円という数字は、単なるインターネット上の噂ではありません。
実際に、2022年5月11日、自民党の少子化対策調査会が岸田総理に提出した提言に、第三子以降への月最大6万円支給案が盛り込まれていました。
この提言では、子どもが2人以上いる世帯への支援拡充として、高所得世帯を除き、第2子に月最大3万円、第3子以降に月最大6万円を支給することが検討項目として示されました。
当時は新型コロナウイルス感染拡大による社会・経済への影響もあり、少子化への対応が政策課題となっていました。
ただし、これは自民党の政策提言であり、国会で成立した法律や、政府が決定した支給制度ではありません。
月6万円案から月3万円の現行制度までの流れその後の政策決定を時系列で整理すると、次のようになります。
| 時期 | 主体・出来事 | 制度上の意味 |
|---|---|---|
| 2022年5月11日 | 自民党少子化対策調査会が提言 | 第3子以降に月最大6万円、第2子に月最大3万円という案を提示 |
| 2023年12月22日 | 政府が「こども未来戦略」を閣議決定 | 第3子以降を月3万円とする方針を決定 |
| 2024年2月16日 | 政府が関連法案を国会提出 | 児童手当の抜本的拡充を法制化する手続きへ |
| 2024年6月12日 | 改正法公布 | 第3子以降の増額、所得制限撤廃などを法定化 |
| 2024年10月 | 新制度施行 | 第3子以降の月額3万円などの拡充を開始 |
| 2024年12月 | 拡充後の初回支給 | 10月・11月分をまとめて支給 |
| 2026年11月 | 現行制度 | 第3子以降は月額3万円を継続 |
2023年12月22日に閣議決定された「こども未来戦略」では、第三子以降の支給額を3万円に引き上げる方針が明確になりました。
その背景には、子どもが3人以上いる世帯の割合が減少していることや、多子世帯は経済的な支援を必要とする度合いが高いと考えられることがあります。
2024年5月30日の参議院内閣委員会でも、当時の加藤鮎子こども政策担当大臣が、第三子以降を3万円に増額する理由について説明しています。
その後、2024年6月12日に子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)が公布され、同年10月から制度が拡充されました。
重要なのは、2022年の月6万円案と、2024年に成立した月3万円の制度は、政策上の位置付けが違うという点です。
前者は提言段階の案、後者は法律に基づく実施済みの制度です。
2026年公開のこども家庭庁の資料でも、第3子以降の支給額は月3万円とされています。
したがって、2022年の提言がそのまま実現したわけではありません。
【第3子以降のカウント方法】22歳の大学生がいる家庭も対象になる?
児童手当で見落としやすいのが、第3子以降の数え方です。
子どもが3人いれば必ず第3子加算が適用される、という単純な仕組みではありません。
2024年10月の改正では、多子加算のカウント対象が従来の18歳年度末から22歳年度末までに延長されました。
この変更によって、大学生年代の子どもを育てている家庭にも、第3子加算が適用される可能性が広がっています。
22歳年度末までの兄姉は人数に含められる具体的には、次の2つの区分を理解する必要があります。
- 支給対象となる児童: 0歳から18歳に達した後、最初に迎える3月31日までの子ども。
- 第3子以降のカウントに含められる兄姉等: 18歳年度末を過ぎた後から22歳年度末までで、親などに経済的負担がある子ども。
つまり、19歳から22歳の子どもは、原則として児童手当そのものを受け取る対象ではありません。
しかし、一定の条件を満たしていれば、下の子どもたちの出生順位を数える際の人数に含められます。
具体例で見る第3子の判定例えば、次のような3人きょうだいを考えてみましょう。
- 第1子:20歳の大学生
- 第2子:16歳の高校生年代
- 第3子:10歳の小学生
この場合、親が20歳の第1子について、監護に相当する世話を行い、生計費の相当部分を負担していれば、3人全員をカウントできます。
その結果、10歳の子どもは第3子として扱われ、月額3万円の対象になります。
一方、20歳の子どもが経済的に独立しており、親が生活費や学費などを負担していない場合は、カウント対象から外れる可能性があります。
その場合、16歳の子どもが第1子、10歳の子どもが第2子となり、10歳の子どもに適用されるのは月額1万円です。
兄姉の年齢だけでなく、親が実際に養育・経済的支援を続けているかどうかが判定のポイントです。
【22歳年度末までの養育要件】大学生・就職した子ども・別居中でも対象?
22歳年度末までの子どもをカウントするためには、年齢だけでは足りません。
こども家庭庁が示す制度上の要件は、主に次の2点です。
1. 監護に相当する日常生活上の世話及び必要な保護を行っていること。
2. その子どもの生計費について相当部分を負担していること。
大学に通っているという事実だけで、自動的に対象になるわけではありません。
学費や生活費を負担しているかが判断材料具体的には、次のような経済的負担が考えられます。
- 大学生の授業料や入学金を親が支払っている。
- 一人暮らしをしている子どもに家賃を仕送りしている。
- 毎月の生活費や食費を負担している。
- 同居する子どもの食費や光熱費などを負担している。
別居していても、継続的な仕送りなどがあれば対象となる可能性があります。
また、大学生に限られる制度ではありません。専門学校に通っている子どもや、就職している子どもであっても、必要な条件を満たせばカウント対象となり得ます。
ただし、就職して収入を得ている場合には、本人の収入と親の経済的負担の状況を確認する必要があります。
22歳年度末を過ぎたらどうなる?22歳年度末を過ぎた子どもは、原則として第3子以降の人数を数える対象から外れます。
その結果、下の子どもの出生順位が変わる場合があります。
例えば、20歳の長子、16歳の次子、10歳の末子という家庭で、長子が22歳年度末を迎え、カウント対象から外れた場合、16歳の子どもが第1子、10歳の子どもが第2子になります。
この変化によって、末子の支給額が月3万円から月1万円に変わる可能性があります。
誕生日だけで判断せず、年度末のタイミングと養育状況の両方を確認することが大切です。
必要な書類は「監護相当・生計費の負担についての確認書」18歳年度末を過ぎた子どもを第3子以降のカウントに含める場合、市区町村への確認書の提出が必要になることがあります。
書類の正式名称は「監護相当・生計費の負担についての確認書」です。
この書類では、対象となる子どもについて、親が日常生活上の世話や必要な保護を行い、生計費を負担していることを申し立てます。
子どもが3人以上いる家庭で、18歳年度末以降22歳年度末までの子どもを含めて多子加算を受ける場合は、提出対象に該当するかを自治体に確認してください。
【2026年の支給日】第三子の6万円はいつ振り込まれる?
2026年の児童手当は、これまでと同じく偶数月に年6回支給されます。
第三子の月額3万円を2か月分まとめて受け取る場合、通常の支給額は6万円です。
2026年の支給対象月と振込月の対応は次のとおりです。
- 2月支給:2025年12月・2026年1月分
- 4月支給:2026年2月・3月分
- 6月支給:2026年4月・5月分
- 8月支給:2026年6月・7月分
- 10月支給:2026年8月・9月分
- 12月支給:2026年10月・11月分
2026年11月2日時点で、次回の定期支給は12月です。
この支給では、原則として10月分と11月分の2か月分が振り込まれます。
ただし、全国一律の振込日は設定されていません。
実際の支給日は自治体によって異なります。
例えば、2026年12月の支給予定日は次のように公表されています。
- 東京都小金井市:12月10日
- 北海道札幌市:12月11日
- 埼玉県和光市:12月15日
このように、同じ12月支給でも自治体によって日付が違います。
金融機関の休業日などによって前倒しされるケースもあるため、自分の自治体の公式案内で確認する必要があります。
なお、転入・転出・出生などによる個別の事情がある場合は、通常の定期支給日とは異なる振込になることもあります。
児童手当を受け取るための申請も忘れずに所得制限が撤廃されたからといって、申請が不要になったわけではありません。
出生や転入などによって新たに受給資格が生じた場合は、原則として申請が必要です。
こども家庭庁によると、出生の場合は出生日の翌日から15日以内に申請する必要があります。
月末近くに出生した場合でも、翌月になってから15日以内に申請すれば、一定の条件のもとで出生月の翌月分から受給できます。
申請が遅れると、原則として遅れた月分を受け取れなくなるため注意してください。
また、公務員の場合は原則として勤務先で手続きを行います。
18歳年度末以降の子どもの養育状況や生計費の負担状況が変わった場合も、自治体への届出が必要になることがあります。
【今後の実現見通し】第三子の月6万円は2026年以降に実現する?
第三子の月額6万円を望む家庭にとって、今後の制度改正は気になるところです。
しかし、2026年11月時点では、こども家庭庁の現行制度案内や2026年公開の政策資料において、第3子以降の支給額は月3万円とされています。
月6万円への増額について、施行日や具体的な支給開始時期が決定した制度は確認できません。
月6万円の実現には何が必要?児童手当の月額を3万円から6万円に引き上げる場合、単なる政策提言だけでは実際の支給額は変わりません。
少なくとも、次のような政策上の手続きが必要になります。
- 政府や与党による具体的な制度改正方針の提示。
- 増額に必要な財源と予算の確保。
- 児童手当法などの関連法令の改正。
- 支給開始時期や対象者、申請方法の決定。
2022年の自民党提言と2024年の制度改正を比較すると、政策案が実際の給付制度になるまでには、政府方針の決定と法整備が必要だったことが分かります。
月6万円案の実現を判断するためのチェックポイント今後の報道を見る際には、次の3つを区別すると制度の進展を正確に把握できます。
1. 政党の提言・公約
第三子への月6万円支給を掲げていても、まだ実施が決まったわけではありません。
2. 政府の正式方針
こども未来戦略のように、政府が閣議決定した政策は制度化に向けた重要な段階です。ただし、具体的な法改正や施行日も確認する必要があります。
3. 法律の成立・施行
実際の支給額を判断するうえで最も重要なのは、法律の改正内容と施行日です。
月6万円という数字がニュースやSNSに登場しても、それが提言なのか、政府決定なのか、法律で実施された制度なのかによって意味は大きく異なります。
2026年の現行制度では月3万円という基準を押さえたうえで、今後の正式発表を確認することが大切です。
【児童手当の第三子6万円実現】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:児童手当の第三子は本当に月6万円もらえますか?
A1:2026年11月現在、第三子以降の児童手当は月額3万円です。ただし、偶数月に2か月分がまとめて支給されるため、第三子1人分の通常の振込額は6万円になります。月額6万円への増額は実現していません。
Q2:児童手当の第三子が月6万円になるのはいつからですか?
A2:2026年11月時点で、月額6万円への引き上げは正式決定されておらず、開始時期も公表されていません。2022年5月には自民党が第三子以降への月最大6万円支給案を提言しましたが、実際に2024年10月から施行された制度は月額3万円です。
Q3:22歳の大学生がいる場合、下の子は第三子として月3万円をもらえますか?
A3:条件を満たせば対象になります。22歳年度末までの兄姉について、親などが監護に相当する日常生活上の世話を行い、生計費の相当部分を負担していることが必要です。大学生であることだけでは対象になりません。また、18歳年度末を過ぎた兄姉本人に児童手当が支給されるわけではなく、下の子の出生順位を数えるための仕組みです。
2026年11月現在、児童手当の第3子以降は月額3万円です。偶数月に2か月分が振り込まれるため、第三子1人につき通常6万円を受け取れます。
過去には2022年に自民党が月最大6万円の支給案を提言していましたが、2024年10月から実際に施行された制度は月額3万円でした。両者を混同しないことが大切です。
また、2024年の制度改正で大きく変わったのが、第3子以降のカウント方法です。22歳年度末までの兄姉について、親などが監護相当の世話と生計費の負担を続けていれば、下の子の出生順位に含められる可能性があります。
特に、大学生年代の子どもがいる3人きょうだいの家庭では、この要件を満たすかどうかで末子の支給額が月1万円と月3万円に分かれる場合があります。
家計への影響を正しく把握するためには、次の3点を確認しておきましょう。
- 第3子以降の現行月額は3万円であること。
- 22歳年度末までの兄姉をカウントできる養育・経済的負担の要件を満たしていること。
- 自治体の支給日と必要書類を確認し、申請・届出を忘れないこと。
月6万円への増額は今後の政策課題として注目されますが、家計の見通しを立てる際には、現行制度で確実に受け取れる金額を基準にが必要です。
主な根拠資料: こども家庭庁「児童手当制度のご案内」「児童手当Q&A」「こども未来戦略」、参議院の法案審議情報、TBS NEWS DIG(2022年5月11日)、2026年度の各自治体支給日公表資料。