パートやアルバイトとして働いている人でも、一定の条件を満たせば、育児休業中に「育児休業給付金」、いわゆる育休手当を受け取れます。正社員でなければ対象外というわけではありません。2026年11月現在、最も重要な判断基準は、雇用保険に加入していることと、育児休業開始前の2年間に一定の勤務実績が12か月以上あることです。
具体的には、原則として週20時間以上勤務し、31日以上の雇用見込みがあることが雇用保険の加入条件です。加えて、休業開始前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上、または就業時間数が80時間以上ある完全月が12か月以上必要になります。この記事では、厚生労働省の2026年8月改訂資料をもとに、受給資格の確認方法、支給額の計算、有期契約パートの取得条件、申請手順まで整理します。
【まず結論】パートでも育休手当はもらえる!育児休業と給付金の違いに注意

パート勤務でも育休手当は受給できます。ただし、ここで注意したいのが「育児休業を取得できること」と「育児休業給付金を受け取れること」は別の制度だという点です。
育児休業は育児・介護休業法に基づく休業制度であり、育児休業給付金は雇用保険から支給される経済的支援です。育休を取得できても、雇用保険の加入期間などが不足していれば、給付金は受け取れない場合があります。
パートにも育児休業を取得する権利がある厚生労働省の育児休業制度特設サイトによると、育児休業の対象は原則として1歳未満の子を養育する労働者です。正社員だけでなく、パート、アルバイト、契約社員なども対象に含まれます。
会社の就業規則に育児休業の規定がない場合でも、法律上の要件を満たしていれば、育児休業を申し出ることができます。会社がパートという雇用形態だけを理由に一律に拒否することはできません。
ただし、日々雇用される労働者は原則として対象外です。また、労使協定によって、継続雇用期間が1年未満の労働者や、週の所定労働日数が2日以下の労働者などが対象外とされている場合があります。
育児休業と育休手当の違い育児休業の取得条件を満たしていても、育児休業給付金の条件を満たすとは限りません。両者を分けて確認することが、受給資格を判断する第一歩です。
- 育児休業:育児・介護休業法に基づき、一定期間仕事を休める制度。
- 育児休業給付金:雇用保険の被保険者に対して、所定の条件を満たした場合に支給される給付金。
- 出産手当金:健康保険から産前産後休業中に支給される別の給付。育児休業給付金とは加入制度も対象期間も異なる。
例えば、週15時間勤務のパートでも育児休業を取得できる可能性はあります。しかし、2026年現在の雇用保険加入基準である週20時間以上を満たさなければ、原則として育児休業給付金の対象にはなりません。
つまり、育休を取得できるかどうかと、休業中にお金を受け取れるかどうかは、別々に確認する必要があります。
【2026年最新】パートが育休手当をもらえる条件は?雇用保険と12か月の勤務実績を確認
パートが育児休業給付金を受け取るためには、雇用保険への加入と、休業前の勤務実績という2つの大きな条件を満たす必要があります。
条件1:週20時間以上・31日以上の雇用見込みがある厚生労働省が示す2026年現在の雇用保険加入条件は、次の2点です。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること。
- 31日以上の雇用見込みがあること。
この2つの条件を満たす場合、原則として雇用保険の被保険者となります。パートやアルバイトという雇用形態であることや、本人が加入を希望しているかどうかは、基本的に関係ありません。
例えば、次のような働き方が判断の目安になります。
- 週5日、1日4時間勤務:週20時間のため加入対象となる可能性がある。
- 週4日、1日5時間勤務:週20時間のため加入対象となる可能性がある。
- 週3日、1日5時間勤務:週15時間のため原則対象外。
- 週2日、1日6時間勤務:週12時間のため原則対象外。
判断に使うのは、原則として実際の残業時間ではなく、労働契約で定められた所定労働時間です。シフト勤務の場合は、雇用契約書や労働条件通知書に記載された勤務条件を確認してください。
また、昼間学生など、雇用保険の適用対象から除外されるケースもあります。個別の適用については勤務先またはハローワークで確認する必要があります。
条件2:休業開始前2年間に12か月以上の勤務実績がある雇用保険に加入しているだけでは、育児休業給付金を受け取れるとは限りません。
原則として、育児休業開始日前2年間に、次のいずれかを満たす完全月が12か月以上必要です。
- 賃金支払基礎日数が11日以上ある月
- 11日以上の月が12か月に満たない場合、賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上ある月
ここで重要なのは、11日以上と80時間以上の両方を満たす必要はないということです。勤務日数が少なくても、賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上あれば、対象月として数えられる場合があります。
例えば、週3日勤務で1日7時間働くパートの場合、月の勤務日数が11日に届かない月があっても、勤務時間数が80時間以上であれば、その月が受給資格の判定に使える可能性があります。
なお、ここでいう完全月とは、育児休業開始日から単純に暦月で区切った1か月ではありません。雇用保険の被保険者期間の算定に従って確認します。賃金締切日や勤務実績によって判定が変わるため、給与明細だけで自己判断しないことが大切です。
勤務実績が12か月に足りなくても対象になる場合がある育児休業開始前の2年間に12か月の勤務実績がなくても、すぐに受給を諦める必要はありません。
厚生労働省のQ&Aでは、対象期間中に第1子の育児休業や本人の疾病などによって、引き続き30日以上賃金の支払いを受けられなかった期間がある場合、受給要件の判定期間が緩和されるケースを示しています。
通常の2年間だけでは12か月に届かない人は、休業歴や病気による休職期間などを含めてハローワークに確認することをおすすめします。
扶養内パートでも育休手当は受給できる?扶養内で働いているからといって、育児休業給付金を受け取れないわけではありません。
ここで混同しやすいのが、税法上の扶養、健康保険上の扶養、雇用保険の加入条件です。これらはそれぞれ異なる制度であり、扶養に入っているかどうかだけで育休手当の受給資格は決まりません。
例えば、配偶者の健康保険の扶養に入っていても、勤務条件が雇用保険の加入要件を満たし、休業前2年間の勤務実績が12か月以上あれば、育児休業給付金の対象となる可能性があります。
一方、年収が扶養の範囲内であっても、週の所定労働時間が20時間未満で雇用保険に加入していなければ、2026年現在は原則として育休手当を受け取れません。
扶養内パートの人は、年収だけで判断せず、雇用保険被保険者証や給与明細、労働条件通知書を確認が必要です。
育休手当の受給資格を判断する際には、雇用保険、育児休業制度、勤務実績、有期契約の条件を分けて考える必要があります。
厚生労働省の制度資料をもとに、それぞれの関係を整理しました。
| 確認する項目 | 主な条件・基準 | 判断できること |
|---|---|---|
| 雇用保険への加入 | 週20時間以上・31日以上の雇用見込み | 原則として雇用保険の被保険者になる |
| 育児休業の取得 | 原則1歳未満の子を養育する労働者。日々雇用は除外 | 法律上の育児休業を取得できるか |
| 勤務実績 | 休業開始前2年間に11日以上または80時間以上の完全月が12か月以上 | 育児休業給付金の受給資格があるか |
| 有期雇用パート | 子が1歳6か月に達する日までに契約が満了し、更新されないことが明らかでないこと | 育児休業を取得できるか |
| 育休中の勤務 | 月10日以下、または10日を超える場合は80時間以下 | 就業日数・時間に関する給付条件を満たすか |
| 育休手当の支給率 | 最初の180日間は67%、181日目以降は50% | 給付金のおおよその金額 |
| 2028年の制度改正 | 2028年10月から週10時間以上に拡大 | 雇用保険の加入対象が広がる |
契約期間が決まっているパートやアルバイトも、一定の条件を満たせば育児休業を取得できます。
2022年4月の法改正では、有期雇用労働者について、従来必要だった「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件が法律上廃止されました。
現在の基本的な判断基準は、育児休業を申し出た時点で、子が1歳6か月に達する日までに労働契約が満了し、更新されないことが明らかでないことです。
例えば、契約期間が半年ごとに更新されるパートでも、子が1歳6か月になるまで雇用が続く可能性があれば、育児休業の対象となる場合があります。
ただし、労使協定によって継続雇用1年未満の労働者などが対象外とされている場合は、別途確認が必要です。
また、育児休業給付金を受け取るには、有期雇用労働者についても雇用保険の加入条件と12か月の勤務実績などを満たす必要があります。育休取得の条件と給付金の条件を混同しないようにしましょう。
パートが育休手当をもらえない主なケースパート勤務で育児休業給付金を受け取れない代表的なケースは、次のとおりです。
- 週の所定労働時間が20時間未満で、雇用保険に加入していない。
- 31日以上の雇用見込みがなく、雇用保険の加入要件を満たさない。
- 休業開始前2年間に、対象となる勤務実績が12か月分ない。
- 育児休業を取得せず、通常どおり勤務を続けている。
- 有期雇用契約が子の1歳6か月到達前に終了し、更新されないことが明らかである。
- 育児休業中の勤務日数や賃金が支給要件を超えている。
特に注意したいのは、勤務実績が不足している場合です。育児休業そのものは取得できても、雇用保険の加入期間が不足していれば給付金が支給されないことがあります。
反対に、会社から「パートだから育休は取れない」と説明された場合も、その説明だけで諦める必要はありません。労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できるケースがあります。
【いくらもらえる?】パートの育休手当の計算方法と67%・50%の支給率
育児休業給付金の金額は、育児休業開始前の賃金を基準に計算します。パートの場合も正社員と基本的な計算方法は同じですが、勤務日数や勤務時間が変動する場合は、休業前6か月の賃金によって支給額が変わります。
育休手当の基本的な計算式育児休業給付金の基本的な計算式は次のとおりです。
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 支給率 = 育児休業給付金
休業開始時賃金日額は、原則として育児休業開始前の直近6か月間の賃金総額を180日で割って算出します。賞与など、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は原則として算定対象外です。
産前産後休業から続けて育児休業を取得する女性の場合は、原則として産前産後休業を開始する前の賃金が算定対象になります。
支給率は、育児休業給付金の支給日数によって変わります。
- 育児休業開始から180日目まで:67%
- 181日目以降:50%
この180日という基準は、正社員かパートかによって変わるものではありません。
月収別の育休手当シミュレーション休業開始前6か月の平均月額賃金が一定で、1か月30日として計算した場合の目安を紹介します。
- 平均月収10万円:最初の180日間は約6万7,000円、181日目以降は約5万円。
- 平均月収15万円:最初の180日間は約10万500円、181日目以降は約7万5,000円。
- 平均月収20万円:最初の180日間は約13万4,000円、181日目以降は約10万円。
例えば、休業前の平均月収が15万円のパートなら、最初の6か月は月額約10万500円、その後は月額約7万5,000円が基本的な目安です。
ただし、実際の支給額は賃金日額の計算、支給対象日数、会社から支払われた賃金、支給上限額などによって変わります。
2026年8月からの育休手当の支給上限額2026年8月1日から2027年7月31日までの育児休業給付金の支給上限額は、次のとおりです。
- 支給率67%の場合:月額332,454円
- 支給率50%の場合:月額248,100円
パート勤務の場合、平均賃金がこの上限に達しないケースも多く、実際には休業前の給与額に応じた金額が支給されます。
また、育児休業給付金は非課税です。育児休業中に健康保険・厚生年金保険の加入者が所定の要件を満たして社会保険料の免除を受ける場合、給付金の非課税扱いと合わせて、休業前の手取り収入との差が額面の支給率ほど大きくならない場合があります。
2025年4月から始まった出生後休業支援給付金も対象になる?2026年に育休を取得する人が知っておきたいのが、2025年4月1日に始まった「出生後休業支援給付金」です。
これは、子どもの出生直後に両親が一定期間育児休業を取得するなどの条件を満たした場合、従来の育児休業給付金に加えて支給される制度です。
主な支給内容は次のとおりです。
- 本人が対象期間に通算14日以上の育児休業を取得すること。
- 原則として配偶者も対象期間内に通算14日以上の育児休業を取得すること。
- 追加の給付率は13%。
- 支給対象は最大28日間。
育児休業給付金の67%と合わせると、最大で80%相当の給付になります。育児休業中の社会保険料免除や給付金の非課税扱いも考慮すると、手取り収入では休業前の約10割相当になる仕組みです。
配偶者が無業者である場合など、配偶者の育休取得を要件としない例外も設けられています。パート勤務でも、通常の育児休業給付金の受給資格を満たしていれば、追加給付の対象になる可能性があります。
【育休中にパート勤務はできる?】月10日・80時間の基準と給付金の減額条件
育児休業中に少しだけ仕事を手伝いたい、勤務先から短時間の応援を頼まれたというケースもあります。
育児休業中の就労は原則として想定されていませんが、労使の話し合いによって、子どもの養育をする必要がない期間に限り、一時的・臨時的に働くことは認められています。
育休中の勤務は10日以下、または80時間以下が基準育児休業給付金では、支給単位期間ごとの就業日数・時間数について、次の基準が設けられています。
- 就業日数が10日以下であること。
- 就業日数が10日を超える場合は、就業時間が80時間以下であること。
つまり、10日以内の勤務であれば日数基準を満たし、11日以上働いた場合でも合計80時間以内なら、就業日数・時間数の条件を満たす可能性があります。
ただし、これは無条件に勤務してよいという意味ではありません。育児休業は本来、育児のために労務提供義務を免除する制度です。恒常的・定期的な勤務を続けている場合は、育児休業の実態がないと判断される可能性があります。
また、就労は労働者本人が事業主の求めに応じて合意する必要があり、会社が一方的に勤務を命じることはできません。
育休中に給与が支払われると手当は減る?育児休業中に会社から賃金が支払われた場合、就業日数・時間数の条件を満たしていても、育児休業給付金が減額されることがあります。
支給額の調整基準は、育児休業開始から180日目までと181日目以降で異なります。
- 最初の180日間:休業前賃金の13%以下の賃金なら、原則として67%の給付を支給。
- 181日目以降:休業前賃金の30%以下の賃金なら、原則として50%の給付を支給。
- 賃金が休業前賃金の80%未満:基準を超えた賃金額に応じて給付金が減額される。
- 賃金が休業前賃金の80%以上:育児休業給付金は支給されない。
例えば、休業前の賃金月額が15万円の場合、最初の180日間は月額1万9,500円を超える賃金が支払われると、原則として給付額の調整が始まります。
育休中に勤務をする予定がある場合は、勤務日数だけでなく、支払われる給与額も事前に確認しておきましょう。
【申請方法を解説】パートの育休手当はハローワークでどう手続きする?
育児休業給付金の申請先は、勤務先の所在地を管轄するハローワークです。通常は勤務先の事業主を通じて申請します。
申請の基本的な流れ手続きは、大きく分けて次の流れで進みます。
- 勤務先に育児休業を申し出る。 原則として休業開始予定日の1か月前までに申し出ます。
- 雇用保険の加入状況と受給資格を確認する。 休業前2年間の勤務実績や賃金支払基礎日数を確認します。
- 勤務先が必要書類を準備する。 賃金台帳、出勤簿、タイムカードなどを用意します。
- ハローワークに受給資格確認と支給申請を行う。 原則として事業主経由で提出します。
- 支給決定後、指定口座に給付金が振り込まれる。 支給決定後は、通常おおむね1週間程度で入金されます。
なお、会社を経由した申請が原則ですが、本人が希望すれば本人による申請も可能です。勤務先が手続きを進めてくれない場合は、ハローワークに相談してください。
育休手当の申請に必要な書類初回申請では、主に次の書類が必要になります。
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
- 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
- 賃金台帳
- 出勤簿またはタイムカード
- 母子健康手帳の写しなど、子どもの出生や養育を確認できる書類
- 振込先口座を確認できる書類(新たに口座を登録する場合など)
実際に必要となる書類は、申請内容や過去の給付歴によって異なります。勤務先の担当者とハローワークの案内に従って準備してください。
初回申請の期限は育休開始から4か月を経過する月の末日初回の育児休業給付金は、育児休業開始日から2か月が経過した後に申請できます。
受給資格の確認と初回の支給申請を同時に行う場合は、原則として育児休業開始日から4か月を経過する日の属する月の末日までに提出する必要があります。
例えば、育児休業開始日が7月10日なら、4か月を経過する日は11月9日となるため、初回申請の提出期限は11月30日です。
初回以降の申請は、原則として2か月ごとに行われます。申請期限や提出状況については、勤務先の人事・労務担当者に確認しておくと安心です。
2028年10月から雇用保険の加入条件が週10時間以上に拡大2026年現在、パートの雇用保険加入条件は週20時間以上ですが、今後は制度が変わります。
2024年に成立した改正雇用保険法により、2028年10月1日から、雇用保険の加入対象となる週所定労働時間が20時間以上から10時間以上に引き下げられます。
この改正によって、これまで週10時間以上20時間未満で働いていたパートやアルバイトも、雇用保険の対象になる範囲が広がります。雇用保険の適用拡大に伴い、育児休業等給付も新たに被保険者となる人に支給対象を広げる方針が示されています。
ただし、雇用保険に加入できることと、育児休業給付金を受給できることは別の判定です。2026年現在の育児休業給付金では、休業開始前2年間の12か月の勤務実績も必要です。2028年の制度変更を見越して勤務時間を調整する場合は、加入条件だけでなく給付側の要件も確認してください。
週10時間以上の短時間勤務を続けている人にとっては、雇用保険の加入機会が広がる大きな改正です。今後、対象となる人は勤務先に加入手続きについて確認しておくとよいでしょう。
【プロの結論】パートの育休手当で損をしないために確認すべき3つのポイント
パートの育休手当で最も大切なのは、雇用形態や年収だけで判断しないことです。実際の受給資格は、雇用保険の加入状況、休業前の勤務実績、契約期間の3つを組み合わせて判断します。
1. 最初に雇用保険の加入状況を確認する週20時間以上働いていても、会社が雇用保険の加入手続きをしていない場合があります。労働条件通知書や給与明細を確認し、雇用保険料が控除されているか、雇用保険被保険者資格を取得しているかを確認してください。
加入要件を満たしているにもかかわらず加入手続きが行われていない場合は、ハローワークに相談することができます。
2. 勤務日数だけでなく80時間の基準も調べるシフト制のパートでは、月によって勤務日数が変わります。11日未満の月があるからといって、必ずしもその月が受給資格の判定から外れるわけではありません。
賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上あれば対象月として数えられる可能性があります。出勤簿やタイムカードを確認し、2年間の勤務実績を整理しておきましょう。
3. 育休の取得条件と給付金の条件を別々に確認する有期雇用パートの場合は、契約更新の見込みが育児休業の取得に影響します。一方、給付金には雇用保険の加入期間や勤務実績という別の条件があります。
会社から育休を認められたとしても、給付金が自動的に支給されるわけではありません。育休の申出と同時に、給付金の受給資格も確認しておくことが重要です。
パート勤務の人が育休取得を検討する際には、勤務先だけでなく、必要に応じてハローワークや都道府県労働局にも相談することで、制度の取りこぼしを防ぎやすくなります。
パートの育休手当に関するよくある質問(FAQ)
Q1:週20時間未満のパートでも育休手当はもらえますか?
A1:2026年現在、週20時間未満で雇用保険に加入していない場合は、原則として育児休業給付金を受け取れません。ただし、2028年10月1日からは週10時間以上に加入対象が拡大される予定です。
Q2:扶養内で働いているパートでも育休手当をもらえますか?
A2:受給できる可能性があります。扶養内かどうかだけで決まるのではなく、雇用保険への加入状況と休業開始前2年間の勤務実績が重要です。週20時間以上・31日以上の雇用見込みがあり、12か月の勤務実績などを満たせば対象になる可能性があります。
Q3:育休前の勤務日数が月11日未満でも受給できますか?
A3:可能性があります。賃金支払基礎日数が11日未満でも、賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上であれば、対象月として認められる場合があります。2年間で合計12か月以上あるかを確認してください。
Q4:育休中にパートとして少し働いても手当はもらえますか?
A4:一定の条件下で可能です。支給単位期間ごとの勤務が10日以下、または10日を超える場合でも80時間以下であることなどが必要です。また、勤務によって給与が支払われると給付金が減額される場合があります。
Q5:パートの育休手当はいつ振り込まれますか?
A5:初回申請は育児休業開始から2か月経過後に可能です。ハローワークの支給決定後、通常はおおむね1週間程度で振り込まれます。勤務先の申請時期や審査状況によって実際の入金日は変わります。
Q6:有期契約のパートでも育児休業を取得できますか?
A6:取得できる場合があります。申出時点で、子が1歳6か月に達する日までに契約が満了し、更新されないことが明らかでないことが基本条件です。労使協定による対象外規定についても確認が必要です。
2026年現在、パートやアルバイトでも、雇用保険の加入条件と育児休業給付金の支給要件を満たせば、育休手当を受け取れます。
重要なのは、次の3点です。
- 雇用保険:原則として週20時間以上、31日以上の雇用見込みが必要。
- 勤務実績:休業開始前2年間に、11日以上または80時間以上の完全月が12か月以上必要。
- 支給額:最初の180日間は休業前賃金の67%、181日目以降は50%。
扶養内パートや有期契約のパートであっても、条件次第で育児休業と給付金の両方を利用できます。反対に、育児休業を取得できても、雇用保険の加入期間が足りなければ給付金を受け取れない場合があります。
加えて、2028年10月には雇用保険の加入対象が週10時間以上に拡大されます。短時間勤務のパートにとって、育児休業中の経済的支援を受ける機会が広がる制度改正です。
育休手当を受け取れるかどうかは、年収や雇用形態だけでは判断できません。まずは勤務先に雇用保険の加入状況を確認し、過去2年間の出勤日数と勤務時間を整理したうえで、ハローワークに受給資格を確認することが、育休中の家計を守るための確実な第一歩です。