71人リストを検証するうえで、比較的確実な資料が自民党公式サイトに掲載された石破茂氏の推薦人名簿です。
2024年9月の総裁選では、候補者の届出に20人の国会議員による推薦が必要でした。石破氏の推薦人は、衆議院議員16人、参議院議員4人の合計20人です。
自民党の候補者紹介ページには、推薦人代表の岩屋毅氏や選挙責任者の青木一彦氏を含め、次の人物が掲載されています。
衆議院議員(16人)
- 岩屋毅
- 赤澤亮正
- 泉田裕彦
- 伊東良孝
- 小里泰弘
- 門山宏哲
- 平将明
- 橘慶一郎
- 田所嘉徳
- 谷公一
- 冨樫博之
- 長島昭久
- 細野豪志
- 村上誠一郎
- 八木哲也
- 保岡宏武
参議院議員(4人)
- 青木一彦
- 藤井一博
- 舞立昇治
- 山田俊男
この20人は、石破氏の総裁選への立候補を推薦したことが公式に確認できる議員です。
しかし、推薦人名簿をそのまま決選投票の投票者名簿として扱うことはできません。推薦人という立場は立候補を支えた事実を示しますが、個人の投票用紙の内容を証明するものではないからです。
また、決選投票では1回目に別の候補者を支持した議員が石破氏に投票した事例もあります。推薦人20人と、報道などで判明した支持者71人を単純に足し合わせることも適切ではありません。
【決選投票の経緯と結果】なぜ石破氏は189票を獲得できたのか

2024年9月27日の総裁選は、過去最多となる9人が立候補した選挙でした。
1回目の投票では高市氏が181票、石破氏が154票を獲得しました。高市氏は党員算定票で109票を得て首位に立ち、石破氏も108票とほぼ並びました。一方、議員票では高市氏72票、石破氏46票と差がありました。
しかし、過半数を獲得した候補者がいなかったため、上位2人による決選投票に進みます。
1回目と決選投票の得票数を比較- 高市早苗氏:181票から194票へ
- 石破茂氏:154票から215票へ
決選投票では、石破氏が議員票を大きく伸ばしました。議員票は1回目の46票から決選投票の189票へと増加しています。
ただし、この143票の増加を、そのまま特定の候補者から移動した票と解釈することはできません。1回目で敗退した7候補の支持者が、それぞれどのように投票したかは、議員ごとに異なるためです。
注目すべきは小泉陣営などからの支持移動決選投票での投票先を公表した議員を見ると、興味深い動きがあります。
三原じゅん子氏や長谷川淳二氏は、1回目では小泉進次郎氏を支援しながら、決選投票では石破氏を選びました。
この事実から分かるのは、1回目に誰を支持したかだけでは、決選投票で誰に投票したかを完全には判断できないということです。
決選投票では、候補者の政策や党運営の方向性、選挙後の党内体制などを考慮して、改めて判断する議員がいたと考えられます。
また、2024年の総裁選は、政治資金問題を受けた派閥解消後の選挙でした。従来の派閥単位の動向だけでは説明しきれない投票行動が表れた点も見逃せません。
2026年現在の石破氏と高市氏の立場2026年の状況を考える際には、2024年の総裁選と現在の党内情勢を分けて考える必要があります。
石破氏は2024年10月1日に第28代自民党総裁に就任しましたが、2025年10月4日に総裁の座を退きました。同日、高市早苗氏が第29代総裁に選出されています。
加えて、首相官邸の歴代内閣記録では、高市氏は2026年2月18日から第105代内閣総理大臣を務めています。
つまり、2024年の決選投票で石破氏に投票した議員が、2026年現在も石破氏と同じ政治的立場を取っているとは限りません。総裁選での一度の投票と、その後の党内人事や政策への賛否は別の問題です。
【プロの結論】189人リストを見るときに間違えてはいけない4つのポイント
石破氏に投票した189人の名前を調べる場合、情報の信頼性は次の4段階で判断できます。
1. 公式発表された得票数
最も確実なのは、自民党が発表した189票と173票という数字です。候補者別の集計結果であり、選挙結果の基本資料になります。
2. 本人が明らかにした投票先
議員本人が記者会見や取材で投票先を明らかにした場合、その発言を根拠として扱えます。三原じゅん子氏や門山宏哲氏などが具体例です。
3. 報道機関による取材結果
地方紙やテレビ局が選挙当日に議員へ直接取材した結果も、有力な判断材料です。愛媛県や静岡県の議員については、地元メディアが投票先を具体的に報じています。
4. 推薦人・旧派閥・人間関係からの推定
石破氏の推薦人だったことや、旧石破派に所属していたことは、政治的な関係を理解する材料にはなります。しかし、それだけで決選投票の投票先まで確定することはできません。
特に注意したいのは、ネット上の一覧にある「確実」「ほぼ確実」「推定」という表現です。根拠が本人の発言なのか、報道機関の取材なのか、第三者の見立てなのかによって、情報の意味は大きく変わります。
政治家の投票行動を検証するなら、名前の数よりも、誰がいつ、どの媒体で、どのような根拠を示したのかを見ることが大切です。
【石破に投票した議員189人のリスト】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:石破茂氏に投票した議員189人の公式名簿はありますか?
A1:2026年11月現在、個人別の投票先を記載した自民党公式名簿は確認されていません。公式に公表されているのは、石破氏189票、高市氏173票という候補者別の集計結果です。
Q2:石破投票議員71人リストに掲載された名前は全員確定ですか?
A2:全員が確定したとはいえません。2024年10月のSmart FLASHが71人の名前を記載した資料の存在を報じていますが、本人の公表、報道による確認、その他の情報が混在しています。公式名簿とは区別する必要があります。
Q3:石破茂氏の推薦人20人は全員、決選投票でも石破氏に投票したのですか?
A3:推薦人であることだけでは、決選投票の投票先を証明できません。推薦人名簿は公式に公表されていますが、決選投票は無記名投票です。両者を同じ名簿として扱うことはできません。
Q4:高市早苗氏に投票した議員は173人で確定していますか?
A4:はい。2024年9月27日の決選投票における高市氏の議員票は173票です。都道府県票21票を加えた総得票数は194票でした。
Q5:2026年現在も石破氏を支持する議員は誰ですか?
A5:2024年の決選投票で石破氏に投票したという事実だけでは、2026年現在の政治的な支持関係までは判断できません。その後の発言、党内人事、政策への賛否などを別途確認する必要があります。
2024年9月27日の自民党総裁選決選投票で、石破茂氏が獲得した議員票は189票、高市早苗氏は173票でした。この数字は自民党の公式記録で確認できます。
一方、189人全員の個人別投票先を記載した公式名簿は公表されていません。71人リストは2024年に報道された資料であり、後年にも公開情報をもとにした民間の一覧が作られています。
実際に投票先が報道で確認できる議員には、三原じゅん子氏、門山宏哲氏、村上誠一郎氏、井原巧氏、長谷川淳二氏、上川陽子氏、細野豪志氏、牧野京夫氏などがいます。
今回の総裁選で見えてきたのは、推薦人や旧派閥だけでは説明できない議員の判断と、決選投票における支持の広がりです。
「189票」は確定した選挙結果、「71人」は報道された資料上の人数、個別の氏名は本人発言や取材によって確認できる範囲に限られる。 この3つを区別することが、石破支持議員の実態を正しく理解するための最も重要な判断基準です。