非正規雇用は、日本の雇用市場でどれほどの割合を占め、正規雇用と何が違うのか。総務省統計局が2026年10月30日に公表した最新の労働力調査によると、2026年9月の非正規の職員・従業員は2,138万人。役員を除く雇用者に占める割合は36.1%に達した。およそ3人に1人以上が非正規という状況だ。
一方、非正規雇用のすべてが不本意な働き方というわけではない。希望する時間に働きたい人がいる一方、正社員の仕事が見つからず非正規で働く人もいる。さらに2026年10月1日には、同一労働同一賃金に関する省令・ガイドラインが改正され、待遇差の説明や雇用管理のルールが変わった。最新統計、雇用形態ごとの違い、賃金格差、社会保険、制度改正を整理する。
【基礎知識】非正規雇用とは何か?正規雇用との違いを解説

非正規雇用とは、一般に正社員以外の雇用形態で働くことを指す。代表的なものはパート、アルバイト、契約社員、派遣社員、嘱託社員などだ。
ただし、労働関係法令において「正規雇用」「非正規雇用」という言葉に統一された一律の定義があるわけではない。一般的には、次の3つの条件を満たす働き方が正規雇用の基本的な形とされる。
- 雇用期間の定めがない無期雇用であること。
- 所定労働時間がフルタイムであること。
- 勤務先に直接雇用されていること。
このうち、雇用期間、労働時間、雇用主のいずれかが異なる働き方などが、一般的に非正規雇用として整理される。
正規雇用と非正規雇用は何が違うのか両者の違いは、単に勤務時間や給与だけではない。雇用契約の継続性、賃金制度、昇進機会、教育訓練、福利厚生などにも影響する。
正社員は一般的に無期雇用で、長期的な人材育成や昇進を前提とした賃金体系が採用されることが多い。一方、非正規雇用では、契約期間や勤務時間、担当業務が限定されるケースがあり、時給制や契約期間に応じた給与体系が採用されることもある。
ただし、非正規雇用だから必ず有期契約になるわけではない。無期雇用の派遣社員や、フルタイムで働く契約社員も存在する。雇用形態の名称だけで待遇や安定性を判断することはできない。
非正規雇用は法律上どのように扱われる?非正規雇用に関係する主な法律は、パートタイム・有期雇用労働法と労働者派遣法だ。
パートタイム・有期雇用労働法は、短時間労働者や有期雇用労働者の雇用管理を改善し、公正な待遇を確保するための法律である。パートやアルバイトという名称だけでなく、契約社員や嘱託社員でも法律上の要件に該当すれば対象となる。
労働者派遣法は、派遣元企業と派遣先企業、派遣労働者の関係を規律する。派遣社員の場合、雇用契約を結ぶ相手は派遣会社であり、実際の就業先では派遣先企業の指揮命令を受けて働くという特徴がある。
【2026年最新統計】非正規雇用の割合は36.1%、人数は2,138万人
2026年11月3日時点で確認できる最新の月次データは、総務省統計局が10月30日に発表した2026年9月分の労働力調査である。
この調査では、役員を除く雇用者5,922万人のうち、正規の職員・従業員が3,783万人、非正規の職員・従業員が2,138万人だった。非正規の割合は36.1%で、前年同月から0.4ポイント上昇している。
2026年9月の雇用形態別データ- 役員を除く雇用者:5,922万人
- 正規の職員・従業員:3,783万人
- 非正規の職員・従業員:2,138万人
- 非正規雇用の割合:36.1%
- 非正規雇用者の前年同月比:47万人増
非正規雇用者数は前年同月比で2.2%増加し、6か月連続の増加となった。一方、正規雇用者も23万人増加し、35か月連続の増加を記録している。
つまり、正社員が減って非正規雇用に置き換わっているという単純な構図ではない。正規・非正規の双方で雇用が増えるなか、非正規の増加幅も大きくなっている。
2025年平均と比較すると見える変化2025年平均では、非正規の職員・従業員は2,128万人で、役員を除く雇用者に占める割合は36.5%だった。前年から2万人増加したものの、割合は0.3ポイント低下している。
正規雇用者は3,708万人で前年から54万人増加した。非正規雇用者の人数が増えていることと、雇用者全体に占める割合が低下していることは、必ずしも矛盾しない。正規雇用の増加幅が大きければ、非正規の人数が増えても構成比は下がるためだ。
非正規雇用の内訳はどうなっている?2026年9月の労働力調査では、非正規雇用者2,138万人の内訳は次のとおりとなっている。
- パート:1,030万人
- アルバイト:494万人
- 労働者派遣事業所の派遣社員:154万人
- 契約社員:280万人
- 嘱託:98万人
- その他:82万人
最も多いのはパートで、全体の半数近くを占める。次いでアルバイト、契約社員と続く。非正規雇用と一口にいっても、実際には雇用契約や勤務時間、働く目的が異なる人々で構成されている。
なお、総務省の労働力調査における雇用形態は、基本的に勤め先での呼称に基づく分類である。法律上の契約期間や労働時間だけで分類した数字ではない点にも注意したい。
【雇用形態を比較】パート・アルバイト・契約社員・派遣社員の違い
非正規雇用を理解するうえで重要なのが、4つの代表的な働き方の違いだ。求人情報では似たような仕事が掲載されていても、雇用主や契約期間、勤務条件は異なる。
| 雇用形態 | 雇用主・契約の特徴 | 主な働き方 | 確認すべきポイント |
|---|---|---|---|
| パート | 勤務先企業と直接雇用契約を結ぶ | 通常の労働者より短い所定労働時間で働く形が代表的 | 勤務日数、週の労働時間、社会保険加入条件 |
| アルバイト | 勤務先企業と直接雇用契約を結ぶ | 学生や副業希望者など、幅広い人が働く | 契約期間、シフト、時給、更新条件 |
| 契約社員 | 勤務先企業と直接雇用契約を結び、有期契約である場合が多い | フルタイムや短時間勤務など、契約によって異なる | 契約期間、更新基準、更新上限、無期転換 |
| 派遣社員 | 派遣会社と雇用契約を結ぶ | 派遣先企業で指揮命令を受けて働く | 派遣期間、派遣元の福利厚生、待遇決定方式 |
実は、パートとアルバイトには、法律上明確に区別された統一的な定義があるわけではない。どちらも勤務先での呼称として使われることが多く、企業によって使い分けが異なる。
パートタイム・有期雇用労働法では、通常の労働者より1週間の所定労働時間が短い人を短時間労働者として扱う。呼び方がアルバイトでも、この要件を満たせば法律の対象となる。
契約社員は必ず期間限定の仕事なのか契約社員は、一般的に契約期間を定めて直接雇用される労働者を指す。契約期間が満了すれば、原則として契約は終了するが、双方の合意や契約条件によって更新される場合もある。
契約更新の可能性、更新回数の上限、更新判断の基準は、求人票や労働条件通知書で確認しておきたい。また、有期労働契約が通算5年を超えて更新された場合には、一定の条件のもとで無期転換を申し込める制度がある。
派遣社員は誰に雇用されている?派遣社員は、派遣先企業の従業員になるわけではない。雇用契約を結ぶのは派遣元である派遣会社で、給与の支払いも基本的に派遣元が行う。一方、日々の業務上の指揮命令は派遣先が行う。
この三者関係が直接雇用との大きな違いだ。派遣社員を検討する場合は、派遣先での業務内容だけでなく、派遣元の相談体制、教育訓練、福利厚生、契約更新の条件も確認する必要がある。
【実態と背景】非正規雇用が増加する理由とメリット・デメリット
非正規雇用が広がった背景には、企業側の雇用需要と、働く側の生活事情や就業意識の変化がある。企業が人件費や労働時間を柔軟に調整したいという事情だけでは説明できない。
理由1:企業が柔軟な人員配置を必要としている小売業、飲食業、宿泊業、介護・福祉などでは、営業時間や利用者数、季節によって必要な人員が変わる。こうした職場では、短時間勤務や契約期間を設定した雇用が人員配置の選択肢となる。
人手不足が続く業界では、必要な時間帯に働ける人材を確保するため、パートやアルバイト、派遣社員などを活用する動きもある。企業にとっては採用の柔軟性がある一方、働く側にとっては勤務時間や契約更新の不安定さにつながる可能性もある。
理由2:女性や高齢者の労働参加が進んでいる育児や介護との両立、定年後の再就職、年金以外の収入確保など、働く理由は多様化している。
内閣府の2026年版高齢社会白書によると、65~69歳の雇用者に占める非正規雇用の割合は、男性64.9%、女性83.7%となっている。高齢期には、フルタイムの正社員とは異なる勤務時間や仕事内容を希望する人が少なくないことが背景にある。
また、育児や介護を抱える人にとって、勤務日数や時間を調整できる働き方は、仕事を継続するための現実的な選択肢となる。
理由3:働く側が時間や仕事内容を優先している総務省の2025年平均・労働力調査詳細集計では、非正規雇用を選んだ主な理由として「自分の都合のよい時間に働きたいから」が757万人で最も多かった。
次いで「家計の補助・学費等を得たいから」が366万人、「家事・育児・介護等と両立しやすいから」が226万人となっている。
この結果から、非正規雇用には、正社員になれなかった結果だけでなく、自分の生活に合わせて働き方を選択している人が相当数いることが分かる。
非正規雇用のメリット- 時間の自由度:勤務日数や勤務時間を調整しやすい求人がある。
- 家庭との両立:育児、介護、家事などと仕事を組み合わせやすい。
- 副業や学業との両立:本業以外の活動と並行して働ける。
- 専門性の活用:特定の技能や経験を生かした仕事を選べる。
- 就業機会の確保:フルタイム勤務が難しい場合でも仕事に就ける可能性がある。
- 収入の不安定さ:シフトや契約更新によって収入が変動する場合がある。
- 賃金格差:正社員と比べて基本給や賞与などに差が生じることがある。
- キャリア形成:研修や昇進の機会が限られる職場もある。
- 雇用継続への不安:有期契約では契約満了や更新の問題が生じる。
- 福利厚生の差:制度の対象範囲や利用条件が正社員と異なる場合がある。
重要なのは、非正規雇用という名称だけで良し悪しを決めないことだ。希望する勤務時間、収入、雇用期間、キャリア形成の可能性を照らし合わせる必要がある。
【賃金格差の現実】不本意非正規雇用の割合と待遇差の問題
非正規雇用の問題を考える際、特に注目されるのが賃金格差と不本意非正規雇用だ。働き方を自分で選んでいる人と、正社員になりたくてもなれない人では、抱えている問題が異なる。
正社員と正社員以外の賃金格差は約32.6%厚生労働省の2025年賃金構造基本統計調査では、一般労働者の男女計の所定内給与額は、正社員・正職員が月額35万8,800円、正社員・正職員以外が24万1,700円だった。
正社員を100とした場合、正社員以外の賃金水準は67.4。単純な月額差は11万7,100円となる。
男女別では、男性の格差指数が69.2、女性が71.6だった。いずれも正社員の給与水準を下回っている。
ただし、この数字は一般労働者、つまり短時間労働者以外を対象とした所定内給与額の比較である。短時間勤務者の時給比較ではなく、年齢、勤続年数、職種、役職などの構成も異なる。すべての非正規雇用者が同じ割合で低賃金という意味ではない。
不本意非正規雇用は173万人総務省の2025年平均・労働力調査詳細集計によると、非正規雇用を選んだ主な理由として「正規の職員・従業員の仕事がないから」と回答した人は173万人だった。
理由が判明している回答者の内訳に占める割合は8.4%となる。男性は85万人、女性は88万人だった。
この数字は、非正規雇用者全体の大多数が正社員を希望しているわけではないことを示す一方、希望する正規雇用に就けない人が依然として相当数いることも示している。
同じ非正規雇用でも、希望する働き方を実現している人と、就業機会の制約によって非正規を選ばざるを得なかった人では、必要な政策や支援が異なる。
同一労働同一賃金は何を目指している?同一労働同一賃金は、正社員と非正規雇用労働者の間にある不合理な待遇差を解消するための制度だ。
対象となる待遇は基本給だけではない。賞与、各種手当、福利厚生、教育訓練なども含まれる。
ただし、同一労働同一賃金は、すべての労働者に同じ金額の給与を支払う制度ではない。職務内容、責任の程度、配置転換の範囲、成果、能力、経験などを踏まえ、待遇の性質や目的ごとに不合理な差がないかを判断する。
例えば、業務内容や責任、配置転換の範囲が同じであるにもかかわらず、雇用形態だけを理由に待遇を低くすることは問題になり得る。
一方、職務内容や責任、転勤の有無などに違いがある場合には、その違いに応じた待遇差が認められることもある。
【2026年10月改正】同一労働同一賃金ガイドラインと社会保険の変更点
2026年の非正規雇用を考えるうえで、特に重要なのが10月1日に施行・適用された制度改正だ。厚生労働省は、パートタイム・有期雇用労働者と派遣労働者の待遇改善を目的として、省令や告示、ガイドラインを見直した。
改正ポイント1:待遇差の説明を求められる旨の明示が追加2026年10月1日以降、パートタイム・有期雇用労働者を雇い入れる際には、労働条件の明示事項に新たな項目が加わった。
具体的には、正社員との待遇の相違について、その内容や理由などの説明を求めることができる旨を明示する必要がある。契約更新時も対象となる。
これまでの労働条件明示では、昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無、相談窓口などが明示事項となっていた。今回の改正は、待遇差に疑問を持った労働者が会社に説明を求める権利を、より明確に知らせるものだ。
改正ポイント2:家族手当・住宅手当・休暇の考え方を明確化同一労働同一賃金ガイドラインでは、裁判例などを踏まえ、賞与、退職手当、各種手当、福利厚生に関する記載が見直された。
特に注目されるのが、次の待遇に関する考え方だ。
- 家族手当:相応に継続的な勤務が見込まれるパートタイム・有期雇用労働者には、正社員と同一の手当を支給する考え方が明確化された。
- 住宅手当:正社員と同一の転居を伴う配置変更がある労働者には、同一の住宅手当を支給する考え方が示された。
- 夏季・冬季休暇:正社員と同一の休暇を付与することが求められるケースが明確化された。
これらは、非正規雇用者全員に無条件で同じ待遇を適用するという意味ではない。各手当や休暇が何を目的として設けられているか、職務や勤務条件がどうなっているかを踏まえて判断する。
改正ポイント3:企業の説明方法と公正な評価が見直された企業が待遇差を説明する場合には、就業規則や賃金表などの資料を使って口頭で説明する方法、または説明すべき内容を網羅した分かりやすい資料を交付する方法が求められる。
また、賃金を決める際には、職務内容、成果、意欲、能力、経験などを公正に評価し、昇給に反映させることが求められている。
加えて、正社員などへの転換制度や転換実績を労働者に明示するよう努めること、ウェブサイトで定期的に公表することが望ましいとされた。
派遣社員にも2026年10月改正が適用派遣労働者についても、同一労働同一賃金に関する改正が行われた。
派遣労働者は、派遣先の労働者との均等・均衡待遇を確保する方式、または一定の要件を満たす労使協定による待遇方式のいずれかで待遇を確保する仕組みとなっている。
今回の改正では、雇い入れ時や派遣時に待遇差の内容・理由などについて説明を求められる旨の明示が追加されたほか、ガイドラインの明確化や公正な評価による待遇改善の促進が盛り込まれた。
2026年10月の社会保険加入ルールにも注目非正規雇用者にとって、賃金と並んで重要なのが健康保険と厚生年金保険への加入条件だ。
2026年10月には、短時間労働者の社会保険加入要件のうち、所定内賃金月額8万8,000円以上という賃金要件が撤廃された。
2026年11月現在、企業規模要件などを含めた主な加入条件は次のとおりだ。
- 週の所定労働時間が20時間以上。
- 学生ではないこと(一定の例外あり)。
- 2か月を超える雇用の見込みがあること。
- 原則として従業員51人以上の企業など、対象となる事業所に勤務していること。
なお、通常の労働者の所定労働時間・日数の4分の3以上働く場合は、企業規模などの短時間労働者向け要件とは別に、健康保険・厚生年金保険の加入対象となる。
また、企業規模要件は段階的に拡大される予定で、2027年10月には従業員36~50人の企業にも対象が広がる。
社会保険に加入すると、健康保険や厚生年金の保険料が給与から控除される一方、将来の年金額や医療保険の保障などに関係する。手取り額だけでなく、長期的な保障も含めて判断することが大切だ。
【実践編】非正規雇用で働く前に確認したい条件と判断基準
非正規雇用を選ぶ際には、求人票の時給や月給だけで決めないことが重要だ。実際に働き始めてから想定外の問題が生じないよう、雇用契約の内容を具体的に確認しておきたい。
確認すべき5つのポイント- 雇用期間:無期契約か有期契約か、更新の有無、更新上限はどうなっているか。
- 給与と賞与:基本給・時給、残業手当、通勤手当、賞与、昇給の条件は明確か。
- 労働時間:週の所定労働時間、シフト変更、残業、休日の条件はどうなっているか。
- 社会保険:健康保険、厚生年金、雇用保険の加入対象になるか。
- キャリア形成:研修、資格取得支援、正社員登用制度、登用実績があるか。
家庭や学業、介護などの事情から、フルタイム勤務が難しい人には、勤務時間を調整しやすい非正規雇用が適している場合がある。
また、専門的な仕事に集中したい人、副業と両立したい人、一定期間だけ働きたい人にとっても選択肢となる。
慎重に検討したい人毎月安定した収入を必要とする人、長期的な昇進や昇給を重視する人、住宅ローンなどの審査を控えている人は、契約期間や収入の見通しを慎重に確認したい。
ただし、非正規雇用であることだけを理由に、住宅ローンや各種審査が必ず不利になると決まっているわけではない。収入、勤続状況、契約内容、金融機関などの審査基準によって異なる。
正社員への転換を希望する場合には、登用制度の有無だけでなく、実際の登用実績や必要な条件も確認することが重要だ。
【よくある質問】非正規雇用に関する疑問(FAQ)
Q1:2026年の非正規雇用の割合は何%ですか?2026年9月の総務省労働力調査では、役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は36.1%だった。人数は2,138万人で、前年同月から47万人増加している。
Q2:非正規雇用でも社会保険に加入できますか?加入できる。週の所定労働時間や勤務先の企業規模など、法律上の要件を満たせば、パートやアルバイトでも健康保険・厚生年金保険の加入対象となる。2026年10月には月額8万8,000円以上という賃金要件も撤廃された。
Q3:同一労働同一賃金によって非正規雇用者の給料は正社員と同額になりますか?必ずしも同額になるわけではない。同一労働同一賃金は、職務内容や責任、配置転換の範囲などを考慮し、不合理な待遇差を禁止する制度だ。待遇差がある場合には、その内容と理由について会社に説明を求めることができる。
【プロの結論】
2026年9月の非正規雇用者は2,138万人、雇用者全体に占める割合は36.1%。日本の雇用市場において、非正規雇用は欠かせない存在となっている。
しかし、その実態は一様ではない。希望する時間に働くためにパートやアルバイトを選ぶ人もいれば、正社員の仕事が見つからず非正規で働く人もいる。雇用形態の違いだけで、本人の事情や待遇を判断することはできない。
2026年10月の同一労働同一賃金に関する改正は、待遇差の説明を求める権利を明示し、企業の説明責任や公正な評価を強化するものだ。社会保険についても賃金要件が撤廃され、短時間労働者の加入条件が変わった。
これから働き方を選ぶ人が重視すべきなのは、正社員か非正規かという名称だけではない。契約期間、収入、勤務時間、社会保険、福利厚生、教育訓練、将来のキャリアまで含めた総合的な条件だ。
企業側にも、雇用形態によって待遇を機械的に区別するのではなく、仕事内容や責任に応じた公正な処遇を実現する姿勢が求められる。
非正規雇用を単なる雇用の不安定さとして捉えるのではなく、働く人が希望する生活とキャリアを実現できる制度になっているか。その視点こそが、2026年以降の日本の雇用問題を考えるうえで重要になる。
主な公的資料・統計資料
- 総務省統計局「労働力調査(基本集計)2026年9月分」
- 総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年平均結果」
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」
- 厚生労働省「2026年10月改正・同一労働同一賃金特集」
- 厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」
- 内閣府「令和8年版高齢社会白書」
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