ハイレグとは、「ハイレッグカット(High Leg Cut)」を略した言葉で、女性用の水着や下着、レオタードなどの脚ぐりを高い位置まで切り上げたデザインを指します。太ももの付け根より上までカットすることで脚の露出面積が大きくなり、脚を長くすっきり見せる視覚的な効果が特徴です。
1980年代から1990年代にかけて日本でも広く知られるようになったハイレグは、現在も水着やファッション性の高いランジェリー、スポーツウェアなどに取り入れられています。ただし、ハイレグといっても切れ込みの深さやヒップの覆い方はさまざまです。ハイレグ水着と普通の水着の違い、ハイレグパンティーやハイレグレオタードの特徴、言葉の由来や歴史を知ると、そのデザインの意味がより明確になります。
【基本解説】ハイレグとは?意味とハイレッグカットの仕組み

ハイレグは、英語の「High Leg Cut」に由来するファッション用語です。「High」は高い、「Leg」は脚、「Cut」は切り方や裁断を意味します。日本語ではハイレッグカットを短縮した呼び方として定着しています。
小学館の「デジタル大辞泉」でも、ハイレグは女性用の水着やレオタードなどにおいて、脚の付け根部分のカットを深くしたものとして説明されています。ハイレッグと表記されることもあります。
ハイレッグカットとは何かハイレッグカットとは、衣服の脚を通す開口部、つまり脚ぐりを通常より高い位置まで切り上げる裁断方法です。
一般的な水着やショーツでは、脚ぐりは太ももの付け根に沿った比較的低い位置にあります。一方、ハイレグでは脚ぐりのラインが腰骨に近い位置まで上がり、太ももの上部が広く見えるシルエットになります。
このデザインの要点は、単純に生地の面積を減らすことではありません。脚の付け根から腰に向かうラインを強調し、身体の縦方向のシルエットをすっきり見せることにあります。
ハイレグカットの仕組みと視覚的な効果ハイレグの形状を理解するには、脚ぐりの位置と角度に注目すると分かりやすくなります。
- 脚ぐりの位置:太ももの付け根より高い位置まで切り上げられている。
- カットライン:腰方向に向かって斜め上に伸びるV字に近い曲線を形成する。
- 太ももの露出:通常の脚ぐりより太ももの上部が広く見える。
- シルエット:脚の始点が高く見え、脚長効果が期待できる。
なお、ハイレグに該当する切れ込みの角度について、業界共通の数値基準が定められているわけではありません。実際の分類では、商品の形状やメーカーの呼称によって判断されます。
【特徴を比較】ハイレグと普通の水着は何が違う?見分け方を解説
ハイレグ水着と普通の水着の最も大きな違いは、太ももの付け根に対する脚ぐりの位置です。
水着の色や素材、胸元のデザイン、背中の開き方だけではハイレグかどうかを判断できません。正面から見たときに、脚ぐりのラインがどの高さまで上がっているかを確認することが大切です。
普通の水着とハイレグ水着の比較一般的なワンピース水着は、脚の付け根に沿って自然なカーブを描くデザインが多く見られます。対してハイレグ水着は、脚ぐりが腰骨方向に高く切り上がっています。
そのため、同じワンピース型でも、ハイレグのほうが太ももの上部が広く露出し、脚全体が長く見える印象になります。
ハイレグの見分け方は3つのポイント1. 太ももの付け根を見る
脚ぐりが太ももの付け根より高い位置まで切り上がっているかを確認します。最も基本的な判断基準です。
2. 腰骨方向へのラインを見る
脚ぐりのラインが腰骨に向かって上昇している場合、ハイレグらしいシルエットになります。切り上がりが深いほど、より大胆な印象になります。
3. 前面の布地だけで判断しない
ハイレグは脚ぐりのデザインを表す言葉です。背面のヒップ部分が広く覆われていても、脚ぐりが高ければハイレグに分類されます。
ハイレグとハイウエストは別のデザイン間違えやすいのが、ハイレグとハイウエストの違いです。
ハイレグは脚ぐりの位置を表す言葉であり、ハイウエストはウエスト部分の高さを表す言葉です。つまり、両者は異なる部分のデザインを説明しています。
例えば、ウエスト部分が高い水着でも、脚ぐりが低ければハイレグとは限りません。逆に、腰回りの生地が少なくても、脚ぐりが高く切り上げられていればハイレグと呼ばれます。
【種類別】ハイレグ水着・ハイレグ下着・ハイレグレオタードの違い
ハイレグは水着だけに使われる言葉ではありません。女性用のパンティーやスポーツ用レオタードなど、身体にフィットする衣類にも広く採用されています。
同じハイレグでも、着用する目的や衣服の構造によってデザインの意味合いは変わります。
ハイレグ水着ハイレグ水着は、脚ぐりを高い位置まで切り上げた水着です。特にワンピース水着では、腰骨付近まで伸びる脚ぐりのラインが特徴的です。
脚を長く見せる視覚的な効果があり、スポーティーなデザインからファッション性を重視した大胆なデザインまで、幅広いバリエーションがあります。
また、ハイレグ水着だからといって、必ずしも背面の露出が大きいとは限りません。ヒップをしっかり覆うタイプもあり、脚ぐりとヒップのカバー範囲は別々に考える必要があります。
ハイレグ下着・ハイレグパンティーハイレグ下着は、ショーツの脚ぐりを高く設計したタイプです。一般的なパンティーと比べて太ももの付け根部分のカットが深く、脚の動きを妨げにくい形状が特徴です。
ワコールの下着の基礎知識でも、ショーツは「はき込み丈」「裾丈」「機能」という異なる基準で分類されています。そのうちハイレッグは裾丈、つまり脚ぐりのデザインによる分類です。
ハイレグパンティーは、日常用のシンプルなショーツからレースを使ったファッション性の高いランジェリーまで、素材や装飾によって印象が変わります。
なお、ハイレグパンティーとTバックは同じものではありません。ハイレグは脚ぐりの高さ、Tバックは主にヒップ部分の布地の形状を表します。
ハイレグレオタードハイレグレオタードは、上半身から股下までが一体になったレオタードに、ハイレッグカットを採用したものです。
ダンス、体操、エアロビクス、フィットネスなどで使用されるレオタードにも見られます。脚を大きく動かす場面では、脚ぐりの形状が動作のしやすさや着用感に関係します。
また、レオタードは水着と似たシルエットでも、用途が異なります。水着は水中や水辺での使用を想定するのに対し、レオタードは運動や舞台表現などを目的として設計されます。
用途別の特徴を一覧で比較| 種類 | 主な特徴 | 使用目的 |
|---|---|---|
| ハイレグ水着 | 脚ぐりを高く切り上げたデザイン | 水泳・レジャー・ファッション |
| ハイレグ下着 | 太ももの付け根より高い脚ぐり | 日常着・ランジェリー |
| ハイレグパンティー | 脚の露出を大きくしたショーツ | 日常用・ファッション用 |
| ハイレグレオタード | 一体型衣服に高い脚ぐりを採用 | 体操・ダンス・フィットネス |
| スーパーハイレグ | 通常のハイレグよりさらに高い位置まで切り上げた形状 | ファッション・ステージ衣装など |
この比較から分かるように、ハイレグという言葉は衣服の種類ではなく、基本的には脚ぐりのカット方法を示すものです。水着、下着、レオタードというカテゴリーを問わず、同じ考え方で見分けられます。
【歴史と由来】ハイレグはいつから流行した?1980年代から2026年まで
ハイレグの歴史を理解するには、女性用水着のデザインが機能性中心からファッション性を重視する方向へ変化してきた背景を押さえる必要があります。
ハイレグという言葉の語源は英語の「High Leg Cut」です。一方、現在のような高い脚ぐりの水着が普及した背景には、欧米のファッション動向やスポーツウェアの変化、日本国内の水着市場の発展が関係しています。
1970年代から1980年代初頭:デザインの変化女性用水着は、素材技術や社会のファッション意識の変化とともに形を変えてきました。伸縮性のある素材の普及によって、身体にフィットする水着の設計が進み、脚ぐりの形状にも多様性が生まれました。
ファッション史を扱うニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)のFashion History Timelineでも、20世紀後半には水着のデザインが大胆になり、脚を高く切り上げたスタイルが広がったことが紹介されています。
1982年:日本の水着にもハイレッグカットが登場日本の水着メーカーであるAi(旧・三愛)の公式水着史によると、1982年には女性の身体のラインを美しく見せるため、ハイレッグカットを取り入れた水着が登場しました。
翌1983年には、さらに大胆なハイレッグデザインが展開されています。同年は映画『フラッシュダンス』の影響もあり、レオタード風の水着も発売されました。
水着の形状そのものがファッション表現の一部となり、従来の実用的なデザインとは異なる魅力が打ち出された時期です。
1980年代後半:日本でハイレグブームが広がる日本では1980年代後半にハイレグ水着の人気が高まりました。特にワンピース型水着における高い脚ぐりのデザインが、当時のファッションを象徴するスタイルとして認知されるようになります。
エアロビクスやフィットネスの普及も、レオタードのような身体にフィットする衣服が一般に知られる背景の一つでした。水着だけでなく、スポーツウェアやテレビ番組の衣装などにもハイレグのシルエットが取り入れられました。
1990年代:大胆なデザインの定着と変化1990年代に入ると、ハイレグはレースクイーンやイベント衣装などでも見られるようになり、より高い位置まで切り上げたスーパーハイレグなどのデザインも知られるようになりました。
一方、1990年代半ば以降はビキニの人気が再び高まり、水着のデザインは多様化していきます。特定のスタイルが一律に主流となるのではなく、着用する人の好みや用途に応じて選ぶ時代へと変化しました。
2000年代から2026年:選択肢の一つとして定着2000年代以降は、過去のファッションを取り入れる流れの中で、ハイカットのワンピース水着も繰り返し登場しています。スポーティーなデザイン、レトロなデザイン、シンプルなワンピース型など、表現の幅も広がりました。
2026年現在、ハイレグは1980年代のブームを象徴する言葉であると同時に、衣服の形状を説明する実用的なファッション用語として使われています。
【デザインを深掘り】ハイレグの種類と間違えやすいファッション用語
ハイレグは一つの決まった形だけを指すものではありません。脚ぐりの高さや布地の面積、腰回りの構造によって見た目や着用感が変わります。
標準的なハイレグ標準的なハイレグは、脚ぐりを太ももの付け根より高い位置まで切り上げたデザインです。脚のラインをすっきり見せながら、極端な露出になりすぎないタイプもあります。
スーパーハイレグスーパーハイレグは、一般的なハイレグよりもさらに高い位置まで脚ぐりを切り上げたデザインです。腰骨に近い位置までカットされることがあり、より大胆で縦長のシルエットになります。
ただし、標準的なハイレグとスーパーハイレグを分ける統一された数値基準はありません。メーカーや販売ブランドによって呼び方が異なる場合があります。
ハイレグとTバックの違いハイレグとTバックは、デザインを判断する基準が違います。
ハイレグは太ももの付け根に対する脚ぐりの高さを表します。Tバックは背面のヒップ部分を覆う布地が少なく、後ろから見た形状がT字に近いデザインを指します。
そのため、ハイレグでありながらヒップを広く覆うショーツもあれば、脚ぐりがそれほど高くなくてもTバックに分類される下着もあります。
ハイレグとローライズの違いローライズは、ウエスト部分の位置が低いデザインです。腰骨付近で着用するショーツやボトムスなどに使われる言葉です。
ハイレグが脚ぐりの高さを示すのに対し、ローライズは衣服のはき込み位置を示します。両者は別々のデザイン要素なので、同じ衣服に組み合わせて採用することもできます。
ハイレグは必ず露出が多いのかこれはハイレグに関する代表的な誤解です。
脚ぐりを高く切り上げると太ももの上部は見えやすくなりますが、それだけでヒップや股部分の布地まで少なくなるとは限りません。
ハイレグの高さと、背面のカバー範囲は別の設計要素です。露出度を判断するときは、脚ぐりだけでなく前面・側面・背面の形状も確認する必要があります。
【選び方と実用性】ハイレグが向いている人と購入時のチェックポイント
ハイレグは見た目の印象だけでなく、衣服としての着用感にも関係するデザインです。実際に水着や下着を選ぶ際には、脚のラインだけでなく、サイズやフィット感も確認する必要があります。
ハイレグが向いているケース- 脚を長く見せるシルエットを好む人。
- 太ももの付け根周辺をすっきり見せたい人。
- スポーツやダンスなどで脚の動かしやすさを重視する人。
- 一般的な脚ぐりとは異なるファッションデザインを楽しみたい人。
サイズとフィット感:脚ぐりが高いデザインでは、身体とのフィット感が重要です。締め付けが強すぎたり、反対に生地が浮いたりしないかを確認しましょう。
ヒップのカバー範囲:同じハイレグでも、ヒップを広く覆うタイプと、後ろの布地が少ないタイプがあります。商品画像やサイズ表を確認することが大切です。
素材と伸縮性:水着なら水に濡れた状態でのフィット感や耐久性、下着なら肌触りや通気性など、用途に合った素材を選びましょう。
脚ぐりの食い込み:カットが高いからといって、必ずしも着心地がよいとは限りません。脚の付け根にゴムや生地が強く当たらないかを確認してください。
ハイレグをおすすめしにくいケース太ももの露出を抑えたい人や、脚ぐりが高い衣服に違和感を覚える人には、ノーマルレッグやボーイズレングスなどのほうが適している場合があります。
また、スポーツ用途で購入する場合は、見た目だけで決めず、運動中に衣服がずれないか、必要な部分を十分に覆えるかを確認が必要です。
【プロの結論】ハイレグを理解する最大のポイントハイレグを正しく理解するために覚えておきたいのは、ハイレグは露出度そのものではなく、脚ぐりのカッティングを示す言葉だという点です。
脚を長く見せるファッション上の効果、動きやすさに関係する衣服の構造、そして時代ごとに変化してきたファッション文化。この3つの視点を持つと、ハイレグというデザインをより正確に理解できます。
1980年代のブームを背景に広く知られるようになった言葉ですが、2026年現在も水着や下着のデザインを説明する際に役立つ基本的な用語です。
ハイレグとは?に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ハイレグとは簡単にいうと何ですか?
A1:ハイレグとは、英語の「High Leg Cut」を略した言葉です。女性用の水着や下着、レオタードなどで、脚ぐりを太ももの付け根より高い位置まで切り上げたデザインを指します。
Q2:ハイレグとハイレッグカットは同じ意味ですか?
A2:基本的には同じ意味です。ハイレッグカットは脚ぐりを高く切り上げる裁断方法を表し、ハイレグはその略称として使われています。
Q3:ハイレグ水着と普通の水着の違いは何ですか?
A3:主な違いは脚ぐりの高さです。普通の水着は太ももの付け根に沿ったカットが一般的ですが、ハイレグ水着は脚ぐりを腰骨方向まで高く切り上げています。
Q4:ハイレグパンティーとTバックは同じですか?
A4:違います。ハイレグパンティーは脚ぐりの位置が高いショーツで、Tバックはヒップ部分の布地が少ないショーツです。両方の特徴を備えた商品もあります。
Q5:ハイレグはいつから日本で流行しましたか?
A5:日本では1980年代後半に人気が高まりました。Aiの公式水着史では、1982年にハイレッグカットの水着が登場し、1983年にはさらに大胆なデザインへ発展したことが記録されています。
Q6:ハイレグとハイウエストは何が違いますか?
A6:ハイレグは脚ぐりの高さ、ハイウエストはウエスト部分の位置を表します。異なる部分のデザインなので、同じ衣服に両方の特徴を取り入れることも可能です。
ハイレグとは、ハイレッグカットの略称で、女性用の水着・下着・レオタードなどに使われる脚ぐりを高く切り上げたデザインです。太ももの付け根より高い位置に脚ぐりを設けることで、脚を長く見せる視覚的な効果が生まれます。
1982年には日本の水着にもハイレッグカットが登場し、1980年代後半には国内で広く人気を集めました。その後もデザインの多様化を経て、現在は水着やランジェリー、スポーツウェアなどで採用されています。
ハイレグ水着と普通の水着を見分ける際には、脚ぐりの高さに注目することが基本です。また、ハイレグとハイウエスト、Tバックはそれぞれ異なるデザイン要素であり、混同しないことも大切です。
ハイレグを単なる露出の多い衣服として捉えるのではなく、脚のラインを美しく見せるためのカッティング技術として理解すれば、水着や下着のデザインをより深く楽しめます。