2025年の死亡状況を把握するうえで重要なのが、厚生労働省が2026年9月30日に公表した「令和7(2025)年人口動態統計(確定数)の概況」だ。
同統計によると、2025年の肺炎による死亡者数は84,021人。誤嚥性肺炎による死亡者数は64,396人だった。両者を合計すると148,417人となり、日本の年間死亡者数158万9,533人の約9.3%に相当する。
肺炎は死因順位の第5位、誤嚥性肺炎は第6位に位置している。どちらも高齢化が進む日本において、見過ごせない死亡原因だ。
2024年と2025年の肺炎死亡数を比較| 死因 | 2025年(確定数) | 2024年(確定数) | 前年との差 |
|---|---|---|---|
| 肺炎 | 84,021人 | 80,176人 | 3,845人増 |
| 誤嚥性肺炎 | 64,396人 | 63,667人 | 729人増 |
| 合計 | 148,417人 | 143,843人 | 4,574人増 |
2025年の肺炎による死亡者数は、2024年と比較して増加した。特に一般的な肺炎の死亡者数は3,845人増えている。
なお、2025年6月に公表された年間概数では肺炎の死亡者数は84,013人だったが、9月30日の確定数では84,021人に修正されている。上記の比較には確定数を使用した。
ここで注意したいのは、肺炎と誤嚥性肺炎は人口動態統計上、別々の死因として分類されていることだ。両者を合算した数字は肺炎関連の死亡規模を把握する参考になるが、すべての肺炎が誤嚥によって起きるわけではない。
肺炎の死亡率は年齢によってどう変わる?肺炎の死亡リスクは、年齢が高くなるほど大きくなる傾向がある。
その背景には、免疫機能の低下だけでなく、呼吸機能や嚥下機能、咳によって異物を排出する能力の衰えがある。
日本呼吸器学会の「成人肺炎診療ガイドライン2024」では、高齢者の肺炎について、加齢に伴う全身機能の低下や基礎疾患が予後に関係することが説明されている。
また、同ガイドラインが紹介する国内の研究では、誤嚥性肺炎は40代まではまれで、50代以降に増加し、90歳以上の肺炎患者では約9割を占めたという報告もある。これは肺炎患者のうち誤嚥性肺炎が占める割合についての研究結果であり、90歳以上の人の死亡率が9割という意味ではない。
2025年の年齢階級別死亡率については、人口を分母にした詳細な数値が2026年11月に公表予定とされている。11月2日時点では、年齢別の確定死亡率を示すことはできない。
したがって、死亡数と死亡率を混同せず、今後公表される年齢別データも含めて判断する必要がある。
【命に関わる主な経過】肺炎が重症化して亡くなるのはなぜ?

肺炎で亡くなるケースでは、肺の炎症が進行するだけでなく、全身の臓器に影響が及ぶことがある。
特に注意したいのが、呼吸不全と敗血症だ。
1.肺の炎症が広がり、呼吸不全に陥る肺炎は、細菌やウイルスなどの病原体によって肺の組織に炎症が起こる病気だ。
肺胞という小さな袋状の組織は、酸素を血液に取り込み、二酸化炭素を排出する役割を担っている。
しかし、肺炎が進行すると肺胞内に炎症性の液体などがたまり、酸素を十分に取り込めなくなる。
その結果、血液中の酸素濃度が低下し、低酸素血症を引き起こす。
さらに悪化すると、酸素投与だけでは十分に改善しない呼吸不全に進み、人工呼吸器などによる高度な呼吸管理が必要になる場合もある。
特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺疾患など、もともと呼吸機能が低下している人は注意が必要だ。
2.感染が全身に影響し、敗血症を引き起こす肺炎による感染がきっかけとなり、全身の免疫反応が過剰に働いて臓器障害が起こる状態が敗血症だ。
肺炎が重症化した場合、病原体や感染に対する反応が全身に影響し、血圧低下や腎機能障害、意識障害などが現れることがある。
さらに循環不全が進行すると、敗血症性ショックに至る。
敗血症性ショックは命に関わる緊急性の高い状態であり、集中治療室での管理や、血圧を維持するための治療が必要になることもある。
日本呼吸器学会のガイドラインでも、意識障害、呼吸不全、ショック状態は予後に大きく影響する要素として扱われている。
3.基礎疾患や体力低下が回復を難しくする肺炎そのものが改善しても、体力や臓器機能が十分に回復しなければ、日常生活への復帰が難しくなる場合がある。
例えば、次のような状態が重なると、治療後の回復にも影響しやすい。
- 心不全や虚血性心疾患などの心臓病
- COPDなどの慢性呼吸器疾患
- 慢性腎臓病や腎機能障害
- 糖尿病
- 悪性腫瘍や免疫機能の低下
- 脳卒中、認知症、パーキンソン病
- 低栄養、筋力低下、長期臥床
肺炎は単独の感染症として考えるだけでは不十分だ。
もともとの健康状態が悪い人ほど、肺炎をきっかけに全身状態が急激に悪化する可能性がある。
【高齢者に多い誤嚥性肺炎】原因と死亡リスクを詳しく解説
肺炎で亡くなるケースを考えるうえで、特に重要なのが誤嚥性肺炎だ。
誤嚥性肺炎とは、唾液や食べ物、飲み物、胃液などが誤って気道に入り、肺に炎症を起こす病気である。
誤嚥性肺炎が起きる仕組み通常、飲食物や唾液が気道に入らないよう、飲み込むときには喉の機能が働く。
また、万が一異物が気道に入っても、咳をすることで外に排出する仕組みがある。
ところが、加齢や神経疾患などによって嚥下機能や咳反射が低下すると、口腔内の細菌を含んだ唾液などが気道に入りやすくなる。
特に注意したいのが、不顕性誤嚥だ。
これは、誤嚥しても明確にむせたり咳き込んだりしない状態を指す。本人や周囲の人が誤嚥に気づかないまま、少量の唾液などが繰り返し気道に入り、肺炎につながることがある。
そのため、食事中にむせないからといって、誤嚥性肺炎の危険がないとは限らない。
誤嚥性肺炎の死亡リスクはどのくらい?日本呼吸器学会の成人肺炎診療ガイドライン2024では、市中肺炎患者を対象にした研究の統合解析において、誤嚥性肺炎と診断された場合、通常の市中肺炎と比較して入院中および入院30日後の死亡リスクが約3.5倍になるという結果が紹介されている。
ただし、これは特定の患者集団を対象とした研究結果であり、すべての誤嚥性肺炎患者の死亡確率が3.5倍になるという意味ではない。
背景にある低栄養、寝たきり、脳血管障害、認知症などの影響も考慮する必要がある。
肺炎の重症化に関係する要因と、そのつながり| 関連する要因 | 身体に起こる変化 | 重症化につながる理由 |
|---|---|---|
| 加齢 | 免疫機能や筋力の低下 | 感染への抵抗力や回復力が弱くなる |
| 脳卒中・認知症 | 嚥下機能や咳反射の低下 | 誤嚥した細菌を排出しにくくなる |
| COPD・慢性肺疾患 | 呼吸機能の低下 | 酸素を取り込む余力が少ない |
| 心臓病・腎臓病 | 臓器機能への負担 | 感染による全身状態の悪化に対応しにくい |
| 低栄養・長期臥床 | 筋力や免疫機能の低下 | 排痰能力や感染防御能力が低下する |
| 口腔内の衛生状態の悪化 | 細菌が増殖しやすくなる | 細菌を含む唾液の誤嚥が肺炎につながる |
このように、誤嚥性肺炎の発症と死亡リスクには、複数の要因が連鎖的に関係している。
特に高齢者では、肺炎の治療と同時に、嚥下機能や栄養状態、身体活動性を改善する視点が欠かせない。
【見逃しに注意】肺炎の初期症状と重症化のサイン・受診の目安
肺炎を早期に発見するには、一般的な症状だけでなく、高齢者に現れやすい非典型的な症状を知っておくことが大切だ。
一般的な肺炎の初期症状肺炎でよく見られる症状は次のとおり。
- 発熱や悪寒
- 咳が続く
- 黄色や緑色の痰が出る
- 息切れや呼吸の苦しさ
- 胸の痛み
- 強い倦怠感
- 食欲の低下
風邪に似た症状から始まることもあり、初期には肺炎と判断しにくい場合もある。
発熱や咳が続く場合、呼吸が普段より速い場合などは、医療機関への相談を検討したい。
高齢者は発熱や咳が目立たないこともある高齢者の肺炎で特に注意したいのは、典型的な症状が現れにくいことだ。
日本呼吸器学会も、高齢者では一般的な呼吸器症状が目立たず、次のような変化から肺炎が見つかることがあると説明している。
- いつもより元気がない
- 食事や水分を取らなくなった
- 日中にぼんやりしている
- 会話や反応が少なくなった
- ふらつきが増えた
- 急に歩けなくなった
- 寝ている時間が増えた
これらは必ずしも肺炎だけで起きる症状ではない。しかし、普段と明らかに違う状態が続く場合には、感染症などの可能性を考える必要がある。
特に、認知症のある人や介護施設で生活している人では、本人が不調を十分に伝えられないこともある。
家族や介護者が日常の変化に気づくことが、早期発見につながる。
肺炎が重症化している可能性があるサイン次のような症状が現れた場合は、重症化を疑う必要がある。
呼吸に関する変化
- 少し動いただけで息が切れる
- 安静にしていても呼吸が苦しい
- 呼吸が明らかに速い
- 唇や顔色が青白くなる
- 酸素飽和度(SpO₂)が低下する
全身状態の変化
- 意識がもうろうとする
- 呼びかけへの反応が鈍い
- 急激にぐったりする
- 血圧が低下する
- 尿量が著しく減る
日本呼吸器学会のガイドラインでは、SpO₂が90%以下、意識変容、収縮期血圧90mmHg以下などが肺炎の重症度評価に使われる。
ただし、家庭で数値を測定して自己判断するための基準ではない。測定値が正常でも肺炎や重症化を完全には否定できない。
どの段階で病院へ行くべき?目安は次のとおりだ。
- 早めに外来受診: 咳、痰、発熱、食欲低下、倦怠感などが続いている場合
- 当日中に医療機関へ相談: 高齢者に急な活動性の低下、食事量の減少、意識や反応の変化が見られる場合
- 救急車を要請: 急な呼吸困難、意識障害、呼びかけても反応が乏しいなど、生命に関わる症状がある場合
厚生労働省の救急受診に関する案内でも、高齢者の急な息切れや呼吸困難、意識障害は緊急性の高い症状として挙げられている。
呼吸が苦しい、意識がおかしいなどの症状がある場合は、受診先を探して様子を見るのではなく119番への通報を優先したい。
【肺炎の治療】抗菌薬・入院・呼吸管理はどう進む?
肺炎の治療は、原因となる病原体、重症度、患者の基礎疾患などによって異なる。
抗菌薬による治療細菌性肺炎の場合、原因菌に効果のある抗菌薬を使用する。
代表的な薬剤にはペニシリン系やセフェム系などがあり、非定型肺炎ではマクロライド系やテトラサイクリン系などが選択されることもある。
一方、ウイルス性肺炎には抗菌薬が直接効くわけではない。病原体に応じた治療と、酸素投与などの支持療法が必要になる。
医療機関では、次のような検査を組み合わせて診断する。
- 胸部X線検査
- 必要に応じた胸部CT検査
- 血液検査
- 痰の培養検査
- ウイルスや細菌の検査
- 酸素飽和度の測定
日本呼吸器学会の「成人肺炎診療ガイドライン2024」では、抗菌薬を必要以上に広く使用することを避け、患者の背景や原因菌、耐性菌のリスクを考慮した治療を重視している。
自己判断で余っている抗菌薬を飲んだり、処方された薬を途中で中止したりすることは避けたい。
肺炎で入院が必要になるケースすべての肺炎患者が入院するわけではない。
軽症で全身状態が安定している場合には、外来で抗菌薬などによる治療を受けられることがある。
一方、次のような状態では入院が検討される。
- 酸素飽和度が低い
- 呼吸困難が強い
- 意識障害がある
- 血圧が低下している
- 脱水が強い
- 食事や水分を十分に取れない
- 重い基礎疾患を抱えている
- 外来での治療や経過観察が難しい
日本呼吸器学会が公開する市民向け解説では、A-DROPという重症度評価が紹介されている。
この評価では、年齢、脱水、呼吸状態、意識状態、血圧の5項目を確認する。重症度が高い場合には入院や点滴治療が必要になる。
また、呼吸不全や敗血症性ショックがある場合には、集中治療室での管理が必要になることもある。
治療後も注意したい身体機能の低下高齢者の場合、肺炎が治っても、以前と同じ生活に戻れるとは限らない。
入院中の安静によって筋力が落ちたり、食事量の減少によって低栄養になったりすることがある。
誤嚥性肺炎の場合には、退院後も誤嚥の危険が残っている可能性がある。
そのため、治療後は次のような支援も重要になる。
- 嚥下機能の評価とリハビリテーション
- 栄養状態の改善
- 呼吸リハビリテーション
- 身体機能の維持
- 口腔内の衛生管理
- 基礎疾患の継続的な管理
肺炎からの回復を考えるときは、感染が治まったかだけでなく、食事や歩行などの日常生活を取り戻せているかにも目を向けたい。
【死亡リスクを減らす予防策】肺炎球菌ワクチンと口腔ケア
肺炎による死亡リスクを減らすには、発症してから治療するだけでなく、感染や誤嚥を予防する取り組みが大切だ。
2026年度から肺炎球菌ワクチンの定期接種が変更2026年4月から、高齢者向けの肺炎球菌ワクチンの定期接種に使用するワクチンが変更された。
厚生労働省によると、2026年度から定期接種に使用されるのは、沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)だ。
主な定期接種の対象者は次のとおり。
- 65歳の人
- 60~64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の機能に一定の障害がある人
- 60~64歳で、HIVによる免疫機能の障害が一定の基準に該当する人
接種は1回で、筋肉内に投与する。
肺炎球菌には100種類以上の血清型があり、PCV20はそのうち20種類を対象としている。
厚生労働省が紹介する研究結果では、PCV20の対象となる20種類の血清型は、成人の侵襲性肺炎球菌感染症の原因の約5~6割を占めるとされる。
ただし、ワクチンですべての肺炎を防げるわけではない。肺炎球菌以外の細菌やウイルスによる肺炎もあるため、接種しても日常的な感染予防は必要だ。
過去に肺炎になったことがある人も定期接種の対象になり得るため、接種歴を確認し、かかりつけ医や自治体に相談するとよい。
口腔ケアで誤嚥性肺炎を予防する誤嚥性肺炎の予防では、口腔ケアが重要な役割を果たす。
口の中にはさまざまな細菌が存在している。歯や舌、義歯などに汚れが蓄積すると、口腔内の細菌が増殖しやすくなる。
その唾液を誤嚥すると、肺炎の原因になる可能性がある。
日常生活で取り組みたいケアは次のとおりだ。
- 毎食後に歯を磨く
- 舌の汚れを適切に取り除く
- 入れ歯を清潔に保つ
- 歯科医師や歯科衛生士による定期的な確認を受ける
- 口の乾燥を防ぐ
- 飲み込みに問題がある場合は嚥下機能を評価する
日本呼吸器学会の成人肺炎診療ガイドライン2024では、肺炎予防のための口腔ケアを弱く推奨している。エビデンスの確実性はC(弱い)とされているが、日常的な予防策として取り入れる意義がある。
ただし、歯磨きだけで誤嚥性肺炎を完全に防げるわけではない。嚥下機能の改善や食事環境の調整も併せて考える必要がある。
食事中の姿勢や飲み込み方を見直す誤嚥を防ぐためには、食事の環境も重要だ。
特に飲み込みに問題がある高齢者では、次のような点に注意したい。
- 食事中はできるだけ上体を起こす
- 一口の量を多くしすぎない
- 急いで食べない
- 食事中に会話をしながら無理に飲み込まない
- 食後すぐに横にならない
- 必要に応じて食事の形態を調整する
むせが増えたり、食事に時間がかかるようになったりした場合は、嚥下機能の低下が疑われる。
自己判断で極端に食事形態を変更するのではなく、医師や言語聴覚士、管理栄養士などに相談することが望ましい。
免疫機能と体力を維持する肺炎予防には、全身の健康状態を整えることも欠かせない。
十分な栄養と水分を取り、無理のない範囲で体を動かすことは、筋力や日常生活動作の維持につながる。
また、糖尿病や心臓病、腎臓病などの基礎疾患を適切に管理することも重要だ。
肺炎球菌ワクチンだけでなく、年齢や健康状態に応じてインフルエンザや新型コロナウイルスなどのワクチン接種についても医師に相談したい。
【肺炎で亡くなるケース】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:肺炎で亡くなる人は年間何人いますか?
A1:厚生労働省の2025年人口動態統計(確定数)では、肺炎による死亡者は84,021人、誤嚥性肺炎による死亡者は64,396人です。合計すると148,417人になります。
Q2:高齢者の肺炎はなぜ重症化しやすいのですか?
A2:加齢による免疫機能や呼吸機能の低下に加え、嚥下機能や咳反射が衰えるためです。基礎疾患や低栄養、寝たきりなどが重なると、さらに重症化しやすくなります。
Q3:誤嚥性肺炎はむせなければ心配ありませんか?
A3:いいえ。むせや咳が起こらない不顕性誤嚥もあります。食欲低下、元気がない、活動性の低下など、普段と違う変化にも注意してください。
Q4:肺炎で入院する必要があるのはどんな場合ですか?
A4:呼吸状態の悪化、低酸素血症、意識障害、血圧低下、脱水などがある場合は入院が検討されます。重症度は医師が総合的に判断します。急な呼吸困難や意識障害があれば119番に通報してください。
Q5:肺炎球菌ワクチンを接種すれば肺炎になりませんか?
A5:肺炎球菌による感染症の一部を予防するものですが、すべての肺炎を防ぐことはできません。ほかの細菌やウイルスによる肺炎もあるため、口腔ケアや日常的な感染予防も必要です。
Q6:誤嚥性肺炎を予防するには何をすればよいですか?
A6:毎日の歯磨きや義歯の清掃、嚥下機能の評価、適切な食事姿勢、栄養状態の改善などが基本です。むせが増えた場合や飲み込みにくさがある場合は、医療機関に相談しましょう。
2025年の人口動態統計(確定数)では、肺炎による死亡者は84,021人、誤嚥性肺炎による死亡者は64,396人だった。両者を合わせると約14万8,000人に達し、肺炎が日本の主要な死亡原因の一つであることが分かる。
肺炎で亡くなるケースでは、加齢による免疫機能の低下、心臓病や腎臓病などの基礎疾患、誤嚥性肺炎の発症、呼吸不全や敗血症への進行などが関係する。
特に高齢者の場合、発熱や咳が目立たないまま、食欲低下や活動性の低下、意識の変化として肺炎が現れることもある。
死亡リスクを減らすために意識したいのは、次の4点だ。
1. 小さな体調変化を見逃さない: 高齢者の食欲や活動性、呼吸状態の変化を確認する。
2. 受診を遅らせない: 息切れや意識障害など、重症化のサインがあれば速やかに医療につなげる。
3. 誤嚥を防ぐ: 口腔ケア、嚥下機能の確認、適切な食事環境を整える。
4. 予防接種と基礎疾患の管理を続ける: 肺炎球菌ワクチンなどの接種について医師に相談し、日常の健康管理を徹底する。
肺炎は高齢者にとって命に関わる病気だが、早期発見と適切な治療、日常的な予防によってリスクを減らせる可能性がある。
本人だけでなく、家族や介護に関わる人も症状の特徴と受診の目安を知り、普段との違いに気づける環境を整えておきたい。
主な公的根拠・医学資料: 厚生労働省「令和7(2025)年人口動態統計(確定数)の概況」、日本呼吸器学会「成人肺炎診療ガイドライン2024」「市中で起こる肺炎」、厚生労働省「高齢者の肺炎球菌ワクチン」。