「第3旅客ターミナルビル」は、羽田空港にある第3ターミナルの正式名称だ。現在の建物が2020年に新設されたわけではなく、それまで国際線旅客ターミナルビルと呼ばれていた施設の名称が変更されたものである。
背景には、羽田空港の国際線運用の拡大があった。
2019年12月16日、国土交通省は2020年3月14日から国際線ターミナルの名称を第3ターミナルに変更すると発表した。
その理由は、従来の国際線旅客ターミナルビルだけでなく、第2旅客ターミナルビルでも国際線の発着に対応することになったためだ。
つまり、国際線を利用する旅客が必ずしも従来の国際線ターミナルへ向かうとは限らなくなった。ターミナルの役割を番号で整理し、利用者の取り違えを防ぐ狙いがあった。
国土交通省の発表では、名称変更後の正式名称と略称について、次のように整理されている。
第3旅客ターミナルビル(略称は「第3ターミナル」)
名称変更は2020年3月14日に実施され、同年3月29日には第2ターミナルからも国際線の運航が始まった。つまり、名称変更と国際線の運用拡大は一連の空港再編だったのである。
旧国際線旅客ターミナルビルから名称が変わった関連施設変更されたのはターミナルビルだけではない。利用者が間違えやすい鉄道駅や駐車場の名称も整理された。
| 対象 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| ターミナルビル | 国際線旅客ターミナルビル | 第3旅客ターミナルビル |
| 京急線の駅 | 羽田空港国際線ターミナル駅 | 羽田空港第3ターミナル駅 |
| 東京モノレールの駅 | 羽田空港国際線ビル駅 | 羽田空港第3ターミナル駅 |
| 駐車場 | 国際線駐車場・P国際線 | 第5駐車場・P5 |
| 第2ターミナル | 国内線中心の施設 | 国内線と国際線の両方に対応 |
出典:国土交通省「2020年3月14日から、羽田空港の国際線ターミナルは、第3ターミナルに名称が変わります」
ここで押さえておきたいのは、第3ターミナルは名称変更によって新しく誕生した施設ではなく、従来の国際線ターミナルを引き継いだ施設という点だ。
現在も「国際線ターミナル」という旧称で検索する人は少なくないが、鉄道案内や空港内の案内表示では「第3ターミナル」または「T3」を使うと迷いにくい。
【2026年最新】羽田空港第3ターミナルのフロアガイドを解説

羽田空港第3ターミナルは、地下・地上階を含む複数のフロアで、出発、到着、飲食、買い物、交通アクセスの機能を分担している。
初めて利用する人が覚えておきたいのは、3階が出発、2階が到着、4階と5階が飲食・ショッピング中心という基本構造だ。
5階:展望デッキと空港を楽しむ施設5階はレストラン・ショップに加え、飛行機を眺められる展望デッキが設置されたフロアだ。
主な施設は次のとおり。
- 展望デッキ
- TIAT SKY ROAD
- お祭り広場
- 「もっと知りたい羽田空港」情報コーナー
- レストラン・ショップ
特に注目したいのが展望デッキだ。
羽田空港第3ターミナルの展望デッキは、公式案内上、24時間開放されている。早朝や夜間に飛行機を眺めたい人にとって魅力的な場所だ。
ただし、悪天候や保安上の理由によって閉鎖される場合がある。24時間開放は常時利用を保証するものではない。
4階:江戸小路と日本文化を感じるショップ4階は、第3ターミナルを象徴する商業エリアの一つだ。
代表的な施設は「江戸小路」。
江戸の町並みをイメージした空間に飲食店や土産物店が並び、海外から訪れる旅行者にも日本文化を紹介している。
主な施設・店舗の例は以下のとおり。
- 江戸小路
- はねだ日本橋
- Edo食賓館
- Edoイベント館
- #Tokyo Tokyo BASE
- TIAT SKY HALL
- リラクゼーションスペース ラフィネ
Edo食賓館では和洋菓子などの土産物を取り扱い、#Tokyo Tokyo BASEでは東京の伝統工芸品や雑貨、食品などを販売している。
また、TIAT SKY HALLは多目的ホールとして利用される施設で、イベントや催事などにも対応している。
出国手続き前に飲食や買い物を楽しみたい人は、4階を中心に回るとよい。
3階:国際線の出発ロビー3階は国際線の出発手続きを行う中心フロアだ。
航空会社のチェックインカウンターがあり、搭乗手続きや預け入れ手荷物の手続きを進める。
基本的な流れは次のとおり。
1. 航空会社のカウンターでチェックイン
2. 手荷物を預ける
3. 保安検査を受ける
4. 出国審査を通過する
5. 搭乗ゲートへ向かう
対象航空会社・対象便では、顔認証技術を使った「Face Express」による搭乗手続きも利用できる。
ただし、すべての航空会社や便が対象になるわけではない。利用条件は航空会社の案内で確認したい。
2階:国際線の到着ロビー2階は海外から到着した旅客が利用するフロアだ。
主な施設には以下がある。
- 到着ロビー
- 観光情報センター
- ATM
- 外貨両替所
- 手荷物一時預かり所
- コインロッカー
- 携帯電話・Wi-Fi関連サービス
- シャワールーム
- レストラン・ショップ
国際線到着後は、入国審査、手荷物受け取り、必要に応じた検疫・税関手続きを経て到着ロビーへ進む。
特に海外から初めて日本を訪れる旅行者にとって、観光情報センターや外貨両替、通信サービスがまとまっている点は便利だ。
1階:エントランスプラザとバス乗り場1階はエントランスプラザを中心とする交通・サービスフロアだ。
案内カウンター、交番、クリニック、ベビールーム、充電コーナーなどが設置されている。
また、ターミナル間無料連絡バスの乗り場もある。
ここで覚えておきたいのは、第1・第2ターミナルへ向かう無料連絡バスは、第3ターミナル1階の0番乗り場から出発することだ。
一般の高速バス・路線バスとは乗り場が異なるため、案内表示を確認して移動したい。
【電車・バス・車】羽田空港第3ターミナルへのアクセス方法
羽田空港第3ターミナルへの主なアクセス手段は、京急線、東京モノレール、空港バス、タクシー、自家用車だ。
鉄道の場合は、どちらも第3ターミナルに直結する駅が設けられている。
京急線:品川・横浜方面からのアクセスに便利京急線を利用する場合の最寄り駅は、羽田空港第3ターミナル駅だ。
品川や横浜方面からアクセスしやすく、都営浅草線方面との直通運転も利用できる。
京急電鉄の案内では、羽田空港からの主要駅への所要時間の目安は次のとおり。
| 行き先 | 所要時間の目安 |
|---|---|
| 品川 | 約14分 |
| 横浜 | 約28分 |
| 浅草 | 約37分 |
| 渋谷 | 約26分 |
| 新宿 | 約33分 |
※京急電鉄の羽田空港アクセス案内に掲載された目安。列車種別や乗り換えによって変わる。
なお、第3ターミナル駅では方面によって改札口が異なる。
- 都心・横浜方面:2階到着ロビー側
- 第1・第2ターミナル方面:京急B2階
ターミナル間を移動する人は、改札の案内表示を確認しておきたい。
東京モノレール:浜松町方面からアクセス東京モノレールも、第3ターミナルへの主要な交通手段だ。
浜松町駅から羽田空港方面へ向かう場合に利用しやすく、東京駅周辺や山手線沿線から乗り継ぐ人にも便利だ。
駅名は現在「羽田空港第3ターミナル駅」。
第3ターミナルでは、モノレールの改札が2階到着ロビーと3階出発ロビーに設置されている。到着後にそのまま改札へ向かえるほか、出発階からも利用できる構造だ。
高速バス・路線バス:主要都市やホテルから直行電車以外では、高速バスや路線バスも選択肢になる。
第3ターミナルのバス乗り場は、2階アクセスホールから1階へ降りた場所にある。
乗り場は1番から11番まで設置され、東京駅、新宿駅、各地域の主要駅、ホテルなどを結ぶ路線が案内されている。
例えば、公式アクセス案内では東京駅まで約35分、新宿駅西口まで約35分が目安として示されている。ただし道路状況によって所要時間は変わる。
自家用車:第3ターミナルはP5駐車場が最寄り自家用車で訪れる場合は、第3ターミナルに隣接するP5駐車場が主な選択肢となる。
公式駐車場案内によると、P5の収容台数は2,910台。
予約にも対応しているが、予約料金は通常の駐車料金とは別に必要だ。また、繁忙期は駐車場の混雑が予想されるため、公共交通機関の利用も検討したい。
【乗り継ぎで失敗しない】第2ターミナルとの移動方法とANAの注意点
羽田空港で特に間違えやすいのが、第2ターミナルと第3ターミナルの取り違えだ。
以前は「羽田空港の国際線なら第3ターミナル」という認識でも大きな問題はなかったが、現在はその考え方だけでは不十分になっている。
その代表例がANAの国際線だ。
ANAの国際線は第2・第3ターミナルの両方を使用ANAが運航する羽田発着の国際線は、第2ターミナルと第3ターミナルの両方から出発・到着する。
ANA公式サイトが案内する2026年ウィンターダイヤは、2026年10月25日から2027年3月27日まで。
この期間も路線によって使用ターミナルが異なる。
加えて、運航上の都合で変更される可能性もある。
ANA公式案内では、ANA運航便のほかの航空会社による運航便やコードシェア便については、従来どおり第3ターミナルを利用すると説明している。
したがって、ANA便を利用する場合は、航空会社名だけでターミナルを判断するのではなく、実際の運航便の情報を確認する必要がある。
特に注意したいのは、予約時点で把握したターミナルが、搭乗日まで固定されるとは限らないことだ。
ANAでは運航日の2日前から発着案内でターミナルを確認できるとしている。
第2ターミナルへの移動は無料連絡バスが便利第3ターミナルから第2ターミナルへ移動する場合、ターミナル間無料連絡バスが利用できる。
2026年8月18日から案内されている運行情報では、次のようなスケジュールになっている。
| 項目 | 運行情報 |
|---|---|
| 第3ターミナル乗り場 | 1階0番 |
| 第3ターミナル発の始発 | 4時47分 |
| 第3ターミナル発の最終 | 25時15分 |
| 5時~20時 | 約4分間隔 |
| 20時~24時 | 約8分間隔 |
| 利用料金 | 無料 |
第3ターミナルからは第1ターミナルを経由して第2ターミナルへ向かうルートがある。
道路の混雑状況によって遅延する場合もあるため、乗り継ぎ時間には余裕を持たせたい。
京急線・モノレールの乗り継ぎ乗車票も利用できるもう一つ知っておきたいのが、ターミナル間の乗り継ぎ乗車票だ。
羽田空港では、国内線と国際線、または国際線同士のターミナル間乗り継ぎを利用する旅客を対象に、京急線・東京モノレールの無料乗り継ぎ乗車票を配布している。
配布場所は以下のとおり。
- 第1ターミナル:地下1階
- 第2ターミナル:地下1階
- 第3ターミナル:2階
利用にはパスポートや航空券などによる対象者確認が必要だ。
バスだけがターミナル間移動の手段ではないことを覚えておくと、状況に応じて選択しやすい。
国際線から国際線への乗り継ぎは専用バスに注意第3ターミナルから第2ターミナルへ国際線同士の乗り継ぎをする場合、一般エリアを走る無料連絡バスとは別に、国際線乗り継ぎ用の専用バスが案内されている。
空港の案内に従って専用乗り場へ進み、第2ターミナル到着後は係員の誘導に従って乗り継ぎ施設へ向かう。
一方、日本に入国する場合は、入国審査、手荷物受け取り、税関などの手続きを経てからターミナルを移動することになる。
ANAが案内する国際線到着から国内線への乗り継ぎでは、外周の無料連絡バスを利用する動線の目安として約80分が示されている。
これは単なるバスの乗車時間ではなく、入国手続きや手荷物の再預け入れ、保安検査などを含めた乗り継ぎ動線の目安だ。
【成田空港との違い】同じ第3ターミナルでも役割はまったく異なる
「第3ターミナル」という名称は、羽田空港だけで使われているわけではない。
成田空港にも第3ターミナルが存在するため、旅行者が混同するケースがある。
しかし、両者は設置目的や施設の役割が異なる。
羽田空港第3ターミナルは国際線の主要拠点羽田空港第3ターミナルは、従来の国際線旅客ターミナルを引き継いだ施設だ。
海外航空会社を含む国際線の発着に対応し、出国・入国手続き、免税店、飲食店、国際線乗り継ぎなどの機能を備えている。
また、京急線と東京モノレールの駅が直結しているため、都心からの鉄道アクセスにも優れる。
成田空港第3ターミナルはLCCを中心とした施設一方、成田空港第3ターミナルは、LCC(格安航空会社)の需要に対応する目的で整備された。
2015年4月8日に供用を開始し、成田国際空港株式会社はLCC専用ターミナルとして位置づけている。
羽田空港第3ターミナルとは、同じ番号を持つものの施設の設計思想が異なる。
成田空港第3ターミナルの特徴は、鉄道駅からターミナルまで徒歩で移動する構造にもある。
第2ターミナルと第3ターミナルの間はアクセス通路を使って徒歩移動でき、成田空港の公式案内では、空港第2ビル駅改札から第3ターミナル2階出発ロビーの案内カウンターまで約13分が目安とされている。
両空港の違いを整理すると、次のとおりだ。
| 比較項目 | 羽田空港第3ターミナル | 成田空港第3ターミナル |
|---|---|---|
| 施設の役割 | 国際線の主要ターミナル | LCCを中心としたターミナル |
| 供用開始・名称変更 | 2020年3月14日に名称変更 | 2015年4月8日に供用開始 |
| 主な機能 | 国際線出発・到着、免税店、乗り継ぎ | LCCを中心とした国内線・国際線 |
| 鉄道アクセス | 京急線・東京モノレールが直結 | 空港第2ビル駅から徒歩・バス |
| ターミナル間移動 | 無料連絡バスなど | 無料連絡バス・徒歩 |
| 施設の特徴 | 江戸小路、展望デッキなど | LCC利用を意識した施設構成 |
この比較から分かるのは、羽田の第3ターミナルは国際線機能を集約する施設、成田の第3ターミナルはLCC利用を支える施設という違いだ。
番号が同じだからといって、利用方法や航空会社の配置まで同じではない。
空港名とターミナル番号をセットで確認することが、旅行前の基本になる。
【プロの結論】第3旅客ターミナルビルを利用する前に確認すべき5つのポイント
第3旅客ターミナルビルは、羽田空港の国際線を支える重要な施設であり、飲食・買い物・交通アクセスの面でも利便性が高い。
ただし、2020年の名称変更以降、第2ターミナルも国際線に対応するようになったため、利用者が注意すべき点も変わっている。
実際に空港を利用する際は、次の5項目を押さえておきたい。
1. 航空券に記載されたターミナルを確認する
国際線だから第3ターミナルとは限らない。特にANAは第2・第3ターミナルの両方を利用する。
2. 出発なら3階、到着なら2階を覚える
基本的なフロア構造を理解しておくだけで、空港内での移動がスムーズになる。
3. 乗り継ぎでは無料バスと専用バスを区別する
一般エリアのターミナル間無料連絡バスと、国際線乗り継ぎ用の専用バスは別のものだ。
4. 飲食や買い物は出国前後のエリアを確認する
江戸小路などの4階エリアは出国手続き前に利用できる。出国後の免税店や飲食店とは利用できるタイミングが異なる。
5. 最新の運航・交通情報を出発直前にも確認する
航空会社の発着ターミナルやバスの運行状況は変更される場合がある。過去の搭乗経験だけで判断しないことが大切だ。
【第3旅客ターミナルビルに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:第3旅客ターミナルビルの正式名称は何ですか?
A1:羽田空港の第3旅客ターミナルビルが正式名称です。一般的には「羽田空港第3ターミナル」「T3」と呼ばれます。2020年3月14日に、旧国際線旅客ターミナルビルから名称変更されました。
Q2:羽田空港第3ターミナルから第2ターミナルへは無料で移動できますか?
A2:無料連絡バスを利用できます。第3ターミナルの1階0番乗り場から乗車できます。また、国内線と国際線などの対象となる乗り継ぎ旅客には、京急線・東京モノレールの無料乗り継ぎ乗車票も用意されています。
Q3:ANAの国際線はすべて第3ターミナルから出発しますか?
A3:いいえ。ANAが運航する羽田発着の国際線は、第2ターミナルと第3ターミナルの両方を使用します。路線や運航ダイヤによって異なるため、搭乗日の発着案内で確認してください。
Q4:羽田空港第3ターミナルの展望デッキは何時まで利用できますか?
A4:公式案内では24時間開放されています。ただし、悪天候や保安上の理由によって閉鎖される場合があります。
Q5:羽田空港と成田空港の第3ターミナルは同じ施設ですか?
A5:別の施設です。羽田空港の第3ターミナルは国際線の主要拠点で、成田空港の第3ターミナルはLCCを中心とした施設です。所在地も運用目的も異なります。
第3旅客ターミナルビルは、羽田空港の旧国際線旅客ターミナルビルが2020年3月14日に名称変更された施設だ。
名称変更の背景には、第2ターミナルでも国際線の運航が始まるという空港運用の変化があった。
2026年現在、第3ターミナルには国際線の出発・到着機能に加え、江戸小路や展望デッキ、各種ショップ、交通サービスが整備されている。
アクセスは京急線と東京モノレールが便利で、第1・第2ターミナルへの移動には無料連絡バスも利用できる。
一方、ANAの国際線は第2・第3ターミナルに分かれており、国際線利用者が必ず第3ターミナルへ向かえばよいわけではない。
成田空港の第3ターミナルとも役割が異なるため、空港名を含めた確認が欠かせない。
最も大切なのは、空港の名称や過去の利用経験ではなく、実際に搭乗する便の最新情報を基準に行動することだ。
出発前に航空会社の発着案内を確認し、利用ターミナルとアクセス方法を把握しておけば、羽田空港での移動や乗り継ぎの失敗を大きく減らせる。