ランキングを正しく理解するには、作品の放送枠や出演者も押さえておきたい。視聴率上位には、長寿シリーズ、医療ドラマ、大型サスペンス、スポーツを題材にした群像劇など、異なるジャンルの作品が並んでいる。
以下は、11月2日までに確認できた放送回を対象とした比較表だ。平均個人視聴率は各作品の秋期対象回の個人視聴率を単純平均した参考値で、最新話の数字とは区別している。
出典:ビデオリサーチの公表情報を参照した2026年11月2日更新の各作品別集計。平均個人視聴率は秋期対象回の各話数値から算出。数値は小数第2位まで表示。
この比較で目を引くのは、『VIVANT』と2位以下の差だけではない。『相棒 season25』と『アナログナース』の平均世帯視聴率はわずか0.20ポイント差で、個人視聴率もほぼ同じ水準にある。
また、『俺たちの箱根駅伝』は世帯8.53%、個人5.13%。視聴率だけを見ても、上位3作品とは異なる視聴者層への広がりがうかがえる。
【秋ドラマ視聴率推移】初回から上昇した作品・苦戦した作品

ドラマの評価を見極めるうえで、平均視聴率と同じくらい重要なのが各話の推移だ。初回は出演者や宣伝への関心で数字が伸びやすく、第2話以降に視聴者が定着するかどうかで作品の実力が見えてくる。
初回から大きく伸びた『VIVANT』『VIVANT』は、10月4日の第19話から11月1日の第23話まで、世帯視聴率が15.4%から18.8%へ上昇した。5話の間に3.4ポイント伸びた計算になる。
特に第21話の16.8%から第22話の18.6%、第23話の18.8%という流れは目立つ。物語が最終局面に入ることで、継続視聴者の関心が数字に表れている。
『相棒』は初回の勢いをどこまで維持できるか『相棒 season25』は初回11.0%から第2話9.4%へ低下した。ただし、シリーズ作品では初回拡大放送や新シーズンへの期待が初回の数字を押し上げることもある。
第2話の9.4%だけで失速と判断するのは早い。今後、10%前後に戻せるか、あるいは9%台で安定するかが次の判断材料になる。
『アナログナース』は序盤の安定感が強み『アナログナース』は初回10.1%、第2話9.9%。下落幅は0.2ポイントにとどまり、個人視聴率は5.6%を維持した。
初回から第2話への落ち込みが小さいことは、作品の基本設定やキャラクターに一定の関心が集まっている可能性を示す。今後は医療ドラマとしての展開が、継続視聴につながるかが焦点だ。
『俺たちの箱根駅伝』は第4話で持ち直す大泉洋主演の『俺たちの箱根駅伝』は、10月10日の初回8.6%、第2話8.9%、第3話8.0%、第4話8.6%という推移だった。
第3話で一度下がったものの、第4話で0.6ポイント回復。箱根駅伝を目指す学生たちと、テレビ局側の中継にかける人々を描く群像劇として、物語が進むにつれて関心を取り戻せるかが注目される。
『LOST10』は初回からの下落が課題横浜流星主演の『LOST10』は、初回9.0%、第2話6.7%、第3話6.3%。3話平均は7.33%となっている。
初回から第3話までに2.7ポイント下落した点は、上位作品と対照的だ。ただし、サスペンス作品は伏線や登場人物の関係が明らかになる中盤以降に評価が変わることもある。今後の展開と視聴者の定着を合わせて見る必要がある。
これらの放送回別数値は、11月2日更新の各話一覧に掲載された関東地区の平均世帯視聴率による。
【TVerお気に入り数ランキング】視聴率が低くても人気作品なのか?
2026年秋ドラマを比較する際、テレビの視聴率と並んで注目されるのがTVerのお気に入り登録数だ。リアルタイムでテレビを見ない人や、好きな時間に見逃し配信を利用する人の関心を把握する参考材料になる。
11月2日更新の集計ページに掲載された登録数の目安は次のとおりだ。これらは放送期間中に記録した最大値として扱われており、11月2日当日のリアルタイム登録数とは異なる。
TVerお気に入り登録数の比較
1位相当 VIVANT 第2シーズン約414.9万件
世帯視聴率の高さと配信上の関心がともに目立つ
相棒 season25約116.9万件
長寿シリーズとして配信でも関心を集める
アナログナース約51.9万件
世帯視聴率10%前後を維持する新作
俺たちの箱根駅伝約80.4万件
世帯平均8.53%、個人平均5.13%
出典:2026年11月2日更新のピクシーン掲載値。登録数は集計上の最大値。
ここから分かるのは、テレビ視聴率とTVerお気に入り数が別々の人気指標だということだ。
例えば、『VIVANT』は世帯視聴率でも首位であり、TVerでも400万件を超える登録数が確認されている。一方、『俺たちの箱根駅伝』も80万件を超える登録数があり、テレビのリアルタイム視聴率だけでは把握できない関心の広がりがある。
ただし、お気に入り登録は再生回数ではない。登録した人が実際に全話を見たか、何分視聴したか、最終回まで視聴したかは、この数字だけでは分からない。TVerの登録数を視聴率に換算することもできない。
【視聴率の正しい見方】世帯・個人・関東地区は何が違う?
ドラマの視聴率を比較するとき、混同しやすいのが世帯視聴率と個人視聴率だ。どちらも視聴状況を示す数値だが、計測対象が違う。
世帯視聴率とは?世帯視聴率は、テレビを所有する調査対象世帯のうち、どのくらいの世帯で番組が視聴されていたかを示す指標だ。家族のうち1人が見ていても、複数人が見ていても、世帯としての視聴は1世帯として集計される。
従来からドラマのランキングや過去作品との比較で広く利用されてきた数字であり、作品全体のテレビ視聴の規模を把握するのに役立つ。
個人視聴率とは?個人視聴率は、調査対象世帯にいる4歳以上の個人のうち、どのくらいの人が番組を見ていたかを示す指標だ。
同じ世帯視聴率でも、誰が見ているかによって個人視聴率は変わる。広告主やテレビ局が視聴者の年齢層・性別などを分析する際にも重要なデータとなる。
関東地区の視聴率は全国の視聴率ではない今回紹介した数値は、基本的にビデオリサーチ調べの関東地区データだ。関東地区の数字を全国の視聴率として扱うことはできない。
ビデオリサーチの公式資料によると、視聴率は全国32地区で調査されており、地域ごとに調査対象や集計結果が異なる。関東地区の数字は、関東地区での視聴傾向を示すデータとして読む必要がある。
また、リアルタイム視聴率と録画視聴を含む総合視聴率も別の指標だ。録画で後から見た視聴はタイムシフト視聴率として扱われる。TVerなどのインターネット配信の視聴も、通常のリアルタイム視聴率とは別に考えなければならない。
なお、ビデオリサーチの公式速報ページでは、2026年10~12月期について世帯視聴率、個人視聴率、平均視聴人数、到達人数をそれぞれ掲載している。単に視聴率の数字だけを比べるのではなく、何を測定した数字なのかを確認することが大切だ。
【プロの結論】2026年秋ドラマの勝敗は視聴率だけでは決まらない
11月2日時点の数字から見える今期の特徴は、大きく3つある。
第一に、『VIVANT』第2シーズンの強さだ。10月期対象5話の平均世帯視聴率17.02%に加え、最新話では世帯18.8%、個人12.3%を記録した。終盤に向かって数字が伸びている点は、単なる初回の話題性では説明できない。
第二に、『相棒 season25』と『アナログナース』の安定感だ。両作品は平均世帯視聴率10%前後で並び、個人視聴率もほぼ同水準となった。シリーズ作品と新作医療ドラマという異なるタイプの作品が、同じ放送局のプライムタイムで存在感を示している。
第三に、テレビ視聴と配信視聴の二極化ではなく、多様化が進んでいることだ。TVerのお気に入り登録数は、リアルタイム視聴率とは異なる関心の方向を示す。視聴者は放送時間に合わせて見るだけでなく、見逃し配信や自分の生活時間に合わせた視聴も選択している。
読者が作品の人気を判断するときは、次の基準を使うと分かりやすい。
- テレビでの支持を知りたいなら、関東地区の世帯視聴率を見る。
- 視聴者個人の広がりを知りたいなら、個人視聴率を見る。
- 初回の話題性ではなく定着率を知りたいなら、初回から最新話までの推移を見る。
- 配信での関心を知りたいなら、TVerお気に入り数や再生関連データを別々に見る。
- 作品の評価を知りたいなら、視聴率だけでなくレビューや継続視聴の状況も確認する。
反対に、視聴率だけで作品の優劣を決めたい人には、こうした複数指標の比較は少し回りくどく感じるかもしれない。しかし、視聴率は作品の品質を採点する数字ではなく、特定の条件下での視聴状況を測定する数字だ。ヒットの理由を理解するには、数字の背景まで読む必要がある。
【ドラマ秋視聴率】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年秋ドラマの視聴率ランキング1位はどの作品ですか?
A1:11月2日時点では『VIVANT』第2シーズンです。10月4日から11月1日までの対象5話の平均世帯視聴率は17.02%。11月1日放送の第23話は18.8%でした。
Q2:相棒 season25とアナログナースはどちらが高視聴率ですか?
A2:平均世帯視聴率では『相棒 season25』が10.20%、『アナログナース』が10.00%で、『相棒』が0.20ポイント上回っています。最新話では『相棒』が9.4%、『アナログナース』が9.9%です。
Q3:世帯視聴率と個人視聴率はどちらを重視すべきですか?
A3:目的によって異なります。世帯視聴率は何世帯で視聴されたか、個人視聴率は4歳以上の何人が視聴したかを示します。作品の視聴規模や視聴者層を知るには両方を確認するのが適切です。
Q4:TVerのお気に入り数は視聴率と同じですか?
A4:違います。お気に入り数は登録したユーザーの関心を示すもので、実際の再生回数やテレビのリアルタイム視聴率とは別の数字です。
Q5:2026年秋ドラマの最新視聴率はいつ更新されますか?
A5:放送後、視聴率データが公表されたタイミングで各作品の数値が更新されます。ビデオリサーチの公式速報や、放送翌日以降の報道を確認すると最新情報を把握できます。
2026年11月2日時点の秋ドラマ視聴率ランキングでは、『VIVANT』第2シーズンが平均世帯17.02%で首位。11月1日の第23話では世帯18.8%、個人12.3%を記録し、最終回を前に勢いを増している。
『相棒 season25』は平均10.20%、『アナログナース』は10.00%。『俺たちの箱根駅伝』も第4話で8.6%に回復し、『LOST10』は今後の巻き返しが注目される。
今後の見どころは、『VIVANT』最終回の数字だけではない。『相棒』と『アナログナース』が10%前後を維持できるか、新作ドラマが初回以降の下落を食い止められるかも重要になる。
秋ドラマの本当の人気を見極めるには、平均世帯視聴率、個人視聴率、最新話の推移、TVerお気に入り数を分けて比較すること。ひとつの数字だけで判断せず、複数のデータを組み合わせることが、2026年秋ドラマをより深く楽しむためのポイントだ。
主な情報源:ビデオリサーチ「最新ドラマ視聴データ速報」、MANTANWEB、日刊スポーツ、ドラマ9、ピクシーンの2026年11月2日更新データ。