2023年9月から10月にかけて日本で開催された「FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」。男女の日本代表がパリ2024オリンピック出場権を懸けて戦った大会であり、男子は予選プール2位で五輪出場を決定した一方、女子は5勝2敗で3位となり、この大会での出場権獲得を逃した。日本中の注目を集めた石川祐希、髙橋藍、古賀紗理那らの活躍も、記憶に残る大会の大きな要素となっている。
ただし、女子日本代表は2023年の予選で敗退した後、2024年6月に世界ランキングによる出場条件を満たし、最終的にはパリ五輪への出場を決めている。つまり、男子と女子では五輪出場権を獲得した時期と方法が異なる。2026年11月現在の大会制度や2025年以降の国際大会の変化も踏まえ、開催日程、日本代表の全14試合の結果、最終順位、監督・注目選手、テレビ放送、そして大会の歴史まで整理する。
【大会概要】ワールドカップバレー2023はパリ五輪出場を懸けた重要な予選だった

2023年大会の正式名称は「FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」。英語では「FIVB Road To Paris Volleyball Qualifier / World Cup 2023 Japan」と表記された。
主催は国際バレーボール連盟(FIVB)。日本バレーボール協会(JVA)とフジテレビジョンなどが共催し、東京の国立代々木競技場 第一体育館を舞台に男女の予選が行われた。
大会の基本情報- 大会名称:FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023
- 女子開催期間:2023年9月16日~9月24日
- 男子開催期間:2023年9月30日~10月8日
- 日本の会場:国立代々木競技場 第一体育館
- 主催:国際バレーボール連盟(FIVB)
- 共催:日本バレーボール協会、フジテレビジョンなど
- 日本の出場枠:男女各1チーム
男女ともに日本を含む8か国が同じプールに入り、総当たり戦を実施。各プールの上位2チームがパリ2024オリンピックの出場権を獲得する仕組みだった。
この予選は日本だけで開催されたものではない。女子は中国・ポーランド・日本、男子はブラジル・中国・日本の3か国で、それぞれ3つのプールが同時進行した。各プールの1位と2位、合計6チームに男女それぞれの五輪出場枠が与えられた。
FIVBの2023年5月の競技説明とJVAの大会概要によると、パリ五輪のバレーボール競技には男女各12チームが参加。開催国フランスの出場枠とは別に、予選大会で6枠、残る5枠は2024年の世界ランキングなどを基準に決定する方式だった。
このため、2023年の予選で出場権を獲得できなかったチームにも、五輪への道は残されていた。
【全試合日程・結果】女子と男子の日本代表はどう戦ったのか
日本代表の試合は、女子7試合、男子7試合の合計14試合。フジテレビは日本戦全14試合を地上波で生中継し、連日の試合が大きな注目を集めた。
女子日本代表の全試合結果(2023年9月)女子日本代表は眞鍋政義監督のもと、古賀紗理那を中心とするメンバーで予選に臨んだ。
開幕から5試合連続でストレート勝ちを収め、順調に勝ち星を積み重ねた。しかし、終盤のトルコ戦とブラジル戦で連敗。最終的に5勝2敗となった。
- 9月16日:日本 3-0 ペルー
- 9月17日:日本 3-0 アルゼンチン
- 9月19日:日本 3-0 プエルトリコ
- 9月20日:日本 3-0 ブルガリア
- 9月22日:日本 3-0 ベルギー
- 9月23日:日本 1-3 トルコ
- 9月24日:日本 2-3 ブラジル
特に重要だったのが9月23日のトルコ戦と24日のブラジル戦だ。
トルコ戦では第1セットを25-22で先取したものの、その後3セットを連続で失い、1-3で敗戦。続くブラジル戦ではフルセットにもつれ込んだが、最終セットを10-15で落とした。
ブラジル戦のセットスコアは21-25、25-22、25-27、25-15、10-15。日本は第4セットを奪って最終セットに持ち込んだものの、最後はブラジルの攻撃と勝負どころのサーブに押し切られた。
JVAの公式試合報告によると、この最終戦は勝てばパリ五輪出場権を獲得できる一戦だった。敗戦によって日本の予選突破は実現せず、5勝2敗のプールB・3位で大会を終えた。
男子日本代表の全試合結果(2023年9月~10月)男子日本代表はフィリップ・ブラン監督の指揮のもと、石川祐希主将、髙橋藍、西田有志らを中心に大会へ臨んだ。
- 9月30日:日本 3-2 フィンランド
- 10月1日:日本 2-3 エジプト
- 10月3日:日本 3-0 チュニジア
- 10月4日:日本 3-0 トルコ
- 10月6日:日本 3-0 セルビア
- 10月7日:日本 3-0 スロベニア
- 10月8日:日本 2-3 アメリカ
男子の初戦はフィンランドとのフルセットの接戦だった。第1セットと第2セットを連取したものの、第3、第4セットを落とし、最終セットで勝負を決めた。
一方、翌日のエジプト戦では2セットを先取しながら逆転負けを喫した。25-14、25-10と優位に進めた試合だっただけに、日本にとって痛い敗戦となった。
しかし、10月3日のチュニジア戦から流れを立て直す。トルコ、セルビアにもストレート勝ちし、10月7日のスロベニア戦でも25-21、25-22、25-18で勝利した。
このスロベニア戦の勝利によって日本の2位以内が確定。パリ2024オリンピックへの出場権を獲得した。
翌日のアメリカ戦は2-3で敗れたが、すでに五輪出場権を確保していたため、予選突破の結果は変わらなかった。
【最終順位と五輪出場権】男子2位、女子3位になった理由を比較
ワールドカップバレー2023で検索されることの多い疑問が、男女の最終順位とパリ五輪出場権の違いだ。
男子と女子はともに5勝2敗で大会を終えている。しかし、男子は2位、女子は3位。勝敗数だけを比較すると同じ成績だが、同じ結果にはならなかった。
男女日本代表の最終順位と関係者| 比較項目 | 男子日本代表 | 女子日本代表 |
|---|---|---|
| 監督 | フィリップ・ブラン | 眞鍋政義 |
| 主将 | 石川祐希 | 古賀紗理那 |
| 開催期間 | 9月30日~10月8日 | 9月16日~24日 |
| 勝敗 | 5勝2敗 | 5勝2敗 |
| 勝ち点 | 16点 | 16点 |
| プール最終順位 | 2位 | 3位 |
| 上位2チーム | アメリカ、日本 | トルコ、ブラジル |
| 2023年予選での五輪出場権 | 獲得 | 獲得できず |
| パリ五輪への最終結果 | 2023年10月に出場決定 | 2024年6月に世界ランキング経由で出場決定 |
出典:フジテレビ公式大会順位表、日本バレーボール協会の大会記録・代表選手情報。
男子はスロベニア戦で出場権を確定男子プールBの最終順位は次のとおり。
- 1位:アメリカ(7勝0敗、20ポイント)
- 2位:日本(5勝2敗、16ポイント)
- 3位:スロベニア(5勝2敗、15ポイント)
- 4位:トルコ(4勝3敗、11ポイント)
- 5位:セルビア(3勝4敗、9ポイント)
- 6位:フィンランド(2勝5敗、7ポイント)
- 7位:エジプト(2勝5敗、5ポイント)
- 8位:チュニジア(0勝7敗、1ポイント)
日本とスロベニアはともに5勝2敗だったが、日本が勝ち点16、スロベニアが15となり、日本が上位に入った。
注目したいのは、予選最終日のアメリカ戦よりも、その前日のスロベニア戦が出場権獲得の決定打だったことだ。日本は10月7日に勝利し、最終戦を残した段階で2位以内を確定させた。
FIVBの公式記録でも、日本はアメリカとともにパリ2024への出場を決めたチームとして記録されている。
女子は勝ち点16でも3位にとどまった女子プールBの最終順位は以下のとおり。
- 1位:トルコ(7勝0敗、21ポイント)
- 2位:ブラジル(6勝1敗、16ポイント)
- 3位:日本(5勝2敗、16ポイント)
- 4位:プエルトリコ(4勝3敗、11ポイント)
- 5位:アルゼンチン(3勝4敗、8ポイント)
- 6位:ベルギー(2勝5敗、6ポイント)
- 7位:ブルガリア(1勝6敗、5ポイント)
- 8位:ペルー(0勝7敗、1ポイント)
日本とブラジルは勝ち点16で並んでいた。しかし、順位決定で最初に比較されるのは勝敗数。ブラジルは6勝1敗、日本は5勝2敗だったため、ブラジルが2位となった。
日本のセット率は3.000で、ブラジルの2.571を上回っていた。それでも勝利数の差が優先されたため、日本は3位となったのである。
ここが女子日本代表の結果を理解するうえで要点だ。セット率が高くても、勝利数の段階で下位となれば順位は逆転できない。
パリ五輪の出場権獲得条件とは?2023年のオリンピック予選では、開催国フランスを除く世界ランキング上位24か国が3つのプールに分かれ、それぞれ8チームで総当たり戦を実施した。
出場権を得る条件は、各プールの上位2チームに入ること。男女それぞれ6チームがこの段階でパリ五輪への出場を決めた。
残る5枠については、2024年のネーションズリーグ予選ラウンド終了時点のFIVB世界ランキングを基準に決定。まだ出場権を持たないチームを対象に、大陸別の出場状況などを考慮して選考する方式だった。
女子日本代表は2023年の予選では3位だったが、2024年6月14日にJVAがパリ五輪出場権の獲得を正式発表。世界ランキングによる選考で出場条件を満たした。
したがって、「女子日本代表は2023年の予選で五輪出場権を逃した」という説明は正しいが、「女子日本代表はパリ五輪に出場できなかった」という説明は誤りである。
【注目選手と監督】石川祐希・髙橋藍・古賀紗理那の活躍
2023年大会を振り返るうえで欠かせないのが、日本代表の中心選手と指揮官の存在だ。男子は石川祐希と髙橋藍、女子は古賀紗理那がチームを牽引した。
石川祐希:男子日本代表の主将として攻守を牽引石川祐希は男子日本代表のキャプテンとして大会に出場。イタリアのパワーバレー・ミラノに所属していた当時、世界のトップレベルで培った経験を日本代表に持ち込んだ。
初戦のフィンランド戦では、序盤からサービスエースを決めるなど攻撃の起点となった。JVAの試合報告でも、石川の連続サービスエースが日本のリードにつながったことが紹介されている。
セルビア戦ではブロックとアタックで連続得点に関わり、チームが主導権を握る展開を支えた。スロベニア戦での勝利にも貢献し、パリ五輪出場権獲得という大きな目標を達成した。
また、最終戦のアメリカ戦ではフルセットの接戦を経験。大会全体を通じて、攻撃だけでなくキャプテンとしてチームをまとめる役割も担った。
髙橋藍:攻撃だけでなく守備でも存在感髙橋藍は、男子日本代表のアウトサイドヒッターとして活躍。高い身体能力を生かしたスパイクだけでなく、レシーブやブロック、状況判断を伴うプレーでも注目された。
フィンランドとの初戦では、最終セットで得点を決めて勝利に貢献。エジプト戦でも守備と攻撃の両面で存在感を見せた。
特にセルビア戦では、トランジションアタックやブロックで得点に関与。日本が試合の主導権を握るうえで重要な働きをした。
トルコ戦ではフェイクセットから西田有志のスパイクにつなげるプレーも披露。単に強いスパイクを打つだけではない、髙橋の技術的な幅広さが表れた場面だった。
髙橋の魅力は、攻撃と守備の両方に関わりながらラリーを継続できる点にある。石川、西田、関田誠大らとの連係も、日本の攻撃を支える重要な要素だった。
古賀紗理那:女子日本代表の主将としてチームを牽引女子日本代表の中心選手は、アウトサイドヒッターの古賀紗理那。眞鍋政義監督のもとで主将を務め、攻撃の軸として大会に臨んだ。
開幕からの5連勝では、チーム全体の攻撃を支え、安定した試合運びに貢献した。
トルコ戦では試合序盤にスパイクで先制し、サービスや攻撃で相手を揺さぶった。第1セットを先取したものの、最終的には1-3で敗れ、重要な一戦を落とした。
続くブラジル戦でも、古賀は第1セットにサービスエースを決めて6-6の同点に追いつくなど、最後まで勝利を目指して戦った。
結果は2-3。古賀を中心とする日本の攻撃は一定の成果を上げたものの、ブラジルの粘り強いレシーブと終盤の決定力を上回ることはできなかった。
フィリップ・ブラン監督と眞鍋政義監督男子を率いたフィリップ・ブラン監督はフランス出身の指導者。2021年に男子日本代表監督への就任が発表され、2023年大会では日本の攻守のバランスを重視したチーム作りを進めていた。
女子の眞鍋政義監督は、過去に日本女子代表を率いて2010年世界選手権銅メダル、2012年ロンドン五輪銅メダルなどの実績を持つ指導者。2021年に女子代表監督へ復帰し、2023年大会でも古賀紗理那らを中心とするチームを指揮した。
男女の結果を分けたのは、単純な個人能力の差だけではない。男子はスロベニア戦までに勝ち点を積み上げ、五輪出場圏内を確保した。一方、女子は終盤の強豪国との連戦で勝ち切れず、上位2チームに届かなかった。
監督の戦術、選手のコンディション、試合ごとの修正力、勝負どころでの決定力が複合的に結果へ影響した大会だった。
【会場・テレビ放送】国立代々木競技場とフジテレビの放送日程
2023年大会の日本開催会場となったのは、東京都渋谷区にある国立代々木競技場 第一体育館だ。
女子大会と男子大会の両方が同じ会場で開催され、日本代表の試合には多くの観客が詰めかけた。男子大会の初戦では、満員の会場で日本とフィンランドの対戦が行われたことがJVAの公式報告にも記録されている。
国立代々木競技場 第一体育館の基本情報- 所在地:東京都渋谷区神南2-1-1
- 施設名:国立代々木競技場 第一体育館
- 女子大会:2023年9月16日~24日
- 男子大会:2023年9月30日~10月8日
- 最寄り駅:JR原宿駅、東京メトロ明治神宮前駅など
大会のテレビ放送はフジテレビが担当。日本代表戦全14試合を地上波で独占生中継する編成が組まれた。
日本戦は原則として19時から放送され、女子の初戦となった9月16日のペルー戦から、男子の最終戦となった10月8日のアメリカ戦まで、男女の試合が連日テレビで届けられた。
放送予定の対象となった日本戦は次のとおり。
女子:9月16日、17日、19日、20日、22日、23日、24日。
男子:9月30日、10月1日、3日、4日、6日、7日、8日。
フジテレビ系では地上波放送のほか、フジテレビNEXT、フジテレビONE、BSフジで一部の試合の生中継や録画放送も実施された。
なお、これらは2023年大会当時の放送情報であり、2026年現在の再放送や配信状況を示すものではない。
【2026年最新】ワールドカップバレーの歴史と2023年大会以降の変化
ワールドカップバレーという名称には、長い歴史がある。2023年大会を正しく理解するには、従来のFIVBワールドカップと、パリ五輪予選として開催された日本大会を区別する必要がある。
バレーボールワールドカップの歴史FIVBの歴史資料によると、男子ワールドカップは1965年にポーランドで初開催された。女子は1973年にウルグアイで第1回大会が開催されている。
その後、1977年に男女大会が日本で開催されて以降、従来のワールドカップは長く日本を開催地としてきた。フジテレビによる中継も大会の知名度を高める役割を果たしてきた。
2019年大会までは、オリンピック出場権獲得にも関係する重要な国際大会として位置付けられていた。
一方、2023年の日本大会は、従来のワールドカップと同一の競技形式による世界一決定戦ではない。パリ五輪予選である「Road to Paris Volleyball Qualifier」が正式な競技の位置付けであり、日本では伝統的なワールドカップの名称を冠して開催された。
2025年から国際大会の方式が変更FIVBは2025年以降の国際大会カレンダーを変更。世界選手権は4年ごとの開催から2年ごとの開催へ移行し、男女とも参加国を32チームに拡大した。
2025年大会では、女子がタイ、男子がフィリピンで開催された。2025年の女子世界選手権はイタリアが優勝し、トルコが準優勝、ブラジルが3位。男子世界選手権もイタリアが優勝し、ブルガリアが準優勝、ポーランドが3位となった。
2026年1月に公表されたFIVBの年間総括でも、男女ともイタリアが2025年の世界選手権を制したことが確認できる。
2027年から世界選手権がワールドカップの名称に2026年3月5日、FIVBは大きな大会名称の変更を発表した。
それまでFIVBバレーボール世界選手権として開催されてきた大会が、2027年から「FIVBバレーボールワールドカップ」の名称を採用することになった。
2027年大会は男子がポーランド、女子がアメリカとカナダで開催される予定で、男女各32チームが参加する。加えて、ロサンゼルス2028オリンピックの出場権獲得ルートにも関係する大会となる。
2026年10月には2027年女子大会の出場32チームが確定し、日本もアジア代表の一角として名を連ねた。男子大会についても同月に出場チームが確定している。
このように、2023年の日本大会で使われたワールドカップという名称と、2027年以降のFIVBワールドカップは、大会の位置付けや制度の変化を踏まえて理解する必要がある。
【よくある質問】ワールドカップバレー2023に関するFAQ
Q1:ワールドカップバレー2023の日本代表の最終順位は何位?
A1:男子日本代表はプールBの2位、女子日本代表はプールBの3位。男子は5勝2敗・勝ち点16、女子も5勝2敗・勝ち点16だったが、男女それぞれの対戦相手と勝ち点の比較によって順位が分かれた。
Q2:男子日本代表はいつパリ五輪出場を決めた?
A2:2023年10月7日のスロベニア戦で3-0のストレート勝ちを収め、プールBの2位以内を確定させた。翌日のアメリカ戦には2-3で敗れたが、出場権獲得はすでに決まっていた。
Q3:女子日本代表は3位だったためパリ五輪に出場できなかった?
A3:出場できなかったわけではない。2023年の予選では3位となり、直接の出場権を獲得できなかったが、2024年6月14日にFIVB世界ランキングによる選考で出場条件を満たし、パリ五輪への出場が正式に決まった。
Q4:ワールドカップバレー2023の日本戦は何試合放送された?
A4:フジテレビ系が日本代表戦全14試合を地上波独占生中継した。女子7試合、男子7試合で、原則19時からの放送だった。
Q5:2023年大会の男子・女子日本代表の監督は誰?
A5:男子はフィリップ・ブラン監督、女子は眞鍋政義監督。男子はパリ五輪出場権を予選で獲得し、女子は翌年の世界ランキングによる選考で出場を決めた。
Q6:2023年大会と従来のワールドカップは同じ大会?
A6:大会名称にはワールドカップが含まれていたが、2023年の日本大会はパリ五輪予選として実施された大会。従来のFIVBワールドカップとは競技制度上の位置付けが異なる。なお、2027年からは世界選手権がワールドカップの名称を採用する。
ワールドカップバレー2023は、男女日本代表がそれぞれ異なる形でパリ2024オリンピックへの道を切り開いた大会だった。
男子はフィンランド戦の接戦、エジプト戦の逆転負けを乗り越え、チュニジア、トルコ、セルビア、スロベニアに4連勝。石川祐希、髙橋藍、西田有志らを中心としたチームが、5勝2敗でプールBの2位に入り、10月7日に五輪出場権を確保した。
女子は古賀紗理那を中心に開幕5連勝を達成したものの、トルコとブラジルに連敗。5勝2敗で3位となり、予選での直接出場権獲得には届かなかった。ただし、2024年6月には世界ランキングによる出場枠を獲得し、最終的には男子とともにパリ五輪の舞台に立っている。
2026年現在、この大会を振り返る際に押さえておきたいのは、男子の2位と女子の3位という結果だけではない。女子が予選で敗れた後も五輪への道が残されていたこと、そして2025年以降に国際大会の仕組みそのものが変わったことも重要だ。
2027年からは世界選手権がワールドカップの名称を引き継ぎ、新たな国際大会の時代が始まる。2023年大会は、日本代表の競技力と国際大会の制度変革を振り返るうえで、今なお重要な転換点として位置付けられている。
【プロの結論】ワールドカップバレー2023を正しく理解するための判断基準は、「大会順位」「予選での出場権獲得」「最終的な五輪出場」の3つを分けて考えることだ。男子は予選突破、女子はランキング選考という異なる経路をたどった。両チームの結果を一面的に比較せず、それぞれの試合経過と出場権獲得までの過程を追うことで、2023年大会の本当の意味が見えてくる。