2026年10月31日時点の日本相撲協会の名簿によると、大相撲の親方にあたる「年寄」は103人。全国の相撲部屋は45部屋あり、そのすべてに師匠が1人ずつ在籍している。残る58人は部屋付き親方などとして協会や各部屋を支えている。
親方の名前は現役時代の四股名と異なることが多く、八角親方(元北勝海)、伊勢ヶ濱親方(元照ノ富士)、音羽山親方(元鶴竜)、二所ノ関親方(元稀勢の里)、湊川親方(元貴景勝)など、かつて土俵を沸かせた名力士が指導者として活躍している。
日本相撲協会が管理する年寄名跡は105。2026年10月16日現在、峰崎と出来山の2名跡が空いている。現役時代の最高位や所属部屋だけでなく、協会内での役職、部屋の師匠と部屋付き親方の違い、親方になるための条件を理解すると、大相撲の組織構造がより明確になる。
【2026年10月最新】相撲親方は103人!年寄名跡105との関係

相撲界で一般的に「親方」と呼ばれる人の正式な名称は「年寄(としより)」である。
日本相撲協会の公式年寄一覧には、年寄名、引退時の四股名、最高位、所属部屋などが掲載されている。2026年10月31日時点で確認できる年寄は103人だ。
年寄103人と年寄名跡105の内訳| 項目 | 2026年10月時点 |
|---|---|
| 年寄名跡の総数 | 105 |
| 現在の年寄 | 103人 |
| 空き名跡 | 2 |
| 相撲部屋 | 45部屋 |
| 部屋の師匠 | 45人 |
| 部屋付き親方など | 58人 |
空き名跡は峰崎と出来山である。
この数字を理解するうえで注意したいのは、年寄名跡の数と親方の人数は同じではないという点だ。
105という数字は親方が名乗ることのできる名跡の総数であり、実際に襲名して協会に在籍している親方が103人という意味である。
2026年10月16日には、元幕内・翔天狼の出来山親方が井筒を襲名した。これにより井筒が使用される一方、出来山が空き名跡となった。
日本相撲協会の公式「職務分掌」にも、未襲名名跡として峰崎と出来山が記載されている。
親方と年寄は同じ意味?基本的には同じ人物を指す言葉だが、正式名称と一般的な呼称に違いがある。
- 年寄:日本相撲協会の正式な呼称
- 親方:年寄に対する一般的な呼び方
- 年寄名跡:親方が襲名する名前
- 部屋持ち親方:相撲部屋の師匠を務める年寄
- 部屋付き親方:師匠のもとで所属部屋の指導や協会業務を担当する年寄
年寄は単に引退した元力士という意味ではない。協会に所属し、相撲文化の継承、力士の育成、本場所や巡業の運営などを担う立場である。
【全103人】相撲親方一覧|元四股名・最高位・所属部屋・役職
ここでは2026年10月31日時点の名簿をもとに、103人を現役時代の最高位別に整理する。
所属部屋の「師匠」は、その親方が当該部屋の責任者を務めていることを示す。それ以外は部屋付き親方などである。
横綱・大関出身の親方18人| 年寄名 | 元四股名 | 最高位 | 所属部屋 | 職階 |
|---|---|---|---|---|
| 八角 | 北勝海 | 第61代横綱 | 八角師匠 | 理事長 |
| 芝田山 | 大乃国 | 第62代横綱 | 芝田山師匠 | 役員待遇委員 |
| 宮城野 | 旭富士 | 第63代横綱 | 伊勢ヶ濱 | 参与 |
| 武蔵川 | 武蔵丸 | 第67代横綱 | 武蔵川師匠 | 委員 |
| 音羽山 | 鶴竜 | 第71代横綱 | 音羽山師匠 | 委員 |
| 二所ノ関 | 稀勢の里 | 第72代横綱 | 二所ノ関師匠 | 委員 |
| 伊勢ヶ濱 | 照ノ富士 | 第73代横綱 | 伊勢ヶ濱師匠 | 年寄 |
| 浅香山 | 魁皇 | 大関 | 浅香山師匠 | 理事 |
| 大鳴戸 | 出島 | 大関 | 藤島 | 委員 |
| 九重 | 千代大海 | 大関 | 九重師匠 | 役員待遇委員 |
| 武隈 | 豪栄道 | 大関 | 武隈師匠 | 委員 |
| 玉ノ井 | 栃東 | 大関 | 玉ノ井師匠 | 委員 |
| 鳴戸 | 琴欧洲 | 大関 | 鳴戸師匠 | 委員 |
| 秀ノ山 | 琴奨菊 | 大関 | 秀ノ山師匠 | 委員 |
| 藤島 | 武双山 | 大関 | 藤島師匠 | 理事 |
| 二子山 | 雅山 | 大関 | 二子山師匠 | 委員 |
| 陸奥 | 霧島 | 大関 | 音羽山 | 参与 |
| 湊川 | 貴景勝 | 大関 | 湊川師匠 | 委員待遇年寄 |
横綱出身者は7人、大関出身者は11人。最高位が横綱だった親方の中でも、協会内の職階や部屋での立場はそれぞれ異なる。
関脇・小結出身の親方46人| 年寄名 | 元四股名 | 最高位 | 所属部屋 | 職階 |
|---|---|---|---|---|
| 朝日山 | 琴錦 | 関脇 | 朝日山師匠 | 委員 |
| 安治川 | 安美錦 | 関脇 | 安治川師匠 | 委員 |
| 荒磯 | 琴勇輝 | 関脇 | 佐渡ヶ嶽 | 主任 |
| 入間川 | 栃司 | 関脇 | 春日野 | 参与 |
| 岩友 | 碧山 | 関脇 | 春日野 | 年寄 |
| 大島 | 旭天鵬 | 関脇 | 大島師匠 | 委員 |
| 押尾川 | 豪風 | 関脇 | 押尾川師匠 | 委員 |
| 鏡山 | 多賀竜 | 関脇 | 追手風 | 参与 |
| 春日野 | 栃乃和歌 | 関脇 | 春日野師匠 | 役員待遇委員 |
| 春日山 | 勢 | 関脇 | 伊勢ノ海 | 委員 |
| 片男波 | 玉春日 | 関脇 | 片男波師匠 | 理事 |
| 君ヶ濱 | 隠岐の海 | 関脇 | 八角 | 主任 |
| 清見潟 | 栃煌山 | 関脇 | 春日野 | 委員 |
| 桐山 | 宝富士 | 関脇 | 伊勢ヶ濱 | 年寄 |
| 佐渡ヶ嶽 | 琴ノ若 | 関脇 | 佐渡ヶ嶽師匠 | 理事 |
| 高砂 | 朝赤龍 | 関脇 | 高砂師匠 | 委員 |
| 高島 | 高望山 | 関脇 | 追手風 | 参与 |
| 高田川 | 安芸乃島 | 関脇 | 高田川師匠 | 理事 |
| 竹縄 | 栃乃洋 | 関脇 | 春日野 | 委員 |
| 立川 | 土佐ノ海 | 関脇 | 伊勢ノ海 | 委員 |
| 谷川 | 北勝力 | 関脇 | 九重 | 委員 |
| 友綱 | 魁聖 | 関脇 | 浅香山 | 主任 |
| 中村 | 嘉風 | 関脇 | 中村師匠 | 委員 |
| 西岩 | 若の里 | 関脇 | 西岩師匠 | 委員 |
| 錦戸 | 水戸泉 | 関脇 | 錦戸師匠 | 役員待遇委員 |
| 花籠 | 太寿山 | 関脇 | 高田川 | 参与 |
| 放駒 | 玉乃島 | 関脇 | 放駒師匠 | 委員 |
| 振分 | 妙義龍 | 関脇 | 境川 | 年寄 |
| 東関 | 高見盛 | 小結 | 八角 | 委員 |
| 雷 | 垣添 | 小結 | 雷師匠 | 委員 |
| 稲川 | 普天王 | 小結 | 木瀬 | 委員 |
| 大山 | 北勝富士 | 小結 | 八角 | 年寄 |
| 尾上 | 濱ノ嶋 | 小結 | 尾上師匠 | 理事 |
| 北陣 | 遠藤 | 小結 | 追手風 | 年寄 |
| 粂川 | 琴稲妻 | 小結 | 佐渡ヶ嶽 | 委員 |
| 境川 | 両国 | 小結 | 境川師匠 | 役員待遇委員 |
| 錣山 | 豊真将 | 小結 | 錣山師匠 | 委員 |
| 不知火 | 若荒雄 | 小結 | 阿武松 | 委員 |
| 関ノ戸 | 岩木山 | 小結 | 境川 | 委員 |
| 立浪 | 旭豊 | 小結 | 立浪師匠 | 委員 |
| 玉垣 | 智乃花 | 小結 | 大島 | 委員 |
| 常盤山 | 隆三杉 | 小結 | 湊川 | 参与 |
| 中立 | 小城錦 | 小結 | 出羽海 | 副理事 |
| 錦島 | 千代鳳 | 小結 | 九重 | 年寄 |
| 二十山 | 栃乃花 | 小結 | 春日野 | 委員 |
| 富士ヶ根 | 大善 | 小結 | 春日野 | 委員 |
関脇・小結出身の親方は46人。横綱・大関経験者と比較すると人数が多く、各部屋の指導者や協会の実務担当者として幅広く活動している。
前頭・十両出身の親方39人| 年寄名 | 元四股名 | 最高位 | 所属部屋 | 職階 |
|---|---|---|---|---|
| 浦風 | 敷島 | 前頭筆頭 | 荒汐 | 委員 |
| 枝川 | 蒼樹山 | 前頭筆頭 | 時津風 | 委員 |
| 木瀬 | 肥後ノ海 | 前頭筆頭 | 木瀬師匠 | 年寄 |
| 佐ノ山 | 千代の国 | 前頭筆頭 | 九重 | 主任 |
| 陣幕 | 富士乃真 | 前頭筆頭 | 八角 | 参与 |
| 立田山 | 薩洲洋 | 前頭筆頭 | 追手風 | 参与 |
| 時津風 | 土佐豊 | 前頭筆頭 | 時津風師匠 | 委員 |
| 三保ヶ関 | 栃栄 | 前頭筆頭 | 春日野 | 委員 |
| 山響 | 巌雄 | 前頭筆頭 | 山響師匠 | 役員待遇委員 |
| 山分 | 武雄山 | 前頭筆頭 | 藤島 | 委員 |
| 若松 | 朝乃若 | 前頭筆頭 | 錦戸 | 副理事 |
| 荒汐 | 蒼国来 | 前頭2枚目 | 荒汐師匠 | 委員 |
| 井筒 | 翔天狼 | 前頭2枚目 | 藤島 | 年寄 |
| 追手風 | 大翔山 | 前頭2枚目 | 追手風師匠 | 理事 |
| 小野川 | 北太樹 | 前頭2枚目 | 山響 | 委員 |
| 勝ノ浦 | 起利錦 | 前頭2枚目 | 伊勢ノ海 | 役員待遇委員 |
| 千田川 | 徳勝龍 | 前頭2枚目 | 錦戸 | 年寄 |
| 出羽海 | 小城乃花 | 前頭2枚目 | 出羽海師匠 | 理事 |
| 湊 | 湊富士 | 前頭2枚目 | 湊師匠 | 委員 |
| 山科 | 豊響 | 前頭2枚目 | 境川 | 委員 |
| 伊勢ノ海 | 北勝鬨 | 前頭3枚目 | 伊勢ノ海師匠 | 理事 |
| 白玉 | 琴椿 | 前頭3枚目 | 佐渡ヶ嶽 | 参与 |
| 浜風 | 五城楼 | 前頭3枚目 | 佐渡ヶ嶽 | 副理事 |
| 待乳山 | 武州山 | 前頭3枚目 | 藤島 | 委員 |
| 尾車 | 琴恵光 | 前頭4枚目 | 佐渡ヶ嶽 | 年寄 |
| 若藤 | 皇司 | 前頭4枚目 | 木瀬 | 委員 |
| 間垣 | 石浦 | 前頭5枚目 | 伊勢ヶ濱 | 主任 |
| 高崎 | 金開山 | 前頭6枚目 | 出羽海 | 委員 |
| 楯山 | 誉富士 | 前頭6枚目 | 伊勢ヶ濱 | 委員 |
| 阿武松 | 大道 | 前頭8枚目 | 阿武松師匠 | 委員 |
| 田子ノ浦 | 隆の鶴 | 前頭8枚目 | 田子ノ浦師匠 | 委員 |
| 松ヶ根 | 玉力道 | 前頭8枚目 | 放駒 | 委員 |
| 大嶽 | 玉飛鳥 | 前頭9枚目 | 大嶽師匠 | 委員 |
| 式守 | 北桜 | 前頭9枚目 | 式秀師匠 | 委員 |
| 甲山 | 大碇 | 前頭11枚目 | 伊勢ノ海 | 委員 |
| 千賀ノ浦 | 里山 | 前頭12枚目 | 尾上 | 委員 |
| 立田川 | 寶千山 | 前頭14枚目 | 境川 | 年寄 |
| 中川 | 旭里 | 前頭14枚目 | 時津風 | 委員 |
| 熊ヶ谷 | 大竜 | 十両4枚目 | 大嶽 | 参与 |
前頭・十両出身の親方も、協会の運営や部屋の指導に欠かせない存在だ。
注目したいのは、現役時代の最高位だけでは現在の職階を判断できないこと。前頭経験者でも理事を務める親方がいる一方、横綱経験者でも参与として在籍する親方がいる。
【相撲部屋の師匠45人】部屋付き親方との違いを比較
日本相撲協会公式の「相撲部屋のご紹介」には45部屋が掲載されている。
それぞれの部屋には師匠がおり、力士の育成や部屋の運営に責任を持つ。一方、部屋付き親方は師匠のもとで指導や協会業務を担当する。
師匠と部屋付き親方の違い部屋の師匠
- 相撲部屋の責任者
- 所属力士の育成・指導を統括
- 部屋の運営や管理を担う
- 協会から委託された人材育成業務を行う
部屋付き親方
- 部屋の師匠のもとで活動
- 力士の稽古や生活面の指導を補助
- 協会の審判・広報・巡業などの業務も担当
- 将来的に部屋を継承したり独立したりする場合もある
103人のうち45人が師匠で、残る58人が部屋付き親方などに該当する。
この区分は協会内の職階とは別のものだ。部屋の師匠だから必ず理事というわけではなく、部屋付き親方だから協会の重要な役職に就けないということでもない。
2026年10月時点の45部屋日本相撲協会の公式一覧に掲載されている部屋は次の45部屋だ。
浅香山部屋、朝日山部屋、安治川部屋、荒汐部屋、雷部屋、伊勢ヶ濱部屋、伊勢ノ海部屋、追手風部屋、阿武松部屋、大島部屋、大嶽部屋、押尾川部屋、音羽山部屋、尾上部屋、春日野部屋、片男波部屋、木瀬部屋、九重部屋、境川部屋、佐渡ヶ嶽部屋、式秀部屋、錣山部屋、芝田山部屋、高砂部屋、高田川部屋、武隈部屋、田子ノ浦部屋、立浪部屋、玉ノ井部屋、出羽海部屋、時津風部屋、中村部屋、鳴戸部屋、西岩部屋、錦戸部屋、二所ノ関部屋、八角部屋、放駒部屋、秀ノ山部屋、藤島部屋、二子山部屋、湊部屋、湊川部屋、武蔵川部屋、山響部屋。
45部屋の師匠は、前述の103人の一覧で「師匠」と付けた親方に該当する。
部屋付き親方が必要とされる理由相撲部屋は、単に力士が集まって稽古をする場所ではない。
入門した若い力士の生活指導から、関取の技術向上、食事や生活習慣の管理まで、日常的に多くの仕事が発生する。
師匠1人ですべてを担当するのは難しい。そこで経験豊富な部屋付き親方が指導を分担し、若手の育成を支えている。
加えて、部屋付き親方には協会の担当業務もある。審判部や巡業部、広報部などの仕事を担うため、相撲界全体の運営を支える人材としても重要だ。
【親方の役職・階級】理事長から参与まで9つの区分
親方の役職は、現役時代の番付とは別に、日本相撲協会内での職階によって決まる。
2026年10月の職務分掌を基準にすると、103人の職階は次のように整理できる。
- 理事長:1人
- 理事:9人
- 副理事:3人
- 役員待遇委員:7人
- 委員:54人
- 主任:5人
- 委員待遇年寄:1人
- 年寄:12人
- 参与:11人
最も人数が多いのは委員の54人だ。
理事長と理事理事長は日本相撲協会の代表者であり、協会全体の運営を統括する。
2026年10月の理事長は、元第61代横綱・北勝海の八角親方だ。
理事は協会の重要な意思決定や各部署の運営を担う。審判部、巡業部、広報部、危機管理部など、それぞれの担当業務を持つ。
副理事・役員待遇委員副理事は理事を補佐する立場で、協会の各部署の副部長などを担当する。
役員待遇委員は役員に準じる待遇を受ける親方で、各部門の重要な職務を受け持つ。
委員・主任・年寄委員は協会の実務を幅広く担当する職階である。
審判、指導普及、生活指導、広報など、担当する仕事は多岐にわたる。
主任は委員の下位に位置する職階で、協会業務を担当する。
年寄は、これらの役職が付いていない親方の職階として名簿に掲載される。親方としての資格や部屋での立場がないという意味ではない。
参与は65歳以降の再雇用参与は、原則65歳の停年を迎えた親方が再雇用された場合の職階だ。
2014年11月に年寄の再雇用制度が認められ、希望して協会に認められた親方は70歳まで在籍できる。
2026年10月の参与は11人。元横綱旭富士の宮城野親方や元大関霧島の陸奥親方など、長年の経験を持つ親方が含まれている。
最高位と職階は別の評価基準ここは相撲親方一覧を見るうえで特に要点だ。
現役時代に横綱だったからといって、引退後も協会内で最上位の役職に就くわけではない。
例えば、八角親方は元横綱北勝海で理事長。一方、元横綱照ノ富士の伊勢ヶ濱親方は2026年10月時点で年寄という職階にある。
また、元前頭の親方でも理事に選ばれることがある。
つまり、現役時代の実績と引退後の協会内での役職は、別々に見る必要がある。
【注目の親方5人】元横綱・大関の現在と部屋での役割
2026年の親方一覧で特に注目されるのが、現役時代に横綱や大関として活躍した親方たちだ。
八角親方(元北勝海)|日本相撲協会理事長現役時代は九重部屋に所属し、横綱として優勝を重ねた。引退後は年寄・八角を襲名し、八角部屋の師匠となった。
2026年10月現在は日本相撲協会理事長を務める。
協会全体の運営を担う立場であり、本場所や巡業の開催、相撲界の組織運営などに関わっている。
伊勢ヶ濱親方(元照ノ富士)|第73代横綱から部屋の師匠へ伊勢ヶ濱親方は第73代横綱・照ノ富士だ。
2025年1月に現役を引退した後、横綱の特例によって照ノ富士の名前で協会に残り、同年6月9日付で年寄・伊勢ヶ濱を襲名。伊勢ヶ濱部屋の師匠も継承した。
このとき、先代の伊勢ヶ濱親方だった元横綱旭富士は宮城野を襲名し、伊勢ヶ濱部屋付きとなった。
なお、2026年4月9日には弟子への暴力問題を受け、委員待遇年寄から年寄への2階級降格と、3か月間の報酬10%減額の処分が決まった。
部屋の師匠は交代せず、10月時点でも伊勢ヶ濱部屋を率いている。
この事例は、部屋の師匠という立場と協会内の職階が別であることを示している。
音羽山親方(元鶴竜)|第71代横綱音羽山親方は第71代横綱・鶴竜。
モンゴル出身で、横綱として数々の実績を残した後、引退して年寄・音羽山を襲名した。
2026年10月現在は音羽山部屋の師匠で、協会内の職階は委員。
現役時代の経験を生かし、力士の育成や協会業務に携わっている。
二所ノ関親方(元稀勢の里)|第72代横綱二所ノ関親方は第72代横綱・稀勢の里。
現役時代は日本出身力士として長く大関を務め、2017年に横綱へ昇進した。
引退後は二所ノ関を襲名し、二所ノ関部屋を率いている。
2026年10月時点では委員として協会業務にも携わる。
湊川親方(元貴景勝)|元大関が30歳で部屋を継承湊川親方は元大関・貴景勝。
2024年9月に現役を引退し、年寄として協会に残った。
大きな転機となったのが2026年1月26日だ。日本相撲協会の理事会で常盤山部屋の継承が承認され、湊川部屋へと名称が変更された。
30歳という若さで部屋の師匠となり、2026年10月時点では委員待遇年寄を務める。
先代の常盤山親方(元小結・隆三杉)は参与として湊川部屋に残っている。
現役時代の実績だけでなく、引退後にどのような形で部屋を引き継ぐかという点でも注目される存在だ。
【年寄名跡105の仕組み】親方になる条件と襲名の流れ
年寄名跡は、親方になるために必要な名前である。
「親方株」「年寄株」と呼ばれることもあるが、正式には年寄名跡という。
年寄名跡は105で固定されている日本相撲協会が管理する年寄名跡は105。
出羽海、二所ノ関、伊勢ヶ濱、八角など、歴史のある名前が受け継がれている。
名跡は新しく自由に増やせるものではない。誰かが退職して名跡が空いたとき、次の資格者が襲名する仕組みになっている。
そのため、現役時代に優れた成績を残した力士であっても、年寄名跡を継承できなければ、通常の年寄として協会に残ることはできない。
親方になるための基本条件年寄名跡を襲名するための基本的な資格には、日本国籍と現役時代の番付・在位実績が関係する。
主な基準は次のとおりだ。
- 横綱または大関を務めた経験がある。
- 三役(関脇・小結)を1場所以上務めた。
- 幕内在位が通算20場所以上。
- 十両以上の関取在位が通算30場所以上。
これらの実績基準のうち、いずれかを満たすことが基本となる。
ただし、資格を満たせば自動的に親方になれるわけではない。名跡の継承と協会の審査・承認が必要になる。
年寄名跡を襲名するまでの流れ一般的な流れは次のとおりだ。
1. 現役力士が引退する。
2. 年寄名跡を継承する資格を確認する。
3. 襲名する名跡について調整する。
4. 年寄資格審査委員会の審査を受ける。
5. 理事会の決定を経て襲名する。
6. 日本相撲協会の年寄として活動する。
日本相撲協会の定款第47条では、年寄名跡は協会が管理すると定められている。
退職する年寄は、退職後5年以内であれば後継者を推薦できる。また、襲名する人は年寄資格審査委員会の審査結果に基づいて理事会で決定される。
加えて、名跡の襲名や推薦に関して金銭などを授受することは禁止されている。
つまり、一般に語られる「親方株」という表現から、自由に売買できる株式のような制度を想像するのは正確ではない。
一代年寄とは何か一代年寄とは、特別な功績を残した横綱などに対して、その本人一代限りで認められてきた年寄の制度を指す。
通常の年寄名跡とは異なり、本人限りで使用する仕組みだった。
過去には大鵬、北の湖、貴乃花などが一代年寄として知られている。
ただし、2026年10月時点の現役年寄一覧には一代年寄の親方は掲載されていない。
親方の定年は65歳、参与なら70歳まで年寄の停年は満65歳。
希望して協会に認められれば、再雇用によって70歳まで参与として在籍できる。
この制度により、長年の経験を持つ親方が若い師匠や力士を支えることも可能になっている。
【2025〜2026年の変化】名跡変更と部屋継承の重要ニュース
親方一覧は固定された名簿ではない。引退、名跡変更、部屋の継承、退職などによって随時変わる。
2025年から2026年にかけても、相撲界の組織に関わる重要な動きがあった。
2025年6月9日:伊勢ヶ濱部屋の師匠交代元横綱旭富士が伊勢ヶ濱から宮城野へ名跡を変更し、元横綱照ノ富士が伊勢ヶ濱を襲名した。
同時に照ノ富士が伊勢ヶ濱部屋の師匠となった。
これにより、宮城野親方は伊勢ヶ濱部屋付きとして在籍する形になった。
2026年1月26日:湊川親方が常盤山部屋を継承元大関・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承した。
部屋の名称も湊川部屋に変更され、先代の常盤山親方は参与として引き続き所属している。
若い師匠への継承という点で、今後の部屋運営にも注目が集まる。
2026年4月9日:伊勢ヶ濱親方の職階変更日本相撲協会は、弟子への暴力問題を受けて伊勢ヶ濱親方を委員待遇年寄から年寄へ降格させる処分を決定した。
3か月間の報酬10%減額も併せて決まった。
ただし、部屋の師匠は継続している。
この出来事は、親方の協会内での職階が処分などによって変わること、そして職階の変更と部屋の師匠という立場が必ずしも連動しないことを示している。
2026年8月7日:元明瀬山の井筒親方が退職元幕内・明瀬山の井筒親方が日本相撲協会を退職した。
これにより井筒の名跡が空いた。
2026年10月16日:元翔天狼が井筒を襲名元幕内・翔天狼の出来山親方が井筒を襲名した。
それまで名乗っていた出来山が空き名跡となり、2026年10月の公式職務分掌では峰崎と出来山の2つが未襲名名跡として記載された。
このように、親方一覧を調べる際には、単に年だけを見るのではなく、名跡変更が行われた日付まで確認する必要がある。
【よくある誤解】相撲親方一覧を見るときの注意点
親方の名前や経歴を調べる際には、いくつか混同しやすいポイントがある。
親方の名前と現役時代の四股名は違う例えば、北勝海は引退後に八角を襲名した。
照ノ富士は伊勢ヶ濱、鶴竜は音羽山、稀勢の里は二所ノ関、貴景勝は湊川という名前で活動している。
現役時代の四股名だけで検索すると、現在の所属部屋や役職を見落とすことがある。
最高位が高いほど協会内の役職も高いわけではない横綱経験者でも参与や年寄の場合がある。
反対に、前頭経験者でも理事を務めるケースがある。
現役時代の最高位は力士としての実績、職階は協会内での役職を表す。両者を同じ基準で比較してはいけない。
部屋付き親方も協会の重要な構成員部屋付きという言葉から、師匠よりも仕事が少ない、あるいは指導に関わらないと考えるのは誤りだ。
部屋付き親方も力士の育成や協会業務に携わっており、相撲界を支える重要な存在である。
名跡の数と現在の親方の数は一致しない年寄名跡は105、現在の年寄は103人。
名跡が空いていることと、親方が退職したことは関係するが、名跡の総数そのものが変わったわけではない。
【相撲親方一覧】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年10月現在、相撲の親方は何人いますか?
A1:2026年10月31日時点で103人です。日本相撲協会が管理する年寄名跡は105あり、峰崎と出来山の2つが空いています。
Q2:相撲部屋の師匠は何人いますか?
A2:45人です。日本相撲協会の公式相撲部屋一覧には45部屋が掲載されており、それぞれに師匠がいます。残る58人は部屋付き親方などとして活動しています。
Q3:親方になるには横綱や大関になる必要がありますか?
A3:横綱・大関経験は資格基準の一つですが、必須ではありません。三役1場所以上、幕内通算20場所以上、関取通算30場所以上などの基準もあります。日本国籍や年寄名跡の継承、協会の審査・承認も必要です。
Q4:元照ノ富士の現在の親方名は何ですか?
A4:2026年10月現在は伊勢ヶ濱親方です。2025年6月9日付で伊勢ヶ濱を襲名し、伊勢ヶ濱部屋の師匠になりました。
Q5:元貴景勝の現在の親方名と所属部屋は?
A5:湊川親方で、湊川部屋の師匠です。2026年1月26日付で常盤山部屋を継承し、部屋の名称も湊川部屋に変更されました。
Q6:親方の定年は何歳ですか?
A6:原則65歳です。協会に認められた場合は、再雇用によって参与として70歳まで在籍できます。
2026年10月31日時点の日本相撲協会の年寄は103人。45部屋の師匠と58人の部屋付き親方などで構成されている。
年寄名跡は105あり、10月16日以降の空き名跡は峰崎と出来山だ。
八角親方(元北勝海)が理事長を務める一方、伊勢ヶ濱親方(元照ノ富士)、音羽山親方(元鶴竜)、二所ノ関親方(元稀勢の里)、湊川親方(元貴景勝)なども、それぞれの部屋で後進の育成に取り組んでいる。
親方の経歴を正確に把握するには、次の3点を分けて確認することが大切だ。
1. 年寄名跡: 現在どの親方名を名乗っているか。
2. 所属部屋: どの相撲部屋に所属し、師匠か部屋付きか。
3. 協会内の職階: 理事長、理事、委員、主任、年寄、参与など、どの立場にあるか。
大相撲は土俵上の勝敗だけで成り立っているわけではない。引退後の親方たちによる人材育成や協会運営があってこそ、次の世代の力士が育っていく。
今後も引退や襲名、部屋の継承によって名簿は変化する。最新情報を確認する際は、日本相撲協会の公式「年寄一覧」「職務分掌」「相撲部屋のご紹介」を基準にするのが確実だ。
主な確認資料: 日本相撲協会公式「年寄一覧」「職務分掌」「相撲部屋のご紹介」「定款」、協会の年寄名跡襲名・部屋継承に関する発表、2026年10月31日現在の年寄名簿整理資料。