2026年11月3日現在、将棋のALSOK杯第76期王将戦は、藤井聡太王将への挑戦権を懸けた挑戦者決定リーグが終盤に向かっています。永瀬拓矢九段、伊藤匠二冠、藤本渚七段がそれぞれ3勝1敗で並び、郷田真隆九段、本田奎六段、西田拓也六段、近藤誠也八段も残る対局で上位進出を狙っています。
今期の注目点は、前期に藤井王将と七番勝負を戦った永瀬拓矢九段の再挑戦、伊藤匠二冠の巻き返し、そしてリーグで存在感を示す藤本渚七段の戦いです。なお、出場棋士は合計7人で、名前が挙がりやすい6人に加えて近藤誠也八段も参加しています。挑戦者が決まった後の七番勝負は2027年1月11日に開幕する予定です。
【2026年最新情報】第76期王将戦は挑戦者決定リーグが激戦に

第76期王将戦は、2026年8月から11月にかけて挑戦者決定リーグが行われています。王将位を保持するのは藤井聡太王将。リーグを勝ち抜いた棋士が、2027年の七番勝負で藤井王将に挑みます。
日本将棋連盟の公式リーグ表で確認できる成績では、永瀬拓矢九段、伊藤匠二冠、藤本渚七段が3勝1敗で並んでいます。まだ挑戦者は決定しておらず、残りの対局が順位を左右する状況です。
首位争いをリードする3人の棋士永瀬拓矢九段は前期の挑戦者です。第75期七番勝負では藤井王将を相手に第4局終了時点で3勝1敗とリードしましたが、その後3連敗。最終的に3勝4敗で王将奪取を逃しました。今期は再び挑戦者となり、前期の雪辱を果たせるかが大きな焦点です。
伊藤匠二冠は、リーグで3勝1敗と好位置につけています。西田拓也六段、郷田真隆九段、近藤誠也八段に勝利し、本田奎六段に敗れた成績です。永瀬九段との直接対決も残されており、挑戦者争いを左右する重要な一局が控えています。
藤本渚七段も3勝1敗で首位に並ぶ存在です。永瀬九段には敗れたものの、近藤八段、西田六段、郷田九段に勝利。二次予選を勝ち抜いてリーグに進出した棋士として、上位シード勢に対抗する戦いを続けています。
11月の注目対局日本将棋連盟の週間対局予定では、11月4日に近藤誠也八段対西田拓也六段、11月6日に伊藤匠二冠対永瀬拓矢九段が予定されています。
特に11月6日の永瀬・伊藤戦は、3勝1敗で並ぶ両者の直接対決です。勝敗によって首位争いの構図が変わるため、第76期の行方を占う重要なカードになります。
【リーグ順位・対局結果】第76期に出場する7棋士を一覧で比較
第76期王将戦の挑戦者決定リーグには、前期の成績などによるシード棋士4人と、二次予選を勝ち上がった棋士3人が出場しています。
2026年11月3日時点の日本将棋連盟公式リーグ表に基づく成績は次のとおりです。
| 順位 | 棋士 | 成績 | 主な対局結果・注目点 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 永瀬拓矢九段 | 3勝1敗 | 藤本に敗北。西田、近藤、本田に勝利。伊藤、郷田戦が残る。 |
| 2位 | 西田拓也六段 | 1勝3敗 | 永瀬に勝利。伊藤、本田、藤本に敗北。郷田、近藤戦が残る。 |
| 3位 | 伊藤匠二冠 | 3勝1敗 | 本田に敗北。西田、郷田、近藤に勝利。永瀬、藤本戦が残る。 |
| 4位 | 近藤誠也八段 | 0勝4敗 | 藤本、永瀬、郷田、伊藤に敗北。西田、本田戦が残る。 |
| 5位 | 郷田真隆九段 | 2勝2敗 | 本田、近藤に勝利。伊藤、藤本に敗北。西田、永瀬戦が残る。 |
| 5位 | 藤本渚七段 | 3勝1敗 | 永瀬に敗北。近藤、西田、郷田に勝利。本田、伊藤戦が残る。 |
| 5位 | 本田奎六段 | 2勝2敗 | 郷田、永瀬に敗北。伊藤、西田に勝利。藤本、近藤戦が残る。 |
今期の特徴は、3勝1敗の3人がそれぞれ異なるリーグ順位を持っていることです。永瀬九段は1位、伊藤二冠は3位、藤本七段は5位。勝ち星が並んでいるからといって、挑戦者決定の条件まで同じではありません。
王将戦では、リーグの成績最上位者が複数並んだ場合、原則として順位上位2人によるプレーオフが行われます。そのため、最終的な勝ち星だけでなく、リーグ開始時点の順位も重要な意味を持ちます。
たとえば永瀬、伊藤、藤本の3人が同率首位となった場合、順位の高い永瀬九段と伊藤二冠がプレーオフに進む構図が基本となります。藤本七段にとっては、単に勝ち星を伸ばすだけでなく、他の上位棋士の結果も重要です。
【王将戦の仕組み・ルール】挑戦者はどうやって決まる?
王将戦は、日本将棋連盟が主催する八大タイトル戦の一つです。一次予選、二次予選、挑戦者決定リーグ、七番勝負という段階を経て、その年度の王将位を争います。
一次予選・二次予選で出場者を絞り込む王将戦は全棋士が参加する棋戦です。まず一次予選をトーナメント形式で行い、勝ち上がった棋士が二次予選に進出します。
二次予選では、さらにトーナメントを勝ち抜いた3人が挑戦者決定リーグへの出場権を得ます。これに前期の成績などによるシード棋士4人を加え、合計7人でリーグ戦を実施します。
挑戦者決定リーグは7人総当たり挑戦者決定リーグでは、7人が総当たりで対局します。各棋士は6局を戦い、成績上位者が王将への挑戦権を争います。
リーグの成績最上位者が複数いる場合は、順位上位の2人によるプレーオフが原則です。また、リーグの上位4人は次期のリーグに残留し、下位3人はリーグから降級します。
つまり、挑戦権を得るための争いと、翌期のリーグ出場権を守る争いが同時に進行します。優勝争いだけでなく、残留争いにも注目することで、各対局の意味がより明確になります。
持ち時間と七番勝負のルール王将戦は予選とタイトル戦で持ち時間が異なります。一次・二次予選は各3時間、挑戦者決定リーグは各4時間、タイトル戦の七番勝負は各8時間です。
七番勝負は2日制で、初日に指した手の内容を封じて翌日に再開する封じ手制度が採用されています。先に4勝した棋士が王将位を獲得する仕組みです。
1局に長時間をかけるタイトル戦ならではの特徴は、序盤の研究だけでなく、長時間にわたる集中力や終盤の判断力が勝敗を左右するところにあります。
【2027年1月開幕】第76期王将戦七番勝負の日程と開催場所
日本将棋連盟の公式棋戦ページとALSOKの第76期特設情報によると、七番勝負は2027年1月11日に開幕します。開催は1月から3月にかけて予定されており、全国各地の会場が設定されています。
対局日程と会場は次のとおりです。
- 第1局:1月11日・12日 島根県大田市「さんべ荘」
- 第2局:1月23日・24日 京都府京都市「伏見稲荷大社」
- 第3局:2月2日・3日 東京都立川市「オーベルジュ ときと」
- 第4局:2月15日・16日 北海道松前町「温泉旅館矢野」
- 第5局:3月6日・7日 静岡県掛川市「掛川城二の丸茶室」
- 第6局:3月18日・19日 栃木県大田原市「ホテル花月」
- 第7局:3月30日・31日 東京都渋谷区「将棋会館」
第1局の開催地は島根県大田市のさんべ荘です。2027年1月11日と12日の2日間にわたり、藤井王将と挑戦者による最初の対局が行われる予定です。
七番勝負の初戦は、シリーズ全体の流れを左右する重要な一局です。先に勝利すれば心理的な優位を得られる一方、敗れた側は次局以降での立て直しを迫られます。
京都・伏見稲荷大社や掛川城など特色ある対局場第2局は京都の伏見稲荷大社、第5局は静岡県の掛川城二の丸茶室で開催されます。歴史的な建造物や地域の特色を感じられる場所が選ばれている点も、王将戦の楽しみの一つです。
第6局、第7局まで進むかどうかは対局結果によって決まります。先に4勝した棋士が出た時点でシリーズは終了するため、第6局と第7局は必ず開催されるわけではありません。
【歴代王将・タイトル獲得者】大山康晴、羽生善治から藤井聡太へ
王将戦は1950年に創設された歴史ある棋戦です。最初の開催は一般棋戦として行われ、1951年から第1期王将戦としてタイトル戦になりました。八大タイトル戦の中でも長い歴史を持ち、数々の名勝負が生まれています。
大山康晴と羽生善治が持つ永世王将の資格王将戦の歴史を語るうえで欠かせないのが大山康晴十五世名人です。日本将棋連盟の棋士データベースによると、大山は王将を通算20期獲得しています。
もう一人の象徴的な棋士が羽生善治九段です。羽生九段は王将を通算12期獲得しており、1995年度の第45期から1997年度の第47期にかけての連続獲得など、長く王将戦の歴史に名を残しています。
永世王将の資格は通算10期の獲得です。これまでに資格を得た棋士は大山康晴と羽生善治の2人だけであり、王将位を長期にわたって保持する難しさが分かります。
近年の王将戦は藤井聡太が中心近年の王将戦では藤井聡太王将が圧倒的な存在感を示しています。第71期から第75期まで5期連続で王将位を保持しています。
直近の第75期七番勝負では永瀬拓矢九段が先行し、藤井王将は1勝3敗と追い込まれました。しかし、その後に3連勝して4勝3敗で逆転防衛。5連覇という結果を残しました。
歴代の近年の獲得者を振り返ると、第71期から第75期までは藤井聡太、第68期から第70期までは渡辺明が王将位を獲得しています。その前には久保利明、郷田真隆、佐藤康光、羽生善治など、将棋界を代表する棋士が名を連ねています。
藤井王将にとって第76期は6連覇を目指すシリーズです。挑戦者が誰になるかによって、前期の再戦となるのか、新たなライバルとの対決になるのかが決まります。
【プロの結論】第76期王将戦で注目すべき3つのポイント
1. 永瀬拓矢と伊藤匠の直接対決が最大の焦点3勝1敗で並ぶ永瀬九段と伊藤二冠の直接対決は、挑戦者争いの重要な分岐点です。両者とも残りの対局で勝ち星を伸ばす必要がありますが、直接対決では相手の勝ち星を同時に止められるため、単なる1勝以上の意味を持ちます。
永瀬九段は前期の挑戦者としての経験を持ち、藤井王将との七番勝負を戦い抜いた実績があります。一方、伊藤二冠は今期のリーグでも安定した成績を残しています。両者の対局は、棋力だけでなく終盤の勝負強さにも注目したいところです。
2. 藤本渚七段が上位シード勢をどこまで追い抜けるか今期のリーグで見逃せないのが藤本七段の存在です。3勝1敗という成績は、永瀬九段や伊藤二冠と同じです。
ただし、リーグ順位は5位からのスタートです。首位で並んだ場合のプレーオフ進出条件を考えると、上位シード勢より不利な立場にあります。残る本田戦、伊藤戦で勝利を重ね、他の棋士の結果も味方につけられるかが焦点です。
3. 挑戦者争いだけでなく残留争いも見逃せない王将戦のリーグでは上位4人が残留し、下位3人が降級します。したがって、挑戦権を争う上位棋士だけでなく、リーグ残留を目指す郷田九段、本田六段、西田六段、近藤八段の対局にも意味があります。
特に西田六段は前期リーグ2位のシード棋士でありながら、今期は1勝3敗です。近藤八段も0勝4敗と苦しい状況にあります。残りの対局で成績をどこまで回復できるかは、今期のリーグ全体を読むうえで重要です。
最新情報を確認するときの判断基準王将戦の情報を追う際は、単純な勝敗速報だけでなく、次の3点を確認することが大切です。
- 日本将棋連盟の公式リーグ表で最新の勝敗と順位を確認する。
- 同率首位の場合は、リーグ開始時の順位とプレーオフ条件を確認する。
- 七番勝負の日程は公式発表を基準とし、挑戦者の決定前に対戦相手を断定しない。
特に第76期は3人が3勝1敗で並んでいるため、順位と直接対決の結果をセットで追うことが重要です。
【将棋王将戦】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の第76期王将戦で藤井聡太王将に挑戦する棋士は誰ですか?
A1:2026年11月3日時点では未決定です。永瀬拓矢九段、伊藤匠二冠、藤本渚七段が3勝1敗で首位に並んでおり、今後のリーグ戦で挑戦者が決まります。
Q2:第76期王将戦の挑戦者決定リーグには何人が参加していますか?
A2:7人です。永瀬拓矢、西田拓也、伊藤匠、近藤誠也、郷田真隆、藤本渚、本田奎の7棋士が総当たりで対局します。
Q3:2027年の王将戦七番勝負はいつから始まりますか?
A3:2027年1月11日・12日に島根県大田市のさんべ荘で第1局が開催される予定です。第7局まで進んだ場合は3月30日・31日が最終局の日程です。
Q4:王将戦は何勝すればタイトルを獲得できますか?
A4:七番勝負で先に4勝した棋士が王将位を獲得します。最大7局まで行われる2日制のタイトル戦です。
Q5:永世王将になる条件は何ですか?
A5:王将位を通算10期獲得することです。これまでに大山康晴と羽生善治の2人が資格を獲得しています。
2026年の第76期王将戦は、永瀬拓矢九段、伊藤匠二冠、藤本渚七段が3勝1敗で並ぶ混戦となっています。郷田真隆九段と本田奎六段も2勝2敗で追いかけており、残りの対局によって挑戦者争いの構図は大きく変わる可能性があります。
今後の注目カードは11月4日の近藤誠也八段対西田拓也六段、11月6日の伊藤匠二冠対永瀬拓矢九段です。特に永瀬・伊藤戦は、上位2人の直接対決として見逃せません。
2027年1月11日に開幕する七番勝負では、藤井聡太王将が6連覇を達成するのか、それとも新たな挑戦者が王将位を奪取するのかが最大の見どころです。
王将戦の魅力は、単なるタイトル獲得の結果だけではありません。予選からリーグ、そして長時間の七番勝負へと続く過程に、棋士それぞれの実力と勝負への姿勢が表れます。第76期の挑戦者が決まるまで、リーグ順位と対局結果を追いながら、2027年の大勝負に備えたいところです。
主な事実確認資料: 日本将棋連盟公式棋戦情報・第76期リーグ表・週間対局予定、ALSOK第76期王将戦特設ページ、日本将棋連盟棋士データベース。