2026年9月28日の試合は、前半0-0で折り返した後、後半開始直後にスコアが動いた。ベネズエラが先制したものの、日本は上田綺世の投入によって攻撃の迫力を増し、同点、逆転と試合をひっくり返した。
Jリーグ公式の試合データとJFAの公式記録に基づく試合経過は次のとおりだ。
試合基本データ| 項目 | 試合情報 |
|---|---|
| 大会 | キリンチャレンジカップ2026 |
| 開催日 | 2026年9月28日(月) |
| キックオフ | 19時25分 |
| 会場 | エディオンピースウイング広島 |
| 結果 | 日本 2-1 ベネズエラ |
| 前半 | 0-0 |
| 後半 | 2-1 |
| 観客数 | 27,882人 |
| 天候 | 雨 |
| 気温・湿度 | 24.8℃・90% |
🇯🇵 2

日本2-1
1 🇻🇪
ベネズエラ
前半0-0
両チームとも得点できず。日本は熊坂光希が負傷交代するアクシデントに見舞われた。
46分:ケビン・ケルシー(ベネズエラ)
後半開始直後、ルイス・バルボのパスを受けたケルシーが先制点を決める。
49分:上田綺世(日本)
伊東純也の右サイドからのクロスに上田が反応。右足で合わせて同点に追いつく。
90+6分:上田綺世(日本・PK)
VARとオンフィールドレビューを経て日本にPK。上田がゴール左下に決め、逆転に成功。
得点時刻はJFA公式記録に準拠。
この試合の最大の見どころは、後半開始から終了間際まで、わずか45分余りの間に試合の流れが大きく変わったことだ。
前半は無得点だったが、後半開始直後にベネズエラが先制。日本は交代出場の上田を中心に攻撃を立て直し、49分には早々に同点とした。
さらに終盤には、渡辺剛が負傷して日本が10人で戦う状況に陥る。それでも最後までゴールを狙い続け、VARによる判定変更から得たPKを決勝点につなげた。
2-1というスコア以上に、逆境への対応力が際立った試合だった。
【日本対ベネズエラのスタメン】両チームの先発メンバーと代表デビュー組
今回の日本代表で目立ったのは、森保一監督による先発メンバーの大幅な入れ替えだ。
9月24日に行われたウルグアイ戦では日本が3-1で勝利していたが、ベネズエラ戦では瀬古歩夢を除く10人を変更。新しい選手に国際試合の経験を積ませる構成となった。
JFA公式記録に掲載された先発メンバーは以下のとおり。
日本代表スターティングメンバー| ポジション | 選手名 |
|---|---|
| GK | 小久保玲央ブライアン |
| DF | 渡辺剛 |
| DF | 瀬古歩夢 |
| DF | 鈴木淳之介 |
| MF/FW | 鎌田大地(主将) |
| MF/FW | 相馬勇紀 |
| MF/FW | 中野就斗 |
| MF/FW | 熊坂光希 |
| MF/FW | 齋藤俊輔 |
| MF/FW | 後藤啓介 |
| MF/FW | 佐藤龍之介 |
| ポジション | 選手名 |
|---|---|
| GK | ホセ・コントレラス |
| DF | ヨン・アランブル(主将) |
| DF | ナウエル・フェラレシ |
| DF | ヨルダン・オソリオ |
| DF | クリスティアン・マクン |
| DF | ルイス・バルボ |
| MF | ヤンヘル・エレーラ |
| MF | ダニエル・ペレイラ |
| MF | マルコ・リブラ |
| MF | ブライアン・カスティージョ |
| FW | ケビン・ケルシー |
この試合で特に注目されたのが、新戦力の起用だ。
JFAの試合後レポートによると、次の4選手がA代表デビューを果たした。
- 小久保玲央ブライアン:先発GKとして出場。
- 中野就斗:先発メンバーとして代表初出場。
- 熊坂光希:先発出場したが、負傷により早期交代。
- 齋藤俊輔:先発メンバーとして代表初出場。
4人が同時に先発したことは、森保監督がこの試合を新戦力の評価機会として位置づけていたことを示している。
とりわけ小久保は、代表デビュー戦で前半を無失点に抑えた。ハーフタイムには鈴木彩艶と交代しているが、A代表の舞台を経験したこと自体が今後のGK争いに向けた一歩となった。
【VARとPK判定の真相】なぜベネズエラのPKが日本のPKに変わったのか
今回の試合で最も議論を呼んだのが、後半アディショナルタイムのVAR判定だ。
一度はベネズエラにPKが与えられたにもかかわらず、映像確認後に判定が覆り、日本のPKへと変更された。
この経緯については、試合から約3週間後の2026年10月21日、日本サッカー協会が開催したレフェリーブリーフィングで、佐藤隆治審判マネジャーが説明している。
PK判定が変更されるまでの流れ1.久保建英がペナルティーエリア内で倒される
後半アディショナルタイム、久保建英が相手選手と接触して倒れた。
しかし、この場面では主審の笛は鳴らず、日本にPKは与えられなかった。
VARはペナルティーエリア内で発生した接触について確認を続けていた。
2.約13秒後、今度はベネズエラにPK
その直後、ベネズエラのヘスス・ラミレスが日本の鈴木淳之介との接触で倒れる。
主審はベネズエラにPKを宣告した。
ベネズエラにとっては勝ち越しの絶好機、日本にとっては敗戦につながりかねない危機だった。
3.VARが直前の久保へのファウルも確認
ここでVARによる確認が進み、主審はオンフィールドレビューを実施。
確認されたのは、ベネズエラにPKが与えられた場面だけではなかった。
その約13秒前に起きた久保への接触も検証され、久保が相手に踏まれていたことから、日本側にもPKに該当する反則があったと判断された。
4.ベネズエラのPKを取り消し、日本にPK
主審は最終的に判定を変更。
ベネズエラのPKを取り消し、先に起きた久保へのファウルに対して日本にPKを与えた。
キッカーを務めた上田綺世は、ゴール左下へ右足でシュート。GKの逆を突いて決勝ゴールを決めた。
JFA審判マネジャーが説明した判定のポイント10月21日のブリーフィングで佐藤審判マネジャーは、この判定について次のように説明した。
「VARを使う以上、こういうことは起こり得る」
また、今回のように次のPKが発生する前に確認対象となる反則が起きていたケースについて、「非常にレアなケース」と説明している。
VAR判定は誤審だったのか?今回の判定を理解するうえで大切なのは、ベネズエラに与えられたPKの場面だけを切り取らないことだ。
判定変更の根拠となったのは、それより前に起きていた久保への反則だった。
つまり、単純にベネズエラへのPKが間違いだったから取り消されたわけではない。先行する日本側のPKに相当する反則が見つかったことで、最終的な判定が変更されたのである。
JFAのVAR解説でも、PKの判定はVARが介入できる対象とされており、最終判断を下すのは主審だと説明されている。
今回のケースは、VARが単に映像をスロー再生する仕組みではなく、判定に関係する一連のプレーを検証する制度であることを示した。
【森保一監督の采配と戦術】大胆な交代策と10人での逆転劇
この試合を分析するうえで欠かせないのが、森保一監督の選手起用だ。
ウルグアイ戦から先発10人を入れ替えた判断は、単なるメンバー変更ではない。代表経験の浅い選手を実戦で試しながら、経験豊富な選手を投入して試合を動かすという、複数の目的を持った起用だった。
ハーフタイムの5人交代が攻撃を変えた日本は後半開始と同時に5人を交代させた。
- GK:小久保玲央ブライアン → 鈴木彩艶
- MF:鎌田大地 → 田中碧
- MF:齋藤俊輔 → 伊東純也
- FW:後藤啓介 → 上田綺世
- MF:佐藤龍之介 → 久保建英
この交代によって、経験豊富な選手たちが一斉にピッチへ入った。
しかし、交代直後にケルシーのゴールを許したため、試合の入り方という点では課題も残った。
それでも上田は49分に同点ゴールを記録。伊東の右サイドからのクロスを正確に合わせ、投入から間もなく結果を残した。
熊坂光希の負傷交代と渡辺剛のアクシデント一方、この試合では日本にとって厳しいアクシデントも発生した。
熊坂光希は前半6分に左脚を痛めてピッチに座り込み、担架で運び出された。前半8分には田中聡と交代し、代表デビュー戦はわずか8分で終わった。
さらに後半40分には渡辺剛も負傷によってプレー続行が困難となった。
テレビ東京スポーツの報道によると、この時点ですでに交代枠を使い切っていた日本は、残り時間を10人で戦うことになった。
それでも日本は守備を崩さず、終盤のPKを決勝点につなげた。
負傷した選手の具体的な診断結果と復帰時期は、今回の試合記録だけからは判断できない。熊坂については、代表デビュー戦での負傷交代という事実が大きく報じられた。
試合を動かした6人の関係性| 選手・関係者 | 試合での役割 | 注目されたポイント |
|---|---|---|
| 上田綺世 | 途中出場・2得点 | 同点弾と決勝PKを記録 |
| ケビン・ケルシー | ベネズエラの先発FW | 後半開始直後に先制 |
| 久保建英 | 途中出場 | VARによるPK判定変更の対象となった |
| 伊東純也 | 途中出場 | 上田の同点ゴールをアシスト |
| 小久保玲央ブライアン | 先発GK | A代表デビュー |
| 熊坂光希 | 先発MF/FW | 負傷により前半8分で交代 |
| 森保一 | 日本代表監督 | 先発10人変更とハーフタイムの5人交代 |
森保監督の采配で評価したいのは、先発メンバーを大幅に変更しながら、試合途中で経験豊富な選手を投入できる選手層の厚さを確認した点だ。
上田、伊東、久保、田中碧の投入によって攻撃の選択肢が増え、同点ゴールにつながった。
一方、後半開始直後の失点や負傷者の発生は、今後のチーム作りに向けた課題として残る。
特に代表デビュー組にとっては、出場時間の長さだけでなく、南米の代表チームとの対戦で何を経験できたかが重要だ。
今回の試合は、主力の実力を再確認すると同時に、新戦力の評価と選手層の整備を進める機会になった。
【日本とベネズエラの歴代対戦成績】2026年の勝利で通算成績はどう変わった?
日本対ベネズエラの歴代対戦成績を見ると、今回の勝利が持つ意味はさらに明確になる。
JFAが試合前に公表していた過去の対戦成績は、日本から見て1勝3分け1敗だった。
ベネズエラは過去の対戦で日本に対して互角以上の成績を残しており、2019年11月のキリンチャレンジカップでは日本が1-4で敗れていた。
今回の2026年9月28日の勝利により、公式記録上の通算成績は次のように変わった。
日本代表の対ベネズエラ通算成績2
勝利3
引き分け1
敗戦
2026年9月28日の試合終了時点。2014年のFIFA裁定による公式結果を含む。
| 年月日 | 試合結果(日本視点) | 備考 |
|---|---|---|
| 2010年2月2日 | 0-0 | 引き分け |
| 2012年8月15日 | 1-1 | 引き分け |
| 2014年9月9日 | 3-0 | FIFA裁定による日本の勝利 |
| 2018年11月16日 | 1-1 | 引き分け |
| 2019年11月19日 | 1-4 | 日本の敗戦 |
| 2026年9月28日 | 2-1 | 日本の逆転勝利 |
歴代対戦成績を調べる際に見落としやすいのが、2014年9月9日の試合だ。
この試合はピッチ上では2-2で終了したものの、ベネズエラが出場停止処分中の選手を起用していたことが後から判明した。
その結果、FIFAの裁定によって日本の3-0勝利として記録された。
そのため、2014年の試合を実際の試合展開と公式記録で区別する必要がある。
今回の2026年の勝利は、こうした裁定による勝利ではなく、日本がピッチ上でベネズエラを破った初めての勝利となった。
【日本対ベネズエラのハイライト】見逃せない3つのプレー
試合の映像を振り返るなら、特に注目したい場面は3つある。
① 49分・上田綺世の同点ゴール
伊東純也のクロスに合わせた上田のフィニッシュ。途中出場の選手が短時間で試合の流れを変えた場面だ。
② アディショナルタイム・VARレビュー
ベネズエラのPK判定から日本のPKへと変わった、試合最大の転換点。久保への反則が見直された。
③ 90+6分・上田綺世の決勝PK
GKの逆を突くシュートで2点目。10人で戦う日本に勝利をもたらした。
ハイライト映像については、日テレが放送した試合の3分間のダイジェストがTVerの番組情報に掲載されている。試合映像を探す場合は、JFAの公式試合記録や放送局の公式配信情報を確認したい。
【日本対ベネズエラに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:日本対ベネズエラの2026年9月28日の試合結果は?
A1:日本がベネズエラに2-1で逆転勝利した。日本の得点者は上田綺世で、49分と90+6分(PK)にゴール。ベネズエラは46分にケビン・ケルシーが先制した。
Q2:VARでベネズエラのPKが取り消された理由は?
A2:ベネズエラにPKが与えられた直前、久保建英がペナルティーエリア内で踏まれていたことがVARで確認されたため。オンフィールドレビュー後、ベネズエラのPKが取り消され、日本にPKが与えられた。
Q3:日本とベネズエラの通算対戦成績は?
A3:2026年9月28日の試合終了時点で、日本の2勝3分け1敗。2014年の対戦はFIFAの裁定による3-0勝利を含む公式記録となっている。
2026年9月28日のキリンチャレンジカップ2026で、日本代表はベネズエラ代表に2-1で逆転勝利した。
試合を決定づけたのは、途中出場した上田綺世の2ゴールだった。49分の同点弾に加え、90+6分のPKによる決勝点で、日本に勝利をもたらした。
一方、この試合には今後の代表強化につながる複数の論点もある。
- 森保一監督による先発10人の変更と新戦力の起用。
- 小久保玲央ブライアンら4人のA代表デビュー。
- 熊坂光希の負傷交代と渡辺剛のアクシデント。
- VARによる異例のPK判定変更。
- ベネズエラに対するピッチ上での初勝利。
特に重要なのは、単に2-1で勝ったという結果だけで評価しないことだ。
新戦力の経験値を高めながら、主力選手の投入で試合を立て直し、終盤には10人で勝ち切った。この一連の展開には、2026年のワールドカップ後を見据えた日本代表の選手層と競争というテーマが表れている。
上田綺世の決定力はもちろん、今回代表デビューを果たした選手たちが今後どのように成長し、代表の戦力として定着するのか。ベネズエラ戦は、その可能性を感じさせる一戦となった。
主な参照資料:日本サッカー協会(JFA)公式試合記録・試合レポート・VAR解説、Jリーグ公式試合データ、テレビ東京スポーツ、テレビ朝日NEWS、日刊スポーツの2026年10月21日レフェリーブリーフィング報道。