2022年の中止を決めたのは、鎌倉花火大会実行委員会です。
2022年2月18日付で公表されたプレスリリースによると、実行委員会は同年2月に書面による決議を行い、2022年の大会開催を見送ることを決定しました。
最大の理由は、新型コロナウイルス感染症の影響が依然として続いていたことです。
実行委員会は、2022年こそ大会を開催できるよう検討を重ねていました。しかし、関係者やボランティアの安全を守りながら、数多くの観覧者が安心して楽しめるイベントを実施することは難しいと判断しました。
公式発表では、判断の背景として次の点が示されています。
「観覧者の皆さまが安心して楽しむことができるイベント」
この実現が厳しい状況にあることを総合的に勘案し、中止を決めたという内容です。
中止理由は感染拡大だけではなかった今回の判断で注目したいのは、感染者数だけを理由にした中止ではないことです。
花火大会は、花火師や運営スタッフだけで完結するイベントではありません。観覧者の誘導、会場周辺の安全管理、ボランティアの協力など、多くの関係者が携わります。
とりわけ鎌倉花火大会は、由比ヶ浜海岸と材木座海岸という海岸沿いの広いエリアに観覧者が集まる大規模行事です。
開催する以上、観覧者だけでなく、運営に関わる人々の安全も確保しなければなりません。
実行委員会が示したのは、こうした大会全体の安全と安心を考慮した判断でした。
なお、発表資料には特定の感染者発生や行政からの開催禁止命令が中止理由として記されているわけではありません。あくまで感染症の影響が続く状況で、安全なイベント運営が困難だと総合的に判断したものです。
2022年の中止は突然決まったものではない2022年の大会については、実行委員会も開催に向けた検討を続けていました。
それでも最終的に中止となった背景には、開催への期待と安全管理上の現実との間に大きな隔たりがあったと考えられます。
楽しみにしていた市民や観光客にとって残念な知らせでしたが、主催者にとっては大会の継続そのものを考えた決断でもありました。
【3年連続中止の経緯】2019年の来場者13万人から見える大会の規模

2022年の中止は、単独の出来事ではありませんでした。
鎌倉花火大会は、2020年、2021年にも開催を中止しており、2022年で3年連続の中止となりました。
ここで、2019年の開催実績と、その後の経緯を整理します。
2019年は約13万人が訪れた大規模イベント新型コロナウイルス感染症の流行前、最後に開催された2019年の大会は、7月10日(水曜日)に実施されました。
鎌倉花火大会実行委員会が2022年2月18日に発表した資料には、2019年の開催実績として次の数字が記録されています。
- 開催日:2019年7月10日(水曜日)
- 開催時間:19時20分~20時10分
- 会場:鎌倉海岸(由比ヶ浜海岸・材木座海岸)
- 来場者数:約13万人
- 打ち上げ発数:約2,500発
- 主催:鎌倉花火大会実行委員会、公益社団法人鎌倉市観光協会
約50分間の開催で約13万人を集めたことからも、地域を代表する大型イベントだったことが分かります。
2020年から2024年までの開催状況大会の歩みを理解するうえで、2022年だけでなく、その前後の状況も重要です。
主な開催・中止の経緯
| 年・時期 | 出来事 | 背景・実績 |
|---|---|---|
| 1948年 | 第1回大会 | 鎌倉花火大会が始まる |
| 2019年 | 開催 | 約2,500発、約13万人 |
| 2020年 | 中止 | 新型コロナの影響 |
| 2021年 | 中止 | 新型コロナの影響 |
| 2022年2月18日 | 中止発表 | 3年連続の開催見送り |
| 2023年 | 開催見送り | 材料費・人件費の高騰などによる予算確保の問題 |
| 2024年7月17日 | 第76回開催 | 5年ぶりの開催、約16万人が来場 |
| 2025年7月18日 | 第77回中止 | 高波と強風で台船の安全な航行が困難 |
| 2026年7月10日 | 第78回開催 | 高波により通常プログラムを変更 |
特に重要なのは、2024年に5年ぶりの開催が実現したことです。
2023年も材料費や人件費の高騰によって予算確保が難しく、開催が見送られました。
2024年の復活に際しては、初めてクラウドファンディングが実施され、目標650万円に対して790万円以上の支援が集まりました。
同年7月17日に開催された第76回大会には約16万人が来場。2019年の約13万人を上回る人出となり、名物の水中花火など約2,500発が夜空と海を彩りました。
2022年の中止と2025年・2026年の中止や変更は別問題ここで混同しやすいのが、それぞれの年の開催見送りの理由です。
- 2020~2022年:新型コロナウイルス感染症の影響。
- 2023年:材料費・人件費の高騰などによる予算面の問題。
- 2025年:高波と強風による台船の航行上の安全問題。
- 2026年:高波による台船の出港断念とプログラム変更。
同じ「花火大会の中止」という言葉でも、背景は異なります。
特に2026年は大会そのものが全面中止になったわけではなく、一部のプログラムを実施しています。この違いは、最新情報を理解するうえでも押さえておきたいポイントです。
【1948年から続く歴史】鎌倉花火大会と水中花火の魅力
鎌倉の夏を象徴する海上花火
鎌倉花火大会の歴史は、1948年(昭和23年)にさかのぼります。
鎌倉市観光協会の沿革資料には、1948年8月に第1回大会が開催されたと記録されています。
また、鎌倉市の広報資料では、戦後間もない時期に戦没者の鎮魂と、戦争で疲れた人々の心を癒やす目的で始まったと伝えられています。
戦後の鎌倉から始まった夏の風物詩1948年は、終戦からわずか3年後です。
現在のような観光イベントとしての側面だけでなく、戦後の地域社会に明るさを取り戻すという意味合いも持っていたと考えられます。
その後、鎌倉花火大会は地域の夏の行事として定着し、由比ヶ浜海岸と材木座海岸を中心に、多くの人々に親しまれてきました。
2026年には第78回大会を迎えています。開催されなかった年があるため、1948年からの経過年数と開催回数は同じではありません。
鎌倉花火大会の代名詞「水中花火」とは?鎌倉花火大会を語るうえで欠かせないのが、水中花火です。
一般的な打ち上げ花火が夜空に大きく広がるのに対して、水中花火は海面で扇状に花火が開く独特の演出です。
海上に広がる光が水面にも映り、夜空と海の両方を彩ります。
鎌倉市観光協会の公式解説によると、現在につながる水中花火のスタイルが生まれたのは、1968年(昭和43年)ごろとされています。
その誕生には、千葉県銚子市の花火大会で、誤って海に落ちた花火が水中で半円形に開いた出来事がヒントになったというエピソードが残っています。
この話は、1993年に発行された鎌倉市観光協会の機関誌「瑞光」に記録されたものです。
もちろん、水中花火は単純に花火を海に投げ込めば成立するものではありません。
波や潮流の状況を考慮した花火師の技術が必要です。海面で扇状に広がる独特の形状は、鎌倉花火大会ならではの見どころとして受け継がれてきました。
歴史と運営を支える関係者のつながり大会を構成する主な関係者と、それぞれの役割を整理すると次のようになります。
| 関係する団体・場所 | 主な役割・特徴 | 大会との関係 |
|---|---|---|
| 鎌倉花火大会実行委員会 | 開催判断・大会運営 | 主催者 |
| 鎌倉市観光協会 | 事務局・観光情報の発信 | 運営を支える団体 |
| 由比ヶ浜海岸 | 主要観覧エリア | 海上花火を楽しむ会場 |
| 材木座海岸 | 主要観覧エリア | 海上花火を楽しむ会場 |
| 花火師・関係事業者 | 花火の準備・演出 | 打ち上げと水中花火を担う |
| ボランティア | 会場運営への協力 | 安全な大会運営を支援 |
ここから分かるのは、鎌倉花火大会が単なる打ち上げイベントではないということです。
観光協会、実行委員会、地域、花火師、ボランティアなど、多くの関係者の協力によって成立しています。
2022年の中止理由として関係者とボランティアの安全確保が挙げられたのも、こうした運営構造と無関係ではありません。
【2026年最新】第78回鎌倉花火大会は7月10日に高波で内容変更
2026年の鎌倉花火大会は、7月10日(金曜日)に第78回大会として開催されました。
当初の開催予定は次のとおりでした。
| 項目 | 当初の予定 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年7月10日(金) |
| 開催時間 | 19時20分~20時10分 |
| 会場 | 由比ヶ浜海岸・材木座海岸 |
| 打ち上げ発数 | 約2,500発 |
| 来場者数の想定 | 約16万人 |
| 主催 | 鎌倉花火大会実行委員会・鎌倉市観光協会 |
ところが、大会当日に予想外の事態が発生しました。
高波で花火打ち上げ台船の出港を断念鎌倉花火大会実行委員会が2026年7月10日に発表した内容によると、当初は午前6時の開催判断時点で、台船が係留されている江の島・湘南港から出港できると判断されていました。
その後、予定どおり花火の積み込みを行い、午後1時の出港に向けて準備が進められていました。
しかし、出港予定時刻が近づくにつれて海上のうねりが強くなり、安全な航行が難しい状況に変わりました。
実行委員会は海上の状況を慎重に確認し、回復を待って検討を続けましたが、午後3時の時点で台船の出港を断念しました。
その結果、当初予定していた通常プログラムは取りやめとなりました。
水中花火は19時20分から10~15分程度実施通常プログラムは実施できなくなったものの、すべての花火が中止になったわけではありません。
鎌倉花火大会の名物である水中花火については、安全を確認したうえで、19時20分から10~15分程度実施する方針が発表されました。
つまり、2026年の大会は次のような結果になりました。
- 通常の打ち上げプログラム:中止
- 花火打ち上げ台船:出港断念
- 水中花火:安全確認のうえ実施
- 大会全体:規模を縮小して開催
7月13日に公表された実行委員会の開催後の報告によると、当日の来場者は約17万人でした。
当初の通常プログラムが実施できなかったことについて、実行委員会は来場者や市民、協賛企業などに謝意とお詫びを伝え、寄せられた意見を今後の運営に生かす姿勢を示しています。
2025年の中止も高波と強風が原因だった2026年の変更を理解するには、前年の状況も見逃せません。
2025年7月18日に開催予定だった第77回大会も、海上の高波と強風によって中止されました。
実行委員会の2025年7月17日付プレスリリースによると、花火を積んだ台船は東京湾を出港したものの、観音崎沖を安全に航行できず、引き返すことになりました。
その後、午前9時の判定会議で中止が決定されています。
予備日も設定されていなかったため、2025年の大会は開催されませんでした。
2025年と2026年に共通しているのは、海上輸送と台船の安全が開催の大きな条件になっている点です。
鎌倉花火大会は海岸から花火を見るイベントですが、通常プログラムの実施には海上の状況が深く関係しています。
【2026年の出来事から考える】鎌倉花火大会の今後と開催判断のポイント
2022年の新型コロナによる中止と、2025年・2026年の高波による中止や変更。
この数年間の経緯を振り返ると、鎌倉花火大会が直面している課題は一つではないことが分かります。
大会を継続するために必要な3つの条件1.観覧者と運営関係者の安全確保
2022年の中止発表で強調されたのが、安全と安心です。
大勢の観覧者が集まる大会では、来場者の安全だけでなく、運営スタッフやボランティアの安全も欠かせません。
2.海上の気象条件と台船の航行
2025年と2026年の出来事は、海上の高波や強風が大会内容を左右することを示しました。
通常プログラムを実施するためには、花火を積んだ台船が安全に航行できることが前提になります。
3.継続可能な運営資金の確保
2023年には材料費や人件費の高騰などで開催予算の確保が難しくなりました。
2024年にはクラウドファンディングを実施し、目標額を上回る支援を獲得しています。
2026年の開催準備でも、協賛や有料観覧席などを含めた運営基盤が大会を支えています。
【プロの結論】中止情報は「理由・発表日・実施内容」を分けて確認する鎌倉花火大会に関する情報を調べる際、特に注意したいのが「中止」という言葉の扱いです。
2022年は新型コロナウイルス感染症の影響による大会全体の中止でした。
一方、2026年は通常プログラムを取りやめたものの、水中花火は実施されました。
この二つは同じ中止として扱うべきではありません。
情報を見極める際には、次の3点を確認することが大切です。
- 発表主体: 鎌倉花火大会実行委員会、鎌倉市、鎌倉市観光協会の公式情報か。
- 発表内容: 大会全体の中止なのか、一部プログラムの変更なのか。
- 発表時点: 開催前の予定なのか、開催後の実績報告なのか。
特に、開催前に公表された約2,500発という数字と、開催後の実際の実施内容は区別する必要があります。
2026年は約2,500発が当初の予定でしたが、高波によって通常プログラムが中止されています。
今後の開催情報についても、過去の予定をそのまま最新情報として扱わず、鎌倉市観光協会や鎌倉市の公式発表を確認することが、誤情報を避ける確実な方法です。
【鎌倉花火大会2022】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:鎌倉花火大会2022はなぜ中止になったのですか?
新型コロナウイルス感染症の影響が続いており、大会関係者やボランティアの安全を確保しながら、観覧者が安心して楽しめるイベントを開催することが難しいと判断されたためです。
Q2:鎌倉花火大会の中止はいつ発表されましたか?
2022年2月18日です。鎌倉花火大会実行委員会がプレスリリースで正式に中止を発表しました。
Q3:2022年は何年連続の中止でしたか?
2020年、2021年に続く3年連続の中止でした。
Q4:2019年の鎌倉花火大会には何人が来場しましたか?
約13万人です。打ち上げ発数は約2,500発で、開催時間は19時20分から20時10分まででした。
Q5:鎌倉花火大会はいつから始まりましたか?
1948年(昭和23年)です。鎌倉市観光協会の沿革資料には、同年8月に第1回大会が開催されたと記録されています。
Q6:鎌倉花火大会の水中花火とは何ですか?
海面で扇状に開く独特の花火です。鎌倉花火大会を代表する演出の一つで、海と夜空を同時に彩る美しさが特徴です。
Q7:2026年の鎌倉花火大会は中止になりましたか?
大会全体は中止になっていません。7月10日に第78回大会が開催されましたが、高波によって台船の出港を断念し、通常プログラムを取りやめました。水中花火は安全確認のうえ実施され、約17万人が来場しました。
2022年の鎌倉花火大会は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、大会関係者やボランティア、観覧者の安全を確保することが難しいという判断から中止されました。正式発表日は2022年2月18日で、2020年、2021年に続く3年連続の中止でした。
2019年には約2,500発の花火が打ち上げられ、約13万人が来場。1948年に始まった大会は、戦後の鎌倉から受け継がれてきた歴史ある夏の行事です。
2024年には5年ぶりの復活を果たしたものの、2025年は高波と強風で中止。2026年7月10日の第78回大会も高波の影響で通常プログラムが変更され、水中花火を中心とした開催となりました。
鎌倉花火大会が長く続いてきた背景には、地域の人々や観光協会、実行委員会、花火師、ボランティアなど、多くの関係者の協力があります。安全性、海上の気象条件、運営資金という課題を乗り越えながら、由比ヶ浜海岸と材木座海岸を彩る夏の風物詩が次の世代へ受け継がれていくことが期待されます。