湯上剛輝選手は、滋賀県出身の男子円盤投選手です。日本陸上競技連盟の公式プロフィールでは、誕生日や所属先、出身校、日本記録などが公表されています。
65m38

男子円盤投・日本記録
| 項目 | プロフィール |
|---|---|
| 名前 | 湯上剛輝(ゆがみ・まさてる) |
| 生年月日 | 1993年4月14日 |
| 年齢 | 33歳(2026年11月現在) |
| 出身 | 滋賀県 |
| 出身高校 | 滋賀県立守山高校 |
| 最終学歴 | 中京大学スポーツ科学部 |
| 所属 | トヨタ自動車 |
| 競技種目 | 男子円盤投 |
| 自己ベスト | 65m38 |
| 主な実績 | 日本選手権優勝、デフリンピック金メダル |
出典:日本陸上競技連盟、JOC、トヨタ自動車の選手紹介。
湯上選手が本格的に投てき競技に取り組むようになったのは、高校時代です。滋賀県立守山高校で陸上競技に打ち込み、円盤投の才能を伸ばしていきました。
月刊陸上競技の選手名鑑によると、高校1年だった2009年の年次ベストは37m51。高校3年の2011年には44m81まで記録を伸ばしています。競技を始めてから段階的に成長してきたことが数字にも表れています。
中京大学で専門的なトレーニングを積む高校卒業後は中京大学スポーツ科学部に進学。大学時代には競技力を大きく伸ばし、2014年には日本選手権で6位に入賞しました。
進学のきっかけには、高校3年時のオープンキャンパスで室伏重信氏と話した経験があったといいます。中京大学の卒業生インタビューでは、充実したトレーニング施設に加え、バイオメカニクスやトレーニング論などの授業で学んだ知識が現在の競技にも役立っていると紹介されています。
特に本人が強みとして挙げていたのが、身体の軸と遠心力を生かした動きです。円盤投は腕の力だけで遠くへ飛ばす競技ではありません。身体全体の回転を効率よく円盤に伝える技術が大切です。大学で学んだ理論と実践が、その後の記録向上を支える土台になりました。
【湯上剛輝の経歴年表】日本記録更新までの歩み
湯上選手のキャリアで大きな転換点となったのが、2018年の日本選手権です。当時の日本記録を更新して優勝し、アジア大会にも出場しました。
その後は記録が伸び悩む時期も経験しましたが、2025年に64m48、2026年には65m38と、2年連続で日本記録を更新。長い競技人生の中で再び世界に挑戦できる水準まで到達しています。
主な経歴と記録の変遷出典:日本陸上競技連盟、中京大学、日本デフ陸上競技協会、JOCなどの大会記録。
2018年6月の第102回日本選手権は、湯上選手のキャリアを語るうえで欠かせない大会です。
当時、湯上選手は円盤投で62m16を記録して優勝しました。3投目に61m02、4投目に62m03、5投目に62m16と、立て続けに記録を更新したことも注目されました。
その後、ジャカルタ・パレンバンで開催された2018年アジア大会にも日本代表として出場し、57m62で6位に入賞。国際舞台で経験を積みました。
しかし、その後は必ずしも順調な記録更新が続いたわけではありません。日本選手権では2位や3位になるシーズンもあり、国内のトップ選手として競争を続けながら、再び日本記録を更新する機会を待つことになります。
【聴覚障害とデフアスリート】湯上剛輝が二つの競技舞台で活躍する理由
湯上選手を語るうえで欠かせないのが、聴覚障害とともに競技を続けてきた経歴です。
甲賀市の紹介によると、湯上選手は先天性難聴と診断され、小学6年生のときに人工内耳の手術を受けています。聴覚に障害がある中で陸上競技を続け、一般の陸上競技大会とデフスポーツの国際大会の両方で実績を積み重ねてきました。
デフリンピックとは何かデフリンピックは、聴覚障害のある選手を対象とする国際総合スポーツ大会です。オリンピックやパラリンピックとは別に開催され、競技では視覚的な合図など、聴覚に頼らないコミュニケーション方法が取り入れられています。
湯上選手は一般の陸上競技でも日本記録を保持するトップ選手であり、デフアスリートとしても国際大会で頂点に立ちました。この二つの舞台で結果を残している点は、競技者としての大きな特徴です。
2025年東京デフリンピックで金メダルを獲得
東京2025デフリンピック
58m93
男子円盤投・優勝記録
2025年11月24日
2025年11月24日、湯上選手は東京2025デフリンピックの男子円盤投決勝に出場し、58m93を記録して優勝しました。
日本選手団の公式競技結果によれば、この記録はデフリンピック記録を12年ぶりに更新するものでもありました。単なるメダル獲得にとどまらず、大会記録を塗り替える勝利だったのです。
大会後のインタビューでは、金メダルを目標に練習してきたことや、周囲からの期待によるプレッシャーがあったことを明かしています。また、デフスポーツや聴覚障害について多くの人に知ってもらいたいという思いも語りました。
「今回のデフリンピックを通して、日本の皆さんにデフスポーツやデフのことをもっと知っていただけたら嬉しい」
出典:東京2025デフリンピック日本選手団・湯上選手インタビュー
湯上選手の活動には、競技成績だけでは測れない意味があります。自身が世界の舞台で戦う姿を通じて、聴覚障害のある子どもたちやその家族に、競技に挑戦する可能性を伝えようとしているからです。
【世界陸上2025】予選敗退からデフリンピック金メダルへ
2025年9月に東京で開催された世界陸上は、湯上選手にとって初めての世界選手権でした。
男子円盤投の日本勢は長く世界選手権から遠ざかっており、湯上選手の出場は2007年大阪大会以来、18年ぶりとなる日本人選手の出場でした。日本記録保持者として世界の強豪と競い合う機会を得たこと自体が、日本の男子円盤投にとって大きな出来事でした。
世界陸上の成績はA組19位・56m402025年9月20日の男子円盤投予選で、湯上選手は56m40を記録し、A組19位となりました。決勝進出は逃しています。
予選では1投目に53m75、2投目に56m40、3投目に56m23を記録。決勝進出の目安となる予選通過記録66m50には届きませんでした。
一方、日本陸連によると、56m40は世界選手権における日本人選手の最高記録を更新する結果でした。順位だけを見れば予選敗退ですが、日本の男子円盤投が世界の舞台に戻る足掛かりとなった大会です。
試合後、湯上選手は日本代表として世界の選手たちと同じ舞台で戦えたことへの喜びを語りました。また、聴覚障害のある子どもたちに、障害があっても活躍できることを示したいという考えも明らかにしています。
世界陸上とデフリンピックは評価の基準が異なるここで押さえておきたいのは、世界陸上とデフリンピックでは競技の位置づけが異なることです。
世界陸上では、聴覚障害の有無にかかわらず世界のトップ選手が同じ条件で競います。一方、デフリンピックは聴覚障害のある選手を対象とした国際大会です。
そのため、世界陸上で予選敗退だったことと、デフリンピックで金メダルを獲得したことは矛盾しません。異なる競技環境でそれぞれの実力を発揮した結果です。
2025年の湯上選手は、世界陸上出場、アジア選手権銀メダル、デフリンピック金メダルと、複数の国際舞台で実績を残しました。特にデフリンピックの58m93は、世界大会での経験を結果につなげた象徴的な記録です。
【2026年最新】日本選手権優勝とアジア大会6位、その後の現在
2026年の湯上選手は、日本記録を更新しただけでなく、国内主要大会でも優勝を重ねています。一方、アジア大会ではメダルに届かず、世界の上位選手との距離を改めて意識する結果となりました。
6月の日本選手権で8年ぶりの優勝
第110回日本陸上競技選手権
60m66
2026年6月12日
2026年6月12日に行われた第110回日本選手権男子円盤投で、湯上選手は60m66を記録して優勝しました。
2位は堤雄司選手の60m60、3位は幸長慎一選手の58m13でした。湯上選手は2投目にこの日の最高記録をマークし、わずか6cm差で堤選手を上回りました。
特に注目されたのは、2018年以来、8年ぶりの日本選手権優勝だったことです。大会後の日本陸連のインタビューでは、この8年間を振り返り、競技を続けてきた苦労や、地道な積み重ねが2025年と2026年の日本記録更新につながったという趣旨のコメントを残しています。
日本選手権は国内の主要選手が集まる大会です。自己ベストを更新することと、国内のライバルを抑えて優勝することは別の価値があります。8年ぶりのタイトル獲得は、湯上選手の安定した競技力を示す成果でした。
アジア大会2026は58m53で6位
愛知・名古屋アジア大会
58m53
2026年9月24日
2026年9月24日に行われた愛知・名古屋アジア大会の男子円盤投決勝で、湯上選手は58m53を記録して6位に入りました。
日本記録65m38を持つ選手として臨んだ大会でしたが、表彰台には届きませんでした。中京大学の大会報告でも、6位入賞という結果とともに、メダルまであと一歩だったことが伝えられています。
ただし、自己ベストと一大会の結果は区別する必要があります。65m38は競技人生で到達した最高記録であり、アジア大会の58m53はその日の決勝で実際に記録した数字です。両者の差だけで競技力の低下を判断することはできません。
アジア大会は、アジア各国の代表選手が集まる大会です。世界陸上とは出場選手の構成も異なりますが、国内大会よりも厳しい国際競争の中で結果を求められる舞台です。
10月の国民スポーツ大会では大会新記録で優勝アジア大会後の2026年10月18日、湯上選手は青森県で開催された「青の煌めきあおもり国スポ」の成年男子円盤投に出場しました。
この大会では60m12を記録して優勝。最終6投目に大会記録を更新する投てきを見せました。
2位の堤雄司選手は58m02、3位の北原博企選手は57m50。湯上選手は2位に2m10の差をつけており、アジア大会後も国内トップレベルの実力を維持していることを示しました。
2026年11月現在、湯上選手は日本記録保持者であり、日本選手権優勝者でもあります。アジア大会では6位という結果でしたが、直後の国内大会で優勝している点も、現在の競技状況を判断するうえで重要です。
【日本記録65m38を分析】湯上剛輝の円盤投はどこまで進化したのか
湯上選手の競技人生で最も注目される記録が、2026年4月26日に米国で樹立した65m38です。
2026年4月26日・オクラホマ・スロー・シリーズ65m38
従来の日本記録64m48から90cm更新
2026年4月25日、26日に米国オクラホマ州ラモナで開催されたオクラホマ・スロー・シリーズ。26日の男子円盤投で、湯上選手は65m38をマークしました。
従来の日本記録は、2025年4月26日に同じ大会で自身が記録した64m48です。つまり、ちょうど1年後に自身の記録を90cm更新したことになります。
日本陸連の選手プロフィールでも、65m38は2026年4月のオクラホマ・スロー・シリーズで樹立した日本記録として掲載されています。
年次ベストから見る記録の伸び湯上選手の記録推移を見ると、2025年から2026年にかけて大きな伸びが確認できます。
| 年 | 年次ベスト | 前年からの変化 |
|---|---|---|
| 2023年 | 59m31 | ― |
| 2024年 | 59m23 | -8cm |
| 2025年 | 64m48 | +5m25 |
| 2026年 | 65m38 | +90cm |
この推移から読み取れるのは、2024年までの記録が59m台だったのに対し、2025年に64m台へ大きく伸び、2026年には65m台に到達したということです。
2018年の62m16から一度記録が伸び悩んだ後、2025年に自己記録を大幅に更新。さらに翌年も記録を伸ばしたことは、長期的な競技継続と技術改善の成果として注目できます。
円盤投で65mを超えることの意味円盤投は、男子の場合、重さ2kgの円盤を投げ、その飛距離を競う陸上競技です。選手は投てきサークル内で回転動作を行い、身体全体の力を円盤に伝えます。
記録を伸ばすには、筋力だけでなく、回転の速度、身体の軸、リリースのタイミング、円盤の飛び出す角度など、複数の要素を高い精度で組み合わせる必要があります。
中京大学時代のインタビューで湯上選手は、身体の軸と遠心力を生かす動きを自身の強みとして挙げていました。また、円盤投の魅力について、理論上の理想的な動きが必ずしも記録に直結しない競技の奥深さを語っています。
65m38という記録は、こうした技術と身体能力の組み合わせが高い水準に達していることを示します。ただし、国際大会でメダルを獲得するには、さらに高い水準で記録を安定させることも課題になります。
【プロの結論】湯上剛輝の評価と今後の注目ポイント
湯上選手の競技力を評価する際には、単に日本記録65m38という数字だけを見るのでは不十分です。国内大会、世界大会、デフスポーツという異なる舞台での実績を組み合わせて考える必要があります。
評価すべき3つの実績第一に、日本男子円盤投の記録を更新し続けていること。2018年に62m16を記録し、2025年に64m48、2026年には65m38へと自己記録を伸ばしました。長期間にわたって競技を続け、30代になっても自己記録を更新している点は高く評価できます。
第二に、一般の国際大会とデフリンピックの両方で実績を残していること。東京2025世界陸上への出場に加え、デフリンピックでは金メダルを獲得しました。聴覚障害のある選手として、競技の枠を越えて存在感を示しています。
第三に、2026年も国内大会で優勝を続けていること。日本選手権で8年ぶりに優勝し、アジア大会後の国民スポーツ大会でも大会新記録で優勝しました。日本国内での競争力は依然として高い水準にあります。
今後の課題は国際大会での安定した記録一方、アジア大会で6位だったことは、今後の課題を考える材料にもなります。自己ベスト65m38を持ちながら、アジア大会では58m53という結果でした。
円盤投は一投ごとの結果が大きく変わる競技です。記録更新を狙う能力に加え、大会本番で安定して高い記録を出す力が、国際大会でのメダル獲得に向けて重要になります。
2026年の実績を整理すると、日本記録の更新と国内大会での優勝は明確な成果です。一方、アジア大会の順位は、世界やアジアの強豪と競うためにさらなる成長が必要であることも示しています。
次に注目したいのは、65m台の記録を再現できるか、そして国際大会の決勝でその実力を発揮できるかという点です。
【湯上剛輝に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:湯上剛輝の生年月日と年齢は?
A1:1993年4月14日生まれです。2026年11月現在は33歳です。
Q2:湯上剛輝の日本記録は何メートル?
A2:男子円盤投の日本記録は65m38です。2026年4月26日、米国オクラホマ州で開催されたオクラホマ・スロー・シリーズで樹立しました。
Q3:湯上剛輝はデフリンピックで金メダルを獲得した?
A3:はい。2025年11月24日の東京2025デフリンピック男子円盤投で58m93を記録し、金メダルを獲得しました。
Q4:湯上剛輝の出身大学は?
A4:中京大学スポーツ科学部です。2015年度に卒業し、その後もトヨタ自動車に所属して競技を続けています。
Q5:2026年のアジア大会では何位だった?
A5:男子円盤投で58m53を記録し、6位に入賞しました。日本記録保持者として出場しましたが、メダル獲得には届きませんでした。
Q6:2026年の日本選手権では優勝した?
A6:はい。2026年6月12日の第110回日本選手権で60m66を記録し、8年ぶりに優勝しました。
湯上剛輝選手は、守山高校、中京大学を経てトヨタ自動車に所属し、日本男子円盤投の第一線で活躍してきたアスリートです。
2018年に62m16の日本記録を樹立した後、2025年には64m48、2026年4月には65m38と記録を更新しました。2026年6月の日本選手権でも60m66で優勝し、10月の国民スポーツ大会では60m12の大会新記録で優勝しています。
また、2025年の東京デフリンピックでは58m93で金メダルを獲得。世界陸上にも出場し、聴覚障害のあるアスリートとして一般の国際大会でも挑戦を続けています。
2026年のアジア大会は6位という結果でしたが、国内大会での強さと65m38という日本記録は揺るぎない実績です。
湯上選手の競技人生で注目したいのは、記録を一度出して終わるのではなく、長い時間をかけて自己記録を更新してきたことです。日本記録保持者としての次の目標は、65m台の安定した再現と、国際大会でのさらなる上位進出にあります。
聴覚障害と向き合いながら国内外で結果を残してきた湯上剛輝選手。2026年以降も、日本男子円盤投を代表する選手として、その一投に注目が集まります。
主な参照資料:日本陸上競技連盟、公益財団法人日本オリンピック委員会、中京大学、東京2025デフリンピック日本選手団、トヨタ自動車、甲賀市、月刊陸上競技。