2026年の裁判官の給料は、最高裁判所長官で月額209万5,000円、判事1号で122万4,000円、判事補12号で27万6,300円です。裁判官の報酬は一般企業の給与体系とは異なり、「裁判官の報酬等に関する法律」に基づいて役職や号ごとに定められています。また、基本となる報酬月額のほか、期末手当・勤勉手当・地域手当・初任給調整手当なども収入に影響します。
2026年4月1日現在の裁判所データブックと関係法令を確認すると、裁判官の報酬には明確な階層があり、判事と判事補でも大きな差があります。司法修習を終えて任官する若手裁判官の初任給から、最高裁判所長官の報酬、検察官との比較、実際の年収の計算方法まで、具体的な金額を交えて解説します。
【2026年最新】裁判官の給料はどの法律で決まる?

裁判官の給料を理解するうえで、最初に押さえておきたいのが、一般的な国家公務員の給与制度とは異なる独自の報酬体系です。
裁判官の報酬は、昭和23年に制定された「裁判官の報酬等に関する法律」(昭和23年法律第75号)によって定められています。
裁判官の報酬等に関する法律とはこの法律の第1条では、裁判官が受ける報酬その他の給与について、法律で定めることを規定しています。
第2条では報酬月額を別表によって定め、第3条では各判事・判事補・簡易裁判所判事の号または報酬月額を最高裁判所が決定するとしています。
つまり、裁判官の報酬は、民間企業のように会社ごとの人事評価や給与交渉で決まるものではありません。
法律上の報酬表と、最高裁判所が定める運用によって支給額が決まります。
2025年12月の法改正が2026年の報酬に反映2026年の報酬を確認するうえで重要なのが、2025年12月24日に公布された法律第93号です。
この改正によって、裁判官の報酬月額を定める別表が改められました。
注目したいのは、改正法の附則です。
改正後の規定は、公布日の2025年12月24日から施行される一方、報酬額については2025年4月1日に遡って適用されることになりました。
そのため、2026年4月時点の報酬を調べる際には、古い報酬表ではなく、2025年12月改正後の別表を確認する必要があります。
衆議院の制定法律情報とe-Gov法令検索でも、この改正内容と適用時期が確認できます。
【報酬月額一覧】判事・判事補から最高裁判所長官まで比較
裁判官の報酬は、役職だけでなく「号」によっても異なります。
2026年4月1日現在の裁判所データブック2026に掲載された公式報酬表を基に、主要な役職と号別の金額を整理しました。
最高裁判所長官・最高裁判所判事・高裁長官の給料最初に、裁判所の上級職に当たる役職の報酬月額です。
| 役職 | 報酬月額 |
|---|---|
| 最高裁判所長官 | 2,095,000円 |
| 最高裁判所判事 | 1,528,000円 |
| 東京高等裁判所長官 | 1,466,000円 |
| その他の高等裁判所長官 | 1,358,000円 |
最高裁判所長官は、裁判所のトップに当たる役職です。
最高裁判所判事や高等裁判所長官も高額の報酬が設定されていますが、最高裁判所長官との差は大きく、役職によって報酬体系が明確に分かれています。
判事の号別報酬月額判事には1号から8号までの区分があります。
| 区分 | 報酬月額 |
|---|---|
| 判事1号 | 1,224,000円 |
| 判事2号 | 1,078,000円 |
| 判事3号 | 1,006,000円 |
| 判事4号 | 852,000円 |
| 判事5号 | 736,000円 |
| 判事6号 | 664,000円 |
| 判事7号 | 604,000円 |
| 判事8号 | 546,000円 |
判事の報酬は、最も高い1号と最も低い8号で月額67万8,000円の差があります。
判事という同じ身分でも、号によって待遇が大きく変わることが分かります。
判事補の号別報酬月額判事補は、司法修習を終えて裁判官に任官した人などが就く職位です。
判事より若いキャリア段階に位置付けられ、報酬表は12段階に分かれています。
| 区分 | 報酬月額 |
|---|---|
| 判事補1号 | 459,000円 |
| 判事補2号 | 424,100円 |
| 判事補3号 | 404,400円 |
| 判事補4号 | 379,900円 |
| 判事補5号 | 352,100円 |
| 判事補6号 | 337,300円 |
| 判事補7号 | 320,600円 |
| 判事補8号 | 311,600円 |
| 判事補9号 | 294,300円 |
| 判事補10号 | 285,500円 |
| 判事補11号 | 280,100円 |
| 判事補12号 | 276,300円 |
判事補1号と12号の差は月額18万2,700円です。
ただし、判事補5号から12号には、基本報酬とは別に初任給調整手当が設定されています。そのため、報酬月額だけで実際の月収を比較することはできません。
役職・号と検察官の報酬を対応させると?裁判官と検察官は、どちらも司法を支える重要な職業です。
2026年の裁判所データブックでは、両者の報酬・俸給月額が同じ資料に掲載されています。
上記の役職と号の対応関係を
| 裁判官 | 報酬月額 | 検察官の対応区分 |
|---|---|---|
| 最高裁判所長官 | 2,095,000円 | 直接の対応職なし |
| 最高裁判所判事 | 1,528,000円 | 検事総長 |
| 東京高等裁判所長官 | 1,466,000円 | 直接の対応職なし |
| その他の高等裁判所長官 | 1,358,000円 | 東京高検検事長 |
| 判事1号 | 1,224,000円 | 検事1号 |
| 判事2号 | 1,078,000円 | 検事2号 |
| 判事3号 | 1,006,000円 | 検事3号 |
| 判事4号 | 852,000円 | 検事4号 |
| 判事5号 | 736,000円 | 検事5号 |
| 判事6号 | 664,000円 | 検事6号 |
| 判事7号 | 604,000円 | 検事7号 |
| 判事8号 | 546,000円 | 検事8号 |
| 判事補1号 | 459,000円 | 検事9号 |
| 判事補2号 | 424,100円 | 検事10号 |
| 判事補3号 | 404,400円 | 検事11号 |
| 判事補4号 | 379,900円 | 検事12号 |
| 判事補5号 | 352,100円 | 検事13号 |
| 判事補6号 | 337,300円 | 検事14号 |
| 判事補7号 | 320,600円 | 検事15号 |
| 判事補8号 | 311,600円 | 検事16号 |
| 判事補9号 | 294,300円 | 検事17号 |
| 判事補10号 | 285,500円 | 検事18号 |
| 判事補11号 | 280,100円 | 検事19号 |
| 判事補12号 | 276,300円 | 検事20号 |
出典:最高裁判所「裁判所データブック2026」第1部・裁判官の報酬等。金額は2026年4月1日現在。検察官の対応は同資料の給与表上の対応関係です。
この比較から分かるのは、裁判官と検察官の報酬月額が、対応する号では基本的に同じ水準に設定されていることです。
一方、最高裁判所長官には検事総長に直接対応する同額の報酬設定がありません。
裁判官と検察官の報酬体系は似ていますが、役職構造まで完全に一致するわけではないのです。
【裁判官の年収】賞与・期末手当・勤勉手当はいくら?
裁判官の年収を調べるときに注意したいのが、報酬月額と実際の年間収入の違いです。
例えば、最高裁判所長官の月額報酬は209万5,000円ですが、単純に12倍した金額が年間の総収入になるわけではありません。
年収には、賞与に当たる期末手当・勤勉手当や各種手当も関係します。
裁判官の年収を構成する3つの要素基本的な考え方は、次のとおりです。
1. 報酬月額の12か月分
2. 期末手当・勤勉手当
3. 地域手当や初任給調整手当などの各種手当
ここで大切なのは、裁判官の賞与は一般企業のボーナスとは異なる法令上の仕組みで計算されることです。
期末手当は6月と12月に支給「裁判官の報酬以外の給与に関する規則」第12条では、6月1日と12月1日を基準日として、在職する裁判官に期末手当を支給することが定められています。
期末手当の支給率は役職によって異なります。
| 対象 | 6月 | 12月 |
|---|---|---|
| 最高裁判所長官・最高裁判所判事・高裁長官 | 155% | 170% |
| 判事 | 62.5% | 77.5% |
| 判事補1~4号 | 102.5% | 117.5% |
| 判事補5~12号 | 122.5% | 137.5% |
これらは期末手当基礎額に対する割合です。実際の支給額は、在職期間や手当基礎額などによって変わります。
特に、報酬月額だけを基準に単純計算できない点に注意が必要です。
勤勉手当は勤務成績も関係する勤勉手当は、期末手当とは異なり、勤務成績に応じて支給される仕組みです。
同規則第15条では、6月1日と12月1日の基準日に在職する裁判官に対して、基準日前6か月以内の勤務成績に応じて支給することが定められています。
また、勤勉手当の具体的な支給割合は最高裁判所が一般の官吏の例に準じて定めます。
なお、最高裁判所長官・最高裁判所判事・高等裁判所長官は、第15条の勤勉手当の対象から除外されています。
このように、役職によって賞与の仕組みそのものが異なります。
2026年の国家公務員ボーナスと混同しない人事院の2026年4月号では、一般職国家公務員の期末手当・勤勉手当の年間支給月数が4.65か月、指定職職員が3.5か月とされています。
ただし、この数字をそのまま裁判官全員の賞与に当てはめることはできません。
裁判官には最高裁判所規則による独自の支給基準があるためです。
一般職国家公務員の賞与月数を使って裁判官の年収を一律に計算するのは、正確な比較方法ではありません。
年収を計算する具体例例えば、最高裁判所長官の場合、報酬月額の12か月分は次のとおりです。
\[
2,095,000円 \times 12
=25,140,000円
\]
つまり、基本報酬だけで年間2,514万円になります。
ここに期末手当や対象となる各種手当が加算されます。
一方、判事1号の場合は、
\[
1,224,000円 \times 12
=14,688,000円
\]
となります。
これも賞与や各種手当を含まない基本報酬の年間換算額です。
裁判官の正確な年収を知るには、報酬月額だけでなく、号・勤務地・手当の支給条件・賞与の算定条件を合わせて確認する必要があります。
【初任給・地域手当】若手裁判官の月収はどこまで増える?
裁判官を目指している人にとって気になるのが、司法修習終了後の初任給でしょう。
裁判官の初任給は、判事補として任官した際の報酬月額だけでなく、初任給調整手当なども含めて考える必要があります。
裁判官の初任給は判事補12号が目安司法修習を終えて新たに裁判官に任官する場合、一般的には判事補12号からキャリアをスタートします。
2026年4月1日現在の報酬表では、判事補12号の報酬月額は27万6,300円です。
加えて、初任給調整手当として月額8万7,800円が設定されています。
判事補12号の月額モデル
基本報酬月額
276,300円
初任給調整手当
87,800円
合計月額
364,100円
税金・社会保険料などの控除前。地域手当その他の条件付き手当や賞与は含みません。
この初任給調整手当は、判事補5号から12号までが対象です。
号が上がるにつれて手当額は減少し、判事補4号以上には設定されていません。
つまり、基本報酬が低い若手の段階では、別枠の手当によって月々の待遇が補われる仕組みになっています。
裁判官の地域手当は勤務地によって異なる裁判官には、勤務地に応じて地域手当が支給される場合があります。
地域手当は、物価や民間賃金などの地域差を考慮した制度です。
裁判官の報酬以外の給与に関する規則第4条では、地域手当について一般の官吏の例によって支給することが定められています。
2026年4月1日現在の地域手当の支給地域・割合を見ると、例えば次のような違いがあります。
- 東京都特別区:20%
- 横浜市:16%
- 大阪市:16%
- 名古屋市:13%
- 札幌市:4%
これらは2026年度の段階的な見直しを反映した支給割合です。旧制度の地域手当率をそのまま2026年の給与計算に使用しないよう注意が必要です。
また、地域手当は基本報酬などを基礎に算定されるため、支給率と実際の支給額は別のものです。
その他の手当も収入に影響する裁判官の給与には、地域手当以外にも複数の手当があります。
代表的なものは次のとおりです。
- 扶養手当: 扶養親族などの条件に応じて支給。
- 住居手当: 対象となる裁判官に支給。
- 通勤手当: 通勤条件に応じて支給。
- 広域異動手当: 一定の距離を伴う異動などの条件に応じて支給。
- 単身赴任手当: 単身赴任の条件に該当する場合に支給。
- 寒冷地手当: 対象地域に勤務する場合に支給。
すべての裁判官がすべての手当を受け取るわけではありません。
役職や号、勤務地、家庭状況、異動条件によって対象が異なります。
そのため、初任給や年収を比較する際には、基本報酬と各種手当を分けて確認することが大切です。
【検察官と比較】裁判官の給料は高い?同じ号なら同額?
裁判官の給料を調べる人が、併せて気になるのが検察官との比較です。
両者は司法試験・司法修習を経て就く法曹の職業であり、どちらも国家の司法制度を担う立場にあります。
給与体系も似ており、報酬月額と俸給月額の対応関係が見られます。
判事と検事の月額は基本的に同じ2026年4月1日現在の公式給与表では、判事1号と検事1号はともに122万4,000円です。
また、判事補12号と検事20号は、ともに27万6,300円です。
対応する号の月額が同じという点は、両者の給与を比較する際の要点です。
ただし、裁判官は「報酬月額」、検察官は「俸給月額」という異なる法律上の名称を使っています。
裁判官は「裁判官の報酬等に関する法律」、検察官は「検察官の俸給等に関する法律」によって基本額が定められています。
最高裁判所長官と検事総長には違いがあるトップの役職を比較すると、報酬月額には明確な差があります。
| 比較項目 | 月額 |
|---|---|
| 最高裁判所長官 | 209万5,000円 |
| 検事総長 | 152万8,000円 |
| 差額 | 56万7,000円 |
最高裁判所長官は、裁判所のトップとして独自の報酬水準が設定されています。
検事総長は検察組織のトップですが、報酬体系は別の法律に基づいています。
この差は、単純に仕事内容の優劣を表すものではなく、それぞれの役職と制度上の位置付けの違いを反映したものです。
裁判官と検察官の待遇を比較するときの注意点基本報酬が同じでも、実際の年間収入が完全に一致するとは限りません。
理由は、各職種で適用される給与規則や手当の支給条件が異なるためです。
また、勤務地や役職、異動、勤勉手当の算定なども影響します。
したがって、裁判官と検察官を比較するときは、基本月額だけでなく、賞与や諸手当まで含めた総支給額で見る必要があります。
【誤解を検証】裁判官の号・年収・残業代について知っておきたいこと
裁判官の給料には、一般的な会社員の給与とは異なる特徴があります。
特に、号の意味や残業代の扱いについては誤解されやすい部分です。
号が上がるほど必ず年収も上がる?基本的には、同じ職位の中で号が上がると報酬月額は高くなります。
ただし、号は単純な勤続年数の表示ではありません。
法律第3条では、各判事・判事補などの号を最高裁判所が定めるとされています。
したがって、単に在職年数だけを見て、すべての裁判官が同じ時期に同じ号へ進むと考えるのは正確ではありません。
また、初任給調整手当のように、基本報酬が低い号ほど手当が高く設定される制度もあります。
裁判官には残業代がない?裁判官の報酬等に関する法律第9条には、報酬以外の給与についての規定があります。
同条では、報酬の特別調整額、超過勤務手当、休日給、夜勤手当、宿日直手当を支給しないことが定められています。
そのため、一般的な会社員のように残業時間に応じて時間外手当が増える仕組みではありません。
ただし、これですべての時間外勤務に対する手当が存在しないという意味ではありません。
最高裁判所規則には、一定の緊急・臨時の休日勤務や深夜勤務を対象とする裁判官特別勤務手当も規定されています。
通常の残業代と、特別勤務手当は区別して考える必要があります。
報酬月額は手取り額ではないもう一つの要点が、報酬月額と手取り額の違いです。
公式の報酬表に記載されている金額は、税金や社会保険料などを差し引く前の基本報酬です。
実際に銀行口座へ振り込まれる金額は、所得税、住民税、共済関係の掛金などの控除によって変わります。
そのため、報酬月額が100万円だからといって、100万円をそのまま自由に使えるわけではありません。
年収を比較するときも、額面と手取りを混同しないことが大切です。
【よくある質問】裁判官の給料に関するFAQ
Q1:2026年の裁判官の初任給はいくらですか?
A1:新任判事補は一般的に12号から始まり、2026年4月の報酬月額は27万6,300円です。初任給調整手当8万7,800円を加えると、月額36万4,100円になります。これに条件に応じた手当や賞与が加算されます。
Q2:最高裁判所長官の年収はいくらですか?
A2:2026年4月現在の報酬月額は209万5,000円です。12か月分の基本報酬は2,514万円で、これに期末手当や対象となる手当が加わります。基本報酬の12か月分と実際の年収は区別する必要があります。
Q3:裁判官と検察官ではどちらの給料が高いですか?
A3:対応する号の報酬・俸給月額は、多くの階層で同額です。例えば、判事1号と検事1号はともに122万4,000円です。ただし、トップの役職や各種手当の条件は異なるため、年間総収入まで完全に同じとは限りません。
2026年4月1日現在の裁判官の報酬月額は、最高裁判所長官の209万5,000円から判事補12号の27万6,300円まで幅があります。
今回確認した要点は次のとおりです。
- 裁判官の基本報酬は法律の別表で決まる。
- 判事は1号から8号、判事補は1号から12号まである。
- 判事補の初任給には初任給調整手当が加算される。
- 期末手当と勤勉手当は異なる計算方法で支給される。
- 地域手当や扶養手当なども実際の収入に影響する。
- 検察官と対応する号の基本月額は、多くの階層で同じである。
裁判官の年収を正確に理解するには、基本報酬月額だけで判断するのではなく、役職、号、賞与、勤務地、各種手当を総合的に見る必要があります。
特に、2025年12月の法改正が2025年4月1日に遡って適用された点は、古い給与表を参照してしまう原因にもなるため注意が必要です。
裁判官給料の2026年最新情報を調べるなら、最高裁判所の「裁判所データブック2026」とe-Govの「裁判官の報酬等に関する法律」の別表を基準にすることが、最も確実な確認方法です。
主な参照資料:最高裁判所「裁判所データブック2026」、衆議院「令和7年法律第93号」、e-Gov法令検索「裁判官の報酬等に関する法律」、最高裁判所規則「裁判官の報酬以外の給与に関する規則」、人事院「人事院月報2026年4月号」。