女子パワーリフティング界で国内トップクラスの実績を持つ野村優(のむら・ゆう)選手。2026年は第30回全日本パワーリフティング選手権大会のクラシック女子69kg級で優勝し、トータル490.5kgを記録した。さらに同年9月には、デッドリフト220.5kgという69kg級クラシックの日本記録を樹立している。
注目すべきなのは、野村優の強さがクラシック(ノーギア)だけにとどまらない点だ。2026年5月のエクイップ(フルギア)全日本選手権でも、スクワット203kg、デッドリフト215kgの日本記録を打ち立てた。2018年の世界大会優勝から2026年の最新記録まで、京都先端科学大学時代の競技経歴や過去の大会成績を振り返りながら、その実力を詳しく整理する。
【2026年最新】野村優のパワーリフティング実績と日本記録

2026年の野村優を語るうえで欠かせないのが、2月の全日本クラシックと9月の国民スポーツ大会だ。いずれも女子69kg級で優勝しており、異なる大会で国内最高水準の記録を残している。
2026年2月13日:全日本クラシック69kg級で優勝宮崎県で開催された第30回全日本パワーリフティング選手権大会のクラシック部門。野村は一般女子69kg級に出場し、トータル490.5kgで優勝した。
この大会での3種目の記録は次のとおりだ。
- スクワット:167.5kg
- ベンチプレス:103kg
- デッドリフト:220kg
- トータル:490.5kg
スクワット167.5kg、ベンチプレス103kg、デッドリフト220kgを積み上げた結果が490.5kgである。特にベンチプレス103kgは、女子一般69kg級クラシックの日本記録として登録されている。
また、トータル490.5kgも同階級の日本記録だ。3種目をすべて成功させて合計重量を競う競技において、1種目だけでなく総合力でも国内最高水準に達したことを示している。
2026年9月26日:デッドリフト220.5kgの日本記録次の大きな節目となったのが、青森県藤崎町で開催された「青の煌めきあおもり国スポ・障スポ2026」のパワーリフティング公開競技だ。
野村は女子69kg級クラシックで優勝。なかでも注目を集めたのが、デッドリフト220.5kgという記録だった。
当日の結果は以下のとおり。
- スクワット:167.5kg
- ベンチプレス:92.5kg
- デッドリフト:220.5kg
- トータル:480.5kg
この220.5kgは、女子一般69kg級クラシックの日本記録として登録されている。大会時の体重は67.65kgで、体重のおよそ3.26倍に相当する重量を引き上げた。
ここで注意したいのは、490.5kgと220.5kgが同じ大会で記録された数字ではないことだ。490.5kgは2月の全日本クラシック、220.5kgは9月の国民スポーツ大会で達成された記録である。それぞれ別の大会で生まれた日本記録だ。
【3種目を徹底比較】スクワット・ベンチプレス・デッドリフトの記録
パワーリフティングは、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目で競う競技だ。単純に最も重い重量を持ち上げた選手が勝つのではなく、各種目の成功重量を合計したトータルで順位が決まる。
スクワット:クラシックとフルギアで異なる実績野村のクラシック69kg級における自己ベストは173kg。2025年2月の第29回全日本パワーリフティング選手権大会で記録した数字だ。
一方、2026年2月の全日本クラシックでは167.5kgを成功させている。なお、69kg級クラシックのスクワット日本記録は174kgで、野村の173kgとは区別する必要がある。
注目したいのはエクイップ部門での成績だ。2026年5月23日の全日本エクイップ選手権では203kgを成功させ、女子一般69kg級のスクワット日本記録を樹立した。
ベンチプレス:クラシック69kg級で103kgベンチプレスは、ベンチ台に仰向けになり、バーベルを胸まで下ろしてから押し上げる種目。野村は2026年2月13日の全日本クラシックで103kgを成功させた。
この103kgは女子一般69kg級クラシックの日本記録だ。2025年のアジアパシフィックアフリカ大会では102.5kgを記録しており、翌年の全日本大会でさらに重量を伸ばした。
スクワットやデッドリフトに注目が集まりやすい野村だが、ベンチプレスでも国内最高水準の記録を持っていることは見逃せない。
デッドリフト:クラシック220.5kg、フルギア215kg野村の大きな武器として知られるのがデッドリフトだ。床に置かれたバーベルを両手で握り、立ち上がって持ち上げる種目で、野村は69kg級で220.5kgを成功させている。
2024年には76kg級で230kgを記録しており、階級が異なる時期にも非常に高い重量を挙げてきた。
2026年5月のエクイップ部門では215kgを成功させ、同部門の女子一般69kg級日本記録を樹立。9月にはクラシックで220.5kgまで記録を伸ばした。
このように、デッドリフトはクラシックとエクイップの両方で日本記録を持つ種目となっている。
【野村優の経歴・大会年表】2018年の世界優勝から2026年まで
野村優の競技歴は、大学時代に突然始まったものではない。京都府立農芸高校で競技を始め、京都先端科学大学のパワーリフティング部で実力を磨き、早い段階から世界大会で結果を残してきた。
特に2018年の世界クラシック選手権優勝は、その後のキャリアを象徴する実績だ。
| 年月・大会 | 階級・競技区分 | 主な実績・記録 |
|---|---|---|
| 2018年6月 | 世界クラシック・サブジュニア女子63kg級 | 総合優勝。トータル377.5kgで世界新記録。 |
| 2019年 | ジャパンクラシック・ジュニア女子72kg級 | 優勝。トータル427.5kg。 |
| 2021年6月 | クラシック女子63kg級・69kg級 | 63kg級でトータル437.5kg、69kg級で430kgを記録。 |
| 2021年12月 | 全日本学生選手権・女子63kg級 | トータル457.5kgの日本記録を樹立。 |
| 2022年2月 | ジャパンクラシック・女子63kg級 | トータル455kgで優勝。女子最優秀選手賞を受賞。 |
| 2024年2月29日 | ジャパンクラシック・女子76kg級 | トータル500kg、デッドリフト230kgを記録。 |
| 2025年2月23日 | 全日本クラシック・女子69kg級 | トータル486.5kg。スクワット173kg。 |
| 2025年7月 | アジアパシフィックアフリカ大会・女子69kg級 | 一般女子69kg級で優勝。 |
| 2026年2月13日 | 全日本クラシック・女子69kg級 | 優勝。トータル490.5kg、ベンチプレス103kg。 |
| 2026年5月23日 | 全日本エクイップ・女子69kg級 | 優勝。スクワット203kg、デッドリフト215kg。 |
| 2026年9月26日 | 国民スポーツ大会・クラシック女子69kg級 | 優勝。デッドリフト220.5kgの日本記録。 |
野村の国際舞台での活躍を語るうえで、2018年6月の世界クラシックパワーリフティング選手権大会は外せない。
カナダ・カルガリーで開催された同大会に、京都先端科学大学の経済経営学部1回生として出場。サブジュニア女子63kg級で総合優勝を果たした。
当時のトータルは377.5kg。スクワット130kg、ベンチプレス77.5kg、デッドリフト170kgという内訳で、大学の公式発表では世界新記録として紹介されている。
高校時代から競技を始めた選手が、大学入学後の早い段階で世界の頂点に立ったことは、野村の競技人生における重要な転換点だ。
京都先端科学大学時代:国内大会でも実績を積み重ねる大学時代は京都先端科学大学パワーリフティング部に所属。2019年にはジャパンクラシックのジュニア女子72kg級で優勝し、2020年には京都府スポーツ賞の優秀賞などを受賞している。
2021年には近畿大会やジャパンクラシックで日本記録を更新。6月の大会では女子63kg級でトータル437.5kg、69kg級で430kgを記録した。
同年12月の第48回全日本学生パワーリフティング選手権大会では、63kg級のトータル457.5kgを記録。大学時代から、階級や大会を変えながら着実に実績を積み上げてきたことが分かる。
2022年2月の第27回ジャパンクラシックでは女子63kg級で優勝し、女子最優秀選手賞も獲得。大学側の公式発表では、トータル455kg、スクワット157.5kg、ベンチプレス97.5kg、デッドリフト200kgと記録されている。
2024年:女子76kg級でトータル500kgを達成2024年2月29日の第28回ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会では、女子76kg級でトータル500kgを達成した。
デッドリフトは230kg。この記録は女子一般76kg級クラシックの日本記録として掲載されている。
2026年の69kg級で490.5kgを達成する以前に、すでに別の階級で500kgという大台を経験していたことになる。野村の競技力を評価する際には、階級変更の経緯も踏まえる必要がある。
【重要な違い】クラシック(ノーギア)とエクイップ(フルギア)の記録
野村優の記録を調べる際、特に間違えやすいのがクラシックとエクイップの違いだ。両者は同じパワーリフティングでも、使用できる競技用具のルールが異なるため、記録を単純に比較できない。
クラシックは補助性能のあるギアを使わない競技クラシックは一般にノーギアとも呼ばれる区分だ。競技用のシングレットやベルト、リストラップ、ニースリーブなどの使用は認められるが、エクイップで使用するような強い補助性能を持つサポートスーツやベンチシャツなどは使用しない。
そのため、選手自身の筋力や技術、フォームの安定性が記録に大きく反映される。
2026年2月のトータル490.5kgと9月のデッドリフト220.5kgは、このクラシック部門の記録だ。
エクイップはサポートギアを活用する競技エクイップ、いわゆるフルギアでは、スクワットスーツやベンチシャツなどの競技用サポートギアを使用できる。これらの用具は挙上動作を補助する性能を持ち、適切な技術と組み合わせることで、クラシックとは異なる重量に挑戦できる。
2026年5月23日の全日本パワーリフティング選手権大会では、野村はエクイップ女子69kg級で優勝。トータル468kgを記録した。
加えて、スクワット203kgとデッドリフト215kgを成功させ、いずれも女子一般69kg級のエクイップ日本記録となった。
クラシックのスクワット自己ベスト173kgと、エクイップの203kgは、同じスクワットでも競技区分が違う。数字だけを並べて筋力が30kg増加したと判断するのは適切ではない。
また、エクイップのトータル468kgは同大会の野村の競技結果であり、69kg級のエクイップ日本記録トータルという意味ではない。
記録を正しく比較するなら、次の3項目を必ず確認したい。
- クラシックかエクイップか
- 女子一般、ジュニア、マスターズなど、どのカテゴリーか
- 47kg級、52kg級、57kg級、63kg級、69kg級、76kg級など、どの階級か
【野村優の現在】2026年の実力と今後の注目ポイント
2026年11月時点で確認できる競技実績を見ると、野村優はクラシックとエクイップの双方で国内トップクラスの成績を残している。
特に評価できるのは、3種目の合計重量を伸ばす力と、単種目の日本記録を更新する力を両立している点だ。
トータル490.5kgは総合力の証明2026年2月の全日本クラシックで達成した490.5kgは、単にデッドリフトが強いだけでは到達できない数字だ。
スクワット167.5kg、ベンチプレス103kg、デッドリフト220kgという3種目をそろえて初めて達成できる。いずれかの種目で失敗すれば、トータルそのものが成立しないため、試技の組み立てや安定感も求められる。
加えて、2026年9月にはデッドリフトを220.5kgまで更新した。2月の全日本選手権で出した220kgを0.5kg上回ったことになる。
9月の大会ではトータルよりデッドリフトに注目興味深いのは、9月の国民スポーツ大会ではトータルが480.5kgだった点だ。2月の490.5kgより10kg低いが、スクワットは同じ167.5kgを成功させ、デッドリフトは220.5kgに伸びている。
一方、ベンチプレスは2月の103kgに対して9月は92.5kgだった。つまり、トータルだけを見ると2月のほうが上だが、9月にはデッドリフトの日本記録が生まれている。
この比較から分かるのは、トータルの変動と個別種目の成長は必ずしも一致しないということだ。競技者の実力を評価するなら、総合記録と各種目のベストを分けて見る必要がある。
現在の所属と競技活動京都先端科学大学時代には、同大学パワーリフティング部の選手として活躍した。2026年5月の全日本エクイップ大会の公式個人結果では、所属は京都府のEXSTAGEと掲載されている。
また、X-PLOSIONの公式アンバサダー紹介ページでも、野村はパワーリフティングのトップアスリートとして紹介されている。2025年のアジアパシフィックアフリカ大会優勝、2026年の全日本クラシック69kg級優勝などが掲載されている。
今後注目したいのは、クラシック69kg級のトータル490.5kgをさらに更新できるか、そして220.5kgのデッドリフトをどこまで伸ばせるかという点だ。エクイップでもスクワット203kg、デッドリフト215kgという実績があるため、両部門での継続的な活躍が期待される。
【プロの結論】野村優の強さを正しく評価する3つの基準
野村優の競技実績を読み解く際、重要なのは単純な重量の大きさだけではない。競技区分、階級、3種目のバランスという3つの視点を持つことで、記録の価値がより明確になる。
基準1:トータルと単種目の記録を区別する490.5kgは3種目の合計であり、220.5kgはデッドリフト単独の記録だ。どちらも日本記録として価値があるが、意味する競技能力は異なる。
トータルは総合力、単種目記録は特定の動作における最大挙上能力を示す。野村の強さを評価するには両方を確認したい。
基準2:階級変更を考慮する野村は63kg級、72kg級、76kg級など、キャリアの中で複数の階級を経験している。2024年には76kg級でトータル500kg、2026年には69kg級で490.5kgを達成した。
異なる階級の記録を比較する場合、体重の違いや階級制度の違いを考慮する必要がある。単純な挙上重量だけで競技力の優劣を判断するのは適切ではない。
基準3:クラシックとエクイップを混同しないクラシックではトータル490.5kg、デッドリフト220.5kg。エクイップではスクワット203kg、デッドリフト215kgという記録を持つ。
それぞれ異なるルールのもとで樹立された日本記録であり、野村が両部門で高い競技力を発揮していることが分かる。
記録を調べる読者にとっては、公式記録の区分と樹立大会まで確認することが、正確な比較につながる。
【よくある質問】野村優のパワーリフティングに関するFAQ
Q1:野村優は2026年の全日本パワーリフティング選手権で優勝した?
A1:はい。2026年2月13日に開催された第30回全日本パワーリフティング選手権大会のクラシック一般女子69kg級で優勝し、トータル490.5kgを記録した。
Q2:野村優のデッドリフトの日本記録は何kg?
A2:クラシック女子一般69kg級では220.5kg。2026年9月26日の青の煌めきあおもり国スポ・障スポ2026で達成した。エクイップ女子一般69kg級では215kgの日本記録も持っている。
Q3:野村優のトータル490.5kgはどの大会で達成した?
A3:2026年2月13日の第30回全日本パワーリフティング選手権大会クラシック部門。女子一般69kg級で、スクワット167.5kg、ベンチプレス103kg、デッドリフト220kgを成功させた。
Q4:野村優はフルギアでも日本記録を持っている?
A4:はい。2026年5月23日の全日本エクイップ選手権で、女子一般69kg級のスクワット203kg、デッドリフト215kgを記録し、日本記録を樹立した。
Q5:野村優はどこの大学のパワーリフティング部に所属していた?
A5:京都先端科学大学のパワーリフティング部に所属していた。大学時代には世界大会優勝や全日本学生選手権での活躍など、数多くの実績を残している。
Q6:野村優は海外大会でも優勝している?
A6:はい。2018年の世界クラシックパワーリフティング選手権大会でサブジュニア女子63kg級を制覇。また、2025年のアジアパシフィックアフリカ大会では一般女子69kg級で優勝している。
野村優は、2018年の世界クラシック選手権優勝を出発点に、国内外の大会で実績を積み重ねてきた女子パワーリフターだ。京都先端科学大学のパワーリフティング部で競技力を磨き、2024年には76kg級でトータル500kgを達成。2025年にはアジアパシフィックアフリカ大会の69kg級を制した。
2026年はさらに実績を更新。2月の全日本クラシック女子69kg級でトータル490.5kg、5月の全日本エクイップではスクワット203kgとデッドリフト215kg、9月の国民スポーツ大会ではクラシックのデッドリフト220.5kgを記録した。
特に重要なのは、490.5kgのトータルと220.5kgのデッドリフトが別々の大会で生まれた記録であること、そしてフルギアの203kg・215kgとは競技区分が異なることだ。
野村優の現在の実力を正確に評価するなら、記録の数字だけでなく、階級・競技区分・樹立大会まで確認したい。世界大会での優勝経験を持ち、国内でもクラシックとエクイップの双方で日本記録を更新してきた野村の今後の挑戦は、女子パワーリフティング界における大きな注目材料となっている。
主な検証資料: 日本パワーリフティング協会の2026年日本記録一覧、各大会公式結果、京都先端科学大学の競技実績発表、X-PLOSION公式選手紹介。