事件発生から9年以上が経過した2026年11月現在、この事件の刑事裁判はすでに確定しています。
現在の状況を理解するには、刑事裁判の結末、遺族による民事訴訟、地域社会の安全対策を分けて考える必要があります。
渋谷恭正の現在は?無期懲役確定後の状況渋谷恭正は、2022年5月11日の最高裁決定によって無期懲役が確定しました。
したがって、2026年現在、この事件について犯人を特定するための刑事裁判が続いているわけではありません。
ただし、刑の確定後の具体的な収容先や日々の処遇、仮釈放に関する個別の状況については、公表情報から確認できません。
また、無期懲役は一定の年数が経過すれば自動的に刑期が終了する有期刑とは異なります。刑の確定と、将来の仮釈放の有無は別の問題です。
遺族による約7000万円の損害賠償請求事件後、リンさんの両親は刑事裁判とは別に、渋谷に対する民事訴訟を起こしました。
2021年9月24日、東京地方裁判所は遺族側の請求を認め、約7000万円の損害賠償を命じる判決を言い渡しました。
加えて、2022年4月には東京高裁でも賠償を命じる判断が維持されたことが千葉日報などで報じられています。
刑事裁判が被告の刑事責任を判断する手続きであるのに対し、民事裁判は遺族が受けた損害に対する賠償責任を判断するものです。
両親が民事訴訟にも取り組んだ背景には、娘を失ったことへの深い悲しみと、被害に対する責任を明らかにしたいという思いがありました。
事件から年月が経過しても残る課題事件から時間が経過しても、登下校中の子どもの安全という課題はなくなりません。
特に、保護者や地域住民による見守り活動をどのように継続し、学校や行政がどう支援するのかは、現在も考えるべきテーマです。
2026年の松戸市では、学校の昇降口が開く前に児童を見守る「始業前の児童への見守り事業」が実施されています。
松戸市教育委員会の2026年8月31日更新資料によると、この事業は2025年6月以降、環境が整った学校から順次開始されました。対象は市立小学校の全学年で、利用料は無料です。
見守り時間は原則として午前7時から昇降口が開くまで。実施校には、リンさんが通っていた六実第二小学校も含まれています。
ただし、この事業は朝の保育園と小学校の開始時刻の違いによる「朝の小一の壁」への対応として実施されているものです。事件への直接的な再発防止策と同一視するのではなく、現在の松戸市における子どもの見守り体制の一つとして捉える必要があります。
【通学路の安全対策】松戸女児殺害事件から学ぶ子どもの守り方

この事件が社会に残した大きな問題の一つは、地域の見守り活動があっても、子どもの安全を完全には保証できないということです。
地域住民の善意に頼るだけではなく、家庭、学校、行政、警察がそれぞれの役割を果たす仕組みが必要です。
1.通学路の危険箇所を親子で確認する千葉県警察は、子どもを犯罪から守るための取り組みとして、保護者が子どもと一緒に通学路を歩き、危険な場所を確認することを推奨しています。
特に確認したいのは次のような場所です。
- 人通りが少なく、周囲から見えにくい道路
- 建物や植え込みによって視界が遮られる場所
- 公園や駐車場など、子どもが一人になりやすい場所
- 通学路から外れたときに大人の助けを求めにくい場所
また、通学路だけでなく、友人宅や習い事の場所、普段利用する公園まで含めて行動範囲を把握することも大切です。
2.子ども110番の家と防犯ブザーを活用する
子ども110番の家
不審者に声を掛けられたり、身の危険を感じたりしたときに、子どもが逃げ込んで助けを求められる場所です。
防犯ブザー
危険を感じたときに周囲へ知らせるための道具です。定期的に電池や音が出るかを確認する必要があります。
千葉県警察は、防犯ブザーのほか、ホイッスルやGPS機能付き携帯電話などの活用も案内しています。
ただし、防犯用品を持たせれば安全というわけではありません。子どもが実際に使い方を理解し、困ったときに大人へ助けを求められることが重要です。
3.学校と地域の見守り体制を複数化する松戸女児殺害事件で特に考えさせられるのは、地域の子どもを見守る役割を担っていた人物が被告となったことです。
この事実から導かれる教訓は、地域の見守り活動そのものを否定することではありません。
むしろ、善意や個人への信頼だけに依存しない運営が必要です。
具体的には、次のような仕組みが考えられます。
- 見守り担当者を複数人で配置する。
- 担当者の役割や活動範囲を学校側が把握する。
- 見守り活動の記録や連絡体制を整える。
- 子どもが不安を感じたとき、別の大人にも相談できるようにする。
- 学校、保護者、地域住民の間で異変を速やかに共有する。
特定の人物を信頼することと、その人物の行動を組織として確認することは両立できます。
安全対策は、人を疑うためではなく、子どもを守るために存在するものです。
4.子どもが行方不明になった場合は速やかに警察へ子どもの帰宅が遅い、学校に到着していない、連絡が取れないなど、普段と異なる状況が発生した場合は、状況を確認しながら速やかに対応する必要があります。
生命や身体への危険が疑われる緊急事態では、警察への110番通報を優先してください。
千葉県警察では、行方不明者に関する公表資料を掲載しているほか、「ちば安全・安心メール」を通じて、犯罪発生情報や行方不明者情報、不審者情報などを配信しています。
メールは県内39警察署から地域別に情報を受け取れる仕組みです。
こうした公的情報を確認することは、地域で子どもの安全を守るための具体的な手段の一つです。
【よくある質問】千葉の女の子行方不明事件に関するFAQ
Q1:千葉県松戸市で行方不明になった女の子の名前は?
A1:レェ・ティ・ニャット・リンさんです。ベトナム国籍の小学3年生で、事件当時9歳でした。2017年3月24日に登校途中で行方不明になり、3月26日に我孫子市内で遺体が発見されました。
Q2:松戸女児殺害事件の犯人は誰で、どのような判決になった?
A2:小学校の元保護者会長だった渋谷恭正です。2017年4月14日に死体遺棄容疑で逮捕され、2018年7月6日に千葉地裁で無期懲役判決を受けました。2021年の東京高裁判決を経て、2022年5月11日に最高裁が上告を棄却し、無期懲役が確定しました。
Q3:松戸女児殺害事件は2026年現在も未解決なの?
A3:いいえ。刑事裁判は2022年5月11日に無期懲役が確定しており、犯人が分からないままの未解決事件ではありません。2026年現在は、事件の司法上の経緯を振り返るとともに、子どもの通学路の安全や地域の見守り体制を考えることが重要です。
2017年3月24日、千葉県松戸市で登校途中に行方不明になったレェ・ティ・ニャット・リンさん。2日後の我孫子市での遺体発見、元保護者会長の逮捕、DNA型鑑定をめぐる裁判、そして2022年の無期懲役確定まで、事件は長い司法手続きをたどりました。
2026年現在、刑事裁判は確定しています。しかし、事件によって失われた命と遺族の悲しみは、判決によって消えるものではありません。
この事件から学ぶべきことは、地域の見守り活動を続けるだけでなく、その仕組みを組織的に支えることです。
家庭では子どもと通学路を確認し、学校では複数の大人による見守り体制を整え、地域では不審な状況を共有する。行政と警察は、それらを支える情報提供や防犯対策を進める必要があります。
子どもの安全を一人の大人の善意や責任だけに委ねないこと。 それが、松戸女児殺害事件を忘れず、未来の子どもたちを守るために社会が考え続けるべき教訓です。