2026年の弥生賞ディープインパクト記念は、3番人気のバステールが差し切り勝ちを収め、重賞初制覇を達成した。2025年のファウストラーゼン、2024年のコスモキュランダに続き、中穴人気の馬が勝利する結果となっている。春のクラシックを占う重要な一戦だけに、過去の勝ち馬や人気別成績、枠順、脚質の傾向を把握しておきたい。
弥生賞は中山競馬場の芝2000mで行われる3歳限定のGⅡ競走で、皐月賞の優先出走権が与えられるトライアルレースでもある。2017〜2026年の10年間を対象に、歴代優勝馬と3着以内の馬、3連単配当、1番人気の勝率・複勝率、中山芝2000mのコース特性まで整理する。
【2017〜2026年】弥生賞の過去10年の結果と歴代優勝馬一覧

まず確認したいのが、過去10年間の着順と配当だ。
弥生賞では、1番人気の実力馬が順当に勝つ年がある一方、2019年のメイショウテンゲンや2024年のコスモキュランダのように、中穴人気の馬が勝利するケースも見られる。
以下は、2017〜2026年の各年の1〜3着馬と単勝人気、3連単配当をまとめた一覧だ。
出典:JRAの競走成績、ウマニティの過去レース結果、各年の3連単配当記録。払戻金は100円あたり。
この10年間の優勝馬を振り返ると、人気上位馬だけでなく、6〜8番人気の馬にも勝利のチャンスがあったことが分かる。
特に注目したいのは次の3頭だ。
2024年:
6番人気で勝利。2着シンエンペラー、3着シリウスコルトという組み合わせになり、3連単は301,710円に達した。人気薄の勝利に加え、9番人気馬が3着に入ったことが高配当につながった。
2025年:
7番人気で勝利。2着ヴィンセンシオ、3着アロヒアリイという決着で、3連単は85,910円だった。1〜3着の人気は7番人気、2番人気、5番人気。上位人気だけで決まらない弥生賞の特徴が表れている。
2026年:
3番人気で勝利。2着ライヒスアドラー、3着アドマイヤクワッズと上位人気馬が続き、3連単は4,820円だった。
このように、弥生賞は毎年同じような配当になるわけではない。人気馬同士で決まる年と、中穴馬が複数台頭する年の両方が存在する。
3連単配当の平均と中央値にも注目2017〜2026年の3連単配当を集計すると、次の数字になる。
- 平均配当:95,213円
- 中央値:24,380円
- 10万円を超えた年:2回
- 1万円未満だった年:4回
平均と中央値には大きな差がある。これは2019年の457,370円、2024年の301,710円という高配当が平均を押し上げているためだ。
つまり、弥生賞は平均配当だけを見て「荒れるレース」と判断するのは適切ではない。通常の決着では数千円から2万円台の配当も多く、人気薄が複数絡んだときに大きく跳ね上がる構造になっている。
【2026年最新結果】バステールが差し切り勝ち!レース内容を詳しく解説
2026年3月8日、中山競馬場で開催された第63回報知杯弥生賞ディープインパクト記念は、川田将雅騎手が騎乗した3番人気のバステールが優勝した。
2026年の確定着順| 着順 | 馬名 | 人気 | 騎手 |
|---|---|---|---|
| 1着 | バステール | 3番人気 | 川田将雅 |
| 2着 | ライヒスアドラー | 2番人気 | 佐々木大輔 |
| 3着 | アドマイヤクワッズ | 1番人気 | 坂井瑠星 |
| 4着 | タイダルロック | 4番人気 | 三浦皇成 |
| 5着 | モウエエデショー | 10番人気 | 原田和真 |
勝ちタイムは2分00秒2。馬場状態は良で、バステールは2着ライヒスアドラーに3/4馬身差をつけた。
バステールの勝因は後方からの末脚2026年のレースで目を引いたのは、バステールの位置取りだった。
JRAの公式成績によると、バステールのコーナー通過順位は9-9-8-8。道中は後方に構え、最後の直線で外から一気に伸びた。
一方、アドマイヤクワッズは3-3-3-2と前方で競馬を進め、ライヒスアドラーも5-5-5-5という位置取りだった。
直線ではライヒスアドラーとアドマイヤクワッズが先頭に並びかけたものの、最後にバステールが差し切った。
1000m通過は60秒4。極端なハイペースではない展開の中、後方から勝ち切った点は評価できる。
2026年の配当・払戻金一覧| 券種 | 組み合わせ | 払戻金 |
|---|---|---|
| 単勝 | 8番 | 630円 |
| 複勝 | 8番 | 140円 |
| 馬連 | 4-8 | 1,060円 |
| 馬単 | 8-4 | 2,500円 |
| ワイド | 4-8 | 310円 |
| 3連複 | 4-6-8 | 470円 |
| 3連単 | 8-4-6 | 4,820円 |
出典:JRA公式レース成績・払戻金。
1番人気、2番人気、3番人気の順番が入れ替わる決着となったため、上位3頭が人気馬でも3連単は4,820円になった。
バステールが獲得した皐月賞への優先出走権今回の勝利でバステールは重賞初制覇を達成。2着ライヒスアドラー、3着アドマイヤクワッズとともに、皐月賞への優先出走権を獲得した。
JRAの成績資料によると、バステールは父キタサンブラック、母マンビアという血統。栗東の斉藤崇史厩舎に所属し、川田将雅騎手とのコンビで勝利を挙げた。
2026年の結果は、弥生賞が単純な先行力だけで決まるレースではないことを示す一戦だった。
【人気別成績】弥生賞の1番人気の勝率・複勝率は?
弥生賞の予想で重要になるのが、単勝人気と実際の着順の関係だ。
2017〜2026年の結果を確認すると、1番人気は一定の安定感を持つ一方、勝利数だけを見ると圧倒的な存在ではない。
1番人気は勝率20%・複勝率70%2016〜2025年の集計では、1番人気は2勝・2着4回・3着1回・着外3回という成績だった。
そこから2016年を除き、2026年の3着という結果を加えた2017〜2026年の成績は次のようになる。
| 指標 | 2017〜2026年 |
|---|---|
| 1着 | 2回 |
| 2着 | 3回 |
| 3着 | 2回 |
| 着外 | 3回 |
| 勝率 | 20.0% |
| 複勝率 | 70.0% |
注目すべきは、複勝率が70%あるにもかかわらず、勝率は20%にとどまっていることだ。
つまり、1番人気は馬券の軸として検討しやすいものの、単勝で必ず勝つと決めつけるのは危険である。
2026年も1番人気のアドマイヤクワッズは3着に入った。能力を発揮して馬券圏内を確保した一方、勝利したのは3番人気のバステールだった。
2番人気・3番人気にも注目過去の結果を見ると、2番人気も安定した成績を残している。
2017〜2026年では、2番人気が1勝・4回の2着・1回の3着。複勝圏内に入った回数は6回だ。
3番人気は3勝・1回の2着・1回の3着で、勝ち切る力が目立つ。
特に次の3年間は、3番人気の馬が優勝している。
- 2022年:アスクビクターモア
- 2023年:タスティエーラ
- 2026年:バステール
1番人気を中心に考えながらも、2〜3番人気の馬の能力や適性を比較することが重要になる。
6〜8番人気の伏兵にも警戒が必要弥生賞の面白さは、中穴人気の馬が勝利するケースがあることだ。
代表例は以下の3頭。
- 2019年:8番人気メイショウテンゲン
- 2024年:6番人気コスモキュランダ
- 2025年:7番人気ファウストラーゼン
一方、二桁人気の馬が3着以内に入るケースは、今回の10年間では見られない。
したがって、人気薄を狙う場合でも、無条件に大穴まで広げるのではなく、6〜8番人気付近の馬を中心に、実績やコース適性を検討する方が過去の傾向には合っている。
【枠順・脚質別傾向】中山芝2000mで有利なのはどのタイプ?
弥生賞の傾向を分析するとき、人気だけでなく枠順と脚質にも注目したい。
ただし、枠順の数字だけで有利不利を決めるのではなく、中山芝2000mというコースの構造と組み合わせて考える必要がある。
8枠は過去の弥生賞で勝ち馬を多く出している2026年の開催前に公表された過去10回の枠順分析では、8枠が5勝・2着1回・3着1回・着外13回という成績だった。
2026年の結果を加えた2017〜2026年の集計では、8枠は次の成績になる。
| 指標 | 2017〜2026年 |
|---|---|
| 1着 | 4回 |
| 2着 | 1回 |
| 3着 | 1回 |
| 着外 | 15回 |
2017〜2026年の結果に合わせて集計期間を更新すると、8枠の勝ち馬は4頭となる。
ただし、8枠の出走馬すべてが好走するわけではない。2026年も8枠のバリオスとアメテュストスは、それぞれ8着、9着だった。
枠順の数字は、出走頭数や馬の能力によっても変わる。外枠という理由だけで評価を上げるのではなく、スタート後の位置取りやコーナーでの距離ロスを考慮したい。
脚質は先行有利が基本。ただし差し馬も軽視できない過去の弥生賞では、極端な脚質差があるわけではないものの、前方で競馬を進める馬が比較的健闘している。
2026年の開催前に公表された10回分の脚質別データでは、逃げ馬が1着1回、2着2回、3着1回、着外6回だった。
逃げ馬の複勝率は40%。前でレースを進める馬にも一定のチャンスがある。
しかし、2026年のバステールは後方から差し切って優勝した。
また、2025年のファウストラーゼンは道中後方から向正面で進出し、勝利している。
この2年の結果からも、単純に「逃げ・先行馬だけを買えばよい」とは考えにくい。
注目したいのは、次のような馬だ。
- 自分のリズムで先行できる馬
- 中山の小回りコースで機動力を発揮できる馬
- 早めに位置を押し上げられる持続力型
- 最後の急坂でも脚を使える差し馬
JRAの公式コース解説によると、中山芝2000mは内回りコースを1周するレイアウトだ。
主な特徴は次のとおり。
1. スタートから最初のコーナーまで約400m
スタート地点から1コーナーまでには一定の距離があり、最初の位置取りが重要になる。さらに坂を上りながらポジションを争うため、序盤のペース配分も問われる。
2. 向正面から下り坂に入る
1コーナー付近で高くなった地形から、向正面にかけて下っていく。馬群が動きやすく、仕掛けのタイミングがレース結果を左右する。
3. 最後の直線は約310m
直線は短いが、ゴール前には急坂が待っている。単純な瞬発力だけでなく、坂を上り切るパワーと持続力が必要だ。
JRAも、同コースでは坂に負けないパワーと器用な脚が要求されると説明している。
こうしたコース形態を考えると、弥生賞では直線だけの瞬発力勝負を想定するのは危険だ。
コーナーでスムーズに立ち回れるか、早めに進出しても最後まで脚が残るかという点が、馬の評価を左右する。
【皐月賞トライアルの過去成績】弥生賞で本当に注目すべき馬とは?
弥生賞は、単なる春の中距離重賞ではない。
1964年に創設され、1984年からは皐月賞と同じ中山芝2000mで開催されている。さらに2020年には、ディープインパクトの功績を称えて「報知杯弥生賞ディープインパクト記念」に名称が変更された。
現在は皐月賞トライアルとして、3着以内の馬に皐月賞の優先出走権が与えられている。
弥生賞と皐月賞の関係弥生賞で上位に入った馬は、皐月賞へ向かううえで大きなアドバンテージを得る。
2026年の場合も、バステール、ライヒスアドラー、アドマイヤクワッズの3頭が優先出走権を獲得した。
ただし、弥生賞で勝ったからといって、皐月賞でも同じように走れるとは限らない。
両レースは同じ中山芝2000mで行われるが、弥生賞は本番前の調整や能力確認という側面もある。各馬の仕上がり具合やレース経験にも違いがある。
前走のレース実績も重要な判断材料弥生賞で注目したい前走は、ホープフルステークス、京成杯、共同通信杯、朝日杯フューチュリティステークスなどだ。
特に中山芝2000mの経験がある馬は、コースへの対応力を判断するうえで参考になる。
2026年の開催前に公表されたデータでも、ホープフルステークスや京成杯、芙蓉ステークスなどで好走した馬への注目が挙げられていた。
一方で、前走の着順だけで能力を判断するのは早計だ。
例えば、前走で敗れていても、相手関係が強かった馬や、距離・コースが合わなかった馬が弥生賞で巻き返す可能性はある。
確認したい要点は次の4つだ。
- 前走の相手関係とレースレベル
- 中山芝2000mへの適性
- 右回りや小回りコースでの実績
- 最後の直線での伸びと持続力
過去10年間の結果から、弥生賞で注目すべきポイントを整理すると、次のようになる。
第一に、1番人気を過信しないこと。
1番人気の複勝率は70%だが、勝率は20%。軸としての安定感と、単勝で勝ち切る可能性は分けて考える必要がある。
第二に、6〜8番人気の実力馬を見落とさないこと。
2019年のメイショウテンゲン、2024年のコスモキュランダ、2025年のファウストラーゼンがその代表例だ。
人気が低くても、中山への適性や前走の内容に裏付けがある馬は評価対象になる。
第三に、枠順だけでなく脚質とコース適性を組み合わせること。
8枠からの優勝例は多いものの、外を回る距離ロスは無視できない。また、先行馬が有利な展開でも、バステールのように後方から差し切る馬もいる。
最終的には、枠順・脚質・前走内容・当日の馬場状態を総合的に判断することが大切だ。
特に皐月賞を見据えるなら、単に弥生賞で勝てそうな馬だけでなく、中山芝2000mを最後まで走り切る持続力を持つ馬に注目したい。
【弥生賞の過去に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:弥生賞の過去10年の優勝馬は?
A1:2017年カデナ、2018年ダノンプレミアム、2019年メイショウテンゲン、2020年サトノフラッグ、2021年タイトルホルダー、2022年アスクビクターモア、2023年タスティエーラ、2024年コスモキュランダ、2025年ファウストラーゼン、2026年バステールです。
Q2:2026年の弥生賞を勝った馬は?
A2:2026年3月8日に開催された第63回弥生賞ディープインパクト記念を勝ったのは、川田将雅騎手が騎乗した3番人気のバステールです。勝ちタイムは2分00秒2でした。
Q3:弥生賞の1番人気の勝率・複勝率は?
A3:2017〜2026年の10年間では、1番人気は2勝・2着3回・3着2回・着外3回です。勝率は20.0%、複勝率は70.0%となっています。
Q4:弥生賞は外枠が有利?
A4:過去の集計では8枠から複数の優勝馬が出ています。ただし、外枠はコーナーで距離ロスが発生する可能性もあります。枠順だけでなく、頭数や馬の位置取りも考慮する必要があります。
Q5:弥生賞の3連単で最も高かった配当は?
A5:2017〜2026年では、2019年の457,370円が最高です。8番人気メイショウテンゲン、6番人気シュヴァルツリーゼ、4番人気ブレイキングドーンの順で決着しました。
Q6:弥生賞で3着以内に入ると皐月賞に出走できる?
A6:弥生賞は皐月賞トライアルで、3着以内に入った馬には皐月賞の優先出走権が与えられます。ただし、実際の出走には所定の手続きなども関係します。
2017〜2026年の弥生賞を振り返ると、人気上位馬の安定感と、中穴馬の一発という2つの特徴が見えてくる。
2026年は3番人気のバステールが後方から差し切り、3連単4,820円という比較的落ち着いた配当になった。一方、2024年はコスモキュランダが6番人気で勝利し、3連単301,710円の高配当を記録している。
今後の弥生賞を予想する際に押さえておきたいのは、次の5点だ。
- 1番人気は複勝率70%だが、勝率は20%。
- 6〜8番人気の実力馬にも勝利の可能性がある。
- 8枠の過去の好走例は多いが、外枠を無条件に高評価しない。
- 先行力だけでなく、差し切る末脚や持続力も評価する。
- ホープフルステークスや京成杯など、前走の内容と中山適性を確認する。
弥生賞は、皐月賞へ向けた重要なステップレースであると同時に、3歳馬の成長力やコース適性が問われる一戦でもある。
過去の人気や配当を参考にしつつ、最後は馬自身の能力、レース内容、当日の馬場状態を総合的に見極めたい。過去10年のデータを正しく読み解くことが、2027年以降の弥生賞を予想する際にも役立つはずだ。