山口組の現在の勢力を考える際、組織図に掲載された人数と、警察庁が統計として公表する構成員数を混同してはいけません。
警察庁の「令和7年における組織犯罪の情勢」によれば、2025年末の全国の暴力団構成員及び準構成員等は約1万7,600人です。
内訳は次のとおりです。
- 暴力団構成員:約9,400人
- 準構成員等:約8,200人
- 合計:約17,600人
これは暴力団対策法が施行された1992年以降で最少の水準です。2005年末の約8万6,300人と比較すると、大幅な減少が確認できます。
六代目山口組の構成員数は約3,100人同じ警察庁資料では、六代目山口組の2025年末の構成員数は約3,100人、準構成員等は約3,200人とされています。
両者を合わせた勢力は約6,300人です。
ここで重要なのは、約6,300人すべてが正式な暴力団構成員というわけではないという点です。
準構成員等には、暴力団の構成員ではないものの、その威力を背景に不法行為を行うおそれがある者や、資金・武器の供給などを通じて組織の維持・運営に協力する者などが含まれます。
主要6団体が占める割合警察庁は、六代目山口組、神戸山口組、絆會、池田組、住吉会、稲川会を主要団体等として集計しています。
2025年末の統計では、主要6団体の構成員及び準構成員等は約12,500人。全国の暴力団勢力の約71%を占めています。
構成員だけで比較すると、主要6団体で約7,000人となり、全国の構成員全体の約74.5%です。
2025年末の暴力団勢力17,600人

全国の構成員・準構成員等の合計
暴力団構成員
9,400人
準構成員等
8,200人
主要6団体の構成員・準構成員等は約12,500人(全体の71.0%)
出典:警察庁「令和7年における組織犯罪の情勢」
法務省の「令和7年版犯罪白書」も、暴力団情勢を確認するための重要な資料です。
ただし、同白書が扱う主要な暴力団統計は2024年末時点のものです。
同白書では、六代目山口組、神戸山口組、絆會、池田組、住吉会、稲川会の主要6団体に所属する構成員が、2024年末時点で約7,300人とされています。
したがって、2024年末の数字と2025年末の数字を比較するときは、統計の基準日をそろえる必要があります。
2026年11月時点で年間の最新確定データとして確認できるのは、2026年4月に公表された警察庁の2025年末統計です。
【暴力団対策法と2026年最新情勢】指定制度が山口組に与える影響
山口組の現在を理解するには、組織内部の人事だけでなく、法律による規制の仕組みも押さえる必要があります。
中心となるのが、1992年に施行された「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」、いわゆる暴力団対策法です。
指定暴力団とは何か指定暴力団とは、暴力団対策法に基づき、都道府県公安委員会が法律上の要件を確認して指定する団体です。
指定されると、所属する構成員による一定の暴力的要求行為などが規制の対象になります。
単に構成員が多い団体を指定する制度ではありません。組織の構成や活動目的、暴力的不法行為との関係などが判断の対象になります。
2026年6月4日に更新された静岡県警察の公表資料では、2026年5月末時点で全国24団体が指定暴力団として掲載されています。六代目山口組、神戸山口組、池田組、絆會もそれぞれ掲載されています。
特定抗争指定暴力団等とは何が違う?特定抗争指定暴力団等は、指定暴力団のうち、対立抗争によって市民の生命や身体に重大な危害が及ぶおそれがある場合などに適用される、さらに厳しい規制です。
暴力団対策法に基づき、公安委員会が警戒区域を設定して指定します。
主な規制対象には、次のような行為があります。
- 警戒区域内での事務所の新設
- 対立組織の構成員へのつきまとい
- 対立組織の関係者の居宅や事務所付近での不審な行動
- 多数で集合するなど、対立抗争を誘発するおそれのある行為
- 警戒区域内の事務所への立ち入りなど、法律で禁止される行為
こうした措置は、抗争に巻き込まれる可能性のある地域住民や一般事業者を保護する目的があります。
2026年11月現在の特定抗争指定状況| 対立関係 | 現在の状況 |
|---|---|
| 六代目山口組・神戸山口組 | |
| 六代目山口組・池田組 | 2026年9月8日解除 |
| 六代目山口組・絆會 | 2026年9月21日解除 |
六代目山口組と神戸山口組については、2026年10月5日に指定期限の延長が公示されました。期間は2026年10月7日から2027年1月6日までです。2020年の指定開始以来、27回目の延長となりました。
一方、池田組と絆會との関係では、対立抗争とみられる事件が一定期間発生していなかったことなどを理由に、指定の延長が見送られました。
ここで押さえておきたいのは、特定抗争指定の解除は、抗争に関する特別な規制の解除であって、暴力団からの離脱や指定暴力団そのものの指定解除ではないという点です。
山口組の現在と実態はどう変わったのか構成員数の減少は、暴力団を取り巻く環境が大きく変化したことを示しています。
警察庁の2025年資料では、暴力団による資金獲得活動について、覚醒剤の密売、恐喝、詐欺、暴力団関係企業を利用した違法行為など、複数の形態が記録されています。
また、一般企業の経済活動を装うなど、組織の実態を分かりにくくする活動にも警察が警戒を続けています。
警察庁は六代目山口組に対する集中取締りについても記述しています。特に弘道会及びその傘下組織に対する取締りを進めていることが公表されています。
同資料では、弘道会を六代目山口組を事実上支配している存在と位置づけています。これは警察の情勢分析に基づく記述であり、一般公開された人事名簿とは区別して読む必要があります。
つまり、構成員数が減ったという統計だけで、組織犯罪の危険性までなくなったと判断することはできません。
暴力団対策では、構成員の離脱促進、資金源の遮断、事務所の使用制限、地域社会による暴力団排除などを組み合わせた対策が続けられています。
【山口組組織図】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年最新の六代目山口組の公式組織図は公開されていますか?
A1:警察庁や公安委員会は、代表者、構成員数、主たる事務所、勢力範囲などを公表しています。しかし、全役職者と全傘下組織を網羅した公式組織図は確認できません。ネット上の組織図は掲載時期と情報源の確認が必要です。
Q2:現在の六代目山口組の組長は誰ですか?
A2:2026年に確認できる公安委員会の公表資料では、代表する者は篠田建市です。一般に司忍という通称で知られています。
Q3:高山清司氏は現在も若頭ですか?
A3:過去の報道では高山清司氏が若頭として紹介されています。ただし、2025年の警察庁資料は若頭などへの昇格人事を記録する一方、現在の全役職者を公表していません。過去の肩書をそのまま2026年の現職と判断することはできません。
Q4:六代目山口組の構成員数は何人ですか?
A4:警察庁の2025年末統計では約3,100人です。準構成員等の約3,200人を加えると、合計は約6,300人になります。
Q5:神戸山口組や池田組、絆會は現在も指定暴力団ですか?
A5:2026年5月末時点の静岡県警察の公表資料には、3団体とも指定暴力団として掲載されています。ただし、六代目山口組との特定抗争指定は、池田組が9月8日、絆會が9月21日に解除され、神戸山口組との指定は継続しています。
2026年11月現在の山口組情勢を理解するうえで、押さえておきたいのは次の5点です。
1. 六代目山口組の代表者は篠田建市(司忍)である。
2. 2015年の分裂を起点に、神戸山口組、池田組、絆會など複数の独立団体が形成された。
3. 六代目山口組の2025年末の構成員数は約3,100人で、準構成員等を含めると約6,300人となる。
4. 2026年9月には池田組・絆會との特定抗争指定が解除された一方、神戸山口組との指定は2027年1月6日まで延長された。
5. 全役職者を網羅した公式組織図はなく、警察庁や公安委員会の公表情報が現在の情勢を判断する基本資料となる。
山口組の歴史は、単純な組長交代の記録ではありません。組織の分裂、勢力の変化、法規制の強化、構成員数の減少、そして抗争指定の見直しが重なり合っています。
特に2026年は、池田組と絆會との特定抗争指定が解除され、神戸山口組との指定だけが継続するという新しい局面に入りました。
山口組組織図を正確に理解するための判断基準は、組織の肩書やネット上の相関図だけを見るのではなく、発表主体・公表日・統計の基準日・法的な指定状況を照合することです。
今後も警察庁の「組織犯罪の情勢」、法務省の「犯罪白書」、各都道府県公安委員会の発表が、組織の実態と社会への影響を把握するための重要な情報源になります。
主な参考資料:警察庁「令和7年における組織犯罪の情勢」(2026年4月)、法務省「令和7年版犯罪白書」、大阪府警察「指定暴力団一覧表」、静岡県警察「暴力団対策」、兵庫県公安委員会の指定延長に関する公示・報道資料。