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つわりがない人は大丈夫?割合・理由・胎児への影響を2026年最新情報で徹底解説

高峰 弦 高峰 弦 • 更新: • 公開: • 読了約 23 分
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妊娠が分かったのに、吐き気も嘔吐もなく、食事も普段どおりに取れる。「つわりがないけれど、赤ちゃんは順調に育っているの?」「ほかの妊婦さんには症状があるのに、自分だけ何もないのはおかしい?」と不安を感じる人は少なくない。

実際、つわりは妊婦全員に起こるものではない。日本医師会が紹介する医学情報によると、つわりを経験する妊婦は約50〜80%。つまり、症状の現れ方には大きな個人差があり、妊娠初期からつわりをほとんど感じない人もいる。つわりの有無だけで、胎児の健康状態や流産の可能性を判断することはできない。つわりがないこと自体は、必ずしも妊娠経過の異常を意味しないという点を最初に押さえておきたい。日本医師会、こども家庭庁の妊娠・出産に関する情報も、つわりには個人差があることを説明している。

【つわりがない人もいる?妊婦の割合と妊娠初期の実態】

つわりない人
つわりを経験する妊婦は約50〜80%

つわりは、妊娠初期に起こる吐き気、嘔吐、食欲不振、胃の不快感などの症状を指す。妊娠に伴う身体の変化として広く知られているが、すべての妊婦に同じ症状が現れるわけではない。

日本医師会の2026年4月1日更新の情報では、つわりに悩まされる妊婦は約50〜80%と紹介されている。また、こども家庭庁の「妊娠中に気をつけたい症状と病気」でも、つわりは妊娠初期に半数以上の妊婦にみられる一般的な症状と説明されている。

この数字から、つわりをほとんど感じない妊婦が一定数いることが分かる。ただし、50〜80%という数値は調査や症状の定義によって幅があるため、単純に逆算した20〜50%を「完全につわりがない人の割合」と断定することはできない。

吐き気はあるものの嘔吐しない人、食欲が少し落ちる程度の人、眠気や疲労感だけを感じる人もいる。症状の強さだけでなく、本人がつわりとして自覚するかどうかにも違いがある。

つわりなしの妊娠初期は珍しい異常なのか

妊娠初期に何も症状がない場合でも、それだけで異常とは判断されない。

例えば、妊娠5〜6週になっても吐き気がない、食事の好みが変わらない、朝から普段どおり活動できるといった状態は、個人差の範囲で起こり得る。

つわりは妊娠の成立を知らせる症状の一つではあるが、妊娠していることを確認するための必須条件ではない。妊娠検査薬の陽性反応や、医療機関で確認される妊娠の状態と、つわりの強さは別の問題である。

また、つわりがないからといって、妊娠に伴う身体の変化が起きていないわけではない。乳房の張り、眠気、頻尿、疲れやすさなど、吐き気以外の変化が現れる場合もある。

つわりがない妊娠初期も、正常な妊娠経過の一つとして考えられる。症状の有無だけで安心しきったり、反対に必要以上に心配したりせず、妊婦健診で経過を確認することが基本となる。

つわりがない人の特徴はある?

「つわりがない人には共通した体質や性格があるのでは」と考える人もいる。しかし、つわりがない人を特定できる医学的な特徴は確立されていない。

妊娠前の体力、性格、食生活、年齢、初産か経産か、胎児の性別など、一つの条件だけでつわりの有無を予測することは難しい。

症状が軽い人には、妊娠に伴うホルモンや生理的な変化に対する身体の反応が比較的穏やかなケースも考えられる。ただし、これは個人の症状を説明する可能性の一つであり、検査で簡単に判定できる特徴ではない。

つわりの経験には個人差があり、同じ女性でも第一子と第二子で症状が異なることがある。過去の妊娠でつわりが重かったからといって、次の妊娠でも同じ症状が出るとは限らない。

【つわりがない理由とは?ホルモンバランスと遺伝による個人差】

妊娠に伴うホルモン変化への反応が異なる

つわりの原因は完全には解明されていないが、妊娠に伴うホルモンの変化が関係していることは分かっている。

特に研究されているのが、胎盤の絨毛から分泌されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)である。妊娠初期にhCGの分泌量が増える時期と、つわりが出現する時期には関連がみられる。

厚生労働省の「働く女性のつわりについて」では、東京大学医学部産婦人科学教室の百枝幹雄氏が、hCGとつわりの関係を解説している。双胎妊娠などhCGの値が高くなる状況で症状が強くなる場合があることも、その関連を考える材料として紹介されている。

また、妊娠に伴うプロゲステロンなどのホルモン変化も、消化管の働きや身体の状態に影響する。

ただし、ホルモンの量だけで症状の強さが決まるわけではない。同じようなホルモン環境でも、吐き気を強く感じる人と、ほとんど感じない人がいる。

したがって、つわりがない人はホルモンが不足している、あるいは妊娠がうまく進んでいないと考えるのは適切ではない。

GDF15という物質とつわりの関係

つわりの個人差を理解するうえで、近年注目されているのがGDF15というタンパク質である。

2023年12月に学術誌「Nature」に掲載された研究では、妊娠中の吐き気や嘔吐、重症型である妊娠悪阻に、胎児・胎盤由来のGDF15と母体側の感受性が関係していることが報告された。

研究では、妊娠中に母体の血液中で増えるGDF15の大部分が胎児・胎盤の組織に由来することや、妊娠前からのGDF15への曝露によって母体の反応性が変わる可能性が示されている。

この知見は、つわりの程度が単純なホルモン量の問題ではなく、胎児側からの信号と母体側の感受性の組み合わせによって左右される可能性を示している。

ただし、GDF15の測定値だけで個人のつわりの有無や重症度を診断できるわけではない。つわりがない理由を、この物質だけで説明することもできない。

つわりの個人差に遺伝は関係する?

遺伝的な要因も、つわりの個人差を考えるうえで研究されている分野である。

2026年4月14日には、学術誌「Nature Genetics」に、多様な祖先集団を対象とした妊娠中の重度の吐き気・嘔吐に関する大規模なゲノムワイド関連解析が掲載された。

この研究では、妊娠悪阻の症例10,974人と対照群461,461人を分析し、GDF15、IGFBP7、PGR、GFRALなどを含む10の関連遺伝子領域が報告された。これまで知られていた関連領域に加え、新たな候補も見つかっている。

この結果は、妊娠中の吐き気や嘔吐の重症度に遺伝的な背景が関係することを裏付ける研究成果である。一方、対象となったのは主に重症の妊娠悪阻に関する研究であり、「つわりがない人の遺伝的特徴」を直接解明したものではない。

つまり、つわりには遺伝的な影響が考えられるものの、親から受け継いだ体質だけで症状が決まるわけではない。母体と胎児の双方の生物学的な要因が関係する、複雑な現象として理解する必要がある。

つわりがない人はホルモンバランスがよい?

「つわりがないのはホルモンバランスが整っているから」という説明を見かけることがあるが、医学的には単純化しすぎた考え方である。

つわりがないからといって、妊娠に必要なホルモンが十分に分泌されていると証明されたわけではない。また、つわりが重いからといって、ホルモンバランスが悪いと判断することもできない。

妊娠中のホルモン変化は、妊娠の維持や胎盤の発育などに関係する。吐き気の有無は、その変化に対する母体の反応の一側面にすぎない。

【つわりが急になくなる原因は?流産との関係を医学的に検証】

つわりはいつからいつまで続く?

つわりの開始時期やピーク、終わる時期には個人差がある。一般的な経過は次のとおりである。

  • 妊娠4〜6週:早い人では吐き気や食欲不振が現れ始める。
  • 妊娠8〜12週:症状が強くなる人が多い時期。
  • 妊娠12〜16週:症状が徐々に落ち着く人が多い。
  • 妊娠16週以降:多くの人で改善するが、症状が続くケースもある。

厚生労働省の母性健康管理に関する用語辞典では、つわりは一般に妊娠5〜6週ごろから出現し、妊娠12週ごろに消失していく場合が多いとされている。

一方、妊娠12〜16週ごろまで症状が続くケースもあり、改善する時期には幅がある。予定どおりに症状がなくならないからといって、直ちに異常と考える必要はない。

つわりが急になくなるのはなぜ?

昨日まで吐き気があったのに、今日は急に楽になった。そんな変化が起きると、妊娠が継続しているのか心配になる人もいる。

つわりが急に軽くなる背景として考えられるのは、妊娠経過に伴うホルモン環境の変化や、母体の症状に対する反応の変化などである。

また、つわりは一日中同じ強さで続くとは限らない。朝だけ気持ち悪い日もあれば、数日間ほとんど症状を感じないこともある。食事や睡眠、疲労、においなどの環境によっても自覚症状は変化する。

妊娠12〜16週ごろに症状が急に軽くなった場合は、一般的なつわりの改善時期と重なることもある。

ただし、妊娠初期の早い段階で症状が突然なくなった場合、その理由を症状だけで判断することはできない。通常の変化なのか、妊娠経過に問題が起きているのかを確認するには、必要に応じて産婦人科で診察を受ける必要がある。

つわりがない人は流産しやすい?

つわりがないと流産しやすいという説は、医学的に正確な説明ではない。

一部の研究では、妊娠中の吐き気や嘔吐と妊娠継続の関係が調べられている。2016年に医学誌「Human Reproduction」に掲載された研究では、妊娠初期の症状と妊娠20週未満の妊娠喪失との関連が分析された。

この研究では、嘔吐を経験した女性は妊娠喪失の発生率が低い傾向を示した一方、吐き気だけでは同様の関連が認められなかった。

しかし、これは嘔吐の有無と集団としての妊娠喪失リスクを調べた研究であり、つわりがない個人の妊娠が危険だと示すものではない。症状のない妊婦の流産リスクを、その症状だけから判定できるわけでもない。

また、妊娠初期の流産は胎児側の染色体異常などが関係する場合があり、母親がつわりを感じなかったことが原因になるわけではない。

大切なのは、つわりの有無ではなく、超音波検査などで妊娠の状態を確認することである。

流産が心配なときに注意したい症状

つわりがなくなったことだけでは流産を判断できないが、次のような症状がある場合は産婦人科への相談が必要になる。

  • 性器出血がある。
  • 強い下腹部痛が続く。
  • 出血と腹痛が同時に起きている。
  • 急激な体調悪化や、強いめまい、失神などがある。

特に、妊娠初期の強い腹痛や出血では、流産だけでなく異所性妊娠(子宮外妊娠)なども考える必要がある。

こども家庭庁の妊娠・出産に関する情報でも、妊娠中の性器出血は自己判断せず、医療機関に相談するよう案内されている。

少量の出血であっても、妊娠週数や過去の診察結果によって対応が異なる。出血があった場合は、かかりつけの産婦人科に連絡し、受診の必要性を確認したい。

【つわりがないと胎児に影響する?ダウン症との関係と妊婦健診】

つわりがないことで赤ちゃんの発育に影響する?

つわりがないことそのものが、胎児の発育を妨げるという医学的根拠はない。

つわりは母体に現れる症状であり、胎児の健康状態を直接示す指標ではない。吐き気が強い妊婦もいれば、妊娠初期からほとんど症状がない妊婦もいるが、その違いだけで赤ちゃんの成長を判断することはできない。

むしろ、つわりがない場合は食事や水分を普段どおりに摂取できることもあり、母体の生活上の負担が少ないケースもある。

ただし、つわりの有無と胎児の健康状態が別の問題である以上、症状がないから健診を受けなくてもよいということにはならない。

妊娠中は、母体の血圧や尿検査、血液検査、胎児の発育状況などを定期的に確認する必要がある。つわりがなくても妊婦健診を予定どおり受けることが大切である。

つわりがない人はダウン症になりやすい?

つわりがないことと、胎児のダウン症候群(21トリソミー)との間に、症状から発症を判断できるような医学的関係は確立されていない。

ダウン症候群は、染色体21番が通常より1本多いことによって起こる染色体の病気である。つわりの有無や吐き気の強さで、その可能性を判断することはできない。

また、「つわりが重いから染色体異常がある」「つわりがないからダウン症の可能性が高い」といった考え方にも根拠はない。

こども家庭庁の出生前検査に関する情報では、ダウン症候群を含む染色体の病気について、NIPTや超音波マーカー検査、コンバインド検査、確定的検査などの目的や特徴が説明されている。

NIPTは母体の血液中に含まれる胎児由来のDNA断片を調べ、特定の染色体疾患の可能性を評価する検査である。ただし、非確定的検査であり、陽性の場合でも確定診断にはならない。

つわりの症状から染色体の状態を推測するのではなく、必要に応じて専門家による遺伝カウンセリングや出生前検査について相談することが適切である。

妊婦健診の超音波検査では何が分かる?

つわりがないことが気になる場合、赤ちゃんの状態を確認する方法の一つが妊婦健診で行う超音波検査である。

こども家庭庁の「妊婦健診の検査」によると、超音波検査では、妊娠初期に赤ちゃんの大きさから妊娠週数を推定し、その後は胎児の発育状態、胎盤の位置、羊水量などを確認する。

妊娠初期には、子宮内に妊娠が成立しているか、胎児の数や発育がどうなっているかなども診察の対象となる。

ただし、通常の妊婦健診で行う超音波検査と、胎児の形態や染色体疾患の可能性を詳しく調べる検査は同じではない。超音波検査だけで、すべての病気や染色体異常が分かるわけではない。

つわりがない場合に何を確認すればよいのか、関連する検査を整理すると次のようになる。

確認する項目 関係する検査・要因 分かること・注意点
つわりの有無 ホルモン変化、GDF15、母体の感受性 症状の個人差を説明する要因。胎児の健康状態を直接判定するものではない。
妊娠の成立と経過 経腟・経腹超音波検査 子宮内の妊娠、胎児の数、発育や心拍などを確認する。
胎児の発育 妊婦健診、超音波検査 胎児の大きさや成長、胎盤の位置、羊水量などを確認する。
染色体疾患の可能性 NIPT、超音波マーカー検査、コンバインド検査 特定の染色体疾患の可能性を評価する。非確定的検査は診断そのものではない。
染色体疾患の確定 絨毛検査、羊水検査 染色体を調べる確定的検査。実施には専門的な説明と相談が必要。
母体の健康状態 血圧測定、尿検査、血液検査など 貧血や妊娠高血圧症候群など、母体の健康に関係する異常を確認する。

こども家庭庁が示す妊婦健診の標準的な受診頻度は、妊娠23週までは4週間に1回、24〜35週は2週間に1回、36週以降は週1回である。実際の頻度や検査内容は妊娠経過や医師の判断によって調整される。

つわりがないことを心配して何度も自己判断で検査を受けるより、健診時に不安を伝え、必要な検査を相談することが現実的な対応となる。

【妊娠悪阻の症状と原因は?つわりがない場合の受診目安】

妊娠悪阻とは?通常のつわりとの違い

つわりには軽いものから重いものまで幅がある。症状が強くなり、食事や水分がほとんど摂れず、脱水や栄養状態の悪化を引き起こした状態は「妊娠悪阻」と呼ばれる。

厚生労働省の母性健康管理に関する用語辞典では、妊娠悪阻について、激しい嘔吐や食物摂取の困難、脱水症状、全身の栄養状態の悪化などが現れる状態と説明している。

症状が進行すると、次のような変化が現れる場合がある。

  • 強い吐き気や嘔吐が繰り返される。
  • 食事や水分をほとんど摂取できない。
  • 尿の量が極端に少なくなる。
  • 口や皮膚が乾燥する。
  • 体重が急激に減少する。
  • めまいや強い倦怠感が起こる。
  • 重症の場合は意識状態の変化や肝機能障害が生じる。

妊娠悪阻の原因も一つに限定されていない。hCGやGDF15などのホルモン・生理活性物質、母体側の感受性、遺伝的な背景などが関係すると考えられている。

なお、つわりがない人が妊娠悪阻になりやすいというわけではない。妊娠悪阻は、主に吐き気や嘔吐が重症化した状態を指す。

つわりがない場合に病院へ行くべき?

つわりがないという理由だけで、緊急受診が必要になるわけではない。

妊娠が医療機関で確認され、健診でも問題が指摘されておらず、出血や腹痛などの異常がなければ、基本的には予定された妊婦健診で経過を確認する。

ただし、次のような場合には、つわりの有無にかかわらず産婦人科への連絡や受診を検討したい。

  • 性器出血:少量であっても、自己判断せず医療機関に相談する。
  • 強い腹痛:持続する痛みや、急激に悪化する痛みがある場合は早急に受診する。
  • 強いめまいや失神:通常とは異なる体調の変化があれば、速やかに医療機関に連絡する。
  • 水分が摂れない:嘔吐が続き、尿が極端に少ないなど脱水が疑われる場合は受診する。
  • 胎動の急な減少:胎動を感じる時期になってから、急に弱くなったと感じる場合は医療機関に相談する。

特に妊娠初期の強い腹痛は、異所性妊娠などの可能性もあるため、単に妊娠症状の変化として片付けてはいけない。

つわりがない人が日常生活で意識したいこと

症状がないと、妊娠していることを忘れてしまうほど普段どおりに過ごせる場合もある。しかし、つわりがなくても妊娠中の身体は変化している。

日常生活では、次の点を意識したい。

  • 妊婦健診を予定どおり受ける。
  • バランスのよい食事を心がける。
  • 水分を十分に摂取する。
  • 睡眠と休息を確保する。
  • 妊娠中に避けるべき薬や食品について医師に確認する。
  • 出血や腹痛など、普段と違う症状があれば早めに相談する。

つわりがないことを理由に特別な食事制限をしたり、反対につわりがないから何をしても問題ないと考えたりする必要はない。妊娠週数や健康状態に合わせて生活することが大切である。

【つわりがない人に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:つわりがまったくない人もいますか?
A1:いる。妊婦の約50〜80%につわりがみられるとされており、症状がほとんどない人や、吐き気・嘔吐をまったく経験しない人もいる。つわりがないこと自体は異常ではない。

Q2:妊娠初期にまったくつわりがないと流産の可能性がありますか?
A2:つわりがないことだけで流産の可能性が高いとは判断できない。流産の診断には超音波検査などによる確認が必要となる。出血や強い腹痛がある場合は産婦人科に連絡する。

Q3:つわりが急になくなったら赤ちゃんに何かあったのでしょうか?
A3:必ずしもそうではない。つわりは日によって強さが変わり、妊娠12〜16週ごろに自然に改善することも多い。症状の消失だけでは妊娠経過を判断できないため、気になる場合は担当医に相談する。

Q4:つわりがないとダウン症の可能性が高くなりますか?
A4:つわりの有無とダウン症候群の可能性を結び付ける医学的根拠はない。染色体疾患について確認したい場合は、NIPTなどの出生前検査について専門家に相談する。

Q5:つわりがない人は胎児の成長が悪いのでしょうか?
A5:つわりの有無だけでは胎児の発育状態は分からない。超音波検査で胎児の大きさや発育状況を確認し、必要に応じて追加検査を受けることが大切である。

Q6:つわりがない人は遺伝や体質が関係していますか?
A6:遺伝的な要因やホルモンへの感受性が関係する可能性は研究されている。GDF15などに関する研究も進んでいるが、遺伝だけでつわりの有無が決まるわけではない。

つわりがない人は実際に存在し、妊娠初期から吐き気や嘔吐をほとんど感じないケースもある。日本医師会が紹介する約50〜80%という発症割合からも、つわりがすべての妊婦に起こる症状ではないことが分かる。

つわりの個人差には、hCGなどのホルモン変化、GDF15への感受性、遺伝的な背景など複数の要因が関係していると考えられている。2026年の大規模な遺伝子研究も、重度の妊娠中の吐き気や嘔吐に複数の遺伝的要因が関与することを示している。

一方、つわりがないことだけで胎児の発育不良、流産、ダウン症候群を判断することはできない。つわりが急になくなった場合も、通常の症状の変化である可能性があるため、自己判断で妊娠経過を決めつけないことが重要である。

プロの

不安があれば妊婦健診で率直に相談し、必要に応じて超音波検査などを受ける。性器出血や強い腹痛、著しい体調の変化がある場合は、健診日を待たずに医療機関へ連絡する。

つわりがないことを不安に感じすぎず、自分の身体の変化を見守りながら、定期的な健診を通じて安心できる妊娠生活につなげていきたい。

主な参考資料:日本医師会「妊娠期の課題」(2026年4月1日更新)、厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト」「働く女性のつわりについて」、こども家庭庁「妊娠中の検査に関する情報サイト」「妊婦健診の検査」、Nature(2023年12月13日掲載・GDF15研究)、Nature Genetics(2026年4月14日掲載・妊娠悪阻の遺伝的関連研究)、Human Reproduction(2016年・妊娠初期症状と妊娠喪失に関する研究)。

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コンテンツディレクター 高峰 弦
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