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【東京都の築地まちづくり】市場跡地の再開発計画はどこまで進んだ?

桂木 洋 桂木 洋 • 更新: • 公開: • 読了約 16 分
目次

築地市場跡地の再開発は、単純に野球場を新設するプロジェクトではない。東京都中央区築地五丁目・六丁目の約19ヘクタールを活用し、スポーツ、商業、ホテル、オフィス、文化施設、水辺空間を組み合わせる大規模な都市開発だ。

東京都が掲げる事業コンセプトは「水と緑に囲まれ、世界中から多様な人々を出迎え、交流により、新しい文化を創造・発信する拠点」。築地市場が担ってきた食文化や交流の歴史を継承しながら、東京の国際競争力を高める狙いがある。

事業者は築地まちづくり株式会社で、開発を担う中心企業は三井不動産、トヨタ不動産、読売新聞グループ本社の3社。建設会社や設計会社なども参加している。

築地に誕生する新スタジアムの特徴

計画の目玉は、約5万人を収容する屋内全天候型マルチスタジアムだ。

東京ドームと同じく天候に左右されにくい施設だが、計画上の特徴は野球だけに特化せず、競技やイベントに応じて空間を変えられる多機能性にある。

想定される主な用途は次のとおりだ。

- プロ野球などの野球イベント
- サッカーやラグビーなどのスポーツ競技
- 大規模コンサートや音楽イベント
- 文化・芸術イベント
- 展示会や大規模集客イベント

また、2024年の事業者決定会見では、屋根は開閉式ではなく閉じた状態の屋内型施設とし、人工芝を採用する構想も説明された。

この施設は、プロ野球の試合がない日にも収益を生み出すことを意識した設計である。東京ドームが野球とコンサートを両立してきたように、スポーツとエンターテインメントを一体化した施設運営が想定されている。

2026年11月時点の築地再開発スケジュール

築地再開発は2024年の事業者選定から、基本協定、基本計画、環境影響評価へと段階的に進んでいる。

東京都都市整備局によると、2025年3月には事業者との基本協定が締結された。さらに2026年7月17日には環境影響評価書案が受け付けられ、8月4日に公示された。都民意見書の提出期限は9月17日だった。

つまり、2026年11月時点では、再開発の構想を発表しただけの段階ではなく、具体的な建築計画や環境への影響を審査する段階に入っている。ただし、環境影響評価の手続きや都市計画上の調整など、着工までに必要な工程は残されている。

2026年8月に公表された建設専門紙の報道では、9棟の建物を整備し、工事を2期に分ける工程が示されている。

時期 予定される動き
2024年4月 ONE PARK×ONE TOWNを事業予定者に選定
2025年3月 東京都と基本協定を締結
2026年7~9月 環境影響評価書案の受付・公示・意見募集
2027~2032年度 第1期工事。基盤整備と主要施設の建設
2033~2038年度 第2期工事。オフィス棟などの整備
2030年代前半以降 段階的なまちびらきを予定

この工程は2026年8月時点の建築計画に関する報道を基にしたもので、今後の行政手続きや事業者側の調整によって変更される可能性がある。

重要なのは築地再開発と東京ドーム再整備を混同しないこと

ここで見落とせないのが、築地の新スタジアムと東京ドームシティの再整備は、同じ企業グループが関係していても別々の事業だという点だ。

三井不動産は東京ドームを傘下に収めている一方、築地では東京都から選定された事業予定者の代表企業として開発を進めている。

東京ドームシティ側では2023年から観戦体験や来場体験を向上させる大規模リニューアルが順次進められている。2026年4月には、三井不動産、東京ドーム、東京電力エナジーパートナーによる再生可能エネルギー電力の供給も始まった。

これらは現施設と周辺エリアの価値を高める取り組みだが、東京ドーム本体を建て替えるという発表とは異なる。築地への新施設整備と後楽園エリアの再整備を、同時並行の都市開発として見る必要がある。

【東京ドーム建て替えの理由】築38年の施設に何が求められている?

東京ドーム建て替え

東京ドームの建て替えが話題になる背景には、施設の経年変化だけでなく、スタジアムに求められる機能そのものが変わってきたことがある。

1988年の開業当時、東京ドームは日本初の全天候型多目的スタジアムとして画期的な存在だった。雨天でも野球を開催できることはもちろん、音楽コンサートや大型イベントを開催できる施設として、日本の興行ビジネスにも大きな影響を与えた。

しかし、開業から約38年が経過した現在では、観客の快適性、バリアフリー、映像・音響技術、環境性能、スポーツ競技の安全性など、求められる水準が変化している。

理由1:建物や設備の経年変化

長期間使用されている施設では、屋根や空調、照明、電気設備、給排水設備などの維持管理が欠かせない。

東京ドームは空気圧によって膜屋根を支える独特の構造を持つ。一般的な屋外スタジアムとは設備の仕組みが異なり、施設の長期運用には継続的な点検と更新が必要になる。

ただし、築38年という年数だけで、建物の安全性が失われているという意味ではない。経年による更新需要と、建て替えが必要な状態かどうかは別の問題だ。

理由2:観客のニーズとスタジアム技術の進化

2022年3月2日、東京ドームは開業以来の大規模リニューアルを実施した。

株式会社東京ドームの発表によると、主な更新内容は次のとおりだ。

- 国内最大級のメインビジョンを新設し、従来の約4.4倍の面積に拡大。
- 入場ゲートやコンコースのデザインを刷新。
- 多様な観戦スタイルに対応する新しい観客席を設置。
- 完全キャッシュレス化を実施。
- 顔認証技術を導入し、入場体験を改善。

こうした設備更新は、建物そのものを新しくしなくても、観戦体験を大きく改善できることを示している。

理由3:人工芝の性能と競技環境の改善

2026年3月3日、東京ドームは人工芝を約7年ぶりに全面刷新したと発表した。野球での使用開始日は同年3月4日である。

新しい人工芝は、フィールドターフ社製の「FTHD Eco-T」。東京ドームの環境に合わせた最新モデルで、競技性能と多目的イベントへの対応力を高める設計となっている。

今回の刷新には、次のような特徴がある。

- スリットフィルムヤーンによる低摩擦性と復元力の向上。
- ラバーチップと珪砂を組み合わせた3層構造の充填材。
- 芝葉の本数を増やすことによる足元の安定性向上。
- コンサートなどの設営・撤収に対応する耐久性。
- PFASを意図的に使用しない環境配慮型の素材。

グラウンド全面の施工面積は約13,000平方メートル。2002年からフィールドターフ社製を採用しており、今回が同社製品として5代目の更新となる。

注目すべきは、人工芝の刷新が単なる見た目の改善ではないことだ。野球の競技性能と、コンサートなどのイベント運営を両立させるための設備投資である。

【東京ドーム建て替え費用】改修と建て替えはどちらが現実的?

東京ドームの建て替えを考える際、避けて通れないのが費用の問題だ。

現時点で、東京ドーム本体の建て替え費用について、三井不動産や東京ドームから確定した公式試算は公表されていない。

参考になる数字として、東京ドームの公式FAQでは、1988年の建設費は約350億円とされている。また、2016年に発表された開業以来初の大規模リニューアル計画では、総事業費約50億円が示されていた。

ただし、これらは現在の建て替え費用を示す数字ではない。建築資材や人件費、設備仕様、建設期間などが異なるため、単純な比較はできない。

築地再開発の9,000億円は東京ドームの建て替え費用ではない

築地移転説と費用の話で混同されやすいのが、築地再開発の総事業費だ。

2024年5月の事業者会見を伝えた報道では、築地市場跡地の再開発全体の事業費は約9,000億円と説明されている。

この金額には、マルチスタジアムだけでなく、商業施設、ホテル、オフィス、住宅、その他の関連施設や都市機能の整備が含まれる。したがって、9,000億円を東京ドームの新球場建設費と解釈するのは誤りだ。

改修と建て替えのメリット・デメリット

改修を選ぶ場合

- 現在の立地や交通アクセスを維持できる。
- 野球やイベントの開催を継続しながら段階的な工事を進められる。
- 既存の商業施設、ホテル、周辺事業との連携を維持しやすい。
- 建物の構造上の制約や古い設備の更新限界が残る可能性がある。

建て替えを選ぶ場合

- 最新の観戦設備や防災・環境性能を設計段階から取り入れられる。
- 座席配置や動線、飲食・物販施設を根本から見直せる。
- 大規模な工事費用と長い建設期間が必要になる。
- 工事期間中の巨人の本拠地やイベント開催場所を確保しなければならない。

特に東京ドームシティの場合、球場だけでなく周辺の遊園地、ホテル、商業施設、交通網との関係も重要になる。球場を建て替えるなら、単独施設の建築費だけでなく、街全体の営業や人の流れをどう維持するかが経営判断のポイントとなる。

そのため、現時点では改修か建て替えかを断定するより、現施設の長期運用と将来的な再開発の両方を視野に入れた判断が必要だ。

【今後の見通し】東京ドーム移転計画は2027年以降どう動く?

2026年11月時点で注目すべきなのは、築地の再開発が具体的な行政手続きに入ったことと、東京ドームが現在も改修を続けていることだ。

この2つの動きが今後どのように結び付くかによって、東京のスポーツ・エンターテインメント施設の配置は大きく変わる可能性がある。

今後チェックしたい4つのポイント

1.読売ジャイアンツの本拠地に関する公式発表

築地の新スタジアムを巨人が使用するのか、現在の東京ドームを引き続き本拠地とするのか。球団や読売新聞グループから具体的な方針が示されるかが最も重要だ。

2.築地マルチスタジアムの運営主体と利用契約

新スタジアムが完成したとしても、特定のプロ野球球団が本拠地として使用するとは限らない。複数の競技や興行に対応する施設として、どのような運営体制が組まれるかが鍵となる。

3.東京都の環境影響評価と都市計画の進展

2026年8月には環境影響評価書案が公表された。今後、環境保全に関する審議や必要な都市計画手続き、建築計画の具体化が進むかを確認したい。

4.東京ドームシティの中長期的な再整備方針

三井不動産と東京ドームは、スポーツやエンターテインメントの運営ノウハウと街づくりの経験を組み合わせている。現施設の改修を継続するのか、将来の建て替えや周辺エリアの再開発まで踏み込むのかが注目点だ。

【プロの結論】東京ドームの未来を判断する3つの基準

東京ドームの将来を考えるうえで、最も重要なのは「築地に新球場ができるから東京ドームはなくなる」という単純な図式を避けることだ。

判断材料として優先すべきなのは、次の3点である。

- 球団の意思決定:巨人の本拠地移転が正式に発表されたか。
- 施設の意思決定:東京ドーム本体の建て替えや閉場が運営会社から発表されたか。
- 行政・事業者の意思決定:築地の施設計画、工事工程、運営計画が正式に確定したか。

この3つは、それぞれ異なる主体が決める問題だ。読売新聞グループが築地開発に参加していることだけでは、巨人の移転を証明できない。また、東京ドームの人工芝を更新したことだけで、将来の建て替えがなくなったとも判断できない。

現状から読み取れるのは、東京ドームシティが既存施設の価値を高める投資を続ける一方、築地では次世代型の大規模スタジアムを含む新しい街づくりが進んでいるということだ。両方の動向を追うことが、今後の東京ドーム問題を理解する近道になる。

【東京ドーム建て替え】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:東京ドームはいつ建て替えられますか?

A1:2026年11月現在、建て替え時期は発表されていない。閉場日や工事開始日も決定していない。

Q2:東京ドームは築地に移転するのですか?

A2:東京ドーム本体が築地に移転するという決定はない。築地には約5万人収容の新しいマルチスタジアムが計画されているが、巨人の本拠地移転も決定していない。

Q3:築地の新球場はいつ完成しますか?

A3:事業者側の計画では、2030年代前半以降のまちびらきを予定している。建設工程は2027~2032年度の第1期、2033~2038年度の第2期とする計画が2026年8月に報じられている。

Q4:築地の新スタジアムには巨人が移転するのですか?

A4:移転は決まっていない。2024年5月の会見で山口寿一オーナーは、巨人の本拠地移転を前提とした計画ではないと説明した。

Q5:東京ドームの建て替え費用はいくらですか?

A5:現時点で建て替え費用の公式試算は公表されていない。約350億円という数字は1988年の当初建設費であり、築地再開発の約9,000億円は別事業の総事業費だ。

Q6:2026年の人工芝刷新は建て替え中止を意味しますか?

A6:そうではない。人工芝の更新は現施設の競技環境とイベント対応力を改善するための設備投資であり、将来の建て替え方針を決定するものではない。

東京ドームの建て替えや築地への移転は、2026年11月現在、正式決定していない。一方、築地市場跡地では三井不動産、トヨタ不動産、読売新聞グループ本社などが参加するONE PARK×ONE TOWNによる大規模再開発が進んでいる。

東京ドームは1988年3月17日の開業から約38年を迎えたが、2022年の大規模リニューアルに続き、2026年3月には人工芝も刷新した。現在の施設を維持・改善する取り組みは続いている。

今後の最大の注目点は、築地の新スタジアムの具体的な運営計画と、読売ジャイアンツの本拠地に関する正式な判断、そして三井不動産による後楽園エリアの中長期的な再整備方針だ。

東京ドームが現在地で進化するのか、それとも将来的に建て替えや移転を選択するのか。答えを左右するのは、築地の新球場構想だけではなく、球団経営、施設運営、都市開発という3つの動きである。今後も東京都、東京ドーム、三井不動産、読売新聞グループの公式発表が重要な判断材料となる。

記事の基準日:2026年11月2日

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映画・ドラマの公開情報を担当。配給会社のプレスシートと公式サイト記載を基準に、あらすじと配役をまとめます。

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