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【2026年4月の改正】食品アレルギー表示は何が変わった?

桂木 洋 桂木 洋 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
目次

食品アレルギー表示を理解するうえで、最初に押さえたいのが「特定原材料」と「特定原材料に準ずるもの」の違いだ。

特定原材料は、食物アレルギーの発症数や症状の重篤度などを考慮し、表示が法律上義務付けられている食品を指す。一方、特定原材料に準ずるものは、アレルギーの原因となることが確認されているものの、表示が推奨される位置付けの食品だ。

2026年4月1日の食品表示基準改正では、この区分に次の変更が加えられた。

- カシューナッツ:推奨表示から義務表示へ移行
- ピスタチオ:新たに推奨表示へ追加
- 義務表示:8品目から9品目へ変更
- 推奨表示:20品目を維持
- 表示対象:合計28品目から29品目へ拡大

今回の変更は、単に対象食品の数を増やしただけではない。木の実類による食物アレルギーへの対応を強化する意味合いがある。

なぜカシューナッツが義務表示になったのか

消費者庁が2026年4月に公表した加工食品向けハンドブックでは、2023年の即時型食物アレルギー全国モニタリング調査の結果が紹介されている。

同調査の集計対象は6,033件。木の実類では、クルミが916件、カシューナッツが279件、マカダミアナッツが69件、ピスタチオが50件だった。

全体に占める割合は、クルミが15.2%、カシューナッツが4.6%、ピスタチオが0.8%となっている。

この数値は2023年の即時型食物アレルギー症例の集計であり、国民全体の有病率を示すものではない。それでも、カシューナッツによる症例が一定数確認されていることは、制度見直しの背景を理解する手掛かりになる。

消費者庁は医療機関などの専門家の意見と全国実態調査の症例数を踏まえ、カシューナッツを義務表示の対象に移行した。

ピスタチオも推奨表示に加わった理由

ピスタチオについても、全国実態調査で症例数が継続して相当数確認されたことから、2026年4月1日付で推奨表示の対象となった。

消費者庁の同日付事務連絡では、カシューナッツとの交差反応性も踏まえ、事業者に可能な限り速やかな表示を促している。

つまり、カシューナッツとピスタチオは同じナッツ類であっても、制度上の位置付けは異なる。

カシューナッツは義務表示、ピスタチオは推奨表示。この違いは、商品を選ぶ際に必ず理解しておきたいポイントだ。

【2026年最新版】特定原材料9品目・推奨表示20品目の一覧

食品アレルギー表示

2026年11月現在、食品アレルギー表示の対象となる品目は合計29品目だ。

特定原材料9品目:表示義務がある食品

以下の9品目は、対象となる加工食品に含まれている場合、原則として表示が義務付けられている。

1. えび
2. カシューナッツ
3. かに
4. くるみ
5. 小麦
6. そば
7. 卵
8. 乳
9. 落花生(ピーナッツ)

特に2026年から加わったカシューナッツは、買い物の際に意識したい変更点だ。

なお、カシューナッツについては2028年3月31日まで経過措置が設けられているため、現在販売されている商品すべてのラベルが新制度に切り替わっているとは限らない。

特定原材料に準ずるもの20品目:表示が推奨される食品

こちらは、事業者に可能な限り表示するよう推奨されている食品だ。

1. アーモンド
2. あわび
3. いか
4. いくら
5. オレンジ
6. キウイフルーツ
7. 牛肉
8. ごま
9. さけ
10. さば
11. 大豆
12. 鶏肉
13. バナナ
14. ピスタチオ
15. 豚肉
16. マカダミアナッツ
17. もも
18. やまいも
19. りんご
20. ゼラチン

この20品目は、すべてが義務表示ではない。事業者によっては表示されていない食品もある。

したがって、推奨表示対象の食品にアレルギーがある人は、表示欄に記載がないという理由だけで安全と判断しないことが大切だ。

アレルギー表示制度の主な変更履歴

今回の改正を理解するには、過去の変更も知っておくと分かりやすい。

時期 変更内容 制度上の意味
2023年3月9日 くるみを義務表示に追加 特定原材料が8品目に
2024年3月28日 マカダミアナッツを推奨表示に追加、まつたけを削除 推奨対象の見直し
2026年4月1日 カシューナッツを義務表示に移行 特定原材料が9品目に
2026年4月1日 ピスタチオを推奨表示に追加 推奨対象が20品目に
2028年3月31日 カシューナッツの経過措置終了 新しい義務表示への移行期限

このように、食品アレルギー表示は一度決めたら固定される制度ではない。症例数や医学的知見を踏まえ、定期的に対象品目が見直されている。

【表示の見方と確認方法】個別表示と一括表示の違いを解説

食品を購入するとき、原材料名だけを見て判断してしまう人もいる。しかし、アレルゲンは原材料だけでなく、食品添加物に由来する場合もある。

確認する際は、原材料欄と添加物欄の両方に目を通したい。

個別表示:原材料ごとにアレルゲンを確認する

個別表示とは、それぞれの原材料名や添加物名の直後に、含まれているアレルゲンを記載する方法だ。

例えば、次のような表示になる。

  • マヨネーズ(卵を含む)
  • チョコレート(乳成分を含む)
  • 植物油脂(大豆を含む)
  • カゼインナトリウム(乳由来)

どの原材料にどのアレルゲンが含まれているのかを個別に確認できるため、消費者庁のハンドブックでも原則的な表示方法として位置付けられている。

特に添加物については、原材料とは別の欄に記載される場合があるため、見落とさないようにしたい。

一括表示:最後にまとめて確認する

一括表示は、商品に含まれる特定原材料等を原材料欄の最後などにまとめて記載する方法だ。

代表的な表示例は次のとおり。

「(一部に小麦・大豆・卵・乳成分を含む)」

この記載があれば、商品に含まれる対象アレルゲンをまとめて確認できる。

ただし、個別表示とは異なり、どの原材料にどのアレルゲンが含まれているのか、詳細な対応関係までは分からない場合がある。

原材料と添加物の表示欄が分かれている商品では、それぞれの欄の最後に一括表示される場合もある。

また、個別表示と一括表示を自由に組み合わせて使えるわけではない。消費者庁の2026年4月版ハンドブックでは、一括表示は個別表示が難しい場合などの例外的な方法とされ、両方を組み合わせた表示は認められていない。

食品アレルギー表示を確認するときの5つの手順

実際の買い物では、次の順番で確認すると見落としを減らせる。

1. 商品名と包装を確認する: 購入する商品そのものの表示を確認する。
2. 原材料名を読む: 自分のアレルゲンが含まれていないか調べる。
3. 添加物欄も確認する: 原材料以外に由来するアレルゲンにも注意する。
4. 一括表示を確認する: 「一部に〇〇を含む」という記載を探す。
5. 注意喚起表示を読む: 製造ラインなどに関する情報も確認する。

特に詰め合わせ商品には注意したい。

消費者庁のハンドブックでは、個包装には表示がなく、外側の大袋にアレルゲンが記載されていたスナック菓子の誤食事例が紹介されている。

個包装の商品を家族や子どもに渡す場合も、外装を確認してから保管する習慣が役立つ。

【加工食品・外食・中食】アレルギー表示の対象範囲はどこまで?

食品アレルギー表示を確認するうえで、もう一つ重要なのが対象となる食品の範囲だ。

実は、すべての食品に同じ表示義務が適用されるわけではない。

義務表示の対象となる加工食品

食品表示法に基づくアレルギー表示の主な対象は、容器包装されたアレルゲンを含む加工食品と添加物だ。

また、特定原材料由来の添加物を使用した一部の生鮮食品も対象となる。

例えば、スーパーやコンビニで販売されている包装済みのパン、菓子、冷凍食品、レトルト食品などは、対象となる加工食品に該当する。

注意したいのは、容器包装の表示可能面積が30平方センチメートル以下の小さな商品であっても、食物アレルギー表示を省略できない点だ。

表示義務の対象外となる食品

一方、次のような食品は、原則として食品表示基準に基づくアレルギー表示の対象外となる。

  • 容器包装に入れずに販売するばら売り・量り売り食品
  • 飲食店で提供される料理
  • 飲食店から出前などで提供される料理
  • 酒類

例えば、店頭で量り売りされている惣菜や、レストランで調理して提供される料理には、加工食品と同じアレルギー表示義務はない。

ただし、飲食店であっても、容器包装に入れた加工食品を販売する場合は表示が必要になる。

つまり、販売場所が飲食店かスーパーかだけで判断するのではなく、食品の販売形態や提供方法を確認することが重要だ。

外食・中食では自主的な情報提供が重要

外食・中食とは、レストランでの食事や、店内で調理された惣菜、弁当などを利用する食事形態を指す。

この分野では、アレルギー情報の提供は法律上義務付けられていない。

その背景には、店舗ごとに厨房設備や調理方法、仕入れ先、メニューの変更頻度が異なるという事情がある。

同じメニューでも調理担当者や仕入れ状況によって使用する原材料が変わる場合があり、すべての店舗に同一の管理基準を適用することは容易ではない。

消費者庁が公表した外食・中食の情報提供に関する調査でも、患者側が十分な情報を得られていないと感じる実態が課題として取り上げられている。

2026年7月には、消費者庁が外食・中食を利用する人向けの新しいパンフレットを公表した。情報提供の確認方法、原因食物の意図しない混入、実際の誤食事例などを取り上げている。

外食時には、次の点を確認したい。

- アレルギー情報が最新のメニューや原材料に基づいているか
- ソースや調味料にも原因食物が含まれていないか
- 調理器具や食器を使い分けられるか
- 厨房内での意図しない混入を防止できるか
- アレルギー対応が可能かどうか、責任者に確認できるか

ホームページに情報が掲載されていても、それだけで安全と判断しないことが大切だ。

【見落としやすい注意点】コンタミネーションと表示の誤解

食品アレルギー表示には、一般的な原材料表示だけでは理解しにくい注意事項もある。

特に気を付けたいのが、コンタミネーションと注意喚起表示だ。

コンタミネーションとは?

コンタミネーションとは、本来は原材料として使用していないアレルゲンが、製造や調理の過程で意図せず食品に混入することをいう。

例えば、次のようなケースがある。

- アレルゲンを使用した製品と同じ製造ラインを使う
- まな板や包丁などの調理器具を共用する
- トングやスプーンを複数の食品で使い回す
- 小麦粉やそば粉などの粉末が空気中に舞う
- 飲料ディスペンサーのノズルに前の飲料が残る

消費者庁の2026年版ハンドブックでは、製造ラインの十分な洗浄や、アレルゲンを含まない食品から先に製造すること、専用器具の使用などが混入防止策として示されている。

「同じ工場で製造しています」は何を意味する?

商品によっては、原材料表示とは別の場所に、次のような注意書きがある。

「本品製造工場では、落花生(ピーナッツ)を使用した製品も生産しています。」

これは、原材料として意図的に使用しているという表示ではなく、製造環境における意図しない混入の可能性について知らせる注意喚起だ。

消費者庁の考え方では、混入防止策を十分に実施しても混入の可能性を排除できない場合、このような具体的な注意喚起表示が望ましいとされている。

一方、「入っている可能性があります」「入っている場合があります」といった単なる可能性表示は認められていない。

ここで重要なのは、注意喚起表示の有無だけで安全性を判断しないことだ。表示制度上の原材料表示と、製造環境に関する注意喚起は意味が異なる。

外食時にもコンタミネーションは起こり得る

外食・中食では、同じ厨房で複数の料理が同時に作られることが多い。

例えば、卵を使った料理を調理した後に同じフライパンや調理器具を使用すれば、別の料理に卵が混入する可能性がある。

消費者庁の啓発資料では、まな板や包丁の共用、トングの使い回し、飲料ノズル、粉の飛散などが具体例として紹介されている。

食物アレルギーの症状には個人差があり、ごく微量の混入でも重い症状が出る場合がある。

そのため、外食時には単に「この料理に卵は入っていますか」と尋ねるだけでなく、調理器具や調理環境についても確認することが望ましい。

表示がない食品はアレルゲンを含まないのか?

これは食品アレルギー表示に関する大きな誤解の一つだ。

義務表示の9品目であっても、表示対象外の販売形態では表示義務がない。また、推奨表示の20品目は、事業者が必ず表示しなければならないものではない。

したがって、表示がないことと、アレルゲンが含まれていないことは同じではない。

加えて、特定原材料等29品目に含まれていない食品については、この制度による表示義務・推奨表示の対象外となる。

自分の原因食物が29品目に含まれていない場合も、原材料の確認やメーカーへの問い合わせが必要になる。

【プロの結論】2028年の経過措置終了までに知っておきたいこと

2026年の食品アレルギー表示改正で、特に注意したいのがカシューナッツの経過措置だ。

カシューナッツの表示は2028年3月31日まで移行期間

カシューナッツは2026年4月1日から義務表示の対象になったが、食品関連事業者が表示ラベルや原材料管理を変更するため、2年間の経過措置が設けられた。

その期限は2028年3月31日だ。

消費者庁は、事業者に対して経過措置期間中であっても可能な限り速やかに表示するよう求めている。

この期間中は、旧制度に基づく表示の商品が残っている可能性がある。

つまり、2026年11月現在、カシューナッツの記載が見当たらない商品について、直ちに「カシューナッツを含んでいない」と判断することはできない。

特にカシューナッツアレルギーがある人は、商品の製造時期や表示の更新状況を確認し、必要に応じてメーカーに問い合わせることが大切だ。

食品を選ぶ際の判断基準

安全に食品を選ぶためには、次の3つの視点を持っておきたい。

1. 包装済み加工食品は毎回ラベルを確認する

以前購入した商品で問題がなかったとしても、原材料や製造方法が変更される可能性がある。購入するたびに原材料欄、添加物欄、アレルゲン表示を確認したい。

2. 推奨表示20品目も確認対象にする

義務表示9品目だけをチェックして終わりにしないこと。アーモンド、ピスタチオ、マカダミアナッツなど、推奨表示に含まれる食品にも注意が必要だ。

3. 外食では情報が不十分なら利用を控える

店員から得た回答が曖昧な場合や、調理器具の共用について確認できない場合は、無理に注文しない判断も必要になる。

また、食物アレルギーへの対応は、専門医による診断に基づき、必要最小限の原因食物を正確に除去することが基本だ。自己判断で食べられる食品を増やしたり、必要以上に食事制限を広げたりすることは避けたい。

【食品アレルギー表示】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:2026年4月から義務表示になった食品は何ですか?
A1:カシューナッツです。これまで特定原材料に準ずるものとして推奨表示の対象でしたが、2026年4月1日から特定原材料に移行しました。これにより、義務表示は8品目から9品目になりました。

Q2:ピスタチオは表示が義務付けられていますか?
A2:いいえ。2026年4月1日から特定原材料に準ずるものとして推奨表示の対象になりました。事業者には表示が推奨されていますが、義務表示ではありません。

Q3:カシューナッツの表示義務はいつ完全に適用されますか?
A3:経過措置期間は2028年3月31日までです。2028年4月1日以降は、新しい義務表示への対応が必要になります。移行期間中は旧表示の商品が残る可能性があるため注意してください。

Q4:外食やテイクアウトでもアレルギー表示は義務ですか?
A4:飲食店で提供される料理や出前などには、加工食品と同じアレルギー表示義務はありません。店によって情報提供の方法や対応範囲が異なるため、責任者や詳しい従業員に原材料と調理環境を確認してください。ただし、容器包装に入れて販売する加工食品は表示の対象になります。

2026年4月1日の食品表示基準改正によって、食品アレルギーの義務表示は9品目、推奨表示は20品目となった。

今回の改正の中心は、カシューナッツの義務表示への移行と、ピスタチオの推奨表示への追加だ。

ただし、制度を理解するうえでは品目の一覧を覚えるだけでは不十分だ。個別表示と一括表示の読み方、添加物に由来するアレルゲン、コンタミネーション、外食・中食の表示対象外というルールも知っておく必要がある。

特にカシューナッツは2028年3月31日まで経過措置が続くため、2026年から2028年にかけては表示の切り替え状況にも注意したい。

食品表示は、単なる商品情報ではない。食物アレルギーのある人が自分に合った食品を選び、安心して食生活を送るための重要な安全情報だ。

消費者庁の最新の食品表示基準や啓発資料を参考にしながら、購入時には毎回ラベルを確認し、外食時には必要な情報を店舗に尋ねる習慣を身に付けたい。

主要な公的根拠資料

- 消費者庁「加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック(令和8年4月版)」— 29品目、表示方法、対象範囲、コンタミネーション対策。
- 消費者庁「アレルゲンを含む食品に関する表示について」(2026年4月1日)— カシューナッツの義務化とピスタチオの推奨表示追加。
- 消費者庁「外食・中食での食物アレルギーについて」— 2026年7月版の消費者向けパンフレットと情報提供の注意点。
- 消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」— 制度改正の履歴と最新情報。

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映画・ドラマの公開情報を担当。配給会社のプレスシートと公式サイト記載を基準に、あらすじと配役をまとめます。

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