赤ちゃんがハイハイをせず、座ったままお尻を使って移動する。抱き上げても足を床につけたがらず、つかまり立ちもしようとしない。こうした動きを見せる赤ちゃんは「シャフリングベビー」と呼ばれることがあります。周囲の赤ちゃんと成長の仕方が違うと、「発達が遅れているのでは」「自閉症などの発達障害と関係があるのでは」と心配になる保護者も少なくありません。
シャフリングベビーは、必ずしも病気や発達障害を意味するものではありません。正常な発達のバリエーションとして見られることも多く、1歳6か月から2歳ごろに歩き始めるケースもあります。一方、運動発達以外の特徴や筋肉の状態によっては、医療機関で確認したほうがよい場合もあります。2026年1月に発表された国内研究や大阪小児科医会、こども家庭庁の資料などを踏まえ、特徴、原因、家族歴、歩き始める時期、自閉症との関係、受診の判断基準を整理します。
【基本知識】シャフリングベビーとは?よく見られる特徴と見分け方

シャフリングベビー(Shuffling Baby)とは、一般的なハイハイをあまりせず、座った姿勢のまま、お尻や両脚を使って移動する赤ちゃんのことです。「いざりっ子」と呼ばれることもあります。
英語の「shuffle」には、足を引きずるように動かすという意味があります。赤ちゃんが床に座り、お尻を左右に動かしたり、両脚で床を蹴ったりしながら前進する姿が名称の由来です。
一般的な赤ちゃんの運動発達では、寝返り、うつ伏せ、ずりばい、ハイハイ、つかまり立ち、伝い歩き、ひとり歩きといった動きが見られます。ただし、すべての赤ちゃんが同じ順序で発達するわけではありません。
シャフリングベビーの場合、ハイハイという段階を経ずに、お尻歩きからつかまり立ち、ひとり歩きへ進むことがあります。
代表的な5つの特徴- ① ハイハイをしない:四つんばいになって手足を交互に動かすより、座ったまま移動することを好む。
- ② お尻歩きをする:両手で床を押したり、片側の手足を使ったりして、お尻をずらしながら進む。
- ③ うつ伏せを嫌がる:腹ばいの姿勢を好最初に、うつ伏せになると泣いたり、すぐに座ろうとしたりする。
- ④ 足を床につけたがらない:抱き上げたり、立たせようとしたりすると、膝を曲げて足を浮かせることがある。
- ⑤ つかまり立ちや歩行が遅め:座って移動する期間が長く、立つことや歩くことを始める時期が遅れる傾向がある。
シャフリングベビーを見分けるうえで大切なのは、ハイハイをするかどうかだけではありません。
特に注目したいのは、足に体重をかけられるか、左右の手足をバランスよく使っているか、座る以外の姿勢でも身体を動かそうとするかという点です。
また、視線が合うか、名前を呼ぶと反応するか、指さしや言葉の理解が育っているかなど、運動以外の発達も一緒に見ていく必要があります。
大阪小児科医会の解説でも、シャフリングベビーには、うつ伏せを嫌がる、寝返りがゆっくり、抱き上げても下肢を伸ばそうとしないといった特徴が紹介されています。ただし、これらは診断を確定する条件ではありません。
【原因を検証】なぜシャフリングベビーになる?家族歴と2026年の最新研究
シャフリングベビーになる原因は解明されている?シャフリングベビーになる原因は、現在の医学でも一つに特定されていません。
正常な発達のバリエーションとして現れるケースがあり、赤ちゃん自身の運動発達の特徴や身体の使い方、運動経験など、複数の要素が関係している可能性があります。
考えられる背景には、次のようなものがあります。
- うつ伏せや腹ばいの姿勢を好まない。
- 座った姿勢で身体を動かすことを早くから身につけている。
- 脚に体重をかけることに慣れていない。
- 筋肉の緊張や身体の使い方に個人差がある。
- 家族の中に同じような運動発達の経過をたどった人がいる。
なお、これらは考えられる背景であり、個々の赤ちゃんに当てはまる原因を示すものではありません。特に、保護者の育児方法だけが原因だと考えるのは適切ではありません。
2026年1月発表の国内研究で分かったこと2026年の最新情報として注目したいのが、医学誌「Pediatrics International」に掲載された、Ryoko Kalmar氏らによる研究「Potential environmental factors influencing the occurrence of bottom shuffling in ordinary infants」です。
同研究は、国内3県の保育施設に通う0歳児・1歳児の保護者241人を対象に、赤ちゃんのお尻歩きと運動発達、保護者の認識などを調査しました。
調査対象のうち、発達障害のない241人中52人、つまり21.6%にお尻歩きが確認されました。お尻歩きを始めた時期は生後6~18か月で、平均は生後8.3か月でした。
加えて、座る姿勢を身につける時期について保護者がどのように認識しているかと、お尻歩きの出現頻度との間にも関連が見られました。
具体的には、寝返りを始めた後に座るようになると考えていた保護者の子どもでは、110人中30人、27.3%にお尻歩きが確認されています。
ただし、この結果は保護者の認識や座る姿勢との関連を示したもので、保護者の対応がシャフリングベビーを引き起こしたと証明したものではありません。質問紙と母子健康手帳の記録を使った調査であり、対象者も限られています。全国の赤ちゃんの発生率として21.6%をそのまま当てはめることもできません。
この研究が示しているのは、赤ちゃんが自分で身体を動かす機会や、うつ伏せなどで全身を使う経験にも目を向ける必要があるということです。
家族歴は関係する?親や兄弟も同じだった可能性シャフリングベビーには、家族の中に似た運動発達の経過をたどった人がいるケースもあります。
小児科医による解説でも、両親や兄弟姉妹など、身近な家族が赤ちゃんのころにハイハイをせず、お尻で移動していた経験がないか確認することが紹介されています。
2021年に医学誌「Brain and Development」に掲載された研究でも、シャフリングベビー48人を対象に、発達の経過や家族歴が調べられました。自閉スペクトラム症と診断されなかった子どもでは、家族にお尻歩きの経験があった割合が39%だったのに対し、自閉スペクトラム症と診断された子どもでは10%でした。
ただし、この研究は発達支援施設を受診した48人を対象にした後ろ向き研究です。家族歴があれば必ずシャフリングベビーになる、あるいは発達障害になりにくいという意味ではありません。
家族歴は診察時に役立つ参考情報の一つとして考えるのが適切です。
【歩き始める時期】シャフリングベビーはいつまで続く?つかまり立ちが遅い場合の目安
歩き始める時期は1歳6か月~2歳ごろが目安シャフリングベビーが歩き始める時期は、一般的な赤ちゃんより遅くなる傾向があります。
大阪小児科医会の解説では、歩き始める時期は1歳6か月~2歳ごろとされています。英国の小児理学療法関連団体などの保護者向け資料でも、お尻歩きをする子どもは18~24か月ごろに歩き始める傾向が紹介されています。
ただし、月齢はあくまでも目安です。1歳6か月を過ぎたからといって、必ずしも異常があるわけではありません。
月齢別に見る発達の目安| 時期 | 見られることがある発達 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 生後6~10か月ごろ | お座りが安定し、お尻で移動し始める | 寝返り、うつ伏せ、手足の動き |
| 生後10~12か月ごろ | お尻歩きが中心で、ハイハイをしない場合がある | 足に体重をかけるか、左右差がないか |
| 1歳~1歳6か月ごろ | つかまり立ちや伝い歩きに進む場合がある | 立つ姿勢、足裏の接地、身体のバランス |
| 1歳6か月~2歳ごろ | ひとり歩きを始める子がいる | 独歩の有無、言葉や理解、全身の発達 |
表は一般的な経過を整理したもので、すべての赤ちゃんがこの順番や月齢で成長するわけではありません。
つかまり立ちが遅いのは問題?シャフリングベビーでは、抱き上げたときに足を床につけたがらなかったり、立たせようとしても膝を曲げたままだったりすることがあります。
これは、座った姿勢で移動することに慣れている赤ちゃんに見られる特徴の一つです。
一方、脚に体重をかけられない状態が続く場合や、足の左右差が目立つ場合は、単なる発達の個性と決めつけないほうがよいでしょう。
特に1歳6か月ごろになっても歩かない場合は、1歳半健診や小児科で相談してください。2歳ごろになってもひとり歩きができない場合も、発達や筋肉、神経の状態を確認することが大切です。
シャフリングベビーはいつまで続く?多くの場合、ひとり歩きができるようになるにつれて、お尻歩きから歩行中心の移動へ変わっていきます。
歩き始めた後は、走る、跳ぶ、階段を上るといった運動能力も成長していきます。
ただし、シャフリングが終わる時期や、その後の運動能力には個人差があります。歩き始めたことだけで発達全体の問題が解決したと判断せず、言葉や社会性なども含めて見守ることが大切です。
【発達障害との関係】シャフリングベビーは自閉症のサイン?研究結果から検証
シャフリングベビーだから自閉症というわけではない保護者が特に気にするのが、自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害との関係です。
まず押さえておきたいのは、お尻歩きをすること自体は、自閉症の診断基準ではないという点です。
シャフリングベビーの多くは、運動発達の個性として説明できるケースがあります。歩行開始が遅いという一つの特徴だけで、発達障害の有無を判断することはできません。
ただし、シャフリングベビーの中に、後から発達障害が確認される子どもがいることも研究で報告されています。
2021年の研究で報告されたASDとの関係名古屋大学などの研究者らによる「Shuffling babies and autism spectrum disorder」は、2021年2月に「Brain and Development」に掲載された研究です。
研究では、2007年4月から2015年3月までにトヨタ市の子どもの発達支援施設を受診したシャフリングベビー48人を対象に、その後の発達経過が調査されました。
追跡期間中に自閉スペクトラム症と診断された子どもは20人で、対象者の42%に相当しました。
この研究で注目されたのは、ASDと診断された子どもと、そうでない子どもでは、乳児期の粗大運動発達に大きな違いが見られなかった一方、初診時の視線の合いにくさや初語の遅れには差が見られたことです。
つまり、運動発達だけでは区別が難しく、社会性や認知、言葉の発達も確認する必要があるという示唆です。
研究の42%という数字をどう受け止めるべき?42%という数字だけを見ると、不安になる可能性があります。しかし、この割合を一般のシャフリングベビー全体に当てはめることはできません。
対象は一般の赤ちゃんを無作為に集めた集団ではなく、子どもの発達支援施設を受診した48人です。もともと発達について心配があり、専門施設を受診した子どもが含まれるため、一般集団よりも発達上の課題を抱える子どもが多かった可能性があります。
この研究から分かるのは、シャフリングベビーという運動パターンだけで発達全体を判断せず、社会性や言語の成長も継続的に確認する必要があるということです。
自閉症との関係を見るときに確認したい特徴運動発達以外では、次のような様子を観察してみましょう。
- 名前を呼んだときに反応するか。
- 家族と視線を合わせたり、表情を共有したりするか。
- 興味のあるものを指さして伝えようとするか。
- 大人が指さした方向を見るか。
- 簡単な言葉や指示を理解しているか。
- 言葉や身ぶりを使って要求や気持ちを伝えようとするか。
これらの項目は、単独で自閉症を診断するためのチェックリストではありません。月齢や個人差を踏まえ、気になる特徴が複数ある場合や成長とともに心配が強くなる場合には、専門家に相談することが大切です。
こども家庭庁の乳幼児健康診査身体診察マニュアルでも、歩行、指示理解、発語、視線などは、発達に関する確認項目として扱われています。
【受診目安】シャフリングベビーで病院に相談したほうがよい症状と1歳半健診
小児科への相談を考えたい5つのサインシャフリングベビーの多くは正常な発達のバリエーションですが、次のような特徴がある場合は小児科で確認してもらいましょう。
① ミルクや食事の飲み込み・食べ方に問題がある
飲む力が弱い、哺乳量が少ない、食べることが極端に難しいなどの様子があれば、運動発達以外の身体的な状態も確認する必要があります。
② 首のすわりや身体の支えが弱い
抱っこすると頭が大きくぐらつく、身体全体が柔らかく力が入りにくい、反対に筋肉が硬く動かしにくいなどの場合は、筋緊張の異常がないか確認が必要です。
③ 左右の手足の使い方に大きな違いがある
片側の手足ばかりを使う、片側に倒れやすい、左右の足の動きが明らかに違う場合は、神経や筋肉、身体の構造などを確認してもらいましょう。
④ 言葉や理解、手指の発達にも遅れが見られる
名前を呼んでも反応が乏しい、簡単な指示が理解できない、手指を使った遊びが発達していないなど、運動以外にも気になる点がある場合は相談の対象です。
⑤ できていたことができなくなった
以前できていた動きや言葉が失われるなど、発達の後退が見られる場合は、健診を待たずに早めに医療機関へ相談してください。
1歳半健診では何を確認する?日本では、母子保健法に基づき、市区町村が1歳6か月児健診と3歳児健診を実施することになっています。
1歳半健診では、身体の成長だけでなく、運動発達、言葉、理解、社会性などを含めて子どもの状態を確認します。
シャフリングベビーの場合は、次の内容を伝えると診察がスムーズになります。
- いつごろからお尻歩きを始めたか。
- 寝返りやお座りができるようになった時期。
- ハイハイをするか、まったくしないか。
- 抱き上げたときに足を床につけるか。
- つかまり立ちや伝い歩きができるか。
- 名前への反応、指さし、言葉の理解などの様子。
- 両親や兄弟姉妹に似た発達の経過があったか。
普段の動きが分かる動画をスマートフォンで撮影しておくのも役立ちます。健診会場では緊張して普段と異なる動きをすることもあるため、自宅での様子を伝えられるようにしておきましょう。
どこに相談すればよい?最初の相談先は、かかりつけの小児科で問題ありません。
必要に応じて、小児神経科、小児リハビリテーション科、発達外来などを紹介してもらえる場合があります。また、自治体の保健センターや保健師にも相談できます。
「もう少し様子を見ましょう」と言われた場合も、いつまで観察するのか、次にどのような状態になったら再受診するのかを確認しておくと安心です。
【家庭での対応】シャフリングベビーの成長を促す遊びと見守り方
うつ伏せを嫌がる赤ちゃんには短時間の床遊びからシャフリングベビーは、うつ伏せの姿勢を嫌がることがあります。
そのため、無理に長時間うつ伏せにするのではなく、赤ちゃんの機嫌がよいときに、短い時間から床で身体を動かす経験を取り入れてみましょう。
保護者が目の前で顔を見せたり、好きなおもちゃを少し前に置いたりすると、自然に手を伸ばすきっかけになります。
うつ伏せ遊びは、赤ちゃんが起きていて、大人が常に見守れる状態で行います。睡眠時は仰向けに寝かせ、うつ伏せのまま寝かせないようにしてください。
手足を使う遊びを取り入れる家庭で取り入れやすい遊びには、次のようなものがあります。
- おもちゃに手を伸ばす遊び:座った状態やうつ伏せの状態で、少し前におもちゃを置いて手を伸ばす機会をつくる。
- 保護者と向き合う遊び:床に座って目線を合わせ、手を伸ばしたり身体を動かしたりすることを促す。
- 安全な床での自由遊び:身体を自由に動かせるスペースを用意し、自分から姿勢を変える機会をつくる。
- 支えを使った立ち上がり遊び:発達段階に合わせて、保護者や安定した低い家具につかまる機会をつくる。
お尻歩きから無理にハイハイへ移行させる必要はありません。赤ちゃん自身が動こうとする意欲を大切にしましょう。
歩行器や無理な歩行練習は必要?歩くのが遅いからといって、歩行器を使って早く歩かせようとする必要はありません。
歩行器は自分の足で立ったり歩いたりする能力を直接身につける道具ではなく、転倒や段差からの転落などの事故につながる危険もあります。英国の小児理学療法関連資料でも、歩行器やジャンパーなどを歩行習得のために使用することは推奨されていません。
また、赤ちゃんの両手を強く引っ張って歩かせたり、嫌がる足を無理に伸ばしたりすることも避けましょう。
家庭での遊びは、あくまでも自然な身体の動きを経験するためのものです。筋肉や神経に問題が疑われる場合は、医師や理学療法士から個別のアドバイスを受けてください。
【よくある質問】シャフリングベビーに関するFAQ
Q1:シャフリングベビーは障害があるということですか?
A1:いいえ。シャフリングベビーは、正常な発達のバリエーションとして見られることがあります。ただし、筋肉の異常や神経系の病気、発達障害などが背景にあるケースもあるため、運動以外の発達も含めて確認することが大切です。
Q2:シャフリングベビーは何歳までに歩きますか?
A2:1歳6か月~2歳ごろに歩き始める傾向があります。ただし個人差があり、すべての赤ちゃんが同じ時期に歩くわけではありません。1歳半健診などで歩行の状況を相談し、2歳ごろになっても歩かない場合は医療機関で評価を受けましょう。
Q3:ハイハイを一度もしなくても大丈夫ですか?
A3:ハイハイを経験せずに、つかまり立ちやひとり歩きへ進む赤ちゃんもいます。ハイハイをしないことだけで異常とは判断できません。ただし、身体の左右差や筋力の弱さなど、ほかの気になる特徴があれば小児科に相談してください。
Q4:シャフリングベビーと自閉症には関係がありますか?
A4:一部の研究では、シャフリングベビーの中に後から自閉スペクトラム症と診断された子どもが報告されています。ただし、シャフリングだけで自閉症とは判断できません。視線、言葉、指さし、対人反応なども含めて発達を確認する必要があります。
Q5:シャフリングベビーは遺伝しますか?
A5:家族の中に同じような発達経過をたどった人がいるケースは報告されています。ただし、単純な遺伝形式や、家族歴だけで将来の発達を予測できることは確立されていません。親や兄弟の乳児期の様子は、診察時の参考情報になります。
Q6:うつ伏せを嫌がる場合、練習させたほうがよいですか?
A6:無理に長時間練習させる必要はありません。起きている時間に、大人が見守りながら短時間の床遊びを取り入れ、赤ちゃんの様子に合わせて少しずつ身体を動かす機会を増やしましょう。
Q7:1歳半健診で歩いていなかったら、すぐに異常と診断されますか?
A7:歩いていないという理由だけで、すぐに病気や発達障害と診断されるわけではありません。筋肉の状態や立つ姿勢、言葉や理解などを総合的に確認し、必要に応じて追加の診察や経過観察を行います。
シャフリングベビーは、ハイハイをせずに座ったままお尻を使って移動する赤ちゃんのことです。うつ伏せを嫌がる、足を床につけたがらない、つかまり立ちが遅いといった特徴が見られることがあります。
多くは発達の個性として捉えられ、1歳6か月~2歳ごろに歩き始める傾向があります。ハイハイをしなかったからといって、その後の発達に必ず問題が生じるわけではありません。
2026年の国内研究では、一般的な発達を示す赤ちゃんにもお尻歩きが見られることや、赤ちゃん自身の運動経験、座る姿勢をめぐる環境との関連が検討されています。また、過去の研究では、シャフリングベビーの一部で自閉スペクトラム症が確認されており、視線や言葉など運動以外の発達も見る必要性が示されています。
保護者が意識したいのは、歩き始める月齢だけで子どもの成長を評価しないことです。
足に体重をかけられるか、左右の手足を使えているか、視線や言葉の発達はどうか。こうした複数の要素を合わせて見ることで、個性として見守れる状態なのか、専門家に相談したほうがよい状態なのかを判断しやすくなります。
周囲の赤ちゃんと比べて焦る必要はありません。一方、気になる症状を我慢して健診まで待つ必要もありません。迷ったときは小児科や自治体の保健師に相談し、その子に合った見守り方や支援につなげていきましょう。
主な参照資料
- 大阪小児科医会「いざりっ子(シャフリングベビー)」
- 2026年発表、Kalmar・Umezawa「Potential environmental factors influencing the occurrence of bottom shuffling in ordinary infants」
- 2021年発表「Shuffling babies and autism spectrum disorder」
- こども家庭庁「乳幼児健康診査身体診察マニュアル」「乳幼児健診に関する取組み」
- Association of Paediatric Chartered Physiotherapists(APCP)保護者向け資料
- 米国CDC「Milestones by 18 Months」