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【長野県高校いじめの最新統計】令和6年度の認知件数と不登校の実態

星川 美空 星川 美空 • 更新: • 公開: • 読了約 15 分
目次

今回の重大事態を長野県全体の教育環境の中で考えるには、いじめの認知件数と不登校の実態を把握する必要がある。

長野県教育委員会が公表している令和6年度の調査結果は、2026年11月時点で確認できる最新の県内統計資料だ。

長野県のいじめ認知件数は9,633件

令和6年度の長野県内の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校におけるいじめ認知件数は、合計9,633件だった。

前年度の10,067件から434件減少している。

一方、高等学校だけを見ると、次のような推移になっている。

- 令和4年度:180件
- 令和5年度:184件
- 令和6年度:167件

高校の認知件数は前年度より17件減少した。

また、1,000人当たりのいじめ認知件数は、長野県が45.5件、全国が61.3件だった。

出典:長野県教育委員会「令和6年度 いじめの状況について」

高校の不登校生徒数は743人

同じ令和6年度調査では、長野県内の高校における不登校生徒数は743人だった。

前年度から102人減少し、2年連続の減少となっている。

ただし、この743人は、いじめだけを理由に不登校になった生徒の数ではない。学校生活への不適応、家庭環境、心理的な問題など、さまざまな事情を含む不登校全体の人数だ。

したがって、いじめ認知件数167件と不登校生徒数743人を、そのまま結び付けて解釈することはできない。

それでも、学校に通えなくなった生徒が県内に相当数いる事実は重い。いじめの被害が疑われる場合には、欠席日数だけでなく、本人がどのような気持ちで学校に行けなくなったのかを把握する必要がある。

全国の重大事態も過去最多を記録

文部科学省が公表した令和6年度の全国調査では、いじめ認知件数は約76万9,000件に達した。

そのうち、重大事態の発生件数は1,405件で、過去最多だった。

高校だけの問題ではなく、学校全体でいじめの早期発見と適切な対応を進める必要性が高まっている。

ここで注意したいのは、認知件数が少ない学校ほど安全だと単純には判断できないことだ。

文部科学省は、初期段階の小さな事象も積極的に認知する姿勢を重視している。件数の減少が予防的な指導の成果なのか、発見や報告が十分でなかった結果なのかは、別の観点から検証しなければならない。

長野県でも、高校の認知件数が減少したという数字だけで安心するのではなく、相談しやすい環境や、被害を訴えた生徒への支援が機能しているかを確認することが大切だ。

【見落とされやすい問題】傍観者・学校の責任・ネットいじめ対策

長野県高校いじめ

今回の長野県立高校の問題には、いじめを行った生徒と被害を受けた生徒だけでは説明できない、学校集団の構造的な問題がある。

傍観者や周囲の生徒も無関係ではない

集団の中で一人が攻撃されているとき、周囲には複数の立場が生まれる。

- 直接質問や攻撃的な言動をする生徒
- 笑ったり、はやし立てたりする生徒
- 問題に気付いていても何も言えない生徒
- 状況を把握しながら介入できない教職員

今回の事案については、報道で、質問した上級生らだけでなく、笑ったり、はやし立てたりした生徒も「いじめの観衆」と位置付けられたと伝えられている。

この問題が示すのは、いじめが必ずしも加害行為を直接行った人だけで成立するわけではないということだ。

大勢の前で一人を追い詰める空気が形成されれば、周囲の反応も被害を深刻化させる要因になり得る。

一方、何も言えなかった生徒と積極的に加勢した生徒を一律に扱うことも適切ではない。恐怖や立場の違いによって声を上げられなかった生徒への配慮も必要になる。

教職員には必要な場面で介入する責任がある

生徒会活動では、生徒の自主性を尊重することが基本となる。

しかし、自主性を尊重することと、教職員が何もしないことは同じではない。

今回の件について、長野県教育委員会は公式回答で、生徒の自治的活動を尊重する一方、教職員による必要な支援や指導も重要だと説明している。

特に生徒総会のように、多数の生徒が集まり、発言の影響が広がりやすい場面では、次のような対策が考えられる。

1. 議長や教職員が質問の内容と進行を管理する。
2. 議題から逸脱した個人攻撃を認めない。
3. 特定の生徒に質問が集中した場合は、進行を中断する。
4. 発言者と対象者の双方から個別に事情を聞く。
5. 総会終了後も心理的な負担がないか確認する。

こうした対策は、生徒の自由な意見表明を妨げるためのものではない。誰もが安心して意見を述べられる環境を守るための仕組みだ。

高校のネットいじめにも注意が必要

今回の生徒総会の事案は、報道・公表資料上、SNS上の攻撃が発端とされたものではない。

ただし、高校生の人間関係では、学校内でのトラブルがSNSやグループチャットに持ち込まれる危険もある。

例えば、次のような行為が問題になる。

- 特定の生徒を侮辱するメッセージをグループに投稿する。
- 本人の写真や個人情報を無断で共有する。
- SNSで悪口や誹謗中傷を繰り返す。
- 特定の生徒だけをグループから排除する。
- 学校内の出来事を動画や画像で拡散する。

長野県教育委員会は2026年3月に改訂したいじめ対応マニュアルで、SNS・デジタルリスクへの対応も取り上げている。

具体的には、ネット上の誹謗中傷の危険性を具体例で教えること、書き込みは消えないことや匿名でも責任があることを理解させること、専門機関との連携を進めることなどが示されている。

また、SNS上のトラブル相談先として「信州ネットトラブルバスターズ」も案内されている。

【長野県高校いじめの相談窓口】本人・保護者が利用できる支援先

いじめの問題では、被害を受けた本人が学校に相談できないケースもある。

担任や学校に話すことが難しい場合は、学校外の相談窓口を利用する方法がある。

長野県では、県教育委員会や子ども支援センターなどが複数の相談先を設けている。

1.学校生活相談センター(24時間子どもSOSダイヤル)

24時間・年中無休・無料


長野県教育委員会 学校生活相談センター

0120-0-78310


なやみいおう
- 対象:長野県内に在住する児童生徒・保護者など
- 受付:毎日24時間
- 匿名相談:可能
- メール:gakko-sodan@pref.nagano.lg.jp
急ぎの場合は電話相談が案内されている。

いじめや不登校など、学校生活に関する悩みを相談できる。相談内容のプライバシーも守られるとしている。

2.長野県子ども支援センター

子ども本人だけでなく、保護者からの相談にも対応する窓口だ。


子ども専用ダイヤル

0800-800-8035


通話無料
大人用ダイヤル

026-225-9330


- 受付:月曜日~土曜日
- 時間:10時~18時
- 日曜・祝日・年末年始は休み
- メール:kodomo-shien@pref.nagano.lg.jp

いじめや体罰など、子どもの人権侵害に関する相談も受け付けている。

解決が難しい人権侵害案件については、長野県子ども支援委員会への申し出につながる仕組みもある。

3.学校内のスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー

学校生活相談センター以外にも、学校に配置されるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを利用する方法がある。

スクールカウンセラーは心理面の支援、スクールソーシャルワーカーは家庭・学校・福祉機関などとの連携を支援する役割を持つ。

本人が担任に相談することを望まない場合でも、養護教諭や管理職、別の教職員など、複数の相談先を検討できる。

相談するときに準備しておきたいこと

いじめの相談では、被害を受けた本人や保護者が、すべての事実を整理してから相談する必要はない。

ただし、可能であれば次の情報を記録しておくと、その後の対応が進めやすくなる。

- いつ、どこで、何が起きたのか
- 関係した生徒や教職員
- その場にいた目撃者
- 欠席や体調の変化
- 学校に相談した日時と回答内容
- SNSやメッセージなどの関連記録

ネット上の被害については、投稿画面や日時が分かるスクリーンショットなどを保存しておくことも有効だ。

何より優先されるのは、本人の安全と心理的な負担の軽減である。学校との話し合いが難航している場合も、学校外の窓口に相談して構わない。

【プロの結論】長野県高校いじめ問題から考える3つの再発防止策

今回の事案から見えてくるのは、いじめ対策を校内アンケートや事後の聞き取りだけに頼ってはいけないということだ。

特に、生徒会活動のように生徒の自主性が重視される場面では、学校側の適切な支援と介入が欠かせない。

1.生徒総会の運営ルールを明確にする

生徒会活動では、意見の対立や厳しい質問そのものを禁止する必要はない。

しかし、議論の対象は議題や学校運営上の問題であり、個人の人格や存在を攻撃することではない。

質問の方法、発言時間、議長の役割、教職員が介入する基準を明確にすることが必要だ。

2.いじめの認知後は記録と情報共有を徹底する

学校内でいじめの疑いが生じたとき、担任や一部の教職員だけで対応する体制には限界がある。

長野県教育委員会の2026年改訂マニュアルでも、初動対応の迅速化、仮判断、情報共有、被害・加害双方への心理的ケア、関係機関との連携が重視されている。

アンケートや聞き取りの記録を適切に保存し、管理職や校内いじめ対策委員会で共有することが欠かせない。

3.調査結果を県内の高校全体に還元する

今回の調査が一つの学校の問題として終われば、同じ構造の問題が別の学校で起きる可能性が残る。

長野県教育委員会は、第三者調査委員会の提言を各校で共有し、再発防止、教職員の対応力向上、生徒支援に活用する方針を示している。

重要なのは、報告書を公開することだけではない。

- 生徒総会や生徒会活動の運営方法を見直す。
- いじめの観衆や傍観者への教育を充実させる。
- 教職員向けの研修を実施する。
- 被害生徒の学習機会を確保する。
- 被害生徒への心理的ケアを継続する。
- 改善策が実際に機能しているか検証する。

こうした取り組みを継続して初めて、再発防止策は実効性を持つ。

【長野県高校いじめ】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:長野県立高校の生徒総会で起きたいじめはいつ発生した?

A1:2025年11月。県立高校の生徒総会で、特定の生徒に対して議題と関係のない質問を含む多数の質問が集中した。学校は同年12月にいじめと認定した。

Q2:長野県教育委員会が重大事態と認定したのはいつ?

A2:2026年7月2日。県教委は、心理的苦痛と欠席の継続を伴う事案について、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態と判断した。

Q3:いじめ重大事態の調査結果は公表されている?

A3:2026年11月3日時点で、確認できる県の公開資料には最終的な調査結果や提言の公表は示されていない。8月27日更新の県民ホットラインの回答では、第三者調査委員会による調査を進めていると説明されている。

Q4:長野県の高校で認知されたいじめは何件?

A4:令和6年度は167件。前年度の184件から17件減少した。なお、県内の全校種を合わせた認知件数は9,633件だった。

Q5:長野県でいじめや不登校について相談できる窓口は?

A5:長野県教育委員会の学校生活相談センターがある。電話番号は0120-0-78310で、24時間365日相談できる。匿名での相談も可能だ。

長野県の県立高校で発生した今回のいじめ事案は、2025年11月の生徒総会での出来事から始まり、学校によるいじめ認定、保護者からの重大事態調査の申し立てを経て、2026年7月2日に県教育委員会が重大事態と判断する段階に至った。

問題の本質は、特定の生徒に質問が集中したことだけではない。周囲の生徒の反応、教職員の介入、学校の初動対応、被害生徒への継続的な支援など、学校全体の対応が問われている。

長野県の令和6年度の統計では、高校のいじめ認知件数は167件、高校の不登校生徒数は743人だった。いずれも背景の異なる事案を含む数字だが、早期発見と継続的な支援が必要な生徒がいることを示している。

今後、特に注目すべきなのは次の3点だ。

1. 第三者調査委員会が明らかにする生徒総会当日の状況と学校の対応。
2. 被害生徒への学習保障や心理的ケアがどのように継続されるか。
3. 調査結果を県内の高校に共有し、具体的な再発防止策につなげられるか。

【プロの結論】 いじめ対策の成否を判断する基準は、認知件数の増減だけではない。被害を訴えた生徒が安心して学校生活を送れるようになったか、学校が問題を早期に把握して適切に介入できたか、同じ問題を防ぐ仕組みが整ったか。この3点こそが重要だ。

第三者調査委員会の最終報告と、長野県教育委員会が示す再発防止策は、今回の問題の検証にとどまらず、県内の高校における生徒の権利と心理的安全性を考えるうえでも、大きな意味を持つことになる。

主な参照資料:長野県教育委員会「報道のあった県立高校いじめ事案について」(2026年7月2日)、「学校生活相談センター」(2026年3月30日更新)、「令和6年度 いじめの状況について」、長野県いじめ対応マニュアル(2026年3月改訂)、文部科学省「いじめ防止対策推進法」関連資料。

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星川 美空

アイドルと音楽を担当。公式スケジュール、リリース情報、本人の発表を突き合わせてから記事を構成します。

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